SEOの検索クエリとは?種類や調べ方、分析方法を紹介
検索クエリは、ユーザーの検索意図を把握するために活用され、自社サイトのSEO対策を効果的に進める際に重要な役割を果たします。
この記事では、SEO対策で用いられる検索クエリとは何かを、キーワードとの違いや種類、活用場面、ツール別の調べ方などと合わせて詳しくご紹介します。
SEO対策で用いられる検索クエリとは
検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンに入力する語句を指し、「カフェ」のような1単語だけでなく、「カフェ 東京」「カフェ 東京 安い」など複数の単語を組み合わせた語句も含まれます。
検索クエリは、ユーザーがどのような意図で検索しているのか、どのような情報を求めているのかを探るうえで役立つ要素です。
検索クエリの重要性
検索クエリは、先述のとおりユーザーの検索意図を理解するために重要な要素です。
例えば、「カフェ 東京 安い」で検索した場合、「ユーザーは都内でメニュー価格の安いカフェを探しているのではないか」と検索意図を推測できます。
このように、検索クエリからユーザーの検索意図を読み取り、意図に沿ったコンテンツを作成することで、検索エンジンから高い評価を得られるでしょう。上記の「カフェ 東京 安い」の場合は、都内の低価格帯のカフェを予算別にピックアップした記事を作成したり、〇〇円以下で過ごせる都内のカフェをピックアップした記事を作成したりするなどのコンテンツが考えられます。
検索クエリとキーワードの違い
検索クエリと似た要素として「キーワード」があります。先述のとおり、検索クエリはユーザーが検索時に入力する語句のため、ひとつの検索意図に対し、さまざまな語句が想定されます。一方でキーワードは、特定の検索意図を持つユーザーにアプローチするために用いられる語句を指します。検索クエリはユーザーによって入力内容がさまざまであり、誤字脱字がある語句や長文、表記ゆれなども該当します。
検索クエリとキーワードの例は、次のとおりです。
検索意図 | 検索クエリ | キーワード |
営業事務の業務を 代行してもらいたい |
営業事務 委託 営業事務の代行会社 営業事務 外注 |
営業事務 代行 |
無料のSEO対策ツールを 探している |
SEO 無料ツール SEO対策 無料 無料のSEO対策おすすめツール |
SEO対策 ツール 無料 |
検索クエリの種類
検索クエリは、ユーザーの検索意図によって「Doクエリ(やりたい)」「Knowクエリ(知りたい)」「Buyクエリ(買いたい)」「Goクエリ(行きたい)」の4種類に分けられます。それぞれについて詳しくご紹介します。
Doクエリ
Doクエリには「〇〇をやりたい」という行動に関する意図が含まれた検索クエリが当てはまります。
例えば、「美容室 予約」「パンフレット印刷 見積もり」「パソコン 修理」などの検索クエリがあげられます。
Doクエリでは、ユーザーの「〇〇をやりたい」という行動意欲が高いことが見込まれるため、予約や購入、ダウンロードなどのアクションに至りやすい傾向があります。そのため、直接購入などのコンバージョン(CV)につなげられるよう広告出稿する企業も多く、SEO対策だけでの上位化が難しいケースもあるため、注意が必要です。
Knowクエリ
Knowクエリには「〇〇を知りたい」という情報収集を目的とした検索クエリが当てはまります。
例えば、「SEO対策とは」「Excel VLOOKUP 使い方」「アメリカ 飛行時間」「梅雨 いつから」などの検索クエリがあげられます。
Knowクエリで検索するユーザーは、クエリに含まれる語句について知りたいと思っているため、クエリに対する答えを示したコンテンツの作成がおすすめです。また、信頼できない情報元を参考にしたり、誤った情報を記載したりすることでユーザーや検索エンジンから低品質なコンテンツと見なされてしまうため、注意が必要です。
Buyクエリ
Buyクエリには、ユーザーが購入を検討している段階で用いられる検索クエリが当てはまります。
例えば、「顧客管理システム おすすめ」「画像編集ソフト 人気」「大阪 会社用 お土産」などの検索クエリがあげられます。
Buyクエリで検索するユーザーは、購入を検討している、もしくはほかの商品やサービスと比較検討している段階になるため、購買意欲がある程度高く、アプローチ次第で購入へつなげられる可能性があります。お得なキャンペーンや割引情報、口コミや体験談を含んだコンテンツなどを提供することで、ユーザーの購入を後押しできるでしょう。
Goクエリ
Goクエリには、ユーザーが「〇〇のページへアクセスしたい」という意図を持った際に用いられる検索クエリが当てはまります。
