アクセス数が激減する原因とそれを特定する方法について詳しく紹介

Webサイトの運営者にとってアクセス数が激減することは、事業や集客などに大きな影響を及ぼすため早急に原因を特定し、改善につなげる必要があります。この記事では、アクセス数が激減したときに考えられる原因と特定方法をご紹介します。改善方法も踏まえてお伝えしますので、ぜひご参考にしてください。
Webサイトのアクセス数が激減する原因
Webサイトのアクセス数が激減する原因としては、コアアップデートの実施や検索順位の下落、検索ボリュームの減少などがあげられます。ここでは、これらをはじめとするさまざまな原因をご紹介します。
コアアップデートが実施された
Googleでは、検索の品質を高めるために常にアルゴリズムをアップデートし続けています。Googleにはさまざまな種類のアップデートがありますが、中でも大きく順位変動に影響するのは「コアアルゴリズムアップデート(コアアップデート)」になります。
このコアアップデートでは、アルゴリズムが大きく変更されることも多く、アップデートによって順位が大幅に上がるサイトもあれば、アクセスがほとんどなくなるほど大幅に下がるサイトもあります。アクセス数が急に激減した場合は、直近でコアアップデートが実施されたかを確認してみるとよいでしょう。
検索順位が下落した
前述したように、Googleは常にアルゴリズムをアップデートし続けています。それと同時に、競合サイトも検索順位を高めようと新規記事の作成や既存記事のメンテナンスを日々行っています。これらの影響で検索上位を獲得していたキーワードが競合に奪われて順位が下落してしまうと、アクセス数が激減してしまうでしょう。
そのため、GA4(Google Analytics 4)やGoogle Search Consoleを活用して、どの記事のアクセス数が下がって順位がどのように変動したかを確認し、早急にメンテナンスなどの対応を行うことが大切です。
検索上位に表示させるSEO対策については以下の記事でご紹介しています。
検索ボリュームが減少した
検索ボリュームとは、対象のキーワードが月間に検索される回数のことを指します。これは時期やトレンドによって増減するため、獲得しているキーワードで検索順位が下がっていなかったとしても、検索ボリュームが下がっていれば検索数の母数が減ってアクセス数が減ることがあります。
例えば、紅葉に関するキーワードでは、紅葉シーズンである10月から11月に検索ボリュームが急増しますが、紅葉シーズンが終わる12月には急激に下がります。このときに、紅葉に関するキーワードで上位を獲得している場合は、順位変動がなくても10月から11月にアクセス数が急増し、12月には激減するといった現象が起こります。
順位が変わっていないにもかかわらずアクセス数が激減した際は、検索ボリュームの変動を確認してみるとよいでしょう。検索ボリュームの確認方法については、後ほどご紹介します。
Googleのペナルティを受けた
Googleからペナルティを受けると、サイト全体の検索順位が大幅に下がったり、ページのインデックスが削除されたりしてアクセス数が激減します。ペナルティを受ける原因には、故意・非故意にかかわらず、Googleが提唱している検索品質を保つための「検索品質評価ガイドライン」に違反する行為をしていたことがあげられます。ペナルティを受けているか確認する方法は後ほどご紹介します。
ペナルティを受けない、または解除を図るにはSEO対策でNGとされている行為をしていないかを確認することが大切です。
ページがインデックスから削除された
検索上位を獲得していたページがインデックスから削除されると、検索結果に表示されなくなるためアクセス数が激減します。インデックスが削除される原因には、ペナルティを受けた、コンテンツが低品質と判断された、サーバーやGoogleに不具合があったなどがあげられます。
検索上位のページが急に圏外になったなど不自然な順位変動が見られた場合は、インデックスが削除されていないか確認してみるとよいでしょう。確認方法については後ほどご紹介します。
サイト内の回遊性が低下した
ユーザー1人あたりが1回の訪問で閲覧するページ数が減少すると、PV数が下がります。ユーザー数やセッション数は変わっていないにもかかわらず、PV数だけ下がっている場合は、サイト内の回遊性が原因であると考えられるため、記事内で内部リンクを適切に設置したり、サイドバーでおすすめ記事やピックアップ記事を表示したりすることで、PV数の改善を図れるでしょう。
PV数の目安や向上させるための対策については、以下の記事をご参照ください。
強調スニペットに掲載された
強調スニペットとは、上図のように検索キーワードに対してGoogleが抜粋した回答を検索結果の最上部に表示する機能のことです。
この機能はユーザーにとってすぐに疑問を解決できるため便利ですが、サイトの運営側にとっては、ページ内を閲覧される回数が減るためアクセス数が減少するというデメリットがあります。検索順位で1位を獲得しても、強調スニペットが表示されている場合は、されていない場合に比べてクリック率が落ちる傾向があります。
