URL変更はSEOに悪影響を与える?変更時にやるべきことを紹介

URLの変更を行うことで、検索エンジンは変更前のページと変更後のページを別のページと認識してしまうため、それまで積み重ねてきたSEO評価がゼロに戻ってしまいます。そのため、なかなか検索結果での順位が上がらない場合は一度リライトで様子を見るなど、すぐにURLを変更しないよう注意が必要です。
この記事では、URL変更によってSEOに及ぼすリスクや、URLを変更する際に行うこと、あわせてやるべきことなどをご紹介します。
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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
URL変更がSEOに及ぼす影響
URLを変更することで、これまで積み重ねてきたWebサイトへの評価がなくなってしまうだけでなく、ほかのページからつなげてもらったリンクが無効化し、エラーになってしまうなどの恐れがあります。URL変更がSEOに及ぼす影響は、次のとおりです。
ページへの評価がリセットされる
URLを変更することで、検索エンジンは変更前と変更後のページをそれぞれ別のページと認識します。そのため、変更後のページへの評価はゼロとなり、また初めから評価を積み重ねなければなりません。
このようにページの評価をリセットさせず、変更前のページでためた評価を変更後のページに引き継ぐためには、リダイレクト設定を行います。リダイレクトについては後ほど詳しくご紹介します。
Webサイトそのものの評価も下がる
URL変更を行ったページが複数ある場合、評価がリセットされたページも増えることになるため、Webサイト全体でためた評価も減少します。
また、各ページの評価がリセットされることで、検索結果における順位も変動する可能性があるため、順位が下がった場合はWebサイトへの流入数も減少してしまいます。
Webサイトの利便性が下がる
ユーザーが変更前のURLから該当のページにアクセスしようとした場合、「404 Not Found」と書かれた404エラーページが表示され、閲覧したいページを開けなくなります。
このようにエラーページが表示されることで、ユーザーは該当のページを探し直す手間が増えるため、利便性が下がります。利便性の低いWebサイトはユーザーからの信頼を失うだけでなく、検索エンジンが正しくサイト内を巡回できない原因にもなるため、ページがインデックスされなかったり、Webサイトの評価が下がったりする恐れがあります。
被リンクの効果が失われる
SEOでの評価を高める要素のひとつに、外部サイトに自社サイトのリンクを張ってもらう「被リンク」があります。しかし、被リンクでシェアしてもらったURLに変更があった場合、被リンクに設定された古いURLからアクセスしようとしたユーザーは、先述した404エラーページに移動させられてしまいます。
被リンクを通じて見込まれる流入数やSEO評価が失われることになるため、ページの評価やWebサイト全体の評価にも悪影響を与えるでしょう。
内部リンクの修正が必要になる
変更前のURLをWebサイトのさまざまな場所に内部リンクとして設置していた場合、設置した内部リンクのURLを修正しなければ、リンク切れを起こし404エラーページが表示されてしまいます。
内部リンクの数が少なければ手作業で修正しても大きな負担にはなりませんが、多くのページに内部リンクを設置していた場合は手間がかかるだけでなく、修正漏れも生じるでしょう。このとき、先述したリダイレクト設定を行うことで、変更前のURLのリンクをクリックした際に、変更後のURLへ自動的にアクセスできるようになります。
なお、サイト内のリンク切れはチェックツールを用いることでまとめて確認できます。
URL変更を行ってしまうケース
ここまでご紹介したように、URLの変更にはさまざまなSEOにおけるリスクが伴います。しかし、次のようなケースでは、URLが変更されてしまったり、軽い気持ちでURLを変更したりしてしまう方が多いです。
サイトの構造が変わったとき
新しいディレクトリを作成し、サイト構造が変わったときなどは、URLが変更されます。
例えば、このページのURLは、「https://www.sales-dx.jp/blog/url-change-seo」で、「blog」というディレクトリの中にこのページが含まれています。
もし、初めにblogのディレクトリを作成しておらず、「https://www.sales-dx.jp/url-change-seo」というURLでコンテンツを投稿しており、後からblogディレクトリを加え、ページを移動させた場合は、URLに「blog/」が追加され「https://www.sales-dx.jp/blog/url-change-seo」になるため、URLが変更されます。
