ドメイン変更はSEOに影響あり?評価を維持してドメイン変更する方法も

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Webサイトのドメインを変更したいと思っても、SEOの観点から見て悪影響があるのでは?と考えると、なかなか踏み出せないという人も多いのではないでしょうか。
実際にどんなリスクがあるのか、Webサイトを運営しているのなら気になるところでしょう。
この記事では、ドメイン変更をすることで起こりうるSEO的な影響やリスク、受けている評価を継続しながらドメイン変更をする方法、変更時の注意点などを解説します。

執筆者

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

目次

  1. ドメイン変更でSEO的な影響やリスクはある?
    1. ドメイン年齢がリセットされる
    2. SNSでのシェアが無効になる
    3. 外部リンクが機能しなくなる
    4. ユーザビリティが低下する
  2. ドメイン変更を検討すべきタイミングとは?
    1. Webサイトをリニューアルするとき
    2. 現在のドメインに何らかの問題が発生しているとき
    3. SEO対策の一環として取り組むとき
    4. マーケティング戦略に変更があったとき
  3. SEO評価を維持してドメイン変更する方法
    1. STEP❶旧ドメインのURLをリストアップする
    2. STEP❷新ドメインのWebサイトを作る
    3. STEP❸リダイレクト設定をする
    4. STEP❹Google Search Consoleでドメイン名を変更する
    5. STEP❹Google Search Consoleでサイトマップを送信する
  4. ドメイン変更時に注意すべきポイント
    1. 新ドメインのWebサイトの内部リンクを更新する
    2. 新ドメインのWebサイトのSSL化をする
    3. 旧ドメインのWebサイトにcanonicalタグを設置する
    4. リダイレクトチェーンを避ける
    5. トラフィックの一時的な減少には留意する
  5. ドメイン変更後に確認すべきポイント
    1. 新ドメインのWebサイトがインデックスされているか
    2. 外部リンクの更新を依頼する
  6. ドメイン変更に関連するよくある質問
    1. ドメイン変更の費用は?
    2. 301リダイレクトと302リダイレクトにはどんな違いがある?
    3. リダイレクトはいつ解除すべき?
  7. まとめ

ドメイン変更でSEO的な影響やリスクはある?

ドメイン変更をすることで起こりうるSEOの観点から見た影響やリスクは、主に4つあります。
どんなものがあるのか、変更前にあらかじめ知っておくことをおすすめします。

ドメイン年齢がリセットされる

ドメイン年齢(ドメインエイジ)とは、該当するドメインがGoogleのクローラーに発見されたときを起点に経過した期間のことを指します。
Googleのクローラーに発見された日=誕生日だと捉えるとわかりやすいでしょう。
ドメイン年齢が高いということは、長期間安定してWebサイトが運営されているということにもなり、検索エンジンから信頼性があると見なされます。
ドメイン年齢がリセットされることで甚大な影響が出るわけではありませんが、運営期間が長い場合は、このような信頼性もいったんリセットされてしまうことは理解しておきましょう。

このことについて、WEB学園 byお名前.comでは以下のように述べられています。

長年使い続けたドメインには、ドメインエイジ(年齢)が保存されています。
ドメインエイジは検索エンジンのクローラーがサイトを捕捉した時点から記録され、
長期間維持されるほど信頼性が向上し、クローラーの訪問頻度が増え、
検索順位も高くなりやすくなります。

ドメインを変更するとドメインエイジがリセットされるため、
検索エンジンに長年蓄積された評価が失われることになります。

引用:ドメインを変更するやり方は?影響やリダイレクトの手順、維持期間も解説 | WEB学園 byお名前.com

SNSでのシェアが無効になる

ドメイン年齢のリセットよりも、はるかにリスキーなのがSNSでシェアされた数がリセットされてしまうことです。
すでにシェアされたURLは変更されないため、ユーザーにクリックされたとしてもエラーが出てしまい、ユーザーを取りこぼすことになってしまうからです。
コンバージョンにつながるユーザー(見込み客)を失う可能性があることには注意しましょう。

