文章の構成に役立つ型やフレームワーク、執筆時のコツなどを紹介

文章の構成は、「序論・本論・結論」や「起・承・転・結」といった文章の各要素を組み合わせることを指しており、このような構成に沿って文章を整理することで、読者にとってわかりやすい文章を作成できます。
この記事では、文章の構成を作成する際の基本の型や、ビジネスシーンで役立つフレームワーク、読者にとって読みやすくわかりやすい文章を作成するためのコツなどをご紹介します。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
文章の構成とは
文章の構成とは、「序論・本論・結論」「章・節・項」「起・承・転・結」のような文章の要素を組み合わせたものを指します。このような要素の組み合わせに沿って文章を作ることで、読者にとって読みやすく、かつわかりやすい文章を作成できます。
このような文章構成は、読者を最後まで飽きさせずに読ませることができるか、読者の興味を引き立てられるかなどにも影響します。読者が思わず読み続けたくなる構成を作るためには、以下のポイントも意識しましょう。
階層を分けて文章を整理する
文章の構成を作る際は、先述した章・節・項のような階層に分けて整理することが大切です。例えば、章・節・項に分けて文章を構成した場合、目次の項目は次のようになります。
第1章
第1節
第1項
第2項
第2節
第1項
第2項
第2章
なお、コラムやブログなどのWeb上のコンテンツを作成する際は、原稿を作成するドキュメントツールやCMSなどに、H1・H2・H3……のような形式で見出しの設定が可能です。
基本的に、見出しにおけるH1では記事のタイトルを設定するため、H2以下に本文の章・節・項を設定します。また、各見出しのタイトルには「<h1>」「</h1>」のようなタグでタイトルをくくることで見出しを設定できます。
上記の章・節・項と同じように見出しタグを設定した例は、次のとおりです。
<h1>記事のタイトル</h1>
<h2>見出しのタイトル</h2>
<h3>見出しのタイトル</h3>
<h4>見出しのタイトル</h4>
<h4>見出しのタイトル</h4>
<h3>見出しのタイトル</h3>
<h4>見出しのタイトル</h4>
<h4>見出しのタイトル</h4>
<h2>見出しのタイトル</h2>
見出しの適切な設定方法については、以下の記事でもご紹介しています。
作成する文章ごとに適した構成を使う
文章と一口に言っても、本記事のようなコラムだけでなく、レポートや論文、プレゼンテーション資料、ブログ、スピーチ、小説、志望動機、SNSの投稿文などさまざまな種類があり、それぞれ適切な文章構成は異なります。
例えば、論文やレポートなどにおいては、結論を述べたうえで理由や具体例を詳しく説明することで、内容の説得力が増し、読者に訴えかけやすくなります。
しかし、小説などの物語を書く際は、話の根幹となる結論をいきなり述べてしまうと、かえって読者の興味が薄れてしまう恐れがあるため、どのような話が始まるのかなどを丁寧に描いたうえで、結論につなげるための伏線をちりばめるほうがよいでしょう。
このように、文章を作成するときは、文章の種類に合わせて適切な構成を使い分けることが大切です。主な構成の型については、次の章でご紹介します。
文章の構成における基本の型
先述のとおり、文章の構成には結論を最初に述べるものや、最後に述べるものなどさまざまな種類があり、執筆する文章によっても構成をうまく使い分けることが大切です。
ここからは、文章の構成において基本的に使われる型をご紹介します。
三段構成 |
四段構成 |
頭括式 |
尾括式 |
双括式 |
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構成 |
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使用に適した文章の種類 |
論文・レポート |
小説・脚本・物語 |
新聞、ニュース記事 |
コラム、ブログ |
商品説明、データ紹介 |
三段構成
三段構成は、序論・本論・結論の大きく分けて3つの要素で成り立つ構成を指します。三段構成は、主に論文やレポートなど、自身の主張を初めに述べたうえで、理由や事例などを示す文章に適しているでしょう。
三段構成における序論では、どのような人に向けて文章を書いているのか、この文章はどのような内容なのかを読者に示します。
本論では、自身が主張する内容を述べたうえで、なぜその主張に至るのかの根拠となるデータや事例などを交えながら説明します。
最後に、序論、本論で述べた内容を結論でまとめます。結論があいまいになってしまうと、これまでの内容に対して読者が納得できなくなるため、最も伝えたいことが明確に伝わるようまとめることが大切です。
四段構成