なお、WebサイトのSEO評価を高めるには、上記の例のようにコンテンツ投稿用のディレクトリを作成したほうがわかりやすいサイト構造となり、評価を高めやすくなります。そのため、コンテンツを投稿してSEO対策を行う場合は、URL変更のリスクも踏まえたうえでディレクトリを追加し、既存コンテンツのURLを変更したほうがよいといえます。
SEOの効果がなかなか得られないとき
検索結果での順位がなかなか上がらないなど、思うようにSEOの効果が得られないときに、既存のコンテンツを削除して新規でコンテンツを作り直すケースも見られます。
同じ内容でコンテンツを作成していたとしても、既存のページを削除して新しくページを作成した場合はSEOの評価がリセットされるため、質の高いコンテンツであっても評価が集まるのに時間がかかり逆効果となる可能性があります。
SEOの効果がなかなか得られないときは、ページごと削除するのではなく、既存のコンテンツを見直し最新の情報に更新したり、さらにコンテンツを追加したりするなどリライトを行うことをおすすめします。
URLのSEOにおける重要性を理解していないとき
Webサイトの制作時やSEO対策を始める際に、先述したURLの変更に伴うリスクを理解していなかった場合、軽い気持ちでURLを変更してしまうことがあります。
そのため、Webサイトの制作時から長期目線での運用を考え、サイト内の構造や各ページのURL構造を検討することが大切です。基本的に、URLは後から変更しないものとして認識しておくとよいでしょう。
WordPressのURL設定を変更したとき
WordPressのデフォルトの設定では、URLにページを公開した日付が入力されます。URLに公開日が記載されていると、コンテンツのリライトを行いページ内の情報を最新の状態にしたとしても、URLの日付は古いままなので、ユーザーから古いコンテンツであると認識されてしまう恐れがあります。
このとき、URLに日付が記載されないよう設定を変更した場合、これまで作成していたすべてのページから日付が消去されるため、Webサイト内のページすべてのURLが変更されてしまい、評価がリセットされます。
先述のとおり、多くのページの評価がリセットされると、Webサイト全体の評価も低下してしまう恐れがあるため、WordPressを使用している場合は、コンテンツを投稿し始める前にURLの設定をすませておくことが大切です。
URLを変更したくなったらどうする?
ここまで、URL変更に伴うリスクなどをご紹介しました。しかし、URLの変更は行わないほうがよいものと認識していたうえでも、Webサイトを長く運用していると変更が必要だと感じるケースもあるでしょう。ここでは、URLを変更したくなった際に行うことをご紹介します。
リライトで対処できるか検討する
「検索順位が上がらない」などSEOでの成果が伸び悩んでいる場合は、リライトで対処できる可能性があります。
先述したように、URLを変更することでこれまで積み重ねたSEO評価はリセットされてしまうため、新しくページを作り直すよりも、より良質なコンテンツになるよう既存のコンテンツをリライトしたほうが、短い期間で効果を得やすくなるでしょう。
301リダイレクトを設定するのもおすすめ
やむを得ずURLを変更した場合は、変更前のURLのページにアクセスした際も変更後のURLのページに自動で遷移できるよう、301リダイレクト設定を行うのもおすすめです。
301リダイレクト設定を行うことで、URL変更後も変更前のURLで得たSEO評価を引き継げる可能性があります。被リンクや内部リンクのURLを修正せずとも、自動的に変更後のURLのページに遷移できるため、これらのSEO効果を失わずにすむでしょう。ただし、変更前のURLのページが検索エンジンから低い評価を受けていた場合は、変更後も低評価を引き継いでしまう恐れがあるためご注意ください。
また、単にURLのみを変更し、ページ内容は変更していない状態でリダイレクト設定を行うことでSEO評価を引き継げるものの、URLとあわせてページ内容を大幅に変更した場合は注意が必要です。新旧ページ間での関連性が薄くなってしまった場合は、リダイレクトを設定することで検索エンジンからスパム行為と見なされてしまう可能性もあります。
URLを変更したほうがよいページ
ここまでご紹介したように、URLは基本的に変更しないものとして認識していたほうがよいものの、反対にURLを変更したほうが適切にSEO評価を集められ、Webサイトの評価も高められるケースもあります。
スパム行為によってペナルティを科されたページ
