トピッククラスターモデルとは?作成方法や効果を上げるポイントなどを紹介

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トピッククラスターモデルという言葉をご存じでしょうか。
名前は聞いたことがあっても、概要や手法は知らないという方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、トピッククラスターモデルに焦点を当て、トピッククラスターモデルとはどんなものなのか、導入するメリットや作成する方法などを解説します。

執筆者

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

トピッククラスターモデルとは?

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トピッククラスターとは、メインとなる「ピラーページ」とそれを補足する「クラスターページ」を内部リンクでつないだ集合体のことです。
これを使用してSEO評価を高める戦略のことをトピッククラスターモデルと呼びます。

関連性のあるコンテンツを整理してまとめることで、ユーザーだけではなく検索エンジンもWebサイトを理解しやすくなります。
また、構造的にページの親子関係がわかりやすくなっているため、検索エンジンが評価しやすい環境に整えられるという特徴もあります。

トピッククラスターを構成する3つの要素

先述したとおり、トピッククラスターにはピラーページとクラスターページの2つがあります。

下記の図を参考に、それぞれの構造を確認しましょう。

このように、ピラーページを中心に、内部リンクを伝ってクラスターページへとつながっていることがわかります。

では、「転職」に関するピラーページを例に図を見てみましょう。

 

「転職」というピラーページに、「転職の準備」や「面接対策」などの転職に関連するクラスターページが内部リンクでつながっていることがわかります。

次に、ピラーページとクラスターページの具体的な役割をご紹介します。

ピラーページ

ピラーページは、図解でもわかるとおりコンテンツの柱となるページで、扱うトピックでニーズがあるものや関連性のあるものをまとめたものです。
コンテンツの中心となるため、トピックにはPVを集めたいページや狙いたいビッグキーワードを設定します。
クラスターページへの橋渡しをするページでもあるため、ガイドのような役割をしているページともいえるでしょう。

クラスターページ

クラスターページは、ピラーページのトピックを細分化してひとつずつ掘り下げたコンテンツのことを指します。
一般的にはミドルキーワードやロングテールキーワードをメインキーワードとしたコンテンツが設定される傾向にあります。

内部リンク

内部リンクは、ピラーページとクラスターページをつなぐ橋のようなものです。
トピッククラスターは、ピラーページから各クラスターページへと内部リンクを設置していく方法ではありますが、内部リンクが多すぎるとスパムとみなされペナルティの対象となってしまう可能性もあります。

ただし、適切な内部リンクの具体的な数についてはGoogleも明言していません。

1 ページあたりに含まれるリンクの数に関して、理想的な値というものはありません。

引用:Google の SEO リンクに関するベスト プラクティス | Google 検索セントラル

スパムと判断されるような内部リンクの設置は避け、必要な箇所に設置するようにしましょう。

トピッククラスターモデルを導入するメリット

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トピッククラスターモデルの導入には、多くのメリットがあります。
ここでは、SEO視点とそれ以外でのメリットをご紹介します。

SEO視点でのメリット

SEO視点でトピッククラスターを導入するメリットは、主に2つです。

検索ニーズを網羅しやすい

先述したように、トピッククラスターはビッグキーワードを設定したピラーページを柱に、関連するミドルキーワードやロングテールキーワードが設定されたクラスターページを内部リンクでつないでいくものです。

ビッグキーワードは検索ボリュームも大きくはなりますが、その分ユーザーの検索ニーズも多岐にわたります。
すべての検索意図を1ページで網羅しようとするとコンテンツのボリュームが過剰となり、ユーザビリティの低下を招いてしまいます。
ユーザビリティが低下すると直帰率が上がる可能性が高く、SEOで低評価を受けてしまうかもしれません。

一方トピッククラスターであれば、クラスターページへつなぐことでボリュームを抑えて検索ニーズを網羅できます。
網羅性はGoogleが重視していることのひとつでもあるため、評価を得やすくなるでしょう。

E-E-A-Tの指標を満たせる

E-E-A-Tとは、経験(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)のアルファベットの頭文字を取ったもので、Googleが重要視している指標のひとつです。

Googleは「E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて」内で、E-E-A-Tについて直接ランキングに作用するものではないとしているものの、いずれかを組み合わせてユーザーに役立つコンテンツを作ることは有効であるとしています。