四段構成は、起(導入)・承(展開)・転(変化)・結(締めくくり)の大きく分けて4つの要素で成り立つ構成を指します。主に小説などの物語を書く際に適している構成で、「結」にあたる締めくくりに向かって読者が読み進めるよう伏線をちりばめます。
「起」では、小説における世界観や登場人物の状況など、文章を読み進めるにあたって必要な前提知識をまとめる導入部分です。導入が長すぎてしまうと読者が退屈し、離脱する恐れもあるため、簡潔にまとめるとよいでしょう。
「承」では、「起」で述べた内容をより詳しく掘り下げます。小説においては、登場人物が
現在置かれている状況を踏まえて何をしているのかなど、「転」での変化が起きるまでの流れを描きます。
「転」では、「起」「承」で述べた内容を踏まえて、物語を大きく動かす出来事や、主題となる内容、主張などを述べます。「結」での締めくくりでどのように結論づけるのかも考慮しながら、内容をまとめるとよいでしょう。
「結」では、「転」での変化が起きた後の結果を説明し、文章を締めくくります。三段構成と同様に、これまでに述べた内容を踏まえて、読者に主張が伝わるようまとめることが大切です。
頭括式
頭括式は、結論・説明・事実・具体例の流れで説明する構成です。三段構成や四段構成は最後に結論で締めくくっていましたが、頭括式では初めに結論を述べる代わりに、最後には結論を述べない点が特徴です。
頭括式は、主に起きた出来事や自身の主張を簡潔にまとめて読者に伝える文章に適しており、新聞やニュース記事などでよく使われる構成です。
■頭括式の例文
このプロジェクトは成功する見込みです。第一に、本プロジェクトに参加するメンバーは全員が高い専門知識を持っています。第二に、本プロジェクトでは十分な予算が確保されています。そして、第三に、事前に行った市場調査の結果、プロジェクトで開発する新商品の需要が高いことが確認されています。
尾括式
尾括式は、説明・事実・具体例・結論の流れで説明する構成です。頭括式では初めに結論を述べていたものの、尾括式では具体的な理由や事例の説明を踏まえたうえで結論として主張を述べる点が大きく異なります。
尾括式は、初めに自身の主張を述べないことで読者を最後まで文章に集中させやすく、課題の発見→課題の背景を知る→解決策を述べるといった流れで、読者が執筆者と同じ目線に立ちながら文章を読み進めやすいメリットがあるため、コラムやブログといった読み応えのある文章を作成する際におすすめです。
■尾括式の例文
本プロジェクトに参加するメンバーはそれぞれが異なる専門分野に長けており、プロジェクトの各段階において十分に生かせる知識やスキルを持っています。また、今回のプロジェクトには十分な資金が投じられています。さらに、事前に行った市場調査の結果、プロジェクトで開発する新商品の需要が高いことも確認されています。これらの理由から、このプロジェクトは成功する見込みです。
双括式
双括式は、頭括式と尾括式の両方の要素が含まれており、結論・説明・事実・具体例・結論の流れで、結論を2回述べる点が特徴です。結論を2回述べることで、主張があいまいになったり、それてしまったりすることなく一貫した文章を作りやすくなります。
また、双括式は文章の初めと最後にそれぞれ最も伝えたいことを述べられるため、おすすめ商品の紹介や宣伝、調査結果の説明といった文章の作成に適しているといえます。
■双括式の例文
このプロジェクトは成功する見込みです。本プロジェクトに参加するメンバーは豊富な専門知識を持ち、予算も十分に確保されています。また、事前に行った市場調査の結果、プロジェクトで開発する新商品の需要が高いことも確認済みです。従って、このプロジェクトは成功する可能性が高いと考えられます。
ビジネスシーンで使える文章構成のフレームワーク
ここまで、文章構成における基本の型をご紹介しました。上記の型で大まかな構成を作りつつ、以下でご紹介するフレームワークを用いて文章を作成することで、さらに読者を引き込みやすい説得力のある文章を作れるでしょう。
今回は、ビジネスシーンで活用しやすい文章構成のフレームワークをご紹介します。
プレゼンテーションの原稿作成で役立つフレームワーク
社内外を問わず行う機会の多いプレゼンテーションでは、主張とあわせて、主張にひもづく根拠などをわかりやすく相手に伝える必要があります。プレゼンテーションでの原稿を作成する際に役立つフレームワークは、次のとおりです。
SDS法
SDS法は、Summary(要点)・Details(詳細)・Summary(要点)の3つの要素で成り立つフレームワークです。
初めに、文章全体の内容を要約して簡潔に述べたうえで詳細を説明し、最後にもう一度文章全体の要点をまとめて締めくくります。
SDS法を用いることで、プレゼンテーションを聞く相手も初めにどのような内容が説明されるのか概要を把握したうえで詳細を聞き、最後に詳細を踏まえたうえで改めてプレゼンテーションにおける主張を聞けるため、わかりやすく全体の内容を相手に伝えられる点がメリットです。
