流入キーワードの調べ方は?無料や有料で使えるツールを紹介

流入キーワードの調べ方にはさまざまな方法があります。自社や競合のWebサイトが「ユーザーからどのような単語で検索されているか」を知ることで、分析や新規コンテンツの作成に大きく役立ち、意外なキーワードからWeb集客の成功につながる場合もあります。この記事では、流入キーワードの調べ方や調べる際の注意点などをご紹介します。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
流入キーワードとは?
流入キーワードとは、Webサイトを訪問したユーザーが、そのWebサイトにたどり着く際に検索エンジンへ入力した検索ワードのことを指します。例えば、Webマーケティングでの集客について調べているユーザーが「Webマーケティング 集客」と検索したWebサイトAにたどり着いた場合、WebサイトAの流入キーワードは「Webマーケティング 集客」になります。
流入キーワードを活用してできること
流入キーワードを調べてみると、自社のWebサイトが意外な検索ワードをきっかけに訪問されているケースを知ることができます。どのようなワードで検索されているかを知ることで新たな対策キーワードを見つけ、自社サイトへのアクセスやコンバージョンを増やせる可能性があります。
また、流入キーワードを調べることで、自社サイトの強みを知ることができます。流入数が多いキーワードを軸にさらに関連するキーワードを用いてコンテンツを作成することで、より強みに焦点を当てながらアプローチの幅を広げられます。
自社サイトの流入キーワードの調べ方
流入キーワードは、さまざまなツールやサイトで調べることができます。自社サイトや競合サイトのキーワードを調べる際に活用できるため、参考になれば幸いです。
Google サーチ コンソールで調べる方法(無料)
Google サーチ コンソールは、Googleが無料で提供するSEO分析ツールです。Google サーチ コンソールでは、次の手順で調査できます。
1.Google サーチ コンソールの左メニューの「検索パフォーマンス」をクリックする 2.「検索結果」をクリックする 3.「クエリ」欄のキーワードを確認する |
Google アナリティクスで調べる方法(無料)
Google アナリティクスは、Googleが提供する無料のWebサイト解析ツールです。多くの機能を備えているため、幅広い企業で用いられています。Google アナリティクスでは、先述のGoogle サーチ コンソールと連携することで、流入キーワードを調べられます。
Google アナリティクスでは、次の手順で調査できます。
1.Google アナリティクスのサイドメニューの「集客」をクリックする 2.「Search Console」をクリックする 3.「検索クエリ」をクリックする |
(not provided)と(not set)について
Googleアナリティクスでキーワードを調べる際に、(not provided)や(not set)と表示されることがあります。(not provided)は、ユーザーから検索されたキーワードが不明でデータが取得できなかった場合に表示されます。(not set)は、参照元のWebサイトのデータを取得できなかったときや、リファラースパムによって表示されることがあります。
Google 広告で調べる方法(無料)
Google 広告は、Googleが提供する広告管理ツールです。広告を出稿している場合はGoogle 広告からも流入キーワードを確認できます。調査手順は次のとおりです。
1.Google 広告の「キャンペーン」をクリックする 2.「分析情報とレポート」をクリックする 3.「検索語句」をクリックする |
競合サイトの流入キーワードの調べ方
競合サイトのキーワードを調べるには、次のような方法があります。競合サイトで検索されている内容を自社に生かし、よりコンテンツを充実させましょう。
競合となるサイトの調べ方
キーワードを調査する前に、自社の競合となるサイトの検索方法をご紹介します。競合サイトはSimilarwebで調査できます。
1.上位表示を狙うキーワードを決める 2.Similarwebの検索バーに自社サイトのURLを入力する 3.検索結果で上位に表示された競合サイトを確認する |
ラッコキーワードで調べる方法(無料)
