ビッグキーワードとは?コンテンツ作成のポイントを解説
この記事では、ビッグキーワードでSEO対策を行うメリットやデメリット、コンテンツの作成手順、SEO対策のコツなどをご紹介します。ビッグキーワードは上位化した際に得られるメリットが大きい点が特長ですが、Webサイトを立ち上げたばかりの方や、初心者の方にとっては難易度が高く効果を感じづらい点に注意が必要です。
本記事では、どのくらいの月間検索回数のキーワードから狙っていくのがおすすめかなど、初心者の方でも取り組みやすいSEO対策方法についてご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
ビッグキーワードとは
ビッグキーワードとは、月間検索回数が多いキーワードを指し、月間で1万回以上検索されているキーワードが該当します。例えば、ビッグキーワードは「マーケティング」や「集客」「SNS」「ライティング」など1つの単語で構成されていることが多いです。多くのユーザーに検索されるキーワードのため、検索結果の上位に表示された際に得られるメリットは大きいですが、競合も多く、それぞれのサイトの権威性や専門性も高いため上位化の難易度が高い点に注意が必要です。
ミドルキーワードとの違い
ミドルキーワードは、月間検索回数が1,000~1万回前後のキーワードを指します。例えば「SNS アイコン」「マーケティング 資格」など2つの単語で構成されていることが多いです。ユーザーニーズはビッグキーワードに比べてやや絞られますが、月間検索回数は少なくないため、立ち上げたばかりのオウンドメディアに記事を掲載する場合などは、競合サイトが強く上位化しづらい可能性があります。
スモールキーワードとの違い
スモールキーワードは、月間検索回数が1,000回未満のキーワードを指します。例えば、「SNS アイコン フリー 動物」や「マーケティング 資格 就職」など、3つ以上の単語で構成されていることが多いです。キーワードの単語数が多い分ユーザーニーズがある程度絞り込まれており、ユーザーへアプローチしやすい点が特長です。ビッグキーワードやミドルキーワードに比べてユーザーから検索される頻度は少ないものの、キーワードによっては競合が少なく上位化が狙いやすい場合や、特定のニーズを持つユーザーを狙ってCV(コンバージョン)を獲得しやすい場合があります。
ビッグキーワードでSEO対策するメリット
ビッグキーワードのコンテンツが上位化することで、次のようなメリットが得られます。
認知度の向上
ビッグキーワードは多くの人に検索されるキーワードのため、上位化することでインプレッションが増加します。このとき、自社の社名や商品・サービス名が多くのユーザーの目に入ることになるため、認知度の向上にもつながるでしょう。ユーザーからコンテンツの質が評価され、社名や商品・サービス名をキーワードに含んだ「指名検索」の検索回数も増えていくとブランディングにもつながり、自社のファンの獲得や、売上や利益の向上も期待できます。
アクセス数の増加
コンテンツのCTR(クリック数)は、日本では1位のコンテンツで14%※ほどといわれています。ビッグキーワードで1位を獲得した場合、月間検索回数が20,000のキーワードの場合は2,800件のアクセスの獲得が期待できます。ビッグキーワードで上位化を狙うことは難しいものの、実際に上位化された際は大幅なアクセス数の増加が見込まれるため、先述した認知度やブランディングの面でも効果的でしょう。
CTRについては、以下の記事でもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
CTR(クリック率)とは?計算方法や改善のコツを解説
※参考:CTR Research Study(seoClarity)
CV(コンバージョン)数の増加
アクセス数が増加し、自社サイトへの流入が増えることで、CV数の増加が期待できます。ビッグキーワードでは、スモールキーワードに比べて情報収集程度の関心度でサイトを訪れるユーザーも多いです。しかし、アクセス数はスモールキーワードに比べて大幅に増加するため、CVR(コンバージョン率)に変化がない場合も、CV数自体は増えるケースもあります。
ビッグキーワードでSEO対策するデメリット
ビッグキーワードでのSEO対策は、ここまでご紹介したようなメリットがある一方で、競合が強い・結果が出づらいといったデメリットもあげられます。
検索意図がわかりづらい
1単語で構成されていることが多いビッグキーワードでは、キーワード1つでユーザーが何を意図して検索しているかが判断しづらいことが多いです。例えば「マーケティング」というキーワードを狙う際、「マーケティングという言葉の意味が知りたい」「マーケティングでは何を行うのか」「マーケティングに必要なスキルは何か」など、さまざまな意図を持ったユーザーが検索することが予測されます。そのため、せっかくコンテンツを作成しても、ユーザーの検索意図にそぐわず評価されないケースもあります。
競合が強いことが多い
ビッグキーワードで上位化されている企業は、すでにGoogleから高い評価を得たサイトを以前から運営している上場企業や大企業であることが多いです。Googleでは、サイトの運営年数や更新頻度なども加味して検索順位を判断するといわれています。これらの企業では多くのSEOに関するノウハウや、コンテンツ制作にかけるリソースや時間、予算を十分に費やし万全な体制であることも多いでしょう。このような企業のサイトが並ぶ検索順位を覆すことは難易度が高いため、なかなか上位表示できない可能性があります。