PREP法
PREP法は、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の4つの要素で成り立つフレームワークで、先述した双括式と似た構成です。
PREP法では、文章の中で最も伝えたいことや主張を初めに述べることで、プレゼンテーションを聞く相手に対して、プレゼンテーションへの興味を引きつけやすい点が特長です。
また、SDS法と同じく、初めに結論を述べてから詳細を説明し、最後にもう一度結論を述べて締めくくることで、再度相手に自身の主張を訴えかけられます。
なお、PREP法は文章を簡潔にまとめられるため、コラムやブログなどの作成時にもおすすめで、検索エンジンによる検索結果での上位表示を狙うためのライティングであるSEOライティングにおいてもよく用いられるフレームワークです。
マーケティング・営業活動で役立つフレームワーク
マーケティングや営業活動の場では、メールマガジンやDMなどを顧客に送信したり、ランディングページを作成して集客を行ったりする機会も多いでしょう。ここでは、このようなマーケティング・営業活動で役立つフレームワークをご紹介します。
PASONAの法則
PASONAの法則は、Problem(問題提起)・Agitation(あおり・共感)・Solution(解決策)・Offer(提案)・Narrow down(絞り込み)・Action(行動)の6つの要素から成り立つフレームワークです。
PASONAの法則では、メールマガジンなどの読み手に対して「このような悩みはありませんか?」と問題提起をしたうえで、「実は〇〇を放置し続けていると危険です」「ですが、〇〇を行うのはコストがかかり大変ですよね」といったように不安をあおりつつ共感をします。
そのうえで自社商品などの解決策を提案し、「今なら無料お試しキャンペーン実施中!」「ぜひお試しください」のように締めくくることで、商品購入などのアクションを促します。
なお、問題提起をした後で読み手をあおりすぎることによって、かえって反感を生むなどネガティブな印象を抱く恐れもあるため、Agitation(あおり・共感)をAffinity(親近感)に置き換えるケースもあります。
CREMAの法則
CREMAの法則は、Conclusion(結論)・Reason(理由)・Evidence(証拠)・Method(手段)・Action(行動)の5つの要素から成り立つフレームワークです。
先述したPREP法と同様に、初めに結論を述べて主張をわかりやすく相手に伝えてから具体的な理由を述べるものの、主張に対する理由や結論、主張を実現するための手段などを具体的に述べることで、読者からの安心感や信頼を得たうえで購入してもらうといったアクションに促しやすくなります。
CREMAの法則では、これまでに多くの実績があるサービスや受賞経験、メディア掲載などのある商品など、権威性をアピールしやすい商品やサービスを売り込む際におすすめのフレームワークです。
QUESTの法則
QUESTの法則は、Qualify(絞り込み・宣言)・Understand(理解・共感)・Educate(教育)・Stimulate(刺激・興奮)・Transition(変化・行動)の5つの要素から成り立つフレームワークで、QUESTフォーミュラとも呼ばれます。
QUESTの法則では、初めに「〇〇に悩んでいませんか?」とターゲットなる読者を絞り込んだうえで、「〇〇が続くと大変ですよね」と理解を示します。そのうえで、自社の商品やサービスを紹介し、具体的な実績やデータ、成分、口コミなどを交えながら読者の信頼度を高めます。最後に、「期間限定」「今だけ特典つき」など、購買意欲を高めるフレーズで読者を刺激することで、購入などのアクションへ促すことが可能です。
QUESTの法則は、読み進めていくにつれて購買意欲が高まる点が特徴で、ランディングページやメールマガジンなどに用いられます。
読者に響く文章の構成を作るための手順
ここまで、文章の構成で用いられる基本の型やフレームワークをご紹介しました。
これらを参考にすることで、読者にとって理解しやすい文章を作りやすくはなるものの、いきなり構成の型やフレームワークに沿って文章を作り始めるのではなく、以下のような手順を追って進めることで、ターゲットとなる読者を意識した文章を組み立てられます。
キーワードや軸となる内容を決める
初めに、どのような内容で文章を作成するのか、軸となる内容(テーマ)を決めましょう。執筆する文章がコラムやブログで、SEOを意識する場合は、キーワード選定を行います。最も伝えたい内容を初めに決めておくことで、この後に続く工程での内容も考えやすくなります。
コラムやブログを作る際のキーワード選定の方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