ラッコキーワードの「獲得キーワード調査」では、検索されたドメインでのGoogle検索における100位以内にランクインしたキーワードや、それらの月間検索数や推定流入数、検索順位が抽出できます。
ラッコキーワードでは、次の手順で調査できます。
1.ラッコキーワードの「獲得キーワード調査」を開く 2.調査したいWebサイトのドメインまたはURLを入力する 3.「キーワード」欄から確認する |
競合キーワード調査ツールで調べる方法(無料)
「競合キーワード調査ツール」は、開発者のX(旧Twitter)アカウントで毎週火曜日に更新されるパスワードを入力することによって使用できるツールです。対象のキーワードで上位表示されている競合サイトが、どのようなキーワードで流入されているかを調べられます。
競合キーワード調査ツールでは、次の手順で調査できます。
1.開発者のX(旧Twitter)アカウントでパスワードを取得する 2.競合キーワード調査ツールにアクセスする 3.「調査するデバイス」「調査するキーワード」「パスワード」を入力する |
Keywordmapで調べる方法(無料)
Keywordmapでは、無料と有料の調査方法があります。無料版では、次の手順で調査できます。
1.Keywordmapの「ドメインダイジェスト分析」にアクセスする 2.ドメインを入力する |
ドメインダイジェスト分析では、自然検索ワードや競合ドメイン、自然検索順位変動推移などが確認できます。
Keywordmapで調べる方法(有料)
Keywordmapの有料版では、次の手順で調査できます。
1.Keywordmapの「自然検索ワード」を開く 2.競合サイトのURLを入力する |
Ahrefsで調べる方法(有料)
Ahrefsは、本格的なSEO分析ができることで知名度の高いツールです。月額12,500円〜(2023年11月現在)と高額なものの、キーワードや被リンクの分析など、競合サイトを隅々まで深掘りした調査ができます。
Ahrefsでは、次の手順で調査できます。
1.Ahrefs画面上部の「サイトエクスプローラー」を開く 2.調査したい競合サイトのURLを入力する 3.左側のバーの「自然検索」内の「オーガニックキーワード」をクリックする |
Ubersuggestで調べる方法(有料)
Ubersuggestには、検索されているキーワードの内容や月間検索数、推定流入数、対象のキーワードを上位化させる難易度の三段階評価などの機能があります。
Ubersuggestでは、次の手順で調査できます。
1.Ubersuggestの画面左側のバーの「キーワードリサーチ」をクリックする 2.「キーワード流入」をクリックする 3.検索ボックスに調査したい競合サイトのURLやドメインを入力する |
流入キーワードからわかること
流入キーワードを調べることで、次のようなことがわかります。
自社サイトで不足しているキーワード
流入キーワードを確かめることで、自社で狙ったワードが獲得できているかをチェックできます。もし想定通りに獲得できていなかった場合、該当の記事を改善する必要があります。例えば、記事の内容をさらに充実させたり、狙うキーワードに関連した内容で記事を増やしたりするなどの方法があげられます。自社サイトの上位化を狙うため、試行錯誤を繰り返しながら改善策を見つけ出すにあたり、流入キーワードは大いに役立ちます。
カスタマージャーニーにおいてユーザーがどの段階にいるか
カスタマージャーニーとは、ユーザーが商品と出会い、購入、利用、継続、リピートするまでの一連のプロセスを指します。流入キーワードは、カスタマージャーニーにおいて「認知」「検討」「決定」の3つに分類できます。特に「認知」段階に分類されるキーワードは、ユーザーから検索される数も多いため、重要です。自社サイトや自社の製品・サービスを購入してもらうためには、まずはユーザーに認知してもらわなければなりません。自社についてユーザーから認知されているかどうかを、ユーザーから検索されているキーワードから分析することも意識しましょう。
コンバージョンに至らない理由
自社サイトのページごとに流入を獲得しているキーワードを調べることで、ユーザーがコンバージョンに至らないヒントを見つけられることがあります。例えば、ページ上では「契約書発行の効率化に役立つ資料」を掲載しているにもかかわらず、上位クエリは「事務 効率化」だった場合、コンバージョンにはなかなかつながりません。ユーザーが「これは自分が探しているものではない」と感じてしまうコンテンツにならないよう「事務作業の効率化がかなう、契約書発行のお役立ち資料」と資料のタイトルを変更するなど、コンテンツの見せ方を工夫することが重要です。
