SEOで内部リンクが多すぎるリスクは?適切な数や張り方を紹介

SEO対策のひとつとして内部リンクの設置は欠かせませんが、低品質なページから多くリンクをつながれたり、関連性のないページへのリンクを設置しすぎたりすることでペナルティの対象となり、かえって順位が低下する恐れがあります。
この記事では、SEO対策をするうえで内部リンクが多すぎることによって生じるリスクや、適切なリンクの張り方、リンクを張る際の注意点などをご紹介します。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
SEOでは内部リンクが多すぎると問題がある?
SEO対策の一環として、Webサイト内の関連するページ同士をつなぐ内部リンクを設置することがあげられますが、効果を高めたいがためにリンクの数を増やしすぎてしまうケースがあります。リンクの数が多すぎることで生じる問題は、次のとおりです。
ペナルティの対象になる可能性がある
Google 検索セントラルでは、リンクを設置した際に、検索結果のランキングの操作を目的としてリンクを張っていると判断した場合、スパム行為と見なされる場合があることを説明しています。
Google は、ウェブページの関連性を判断するための要素としてリンクを使用しています。Google 検索の検索結果ランキングを操作することを目的としたリンクは、リンクスパムと見なされる場合があります。
ページ同士が関連性の高い内容である場合は、内部リンクの数が増えても問題ないものの、検索エンジンがリンク元とリンク先の関連性を認識できなかったり、不自然にリンクを張っていると判断したりした場合、リンクスパムからペナルティの対象となる恐れがあるため、注意が必要です。
スパムと見なされやすいリンク
どのようなリンクがスパムと見なされるかは明確に定義されていませんが、以下のようなリンクがスパムになりやすく、ペナルティを受ける可能性が高いと考えられます。
- リンクを張ったテキストとリンク先のページの関連性が低い
- テキストの前後の内容とリンク先のページの関連性が低い
- リンクでつないだページ同士の関連性が低い
- 1カ所にリンクが集中的に張られている
- リンクを張ったテキストが単語や文章になっていない
主に上記のようなリンクは不自然に張られたリンクとしてスパムと判断されやすく、ペナルティを受ける可能性が高いため、このようなリンクを張っていないか確認しておきましょう。
クローラーが正しくWebサイト構造を認識できなくなる
検索エンジンのクローラーは、内部リンクをたどってページ同士の関連性を認識したり、Webサイトの構造を把握したりします。適切に内部リンクが設置されていれば、Webサイトの構造を正しく認識できますが、不自然にリンクが張られていたり、関連性のないページをつないだりしていた場合は、クローラーのページ巡回の妨げとなってしまいます。
そのため、内部リンクを張る際は、ページ内で説明した内容に対して関連するページを補足するようにリンクでつなげることで、クローラーも関連性を認識しやすくなり、正しくWebサイトの構造を読み取れるようになります。
ユーザビリティがかえって低下する
先述したように、ページ内で説明した内容の補足として関連ページへの内部リンクをつなぐことで、ユーザーがスムーズにサイト内で情報収集できるようになり、ユーザビリティの向上につながります。
しかし、リンクの量が多すぎたり、不自然な張り方がされていることで、ユーザーがどのリンクをクリックしたらよいかわからなくなったり、テキストが見づらくなったりすることで、かえってユーザビリティを低下させる恐れがあります。
そのため、「ユーザーがテキストを読みながら違和感なくクリックできるようにリンクを張れているか」「リンクの張りすぎでテキストが読みづらくなっていないか」などの観点からもリンクの設置場所を見極めるとよいでしょう。
なお、リンクを増やすことによるテキストの視認性の低下が懸念される場合は、上記のようにブログカードを使用して内部リンクを設置するのもおすすめです。
ブログカードを作成する際にはHTMLやCSSの知識が必要となりますが、「シンプルなリンクカードジェネレーター」などのWebサイトで簡単にコードを生成できます。
内部リンクの適切な数
ここまで、内部リンクの数が多すぎるときに生じるリスクについてご紹介しました。内部リンクの適切な数については、Googleからも以下のように具体的には示されていません。
1 ページあたりに含まれるリンクの数に関して、理想的な値というものはありません。 ただ、リンクの数が多すぎると感じる場合、実際にそうである可能性が高いと言えます。
引用:内部リンク: 自身のコンテンツの相互参照|Google 検索セントラル
ただし、先述したように内部リンクを張りすぎてしまうことで、クローラーが正しくWebサイト構造を読み取れなくなったり、ユーザビリティが低下してしまったりする恐れもあるため、関連性が低いと感じるリンクは削除するなど、張りすぎには注意しましょう。