外部リンクが機能しなくなる

ドメイン変更を行うと、外部のWebサイトに設置されたリンクが無効となり、ユーザーがアクセスできなくなります。
それだけではなく、新規ドメインとなることで検索エンジンからの信頼度を表すドメインパワーが下がり、上位表示されていたコンテンツの表示順位が下落する可能性すらありえるのです。

ユーザビリティが低下する

ドメイン変更をするとURL自体が変わるため、ユーザーがブックマークをしていた場合、そこからのアクセスができなくなります。
このケースの場合、ユーザーはWebサイトがなくなってしまったのか、一時的なエラーなのかといった判別がつきません。
ユーザーに再度Webページを探す手間をかけてしまい、結果的にユーザビリティの低下を招いてしまうのです。

ドメイン変更を検討すべきタイミングとは?

一見するとリスクしかないように見えるドメイン変更ですが、変更を検討すべきタイミングがあります。
Webサイトがそのタイミングに当てはまっているかどうか、確認しながら読み進めてください。

Webサイトをリニューアルするとき

Webサイトのリニューアルをする際は、ドメイン変更を検討すべきタイミングといえます。
以下のような対応をする場合、ドメイン変更を検討してもよいでしょう。

  • Webサイトのデザインや構造を大幅に変更する
  • スマホ対応にする
  • 新機能を追加する

後述するリダイレクト設定は必須になりますが、旧ドメインでSEO施策が難航しており、評価を受けづらい状況になっている場合、リニューアル時にドメイン変更をすることで状況を打開できる可能性が少なからずあります。

現在のドメインに何らかの問題が発生しているとき

現在使用しているドメインに、以下のようなケースが当てはまる場合、ドメイン変更を検討してもよいでしょう。

  • 無料ドメインから独自ドメインへ移行したい
  • Webサイトの乗っ取り被害(改ざん)に遭った

また、現在セキュリティに脆弱性のあるドメインを使用している、セキュリティを強化したいといったケースの場合、サーバーの移行やアップグレードで改善される場合も多くあります。
先にサーバー移行やアップグレードを試し、改善が見込まれない場合はドメイン変更を検討することをおすすめします。

SEO対策の一環として取り組むとき

SEO対策の一環として、以下のようなケースに当てはまる場合はドメイン変更を検討すべきといえます。

  • 複数のWebサイトを統合してアクセス数を集約したい
  • 現在のドメインが弱いのでSEOの効果改善を図りたい

悪質なSEO対策でドメインへの評価が低下してしまったり、ペナルティを受けたりしている場合、リニューアル時にドメイン変更をすることで状況を打開できる可能性があります。

マーケティング戦略に変更があったとき

マーケティング戦略を転換する場合も、ドメイン変更を検討するタイミングといえます。

例えば、

  • 会社・サービス・ブランドの名前を変更する
  • ターゲット層や市場を拡大したい
  • グローバル展開を視野に多言語対応のドメインに変更したい

イメージを刷新するために、会社やサービス、ブランド名を変更する場合は、イメージに合うドメインへと変更するのがおすすめです。
ただし、会社名やサービス、ブランド、商品名といったものに関連したドメインを使用する場合、他社の商標権を侵害していないか、類似していないかといった点には注意しましょう。

SEO評価を維持してドメイン変更する方法

ドメイン変更には、先述したようにSEOの観点から見るとリスクや悪影響があることは否定できません。
しかし、現在のドメインで受けているSEO評価をリセットさせず、維持したままドメインを変更する方法があります。
ここでは、その手順をご紹介します。

STEP❶旧ドメインのURLをリストアップする

はじめに、旧ドメインで使用しているURLをすべてリストアップしましょう。
トップページだけではなく、会社概要や採用ページ、商品やサービス紹介ページなど、使用されているものはすべてリスト化し、漏れがないようにすることが大切です。

