サジェストの意味は?Googleの表示基準や活用メリット

サジェストを活用することで、ユーザーの求めている情報を見つけやすくなり、コンテンツを適切に改善できるため、検索結果での上位表示やブランディング強化などのメリットが期待できます。
この記事では、サジェストの意味やGoogleでの表示基準、活用メリットなどをご紹介します。
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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
サジェストの意味は?
サジェストとは、「提案する」「勧める」といった意味を持つ英単語「suggest」からできた言葉で、ユーザーが検索ボックスに単語を入力して検索する際に、検索しようとしている内容を予測して入力の補助を行う機能です。サジェストが表示されることで、ユーザーは入力の手間が省けたり、もともと検索しようとしていた語句よりもより検索意図に沿った語句を見つけたりできるようになります。
例えば、Google検索で「日傘」と入力すると、「日傘 メンズ」「日傘 おすすめ」など、以下のようなサジェストが表示されます。
なお、サジェストはGoogle以外にもYahoo!などほかの検索エンジンや、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSにも実装されています。なお、Googleではサジェストを「オートコンプリート」という名称で表しています。
Googleがサジェストを表示する際の基準
Google検索においては、ユーザーによって検索ボックスに表示されるサジェストの内容が異なります。Googleでは、サジェストに表示する語句を次のような基準から選定しています。
ユーザーの過去の検索内容
Googleでは、ユーザーの過去の検索履歴をもとにサジェストを選定します。例えば、ユーザーが以前「渋谷 カフェ」という語句で検索した場合、再度「渋谷」と入力した際はサジェストの上位に「渋谷 カフェ」と表示されるようになります。このように、以前検索したことのある語句は、再び検索する可能性が高い語句として検索エンジンが判断するため、ユーザーが同じ語句を何度も入力する手間がなくなるよう、サジェストに優先的に表示されます。
ユーザーの位置情報・使用言語
Googleでは、ユーザーの位置情報や使用言語に合わせて、その地域に沿ったサジェストや検索結果を提供します。例えば、東京都文京区にいるユーザーが歯医者を検索しようとした場合のサジェストは、次のとおりです。
上記の画像のように、「歯医者 茗荷谷」「本駒込 歯医者」と文京区内の地名が表示されたり、「文京区」という語句の含まれたサジェストが表示されたりします。このように、Googleではユーザーの位置情報から最適なサジェストを表示し、ユーザーの現在地近くから行きたい病院や飲食店などをすぐに探せるよう設計されています。
キーワードのトレンド
Googleでは、短時間で急激に検索回数が増えたキーワードなど、トレンド性の高いキーワードを優先してサジェストに表示します。トレンドのキーワードとして表示されやすいものは、ニュースで話題となった出来事や関連する人物名などがあげられます。急激に検索回数が増えたキーワードは、「ほかのユーザーも同様に同じ語句で検索されるのではないか」とGoogleから判断され、サジェストに表示されるようになります。
キーワードの検索ボリューム
検索ボリュームは月間平均検索回数とも呼ばれ、1つのキーワードが月にどれくらい全ユーザーから検索されているかを表す指標です。トレンド性の高いキーワードと同様に、検索ボリュームの大きいキーワードはそれだけ多く検索されているので、同様の検索を行うのではないか、とGoogleが判断し、サジェストに表示されるようになります。
サジェストを活用するメリット
ここまでご紹介したように、サジェストはユーザーの検索を助ける機能として役立っていますが、コンテンツを提供する側にとっても、サジェストからユーザーのリアルタイムのニーズやトレンド性の高い話題を把握することで、コンテンツの改善などに活用できます。サジェストを活用することで得られるメリットは、次のとおりです。
ユーザーのニーズを把握できる
サジェストには検索回数の多い語句が表示されるため、サジェストを調べることで、ユーザーがどのような情報を求めているのかニーズを把握できます。
例えば、ドーナツに関するコンテンツをリライトしようと「ドーナツ」と検索ボックス入力した場合、サジェストには「ドーナツ レシピ」や「ドーナツ カロリー」「ドーナツ ホットケーキミックス」などが表示されます。このようなサジェストに沿って、既存のコンテンツにレシピやカロリー情報、ホットケーキミックスを使った作り方などを追加することで、リライトの効果も高められます。
サジェストでの表示内容に沿って、新規コンテンツの作成や既存コンテンツのリライトを行うことで、ユーザーにとって有益な情報を適切に届けられるでしょう。