客観的に自身のWebサイトのコンテンツを見たときに、内部リンクの数が多く感じる場合は、先述した「スパムと見なされやすいリンク」であげた項目を参考にしながら、不自然に張ったリンクがないかを確かめましょう。自身の目で見るだけでなく、社内のほかのメンバーや、家族や友人などにページを見てもらうのもおすすめです。
SEOで適切な内部リンクの張り方
内部リンクの適切な数はGoogleでも明言されていませんが、過剰なリンクはペナルティのリスクを高めます。ここでは、SEOで効果的な内部リンクの張り方をご紹介します。
関連性のあるページをリンクでつなぐ
内部リンクを設置する際は、リンク元のページに対して関連性があるページをリンクでつなぐことを意識しましょう。
例えば、「業務効率化を図るためには、一部の業務をアウトソーシングすることも大切です」といった文章があったとき、アウトソーシングに関する内容を記述したページがある場合は、そのページをリンクでつなぐとよいでしょう。
このように内部リンクを設置することで、アウトソーシングという言葉の意味や具体例を知りたいユーザーがスムーズに情報を集められるようになります。
上部にパンくずリストやグローバルナビゲーションを設置する
ページの上部には、パンくずリストやグローバルナビゲーションを設置し、Webサイト内のページへ内部リンクをつなぎましょう。
パンくずリストは、「TOP>BLOG>記事タイトル」のようにユーザーの居場所を示す役割を果たします。パンくずリストの各項目にリンクを設置することで、ユーザーが移動したい場所へすぐに遷移できます。
【パンくずリストの例】
グローバルナビゲーションは、主にWebサイトの上部に設置されており、サービスページや採用ページ、ブログ一覧ページなどへユーザーを促します。問い合わせや資料ダウンロードなど、コンバージョンにつながるページへのリンクをグローバルナビゲーションへ設置するのもおすすめです。
【グローバルナビゲーションの例】
アンカーテキストを工夫する
アンカーテキストとは、リンクテキストとも呼ばれ、リンクを設置するテキストを指します。アンカーテキストを次のように工夫することで、スパムと見なされるリスクを減らせるでしょう。
アンカーテキストの具体例や悪い例はGoogle 検索セントラルの「アンカー テキストの配置」や「効果的なアンカー テキストを記述する」でも詳しく紹介されているため、あわせてご確認ください。
リンク先のコンテンツで狙うキーワードを含める
リンク先のコンテンツで狙うキーワードをアンカーテキスト内に含めることで、テキストがリンク先のコンテンツと関連性が高いことを示せます。
ただし、前後の文脈を無視して唐突にアンカーテキストを設置してしまうと不自然な印象を与えてしまうため、基本的にはテキストを一通り作成したうえで、内部リンクを設置できそうな箇所を探すとよいでしょう。
リンク先のコンテンツ内容が想像しやすいテキストにする
「こちら」や「この記事」などのテキストのみにリンクを設置すると、クローラーがページ同士の関連性を認識しづらくなる可能性があります。
アンカーテキストの前後の文章を無視し、アンカーテキストのみを読んだ場合も、リンク先にどのようなコンテンツがつながっているか想像しやすいようなテキストを意識しましょう。
文脈を無視してアンカー テキストだけを読み、テキストが具体的でそれだけで意味が通じるかを試してください。そのページの内容が把握できない場合は、より具体的なアンカー テキストにする必要があります。
引用:効果的なアンカー テキストを記述する|Google 検索セントラル
さまざまな書き方のアンカーテキストを作成する
1ページ内で1つのページに向けて複数箇所に内部リンクを設置する場合、さまざまな書き方のアンカーテキストを作成することで、ページ同士の関連性を多角的に示せます。
例えば、「健康維持のためのストレッチ方法」を紹介するページへ向けて内部リンクを設置する場合、「健康維持のためのストレッチ方法」以外に、「在宅勤務の方におすすめのストレッチ方法」「運動不足を解消するストレッチ」などのアンカーテキストを作成するとよいでしょう。
上位化させたいページへリンクを集める
ビッグキーワードを狙ったコンテンツなど、特に上位化させたいページへ向けた内部リンクを集めることで、リンク先として設定されたビッグキーワードのコンテンツの評価を高めやすくなります。
ただし、先述したように内部リンクでページ同士をつなぐ際は、リンク元とリンク先のページでの関連性が重視されるため、ビッグキーワードに関連するキーワードでコンテンツを作成し、内部リンクでつなぎましょう。
例えば、「健康維持」というキーワードでの上位化を狙う場合、「健康維持 ストレッチ」「健康維持 食事」「健康維持 筋トレ」などの関連するキーワードでコンテンツを作成し、「健康維持」のコンテンツへの内部リンクを設置しましょう。