STEP❷新ドメインのWebサイトを作る

ドメイン変更後の新しいWebサイトを作成します。
Webサイトのデザインやサイト構築をし、新ドメインのWebサイトが完成したらコンテンツの移行をしましょう。

広告運用を外部に委託して行っている場合は、ドメイン変更により広告の審査に落ちてしまうこともあるので、報連相を徹底して連携を取ることをおすすめします。

STEP❸リダイレクト設定をする

リダイレクトとは、旧ドメインのサイトにアクセスがあった場合、自動で新ドメインのページへと遷移する仕組みのことを指します。
STEP❶でリストアップしたすべてのURLにそれぞれリダイレクト設定をしましょう。
リダイレクト設定にはいくつか種類がありますが、ドメイン変更の場合は「301リダイレクト」を設定するのが一般的です。
301リダイレクトを設定することで、一定のSEO評価を引き継ぐことができるほか、存在しない旧ドメインのページにクロールされ、エラーページが発生してしまうことも防げます。

Google Search Consoleにログインし、アドレス変更ツールを使用してドメイン名を変更します。
ツールの使用には、新旧WebサイトどちらもGoogle Search Consoleのオーナー権限が必要となりますので注意しましょう。
ログイン後は、以下の手順で変更ができます。

  1. ❶Webサイトのプロパティを開き、メニューから「設定」を選択
    ❷「プロパティ設定」内にある「アドレス変更」を選択
    ❸「新しいサイトを選択」横のプルダウンから、新Webサイトを選択し、「検証して更新」をクリック

「このサイトは現在移行中です」という表示が出たら、ドメイン変更に伴う作業は完了となります。

UIの変更により表示されるテキストやボタンが変更になることもありますので、最新の情報は「アドレス変更ツール - Search Console ヘルプ」もあわせてご確認ください。

最後に、Google Search Consoleで新ドメインのWebサイトのサイトマップを送信します。
この作業をすることにより、Googleのクローラーのスピーディーな巡回を促せるようになるので、必ず行いましょう。

サイトマップを送信する手順は以下のとおりです。

  1. ❶Google Search Consoleを開き、メニューから「サイトマップ」を選択
    ❷「新しいサイトマップの追加」の下にあるテキストボックスに、サイトマップのURLを入力し、「送信」を選択

サイトマップが認識されると、完了した旨の画面が表示されます。

ドメイン変更時に注意すべきポイント

ドメインを変更する際には、いくつか注意点があります。
手順通りに行っても、以下のポイントに気をつけながら作業をしなければ、ドメイン変更に伴うリスクを負うことにもなりかねません。
ドメイン変更の作業をする前に、以下の注意点を理解しておくことをおすすめします。

新ドメインのWebサイトの内部リンクを更新する

内部リンクを更新しないと、アクセスしたユーザーが該当するページへと到達できません。
ドメイン変更をしたら、忘れずに内部リンクのURLも更新しましょう。
内部リンクが多い場合、更新忘れがないようにリストアップをして、対応したものから順に印をつけていくといった対応をするのがおすすめです。
コンテンツを移行するときには、リダイレクト元である旧ページ内の内部リンクはすべて削除し、リダイレクト先である新ページ内に新たに内部リンクを設置するようにしましょう。

新ドメインのWebサイトのSSL化をする

SSLとは、ネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みのことを指します。
セキュリティは引き継ぐことができないため、新ドメインへ移行後は必ずSSL化をするようにしましょう。
SSL証明書を取得することでWebサイトへの安全性や信頼性も向上し、ユーザーのプライバシーを守ることにもつながります。

旧ドメインのWebサイトにcanonicalタグを設置する

canonical(カノニカル)タグとは、同じWebサイト上に重複コンテンツが存在する場合、どちらのコンテンツを評価対象とするかを検索エンジンへと伝える役割があるタグです。
旧ドメインのWebサイトにcanonicalタグを設定することにより、新ドメインのWebサイトがインデックスされるようになります。
301リダイレクトと混同されることがありますが、canonicalタグは検索エンジンに情報を伝えるもので、301リダイレクトのようにページを遷移させるものではありません。