ただし、強調スニペットは必ずしも1位から選ばれるわけではなく、10位などのユーザーの目に留まりづらい順位に位置していても選ばれる可能性があります。
このような順位で強調スニペットに選ばれた場合は、ユーザーの目に留まりやすくなり、アクセス数が増える可能性もあります。そのため、強調スニペットでアクセス数が減少するのは、1〜2位といった高順位に位置している場合であると考えられるでしょう。
サイトをリニューアルした
サイトをリニューアルすると、検索順位が下がってアクセス数が激減することがあります。リニューアルの際にURLを変更した場合、301リダイレクトを行っていないと検索エンジンに新しいサイトだと認識されて、以前に得ていたSEOの評価がなくなってしまいます。そのため、URLを変更する際は301リダイレクトを行って、以前に得ていた評価を新しいURLに引き継ぐ必要があります。
また、リニューアルに伴って記事の削除や統合を行った際に、評価されていた記事を削除したり、統合によって検索エンジンからの評価が変わったりした結果、順位が下がってアクセス減少につながることもあります。記事の削除や統合を行うときには、対象の記事が獲得しているキーワードや検索順位、アクセス数などを調べてどのような評価を得ているのか、削除や統合を行っても問題ないかを事前に必ず確認しましょう。
ドメインの変更がSEOにどのような影響があるのかを詳しく知りたい場合は、以下の記事をご参照ください。
ほかの媒体からのアクセスが減少した
検索エンジンからのアクセス以外にも、SNSやプレスリリースなどの媒体からアクセスを獲得している場合は、それらが要因となってアクセス数の減少につながっている可能性があります。
SNSやプレスリリースなどは、新しい情報ほど多くの方に閲覧・拡散されやすいです。そのため、それらの媒体でサイトを紹介すると、一時的にアクセス数が大幅に増えることがあります。
しかし、時間の経過やサイトの露出が減少すると、アクセス数が減ります。これらの媒体でアクセスを獲得していた場合は、一時的な増加の可能性も認識しておくとよいでしょう。
サーバー側のエラーでページが映らなくなった
サーバー側で問題が発生すると、ページを開いたときにエラーコードが表示されます。
例えば、リクエスト先のページが存在しない場合に表示される「404 Not Found」や、サーバーに不具合が発生してリクエストを実行できない場合に表示される「500 Internal Server Error」などのエラーコードがあります。
これにより、ページが正常に表示されなくなり、検索順位の低下やアクセス数の激減につながることがあるため、アクセス数などの数値に異常が見つかった際はサーバーエラーが起きていないかを確認しましょう。
ここまでで、アクセス数が激減する原因についてご紹介しました。しかし、これらの原因に該当するかどうかを調べる方法がわからないという方もいるでしょう。そこで、次は前述した原因から該当しているものを特定する方法についてご紹介します。
アクセス数が激減した原因を特定する方法
アクセス数が激減した原因を特定する方法には、表示回数・クリック率・検索順位などの確認があげられます。ここでは、これらの確認方法について詳しくご紹介します。
表示回数を確認する
表示回数はGoogle Search ConsoleとGA4で確認できます。ただし、これらのツールでの表示回数は定義が異なるため注意しましょう。定義の違いは以下のとおりです。
- Google Search Consoleの表示回数
検索結果で自サイトのページリンクがユーザーに表示された回数 - GA4の表示回数
ユーザーが自サイトのページを閲覧した回数(PVと同義)
また、それぞれのツールで表示回数を確認する方法は以下のとおりです。
- Google Search Console
画面左側のメニューバーにある「検索パフォーマンス」>「検索結果」を選択し、「合計表示回数」にチェックを入れた状態にするとサイト全体の表示回数や各キーワードの表示回数を確認できる - GA4
画面左側のメニューバーにある「レポート」から「ライフサイクル」>「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」を選択すると各ページの表示回数を確認できる
表示回数が下がっているときは、順位の下落や検索ボリュームの低下が原因として考えられますので、これらもあわせて確認することで原因を特定しやすくなるでしょう。
クリック率を確認する
クリック率(CTR)とは、検索結果で自サイトのページリンクがユーザーに表示された回数に対してクリックされた回数の割合を表す指標のことで、Google Search Consoleで確認できます。
確認方法は、画面左側のメニューバーにある「検索パフォーマンス」>「検索結果」を選択し、「平均 CTR」にチェックを入れた状態にするとサイト全体の平均CTRやキーワードごとのCTRを確認できます。