内部リンクが多すぎることで生じたSEOの失敗事例
内部リンクを張りすぎることで、検索順位がかえって低下するなどSEOで悪影響を受ける場合があります。内部リンクが多すぎることで生じたSEOの失敗事例は、次のとおりです。
検索結果に意図していないページが表示される
むやみに内部リンクを大量に設置することで、狙ったキーワードに対して意図していないページが検索結果に表示されることがあります。このように意図していないページが検索結果に表示されてしまうことを、PLPの不一致といいます。
本来表示させたかったページと狙ったキーワードの関連性を高めるために、ページタイトルにキーワードを含めたり、表示させたいページに対して内部リンクを集中させるよう工夫したりするなど、オンページSEOを強化するとよいでしょう。
ユーザーの視認性や利便性が悪化し順位が低下する
ページ内のテキストに内部リンクを張りすぎることで、ユーザーの視認性や利便性が悪化し、検索順位も低下します。Googleでは、ユーザビリティも評価基準に含んでおり、ユーザーが利用しやすいページほど検索順位も上昇します。
ユーザーが求めていない情報を掲載したページや、リンク元とは関連しない内容のリンクを張りすぎることで、ユーザーだけでなくクローラーもページ内容を理解しづらくなるため、ユーザー目線でページを閲覧した際に、必要だと思えるリンクを設置するよう意識しましょう。
低品質なリンクを多く設置し順位が低下する
上位化させたいページへ内部リンクを集中させることは重要です。しかし、極端に文字数が少なかったり、内容が薄かったりするなどの低品質なページからの内部リンクが集中することで、検索エンジンから検索結果を操作するためのスパム行為と見なされ、検索順位がかえって低下する恐れがあります。
内部リンクでページ同士をつなぐ際は、それぞれのページの質が高く有益な情報を発信していることで評価が高まります。低品質なページとつながった内部リンクがある場合は、リンク元のコンテンツのリライトや、リンクの削除を行いましょう。
内部リンクを張る際の注意点
ここまで、内部リンクの適切な張り方や張りすぎによるSEOの失敗事例などをご紹介しました。内部リンクを設置する際は、次にご紹介する注意点も押さえておきましょう。
リンクであることをわかりやすく示す
リンクを設置していても、ユーザーがテキストを読みながらリンクであることを認識できなければ、リンクの効果が発揮されません。
また、通常のテキストとリンクを張ったテキストの見た目が変わらない場合、ユーザーが何気なく画面上をクリックしたときに意図せずページが遷移してしまうこともあるでしょう。
リンクを張ったテキストは別の文字色で表示したり、アンダーラインやエフェクトをつけたりして目立つように設定しましょう。
リンク切れに気をつける
リンク先のページでURLを変更したり、ページを削除したりした場合、変更前のURLからアクセスするとエラーページが表示されてしまう「リンク切れ」が起こります。
リンク切れはSEOの評価には影響しませんが、ユーザビリティが低下するため、リンク切れのチェックツールなどを用いて定期的に確認し、URLの張り直しや301リダイレクト設定を行いましょう。
リンク先のURLを正規化する
リンク先のページがスマートフォン用・PC用でURLが異なっていたり、パラメータが付与されていたりした場合、別ページとして検索エンジンから認識されてしまい、評価が分散します。
URLの正規化は301リダイレクト設定で対応できますが、パラメータを使用している場合は、canonicalタグで評価を集めたいページを検索エンジンに示せます。
なお、スマートフォン用・PC用でURLが異なる場合は、canonicalタグの設定とあわせて、alternateタグを使用したアノテーション設定が必要です。
画像にリンクを張る際はalt属性を設定する
バナー画像など、画像にリンクを設置する際は、alt属性(代替テキスト)も設定しましょう。クローラーは、設定されたalt属性の内容をアンカーテキストとして読み取り、ページ内容との関連性を確認します。alt属性を設定する際は複雑な内容を避け、画像の内容を端的に示すことが大切です。
画像をリンクとして挿入している場合、Google は img 要素の alt 属性をアンカー テキストとして使用するため、画像の説明となる代替テキストを追加してください。
引用:アンカー テキストの配置|Google 検索セントラル
まとめ
この記事では、SEO対策をするうえで内部リンクが多すぎることによって生じるリスクや、適切なリンクの張り方、リンクを張る際の注意点などをご紹介しました。
Googleでは適切なリンクの数は具体的に提示されていませんが、多すぎるリンクはユーザーの視認性や利便性を低下させたり、クローラーが正しくWebサイト構造を認識できなくなったりする可能性があるため、必要な箇所にのみ張るよう心がけましょう。