もし重複コンテンツを避けることを目的としているのであれば、旧ドメインのWebサイトやページがインデックスされなくなるまで待つという方法もあります。
この方法を採用するなら、インデックスされなくなり、検索結果画面に表示されなくなったタイミングで移行しましょう。

リダイレクトチェーンを避ける

リダイレクトチェーンとは、その名のとおり鎖のように連鎖してリダイレクトが複数行われることを指します。
A→B→Cのようにリダイレクトが繰り替えされると、ユーザーにもストレスを感じさせてしまう可能性があるほか、クローラーもスムーズに巡回ができなくなります。
リダイレクトチェーンが発生しないようなサイト設計を行うことも大切です。

トラフィックの一時的な減少には留意する

検索エンジンが新ドメインのWebサイトを認識するまで、最短で24時間後、長くても数週間必要になるといわれています。
その間、トラフィックが一時的に減少してしまうのはやむを得ません。
このような事態はどのWebサイトでも発生し得ることなので、トラフィックが減少しても焦らず、できる限りのSEO対策を行いましょう。

ドメイン変更後に確認すべきポイント

ドメインが無事に変更できたら、確認すべきポイントが2つあります。
1つ目が「新ドメインのWebサイトがインデックスされているかどうか」、2つ目が「外部リンクの更新」です。

新ドメインのWebサイトがインデックスされているか

新ドメインに変更し、一定期間がたったら、新ドメインのWebサイトがインデックスされているかどうかを確認しましょう。
手軽な確認方法は、検索をして検索結果の画面に新ドメインのURLが表示されているかをチェックする手法です。
表示されない場合は、インデックスされない原因を確認して対処しましょう。

外部リンクの更新を依頼する

外部リンクは、SEOの評価に大きな影響を及ぼすといわれている要素のひとつです。
先述したとおり、ドメイン変更をすると旧ドメインで設置されている外部リンクは機能しなくなってしまいます。
新ドメインのWebサイトで検索エンジンから高評価を得るためにも、外部リンクを設置しているWebサイトの担当者と連絡を取り、できる限り更新してもらうようにしましょう。
SEO効果が高いからといって、外部リンク(被リンク)を購入することペナルティの対象となり、大きなリスクを負うこととなるので避けることをおすすめします。

ドメイン変更に関連するよくある質問

最後に、ドメイン変更に関連するよくある質問をご紹介します。

ドメイン変更の費用は?

ドメイン変更の費用は、プロバイダーやドメイン登録事業者によって異なるので一般的な相場をお伝えします。
変更(ドメイン取得)、取得したドメインの更新、ドメイン移管作業、それぞれの費用の平均相場は以下のとおりです。

  • ドメイン変更:3000円程度
  • ドメイン更新:2500円程度
  • ドメイン移管:1万6000円程度

301リダイレクトと302リダイレクトにはどんな違いがある?

301リダイレクトと302リダイレクトは、URLの転送が恒久的か一時的かという違いがあります。

それぞれの違いをまとめた表で確認しましょう。

リダイレクト名

意味

効果

301

恒久的にリダイレクトする

  • 旧URLの検索結果を新URLに置き換える
  • 旧URLにアクセスする代わりに、新URLへと自動転送される

302

一時的にリダイレクトする

  • 旧URLの検索結果を保持する
  • 次回以降も旧URLにアクセスする可能性がある

リダイレクトはいつ解除すべき?

サイトを移転する方法」にも明記されているように、最低でも1年はリダイレクト設定をしておくことをおすすめします。
無期限にリダイレクト設定をすることにも言及されているため、できる限り長く設定するのがベストといえるでしょう。

まとめ

この記事では、ドメイン変更について詳しく解説しました。
ドメイン変更を行うことでSEOの観点から見てどんな影響があるのか、そのリスクについても理解するきっかけになったのではないでしょうか。
SEO評価をできる限り維持したまま、ドメイン変更をする方法もご紹介したので、もし変更することがあれば、注意点を守りながら試してみてください。

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