順位が変わっていないのにクリック率が下がる原因としては、検索結果に表示されるタイトルやディスクリプションがユーザーにとって魅力的ではないことがあげられます。ユーザーがクリックしたくなるような文言でないと、クリックされる回数が減ってしまい、クリック率の低下につながります。
そのため、順位が変わらずクリック率が低下している場合は、タイトルとディスクリプションを見直してみるとよいでしょう。
検索順位を確認する
検索順位を確認するには、Google Search ConsoleやSEOツールを使用しましょう。Google Search Consoleでは、画面左側のメニューバーにある「検索パフォーマンス」>「検索結果」を選択し、表示されているグラフの左上にある「平均検索順位」にチェックを入れることで、順位の確認が可能です。
グラフの上部にある「日付」では期間や特定の日付を指定でき、「+フィルタを追加」では検索キーワードやページを指定して調べられます。これにより、指定の日付や期間において、対象のページがメインキーワードでどのくらいの順位を獲得しているのかなど、条件を細かく指定して順位の確認を行えます。
検索ボリュームを確認する
検索ボリュームを確認するには、Google トレンドやAhrefsなどのツールを活用します。Google トレンドでは、十分なデータ量があるキーワードの人気度を0〜100の間で表示でき、期間を指定することで人気度の変動も確認できます。Google トレンドはキーワードの人気度によってどの時期に検索数が増えるのかを把握できますが、検索ボリュームは把握できません。
一方で、Ahrefsでは検索ボリュームの確認が可能です。約10年前から1年後の予測まで見られるため、検索ボリュームの確認はAhrefsなどのSEOツールを活用するのがおすすめです。
ペナルティを受けていないか確認する
ペナルティには手動と自動の2種類があり、手動ペナルティを確認する場合はGoogle Search Consoleの画面左側にあるメニューバーから「セキュリティと手動による対策」>「手動による対策」を選択し、問題の検出に関するメッセージが表示されるとペナルティを受けたと判断できます。
一方で、自動ペナルティの場合は確認方法がないため、GA4やGoogle Search Console、SEOツールなどでデータを確認する必要があります。サイト内の多くの記事で急激な順位低下やインデックスの削除があればペナルティが疑われるでしょう。
インデックスされているページ数を確認する
インデックスに登録されていないページ数を確認するには、Google Search Consoleの画面左側にあるメニューバーから「インデックス作成」>「ページ」を選択します。
これにより、期間でのインデックス登録・未登録数の推移を見たり、「ページがインデックスに登録されなかった理由」でインデックス登録されなかったページの原因を調べたりすることが可能になります。
「登録済み」になっているページが急に激減している場合はペナルティを受けている恐れがあるため、前述したペナルティの確認もあわせて行うとよいでしょう。
特定のページがインデックスに登録されているかを確認する
アクセス数が激減する原因であげたインデックスの削除が疑われる場合は、Google Search Consoleからインデックス登録されているかを確認しましょう。
確認方法としては、画面上部の検索バーに対象のURLを入力し、「Enter」を押します。「URL検査」の結果画面が表示されますので、「ページのインデックス登録」を確認して「ページはインデックスに登録済みです」と表示されていれば、インデックスに登録されていることが確認できます。
前年にも同様の減少がなかったか確認する
アクセス数の増減がトレンドによるものか確認するには、検索ボリュームのほかにもGA4で調べる方法もあります。その方法は、GA4の画面左側にあるメニューバーの「レポート」>「ライフサイクル」>「エンゲージメント」で表示回数やセッション数などの確認したい指標を表示し、画面右上の期間を選択する部分で「比較」にチェックを入れます。
そこで、去年の8月と今年の8月のように2つの期間が選択できるようになり、期間での比較を行えます。この機能で去年と今年を比較してみて、同じように数値が増減していれば時期的なものによる増減だと判断できるでしょう。
まとめ
この記事では、アクセス数が激減したときの原因と特定方法をご紹介しました。原因としては、コアアップデートの実施や検索順位の下落、検索ボリュームの減少などがあげられ、ペナルティを受けた場合はサイト全体の検索順位が大幅に下がることもあります。
これらの原因を特定するには、GA4やGoogle Search Console、SEOツールなどを活用して、表示回数・クリック率・検索順位・検索ボリュームなどを確認することが効果的です。この記事でご紹介した特定方法を実践し、原因の究明と改善に役立てましょう。