中でも重要視しているものは信頼性だとも述べられているため、信頼性を中心にそのほかの指標を組み合わせられるコンテンツが望ましいでしょう。

トピッククラスターであれば、専門性の高い情報を整理して提供できます。

信頼性と高い専門性を組み合わせることで、SEOで高評価を得られる可能性が高まるでしょう。

SEO視点以外でのメリット

続いて、SEO視点を除くメリットをご紹介します。

コンバージョンが向上する

孫ページとしてクラスターページの下にキラーページ(コンバージョンにつなげるページ)を準備することで、コンバージョンにつながる可能性をより高められるでしょう。
キラーページの内容はコンバージョンによって変わりますが、実際に商品を購入するページや資料請求の申し込みページなどがこれにあたります。
はじめからキラーページを表示させると、ユーザーは離脱してしまう傾向にあります。

一方トピッククラスターであれば、ピラーページ、クラスターページでナーチャリングできるので、キラーページ到達時の離脱も少なく、コンバージョン向上につながる可能性が高まります。

キーワードカニバリゼーションを防げる

キーワードカニバリゼーションとは、同じキーワードや内容が重複しているコンテンツを作成することでお互いのコンテンツに評価が分散してしまい、SEO評価を食い合うことになっている状態を表す言葉です。
トピッククラスターであれば、メインであるピラーページに設定するビッグキーワードと、サブであるクラスターページに設定するミドルキーワード、ロングテールキーワードを分けることで情報整理がしやすく、キーワードカニバリゼーションも発見しやすくなるでしょう。

トピッククラスターを作成する6つのステップ

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ここからは、実際にトピッククラスターを作成する方法をご紹介します。

STEP❶トピック選定

はじめに、トピックを選定します。
トピックは、コンバージョンにつなげるために誰に向けてどんな内容を発信すべきなのかを考慮して決定しましょう。

また、Webサイトで取り扱っているテーマや自社の商品と、ターゲット層や実際のユーザー層などを比較して、関連性のあるトピックを選ぶ方法もおすすめです。
ここで選定するトピックとはピラーページで設定するメインキーワードではないため、大きな枠組みで設定しましょう。

  • デジタルマーケティングの基礎
  • 30代からの資産運用方法
  • 海外旅行ガイド

STEP❷ピラーページのキーワード選定

次に、決定したトピックに沿ってピラーページのキーワード選定を行います。

キーワードは、最終的に上位化を目指したいビッグキーワードを選定するのがおすすめです。
このとき、しっかりとペルソナ設定をすることで具体的なユーザー像が明らかとなり、後に行うクラスターページのキーワード選定もしやすくなります。

  • デジタルマーケティング
  • 30代 資産運用
  • 海外旅行

STEP❸クラスターページのキーワード選定

すでにコンテンツがある場合は、どのコンテンツをピラーページからつなぐか選定しましょう。

クラスターページを新しく作成する場合、キーワード選定が必要です。
キーワード選定に関するSEOツールを使用すれば、大量のキーワードを一度に抽出できるためおすすめです。
ペルソナ設定をした場合は、その人物像から連想されるキーワードを洗い出すことで選定の足がかりとなります。

キーワードは、ミドル、ロングテールキーワードに該当するものを選定しましょう。
ただし、あまりに細分化しすぎてしまうと情報量が少ないコンテンツになってしまうため注意が必要です。

クラスターページのキーワード例は以下のとおりです。

  • デジタルマーケティング 初心者 勉強方法
  • 30代 資産運用 おすすめ方法
  • 海外旅行 準備 

クラスターページのキーワードの悪い例は以下のとおりです。

  • デジタルマーケティング 初心者 おすすめ書籍 一覧 電子
  • 30代 資産運用 何をすればいいのかわからない 手取り25万
  • 海外旅行 電源変換器 どのタイプ 売り場

STEP❹ピラーページの構成を作成

ピラーページは、関連する情報をまとめただけのリンク集のようなコンテンツにならないようにしなければなりません。
クラスターページがどのような役割を持っていて、どの順番で表示させるとユーザーにとって理解しやすいコンテンツとなるのかを俯瞰して構成を作成しましょう。

STEP❺それぞれのコンテンツを作成

ピラーページの構成が完成したら、まずはクラスターページから作成をします。
クラスターページで作成したコンテンツのトピックをガイドするかたちでピラーページを作りあげていくイメージです。


STEP❻内部リンクを設置


ピラーページ、クラスターページが完成したら、各ページに内部リンクを設置しましょう。
クラスターページ同士の内部リンクも、必要に応じて設置してください。

トピッククラスターの具体例

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トピッククラスターの具体例を表にまとめましたので、作成時の参考にしてください。
題材は、先述した「転職」です。