すぐに結果が出ない
Googleのクローラー(各ページの情報を確認するロボット)がページを巡回する際、コンテンツを公開してから数日~数週間かかります。また、立ち上げたばかりのWebサイトの場合は、コンテンツの数が少なくGoogleからの信頼も得られていないため、さらに結果を出しづらいでしょう。先述のとおり、ビッグキーワードの競合には大企業や老舗企業のコンテンツが数多く存在するため、上位化の難易度が高いです。短期で結果を出したいという場合は、ビッグキーワードでのSEO対策では思うような効果が得られない可能性があります。
初めはスモールキーワードから狙う
サイトを立ち上げたばかりのときや、SEO対策を初めて行うときなどは、いきなりビッグキーワードを狙うのではなく、スモールキーワードから始めるのがおすすめです。
競合が少なく上位化させやすい
スモールキーワードは月間検索回数が少なく、同様のキーワードを狙う競合サイトの数も少ないため上位化させやすい点が特長です。競合が少ないと、その分SEO対策の難易度も下がるため、初心者でも検索上位を狙いやすいでしょう。まずはスモールキーワードで質の高いコンテンツを作り、地道にサイトの評価を蓄積し、サイトをある程度育ててからビッグキーワードを狙うことをおすすめします。
CVが狙いやすい
スモールキーワードを検索するユーザーは、明確な検索意図や意志を持って検索していることが多いです。例えば「不動産 営業 ツール」といったキーワードでは、ユーザーが不動産企業向け営業支援ツールを探していると想定できます。そこで不動産企業での利用に適した営業支援ツールを紹介するコンテンツを用意した場合、そのまま興味を持ったユーザーがツールの導入に踏み切ったり、資料請求を行ったりするなどCVにつながる可能性があります。スモールキーワードでコンテンツを作成する際は、適切な導線を設置することでCV数の増加が期待できます。
ターゲットの意図をくみ取りやすい
先述のとおり「不動産 営業 ツール」などのスモールキーワードでは、ユーザーが何を思って検索したのか、キーワードの単語の並びから検索意図が判断しやすいことが多いです。ビッグキーワードでは抽象的なキーワードが多く、どのようなコンテンツが適切か判断しづらいケースも多かったものの、スモールキーワードでは求められているコンテンツを判断しやすいため、コンテンツの内容に悩むことなく効率的に作成できるでしょう。また、検索意図に沿ったコンテンツを作成することで、Googleからの評価も得やすくなります。
ビッグキーワードでのコンテンツ作成手順
ビッグキーワードでのコンテンツを作成する手順は、次のとおりです。
1.ターゲット設定とキーワード選定
まずはどのようなターゲットに向けたコンテンツを作成するのか、どのようなキーワードで狙うのかを決めます。ターゲット設定とキーワード選定は、次のような項目をもとに順番に進めます。
- どのようなユーザーに向けてコンテンツを提供するか
- ユーザーの検索意図
- ユーザーがどのような情報を求めているか
- どのようなキーワードで流入があると、CVにつながりそうか
4点目のキーワードについては、自社サイトや競合サイトの流入キーワードを調べる方法もおすすめです。流入キーワードの調べ方については以下の記事でもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
流入キーワードの調べ方は?無料や有料で使えるツールを紹介
2.キーワードをカテゴリ別に分ける
ビッグキーワードから派生するミドルキーワードやスモールキーワードをカテゴリ別に分け、整理します。例えば、「マーケティング」というビッグキーワードを狙う場合、「マーケティング 本」「マーケティング フレームワーク」「マーケティング 資格」「マーケティング 仕事」などの関連キーワードがあります。「マーケティング」を大項目、関連キーワードを中項目とし、さらに細かい関連キーワードのコンテンツを中項目の配下につながるよう作成することで、網羅的なWebサイトを構築できます。
3.カテゴリ分けしたキーワードをもとにコンテンツを作成する
大項目から中項目、小項目のキーワード整理が終わったら、それぞれのキーワードに沿ってコンテンツを作成します。ユーザーにとって「このWebサイトを見るだけで〇〇の分野に関する内容はすべてチェックできる」と思ってもらえるような網羅的なWebサイトが理想です。ユーザーがWebサイト内のページを巡回しやすいよう、サイト内の関連ページへ遷移させる内部リンクをコンテンツの中に含めることもおすすめです。内部リンクに関しては後ほど詳しくご紹介します。
ビッグキーワードでのSEO対策のコツ
ビッグキーワードでSEO対策を行う際は、次のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。
Googleが評価する高品質のコンテンツを目指す
Googleでは、質の高いコンテンツの評価基準をまとめた「検索評価ガイドライン」にて、「E-E-A-T」という基準を設けています。E-E-A-Tは、それぞれ次のような意味を表します。
E=Experience(経験):経験に基づいた内容が書かれているか