ターゲット・ペルソナを決める
作成する文章のテーマが決まったら、テーマに沿ってどのような読者に向けて文章を発信したいのか、ターゲットやペルソナを決めます。ターゲットは「20代・女性」のように大まかに想定する読者像を設定したものに対し、ペルソナはより深く掘り下げたターゲットを指します。
ターゲットやペルソナを設定することで、「20代の女性に合わせてこの情報を入れよう」「30代の男性にはこの情報は不要だろう」といったように、それぞれの属性に合わせた情報を取捨選択しやすくなり、冗長な文章構成を防げます。
基本の型に沿って大まかな構成を決める
執筆する文章の種類やテーマ、キーワード、ペルソナに沿って、基本の型を参考に文章の構成を作ります。
なお、コラムやブログなどの構成を作成するのが難しいと感じた場合は、キーワードを一度検索し、現在上位に表示されているほかのコラムやブログの構成を参考に作成するのもおすすめです。
ただし、そのまま同じ構成や見出しタイトルをつけると、検索エンジンからコピーコンテンツと見なされる場合があるため、適度にオリジナルの要素を加えるなどの工夫も意識しましょう。
参照:興味深く有益なサイトにする|Google 検索セントラル
フレームワークに沿って文章を作成する
構成が決まったら、フレームワークに沿って文章を作成します。どのフレームワークを使用するか迷った際は、PREP法を用いるのがおすすめです。
PREP法はコラムやブログ、プレゼンテーション、メールマガジン、ランディングページなどさまざまな場面で使いやすいフレームワークで、ビジネスシーンにおいてもよく使われています。まずはPREP法を用いて執筆しながら、文章の種類に合わせてほかのフレームワークを使い分けるとよいでしょう。
読みやすい・わかりやすい文章の構成を作るコツ
ここまで、文章構成を作成するための基本的な手順をご紹介しました。最後に、コラムやブログなどを作成する際に、読者にとって読みやすい・わかりやすいと感じてもらえる文章構成を作るコツをご紹介します。以下のコツを意識することで、読者や検索エンジンから評価されやすい良質なコンテンツを作成できるでしょう。
一文一義を意識する
一文の中に情報を盛り込みすぎてしまうと、結局何を伝えたいのかがわかりづらくなり、読者が混乱しやすくなります。文章を作成するときは、一文の中にひとつの内容だけを含める「一文一義」を意識することで、読みやすい文章を作成できるでしょう。
文章を書くことに苦手意識を持っている方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
見出しごとにリード文を作成する
章やH2見出しなどを作成し、さらに項やH3などの小見出しが続く場合は、その見出し内で全体を通して何を説明するのか、リード文で概要を記述することをおすすめします。リード文を作成することで、読者がこれから何を説明されるのかを把握できるため、わかりやすい文章構成を実現できるでしょう。
なお、タイトルに続く冒頭のリード文は特に重要で、以下の記事で具体的な書き方をご紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
読者の求める情報を述べる
読者のニーズからそれた情報を多く盛り込んでしまうと、読者が必要な情報を文章内で探すのに手間がかかってしまったり、必要な情報がないと判断し離脱してしまったりする恐れがあります。
文章の構成を作成したり、本文を作成したりする際は、サジェストなども確認しながら、読者はどのような情報を求めているのか、どのような情報があると興味を持つのかなどを探りながら進めるとよいでしょう。
図などの画像をコンテンツ内に含める
わかりやすい文章を執筆することも重要ですが、文章だけが続くと読者が読みづらく感じたり、内容を理解しづらかったりする場合があります。そのため、適度に画像や動画など、本文の内容に関連するコンテンツを挟むことで、読みやすくわかりやすい文章に仕上げられるでしょう。
なお、画像を挿入する際は、キャプションやalt属性なども意識することで、読者や検索エンジンにとってよりわかりやすいコンテンツを作成できます。
まとめ
この記事では、文章の構成を作成する際の基本の型や、ビジネスシーンで役立つフレームワーク、読者にとって読みやすくわかりやすい文章を作成するためのコツなどをご紹介しました。
文章構成における型やフレームワークはさまざまな種類があるため、作成する文章に合わせて最も読者に主張が伝わりやすいものを選択することをおすすめします。
バンソウでは、ユーザーニーズに応えたSEOコンテンツの作成を得意としています。
「社内でライターが不足している」「ライティングを行ってもなかなかコンテンツが上位化されない」などのお悩みを感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。