例えば、「Apple 問い合わせ」「Microsoft ヘルプ」「近くのコンビニ」「〇〇病院 行き方」などがあげられます。
Goクエリでは、企業名やWebサイト名を含んだ「指名検索」で行われることが多いです。そのほかにも近所の店舗や病院などを調べたり、道順を調べたりする際にもGoクエリが用いられるため、ユーザーが理解しやすい道順を示したコンテンツなどを用意するとよいでしょう。
検索クエリの活用場面
検索クエリは、SEO対策やリスティング広告において活用できます。具体的な活用例については、次のとおりです。
SEO対策での活用例
SEO対策を行う際に検索クエリを活用することで、ユーザーの検索意図やニーズに沿った良質なコンテンツを作成できるようになります。このように、検索クエリはコンテンツSEOを行ううえで重要な役割を果たします。
例えば、公開済みのコンテンツにおいて、本来狙っていなかった検索クエリでの流入が多かった場合、クエリの内容に合わせてユーザーがアクションを起こしやすい導線を用意したり、新たなコンテンツを作成して内部リンクで誘導したりするなどの施策が行えます。これによりユーザーにとってより有益なコンテンツを作成でき、検索上位化を狙いやすくなるでしょう。
また、特定のコンテンツの検索クエリにおいて、表示回数に対しクリック率(CTR)が低かった場合、タイトルや見出し、導入文、メタディスクリプションなどにクエリの語句を含んだり、検索意図に沿った内容に修正したりといったリライトもおすすめです。
リスティング広告での活用例
リスティング広告は、検索結果に表示される広告を指します。リスティング広告からコンバージョンにつなげるためには、ユーザーの検索意図に沿ったキーワード選定が重要となります。
Google 広告では、コンバージョンにつながった検索クエリを確認できます。これらの検索クエリをもとに関連するキーワードを追加することで、より見込みの高いユーザーに対してアプローチでき、コンバージョン率(CVR)の向上も期待できるでしょう。
なお、検索クエリはキーワードの追加以外に、不要なキーワードを除外する際にも役立ちます。Google 広告では検索クエリごとに消化金額を確認できるため、売上に貢献しておらず予算を浪費しているキーワードを除外することで、費用対効果の改善につながります。
検索クエリの調べ方
検索クエリは、Google サーチ コンソールやGoogle 広告、GA4、Yahoo!広告などで調べられます。ここでは、それぞれの確認方法をご紹介します。
Google サーチ コンソールでの調べ方
Googleサーチコンソールでの調べ方は、次のとおりです。
1.「検索パフォーマンス」内の「検索結果」をクリックする
2.「+新規」をクリックする
3.「ページ」をクリックする
4.検索クエリを確認したいページのURLを入力する
5.「クエリ」欄を確認する
Google 広告での調べ方
Google 広告での調べ方は、次のとおりです。
1.「キャンペーン」から該当のキャンペーンをクリックする
2.メニューから「キーワード」をクリックする
3.「検索語句」をクリックする
GA4での調べ方
GA4での調べ方は、次のとおりです。
なお、GA4で検索クエリを調べる際は、あらかじめGA4とGoogle サーチ コンソールを連携させる必要があるため、ご注意ください。
1.「レポート」をクリックする
2.「Search Console」内の「クエリ」をクリックする
3.「Googleのオーガニック検索クエリ」欄を確認する
Yahoo!広告での調べ方
Yahoo!広告での調べ方は、次のとおりです。
1.広告管理ツールから「検索広告」をクリックする
2.「全てのキャンペーン」をクリックする
3.「キーワード」から「検索クエリー」をクリックする
検索クエリを分析する方法
ここまで、検索クエリを確認する方法をご紹介しました。検索クエリは、ただ把握するのではなく分析も行うことでユーザーの検索意図を正確に理解できるでしょう。
「他の人はこちらも検索」「関連する質問」を活用する
Googleでの検索結果には、通常の検索結果と合わせて「他の人はこちらも検索(PASF)」「関連する質問(PAA)」が表示されます。
「他の人はこちらも検索」には検索クエリに合わせてよく検索される語句を表示しており、「関連する質問」には、検索クエリに対して検索エンジンが予想した質問内容を表示しています。
これらの要素も参考にすることで、ユーザーの知りたいことや求めている情報をコンテンツに含められ、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを作りやすくなります。
サジェストを確認する