Webサイト情報 アパレル業界特化の転職サイト
個別のキャリアサポートが充実している
登録する求職者数を増やしたいと考えている
ターゲット アパレル業界への転職希望者
ペルソナ セレクトショップの店長(32歳)
大学卒業後にアパレル業界に従事し、店のSNS運用も担当している
現職での成長に限界を感じ、新たな挑戦のためにアパレルバイヤーへの転職を希望している
販売職からバイヤーへのキャリアチェンジに不安を感じている
トピック アパレル業界での転職
ピラーページのキーワード アパレル業界 転職ガイド
アパレル業界 キャリアアップ
アパレル業界 職種
クラスターページのキーワード アパレル 履歴書 職務経歴書
販売職 キャリアチェンジ
アパレル キャリアチェンジ事例
アパレル 転職サイト おすすめ
アパレル業界 転職市場 動向

トピッククラスターの効果を引き出すポイント

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トピッククラスターモデルを導入するなら、最大限の効果を引き出したいところです。
ここでは、トピッククラスターモデルの効果創出をするためのポイントをご紹介します。

必然性のあるキーワードを網羅する

はじめに、Googleは網羅性を重視するとお伝えしましたが、必然性のないキーワードを網羅することはかえって逆効果になります。
トピッククラスター全体を俯瞰し、必然性のあるキーワードを網羅することで質の高いコンテンツを作成できるでしょう。

ピラーページから取りかかる

トピッククラスターを作成するステップでも紹介しましたが、トピックやキーワードを決めたら、必ずピラーページの構成作成から着手しましょう。
ピラーページはトピッククラスターの中心部となるため、ピラーページがない状態でクラスターページを作るとコンテンツにむらができてしまい、関連性が薄れてしまう可能性があるからです。

クラスターページから上位表示を狙う

ピラーページには、検索ボリュームの多いビッグキーワードが採用されることが多いため、競合も多く、上位表示をさせることが困難な傾向にあります。
そのため、はじめからピラーページで上位表示をさせようとすると難航する可能性があります。
まずはビッグキーワードよりも検索ボリューム数の少ないキーワードを狙って作成するクラスターページから上位表示を狙いましょう。

また、クラスターページは評価されるまでに時間がかかる場合もあるため、なるべく早く作成することをおすすめします。
1つのトピッククラスターにつき、1カ月で作成するというスピード感が理想的です。

精巧なペルソナを設定する

ペルソナは、ターゲット層が求めている情報を的確に提供するためにも、精巧に作り込むことをおすすめします。
行き詰まった場合は、現在のペルソナに近い社内の人間をモデルにしたり、顧客データを分析して類似したペルソナを設定することで、より精巧なペルソナができるでしょう。

カスタマージャーニーに沿って複数のトピッククラスターを作成する

関連性のあるトピッククラスターを、「認知」「情報収集」「比較検討」の3つに分けて作成することで、コンバージョン向上につなげられる可能性が高まります。

具体例で紹介した「アパレル業界の転職」を例に当てはめると、以下のようになります。

認知 アパレル業界における販売以外の仕事内容を知ってもらう
キャリアチェンジが可能であることを知ってもらう
情報収集 その職種に必要なスキルや経験を知ってもらう
どのように転職をするのかを知ってもらう
比較検討  適した職種や企業を選ぶための情報を知ってもらう
アパレル業界での転職に強いWebサイトを知ってもらう

このように、「認知」「情報収集」「比較検討」でそれぞれトピッククラスターを作ることで、ユーザーはカスタマージャーニーに沿って情報を手に入れられます。
次のフェーズへと自然に進めるように構築されているので、アクセス数も増やせるほかリード獲得にもつながるでしょう。

まとめ

この記事では、トピッククラスターモデルについて詳しくご紹介しました。
トピッククラスターは、コンテンツの中心となるピラーページと、そこから内部リンクで枝分かれしたクラスターページの2つで構成されています。
必然性のあるキーワードをもれなく網羅し、E-E-A-Tを満たすコンテンツを作りあげることで、SEOで高評価を得られる可能性が高まるでしょう。
トピッククラスターは、高い専門性が求められたり、スピーディーに仕上げたりしなければならないものの、キーワードカニバリゼーションを防げたり、コンバージョン向上に貢献したりとメリットも多くあります。
トピッククラスターを取り入れ、よりよいコンテンツ作りに役立ててください。

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