流入キーワードの確認するポイント
キーワードを確認する際は、次のようなポイントに注目するとよいでしょう。ここでは、Google サーチ コンソールを使ってキーワードを調べたときに確認すべきポイントをご紹介します。
キーワードごとのCTR
Google サーチ コンソールでは、獲得クエリごとに平均CTR(クリック率)が表示されます。CTR率が低い(1%以下)場合は、記事のタイトルやディスクリプション、リード文、1つ目の見出し、まとめの見出しの中に狙ったキーワードが含まれているか、ユーザーの検索意図に沿った内容が書けているかをチェックします。ほかにも、ユーザーが記事を読み進めるにあたって、画像が少なかったり、文章が多く読みづらくなったりしていないかなど、視覚的な面も改善します。
キーワードの検索順位
狙ったキーワードが上位のクエリに表示されていた場合、狙ったキーワードでの流入を獲得できています。しかし、上位のクエリに表示されていてもクリック数が少なく、多くの流入を得られていない場合は、狙ったキーワードを含んだタイトルを設定し、ユーザーのクリックを促す内容になっているかや、ユーザーのニーズを満たすディスクリプションが設定できているかなどを見ながら改善します。また、上位表示されている競合サイトの記事を見ながら、自社の記事で不足している内容をプラスし、リライトを行う方法もあります。
コンバージョンにつながるキーワード
流入キーワードから、コンバージョンにつながらない原因やコンバージョンにつながりやすいキーワードを見つけられます。キーワードの中には「Doクエリ」と「Knowクエリ」があり、Doクエリは「スケジュール管理ツール 見積もり」「CRM おすすめ」などユーザーの購入や問い合わせにつながりやすいキーワードを指し、上位化することでコンバージョンを獲得しやすいです。一方でKnowクエリは「CRMとは」「スケジュール管理ツール 使い方」のようなユーザーが情報を得るために検索されるキーワードを指します。Knowクエリは上位化できた場合でも、直接コンバージョンにはつながりにくい傾向があるため、Doクエリに含まれるキーワードの上位化を狙うよう意識することが大切です。
流入キーワードを調査する際の注意点
キーワードを調査する際に注意すべき点は、次のとおりです。
流入が多いキーワードを取り入れる
競合サイトで流入数の多いキーワードは、自社サイトでも取り入れることで、競合が獲得しているユーザーと同じ検索意図を持つユーザーを獲得できるかもしれません。しかし、上位化されている競合サイトの中にはドメインパワーが強く、個々のコンテンツではなくサイトそのものが高い評価を受けている可能性があります。SEO対策に十分な金銭・人的リソースを割けない場合は、ほかのキーワードを狙うこともひとつの手です。
競合サイトのコンテンツを踏まえて改善する
競合サイトと自社サイトで同じキーワードを狙っているにもかかわらず、競合サイトよりも流入数が少ない場合、競合サイトのコンテンツ内容を踏まえて自社サイトのコンテンツをリライトするなどの改善が必要です。改善においては、次のような方法があげられます。
- 最新の情報が記載されていない箇所は内容を更新する
- 競合サイトに含まれていて自社サイトに含まれていないトピックを追加する
- ユーザーの検索意図とずれた不要な箇所を削除する
競合サイトの競合もチェックする
流入キーワードを調べる際に、競合サイトの競合がどこなのかを調べることで、さらに新たなキーワードを発見できたり、新規コンテンツを作るきっかけになったりすることがあります。競合サイトの競合は、Keywordmap無料版のドメインダイジェスト分析の結果内にある「競合ドメイン」から調べられます。
まとめ
この記事では、流入キーワードの調べ方や調べる際の注意点などを詳しく解説しました。自社サイトや競合サイトで検索されているキーワードを調べることで、新たなコンテンツの切り口を見つけたり、自社サイトのコンテンツの改善点を分析したりしやすくなります。記事内で紹介した分析ツールなどが、自社サイトの改善に役立てられれば幸いです。