検索エンジンにクエリを入力すると、サジェストとしてユーザーがよく検索するクエリが合わせて表示されます。例えば、「就活」と入力すると「就活 証明写真」「就活 いつから」などのサジェストが表示されます。このとき、就活に適した証明写真の準備の方法や、就活の開始時期などに関する内容をコンテンツに含めることで、ユーザーのニーズを満たせるでしょう。
なお、サジェストには自身の過去の検索履歴も反映した内容が表示されるため、履歴を記録しないシークレットブラウザでの調査をおすすめします。
Q&Aサイトを活用する
Yahoo!知恵袋や教えて!goo、OKWAVEなどのQ&Aサイトで検索クエリに関連する質問を検索することで、ユーザーがどのようなことを知りたいのか、どのような回答を求めているのかなどを分析しやすくなります。関連する質問や他の人はこちらも検索、サジェストでは表示されなかった疑問やニーズを見つけられる可能性もあるため、Q&Aサイトの活用もおすすめします。
SNSで調査する
検索クエリに対してどのようなユーザーが検索するのか、ユーザー属性を理解するためにはXやInstagramなど、SNSの活用がおすすめです。例えば、Xの検索ボックスに検索クエリを入力して調べることで、関連ポストを確認できます。ポストからユーザーのプロフィールへアクセスすることもできるため、どのような年代・性別・興味関心を持つユーザーが検索クエリに関する内容を投稿しているのかを把握しやすくなります。
検索クエリだけでは検索意図が理解できなかったときの対処法
検索クエリでは、単体で検索意図を理解できるものもあれば、クエリ単体では検索意図が多岐にわたり正確に把握できないものもあります。特に「パソコン」のようなビッグキーワードの場合は検索意図を絞り込みにくく、「パソコン ケース 13.3インチ」のようなスモールキーワードのほうが検索意図を明確にしやすい傾向があります。
検索クエリだけでは検索意図が理解できなかったときの対処法は、次のとおりです。
Yahoo!知恵袋検索を行う
Yahoo!JAPANのトップページでは、通常の検索や画像検索以外に「知恵袋」の検索が可能です。知恵袋検索を行うことで、検索結果には知恵袋での質問に絞り込んだ結果が表示されるため、検索クエリに関連するさまざまな質問を確認できます。
Yahoo!知恵袋ではユーザーのリアルな声や疑問を把握しやすいため、検索意図の理解やコンテンツ内容のブラッシュアップに役立つでしょう。ただし、質問・回答は匿名で行えるうえに、専門的な知識を持たない一般ユーザーからの回答も多いため、すべての情報をうのみにせず信頼できる内容のみ参考にするとよいでしょう。
検索結果や競合サイトを確認する
検索クエリを実際に検索エンジンに入力して検索した際の検索結果から、検索意図を探るのもおすすめです。先述した関連する質問や他の人はこちらも検索、サジェストと合わせて、検索結果に表示される競合サイトも確認するとよいでしょう。競合サイトで共通して述べられている内容は特に検索クエリに対して重要な要素となるため、コンテンツに欠かさず盛り込みつつ、自社サイト独自の内容も含めることでオリジナリティのあるコンテンツを作成できます。
ペルソナを設定する
ペルソナを設定することで、ユーザーがどのような物事に興味関心があるのか、どのような課題やニーズを抱えているのかを理解しやすくなります。ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用するターゲット情報を詳細に設定したものを指します。
先述したSNSなどから得られる情報も参考にしながら、自社サイトを訪れるユーザーがどのような人物像なのかを細かく設定することで、検索クエリそれぞれに対する検索意図を把握できる場合があります。
また、ペルソナを設定することで自社サイトの方向性や、どのようなコンテンツを多く提供するかなどの運用方針も定めやすくなります。そのため、ユーザー目線に立ったサイト設計やコンテンツの提供が行えるでしょう。
検索クエリの調査に役立つツール
検索クエリを調べる際には、先述したGoogle サーチ コンソール、GA4、Google 広告、Yahoo!広告などがあげられます。
なお、SEO対策を行う際にはこれらのツール以外にもさまざまな便利なツールが有料・無料問わず提供されています。
上記のツールと合わせて使用することで、効率よくSEO対策を行い自社サイトの評価を高められるでしょう。
まとめ
この記事では、SEO対策で用いられる検索クエリとは何かを、キーワードとの違いや種類、活用場面、ツール別の調べ方などと合わせて詳しくご紹介しました。
検索クエリは、ユーザーの目線に立ったコンテンツを提供するために重要な要素で、検索意図の把握に役立ちます。
検索結果やサジェスト、Q&Aサイト、SNSなども活用しながら、ユーザーの検索意図を理解したうえで適切なコンテンツを作成しましょう。