流入数の増加につながる
サジェストで表示されたキーワードをページタイトルやコンテンツ内に盛り込むことで、自社のWebサイトへの流入数の増加につながります。先述したようにサジェストの内容からニーズを読み取り、コンテンツを充実させる以外にも、サジェストに表示されたキーワードをタイトルなどに設定することで、ユーザーのニーズによりアプローチできるため、検索意図に沿ったコンテンツとしてGoogleからも評価され、検索上位に表示されやすくなります。検索上位に表示されたコンテンツはユーザーの目に留まりやすくなるため、流入数の増加が期待できます。
ブランディングを強化できる
Webサイトへの流入数が増えることで、自社の商品やサービスへの認知度も高められるでしょう。「〇〇といえばこの企業」といったイメージが強まったり、自社のファンが増えたりすることで、ユーザーは「〇〇+企業名」「〇〇+ブランド名」のように、直接自社の社名や商品、サービス名を含めた検索を行うようになります。このような検索を指名検索といい、指名検索が増えることでサジェストにも自社の情報を含んだ語句が表示されるようになるため、さらなる知名度向上や、ブランディング強化につながります。
キーワード選定に役立つ
サジェストはユーザーニーズの把握に役立つため、新規コンテンツを作成する際のキーワード選定にも役立ちます。特に、検索ボリュームの大きなビッグキーワードは、ユーザーからの検索回数は多いものの、上位表示の難易度が高いため、サジェストから関連性の高いキーワードを探し、競合性の低いキーワードを見つける際に役立ちます。
サジェストを調べる際のおすすめツール
サジェストは実際に検索エンジンやSNSの検索ボックスに入力することで調べられますが、ツールを用いることで検索ボックスに表示される以上の数のサジェストや、サジェストで表示された各キーワードの検索ボリュームを表示できます。サジェストの調査におすすめのツールは、次のとおりです。
- Google キーワード プランナー(無料)
- Keyword Tool(無料)
- ラッコキーワード(無料)
- Ubersuggest(無料)
- Ahrefs(有料)
キーワード選定やそのほかのSEO対策に役立つツールをご紹介した記事もあるため、ぜひあわせてご覧ください。
サジェスト汚染に注意する
SEO対策を行ううえでは、サジェスト汚染に注意が必要です。サジェスト汚染とは、「〇〇 まずい」「〇〇 やめとけ」など企業や店舗、ブランドにとって不利となる語句がサジェストに表示されてしまうことを指します。特に他社と比較検討しているユーザーにとっては、このようなネガティブなキーワードが表示されることで、選択肢の中から外してしまう恐れもあるため、サジェスト汚染を受けないことが大切です。
サジェストはユーザーの検索履歴や検索回数によって設定されるため、自社側でのコントロールは難しいものの、口コミや問い合わせに真摯に対応するなど、ユーザーにネガティブな印象を与えないよう意識しましょう。
ただし、サジェストに表示された内容に法的に問題がある場合は、Googleの「法的削除に関連する問題を報告する」から削除依頼を申請できます。
サジェストと関連用語との意味の違い
最後に、サジェストと混同しやすい関連用語との意味の違いをご紹介します。それぞれ正しく活用することでSEOでの効果を高めやすいため、サジェストとあわせて使用するとよいでしょう。
共起語
共起語は、特定のキーワードとよく一緒にコンテンツ内で使用されるキーワードを指します。一方で、サジェストは特定のキーワードと一緒にユーザーがよく入力するキーワードを指します。
例えば、「動画編集」の共起語では、上位に「必要」「YouTube」「簡単」などがあげられます。対して、サジェストでは「動画編集 無料」「動画編集 パソコン」「動画編集 スマホ」といったキーワードが上位に表示されます。サジェストでユーザーのニーズや検索意図を読み取りつつ、共起語をコンテンツ内に含めることで、コンテンツの質を高められるでしょう。
関連キーワード
関連キーワードは、Googleの検索結果で「他の人はこちらも検索」と表示される箇所を指します。例えば、「動画編集 スマホ」で検索した際に表示される関連キーワードは次のとおりで、「動画編集アプリ iphone」や「アプリなしで動画編集android」など、検索時に使用したキーワードを含まないキーワードが表示されることもあります。
関連キーワードも、サジェストと同様にユーザーニーズを探る際に役立ちます。新規コンテンツの作成時やリライト時は、サジェスト以外にも関連キーワードを確認することで新たな切り口が見つかる可能性があります。
まとめ
この記事では、サジェストの意味やGoogleでの表示基準、活用メリットなどをご紹介しました。サジェストはユーザーの検索を助けるだけでなく、ユーザーニーズの把握やキーワードの選定に役立つため、コンテンツの作成やリライトを行う際は、ぜひ記事内でご紹介したツールなども活用しながら調べてみてください。