Google 検索セントラルでは、「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」にスパム行為と見なされる行動を提示しています。このようなポリシー違反のページは、Googleによって手動ペナルティが科される可能性があり、インデックスされなかったり検索順位が低下したりするといったリスクがあります。
このようにスパム行為をしていたり、ペナルティを受けたりしているページは、単にURLを変更するのみでは、評価をリセットできても再度ペナルティを受けてしまいます。また、URLの変更後にリダイレクト設定を行っても、変更後のページにペナルティを引き継いでしまうため、行わないほうがよいでしょう。
そのため、このようなページに対しては、リライトを行いスパムと見なされる要素を排除したうえで新しいURLでページを作り直します。このとき、URL変更前のページが変更後のページの重複コンテンツと見なされないよう、以下のような手順で新規ページの作成を進めるとよいでしょう。
1.URL変更前のページに対して非表示やページ削除を行い、検索エンジンのデータベース上から削除されるのを待つ
2.URL変更前のページに向けてつないでいた内部リンクをすべて削除する
3.URL変更前のページがインデックスから除外されていることを確認したら、スパムと見なされる要素を排除したうえで新規URLでページを作り直す
品質が低いと判断されたページ
Google 検索セントラルでは、「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」にて高い評価をするコンテンツ内容を提示しています。検索エンジンから、これらの条件を満たさずユーザーにとって有益な情報を与えない低品質なコンテンツと見なされた場合、検索結果での上位表示は狙えません。
競合ページにないオリジナルの情報を追加するなど、質を高めるリライトを行ってもなかなか順位が上がらない場合は、ページそのものが低品質と判断されており、思うように順位を上げることができません。
このような場合においては、リライトを行ったうえでURLを変更し、変更前のページから変更後のページへリダイレクト設定を行うことで、検索エンジンからの悪い評価をリセットしたうえで評価をためられます。
URLを変更した際にあわせてやるべきこと
最後に、Google サーチ コンソールへのインデックスのリクエストや内部リンクの修正など、URLを変更する際にあわせてやるべきことについてご紹介します。
インデックスリクエスト
URLを変更したら、検索エンジンのクローラーが素早く新しいページを巡回できるようGoogle サーチ コンソールへインデックスのリクエストを送りましょう。
インデックス登録は基本的に数日待てば自然に登録されますが、新しいページが検索エンジンに認識されなければ検索結果にも反映されなくなるため、なるべく早く新しいページの存在を認識してもらえるよう、インデックスのリクエストを送ることが大切です。
XMLサイトマップの再送信
新しくディレクトリを追加してURLが変更された場合などは、XMLサイトマップをGoogle サーチ コンソールで再送信します。XMLサイトマップとは、検索エンジンへWebサイトの構造や各ページの内容を伝える際に作成するファイルです。
XMLサイトマップをURL変更後に素早く送信することで、検索エンジンもURLが変更されたことをすぐに認識できます。なお、XMLサイトマップは「sitemap.xml Editor」などのツールを活用することで簡単に作成できます。
内部リンクの修正
先述したように、URLの変更後は内部リンクに設定したURLの修正も行わなければリンク切れを起こしてしまい、ユーザーがスムーズにサイト内を巡回できなくなってしまいます。
301リダイレクトを設定することで、URLを修正せずとも自動的にページ遷移できますが、リダイレクトによってページの読み込みに時間がかかる場合があり、ユーザーに不便さを感じさせることもあります。このようにリダイレクトによる負担をユーザーに与えたくない場合は、内部リンクのURLをひとつずつ修正する必要があります。
まとめ
この記事では、URL変更によってSEOに及ぼすリスクや、URLを変更する際に行うこと、あわせてやるべきことなどをご紹介しました。
URLを変更することで、内部リンクや被リンクでリンク切れを起こし、ユーザーがページへアクセスできなかったり、検索エンジンから受けた評価がリセットされてしまったりするといったリスクがあるため、基本的にURLは一度設定したら変更しないことをおすすめします。
万が一URLを変更した際は、301リダイレクトで変更前から変更後のページへ自動的に遷移できるよう設定するのがおすすめです。