E=Expertise(専門性):内容の専門性が高いか
A=Authoritativeness(権威性):専門家の監修を受けているなど権威性が高い内容であるか
T=Trustworthiness(信頼性):公的機関のデータを引用しているなど信頼できる内容か
このように、Googleは信頼できる情報を使用したコンテンツを評価しているため、コンテンツを作成する際は上記のE-E-A-Tを特に意識するとよいでしょう。
コンテンツの作成時のポイントについては、Googleが提供する「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」でも詳しく述べられているため、あわせてご確認ください。
関連ページは内部リンクでつなぐ
ビッグキーワードのコンテンツでは、さまざまな内容を網羅的に述べることになるため、サイト内の関連ページ(ミドル・スモールキーワードで作成したコンテンツや自社の商品・サービスに関するページなど)への内部リンクを設置できる箇所が多いです。
関連性のないページへの内部リンクを多く設置すると、かえってGoogleからの評価が下がることもあるため注意が必要ですが、適切な数のリンクを設置することで、リンク元・リンク先それぞれのページの評価を高めることができます。内部リンクの設置によって、ビッグキーワードのコンテンツ内では専門性や網羅性に欠ける内容を補足できるため、ユーザーのサイト内回遊も促せるでしょう。
トピッククラスターを作成する
メディアの立ち上げ時、もしくはコンテンツがたまってきたら、トピッククラスターを作成しておくこともおすすめです。トピッククラスターとは、ビッグキーワードのコンテンツ(ピラーコンテンツ、親記事)を中心に関連するキーワードのコンテンツ(クラスターコンテンツ、子記事)をひもづけ、内部リンクを設置する手法です。
コンテンツの構造に沿って内部リンクを設置することで、より正確に関連ページのリンクを設置でき、評価を高めやすくなります。さらに、多くの内部リンクをピラーコンテンツに集められるため、ビッグキーワードのコンテンツの上位化も狙いやすくなります。
テクニカルSEOを行う
テクニカルSEOは、個々のコンテンツではなく、サイト全体の評価を上げるために行われる改善内容を指します。テクニカルSEOでは、主に次のような施策が行われます。
- 構造化マークアップ
- 不要なページの削除、noindex化
- リダイレクト設定
- ページスピードの改善
- ナビゲーション最適化
- XMLサイトマップの設置
- robots.txtでのクロール制御
このようなテクニカルSEOは専門的な知識や技術が必要となるものの、対応することでサイト内のコンテンツを適切に評価してもらえたり、ユーザーが回遊しやすいWebサイトを構築できたりするようになります。
外部サイトから被リンクを集める
信頼性の高い外部サイトから自社サイトのページのリンクを張ってもらうことで、アクセス数の増加やGoogleからの評価の向上が狙えます。外部サイトからの被リンクは自社でコントロールできないため難易度が高い施策ですが、地道に専門性の高いコンテンツや拡散したくなる内容のコンテンツを作成することで自然と被リンクを集めることができるようになるでしょう。常に信頼性の高いコンテンツを提供できるよう、こまめに最新の情報に更新したり、リライトを行ったりすることも大切です。
よくある質問
最後に、ビッグキーワードに関するよくある質問についてお答えします。
ビッグキーワードはどうやって調べる?
ビッグキーワードを調べる際は、月間検索回数が調べられるツールを使用するとよいでしょう。代表的なものでは、無料のもので「Google キーワード プランナー」や「aramakijake」、有料のもので「Ahrefs」や「ラッコキーワード」などがあげられます。このようなツールを用いてキーワードを検索し、月間検索回数(検索ボリューム)が1万を超えたものがビッグキーワードに当てはまります。
キーワード プランナーの競合性「低」とは
Google キーワード プランナーで月間検索回数を調べた場合、「競合性」という項目を確認できます。先述のとおり、ビッグキーワードは検索回数が多い分競合サイトも強く、上位化が難しいです。しかし、ビッグキーワードを調査した際も、競合性の欄には「低」と表示されるキーワードが存在するため、疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
Google キーワード プランナーにおける競合性は、リスティング広告における競合性を指しており、競合性が低いものは広告の出稿数が少ないことを表しています。キーワードによってはCVにつなげづらいものもあるため、広告があまり出稿されておらず、競合性が低くなることがあります。
まとめ
この記事では、ビッグキーワードでSEO対策を行うメリットやデメリット、コンテンツの作成手順、SEO対策のコツなどをご紹介しました。ビッグキーワードは競合サイトが強いうえ、すぐに結果が出づらかったり、ユーザーの検索意図が読み取りづらかったりするなどのデメリットがある一方で、上位化できた際は大幅なアクセス数やCV数の増加が期待できるため、企業の売上や利益に貢献する可能性があります。記事内でご紹介したコンテンツの作成手順やSEO対策のコツが参考になれば幸いです。