SEOのURL日本語化は正しい?メリットやおすすめの設定方法を解説
SEOにおいてURLを日本語で設定することは、クローラーによるページ巡回が正常に行える構造であれば、特に検索順位などには影響しないとされています。
ただし、英語以外の言語で設定することで、コピー&ペースト時に文字列の表記が変わってしまったり、うまくリンクを設定できなかったりするなどのリスクもあるため、注意が必要です。
この記事では、SEOにおいてURLを日本語で設定するメリットやデメリット、おすすめの設定方法などをご紹介します。
SEOではURLを日本語で設定したほうがいい?
一般的に、URLはアルファベットや数字を用いて表記されることが多いです。しかし、Webサイトを閲覧していると、URLの一部が日本語で記載されているページを目にしたこともあるのではないでしょうか。
URLは、Google 検索セントラルの「Google における URL 構造のベスト プラクティス」において、シンプルでわかりやすい構造にすることが推奨されています。
このとき、パーマリンクなどURLの一部を日本語で設定しても、クローラーがページを巡回できるURL構造であればSEOの評価には影響しないとされており、英語以外の言語をURLに使用しても問題ありません。
参照:Can my URLs use non-English words? - SEO Snippets
パーマリンクとは
パーマリンクとは、URLに含まれる要素で、個別のページを示す役割を持ちます。パーマリンクの「パーマ」は英語で「永遠の」などを意味する「Permanent」から由来しており、一度設定することで変化しないリンクを指しています。
例えば、このページのURLにおいて、パーマリンクは赤字の箇所になります。
https://www.sales-dx.jp/blog/seo-url-japanese
URLからパーマリンクを抜いた場合、「https://www.sales-dx.jp/」となるため、Webサイトのトップページが表示されますが、パーマリンクをURLの中に含めることで、個々のページにアクセスすることができます。
パーマリンクは、一般的にアルファベットや数字で表記されることが多いですが、日本語でも設定できます。
また、上記の「www.sales-dx.jp」にあたるドメイン名も日本語で設定でき、このようにパーマリンクやドメイン名を日本語にしたURLの生成も可能です。
日本語を使用したURLの例
パーマリンクやドメイン名に日本語を使用したURLの例は、次のとおりです。
ドメイン
日本語のドメイン名は、官公庁や学校、企業などで広く用いられています。ドメイン名に日本語を使用した例は、次のとおりです。
- https://日本語.jp/
- https://総務省.jp/
- https://お茶の水女子大学.jp/
ドメイン名を日本語にすることで、一目で何のWebサイトを示しているのかがわかるようになるため、わかりやすく覚えられやすいURLを生成できます。また、一般的には英語のドメイン名が用いられているため、日本語のドメイン名は取得時に競争率が低く、希望のドメイン名を取得しやすいといったメリットもあります。
パーマリンク
パーマリンクに日本語を使用した場合は、以下のようなURLが生成できます。
- https://example.jp/お役立ちコンテンツ
- https://example.jp/ブログ一覧
- https://example.jp/blog/東京のおすすめカフェを詳しく紹介
Webサイト内のページを作成する際に使用するCMSでは、自由にパーマリンク部分を編集できたり、パーマリンク部分にページの番号が自動で割り振られたりすることが多いです。
なお、WordPressなどのCMSによっては、パーマリンクを個別に設定しない場合、そのままページのタイトルが日本語でパーマリンクとして設定されるものもあります。
ただし、コピー&ペースト時に文字化けのような見づらいURLとなってしまうこともあるため、上位化を狙うキーワードを英語にしたものなど、アルファベットや数字で設定するほうが簡潔にまとめられます。
URLに日本語を含めるメリット
URLに日本語を含めることで、ユーザーにとってわかりやすくクリックしてもらいやすいURLを作成できます。URLに日本語を含めるメリットは、次のとおりです。
ページ内容をURLからイメージしやすい
URLのドメイン名やパーマリンクなどが日本語で表記されていると、日本人のユーザーであれば、URLが英語で表記されているときよりも、どのようなWebサイトなのか・どのようなページ内容なのかをすぐにイメージできるようになります。
英語でURLを設定することで、ページの内容がイメージしづらくなるものもあります。例えば、人事が業務効率化を実現するためのアドバイスについて書かれたコンテンツのパーマリンクを設定する際に、そのまま英訳すると「Business Efficiency Human Resources」となり、英語を見ただけではすぐに何のページかがイメージしづらくなります。このとき、日本語で「人事が業務効率化するための方法とは」のようにパーマリンクを設定することで、何について書かれたコンテンツかが一目でわかります。
クリック率の向上が期待できる
日本語でURLが設定されたページは、ページの中身も日本語で書かれていることを示せるため、日本人ユーザーからのクリック率の向上が期待できます。
また、日本語のURLは検索結果でも目立ちます。例えば、「おうちごはん」で検索した際にさまざまな検索結果がある中で、「おうちごはん」が含まれるURLのページが表示されることで、「このページであれば自分が求めている情報があるかもしれない」と、タイトルやディスクリプション以外の要素をきっかけにクリックしてもらえる可能性があります。
パーマリンクを設定しやすい
パーマリンクを英語で設定する際は、英語に慣れていない場合は翻訳ツールなどを使う必要があるため時間がかかるでしょう。また、近しいジャンルでコンテンツを複数作成していた場合、キーワードが異なっていたとしても、ページ同士でパーマリンクの英語表記がかぶってしまう可能性もあります。日本語でURLを設定していれば、英訳の手間もパーマリンクが重複する恐れもなくなるため、パーマリンクが設定しやすくなるでしょう。
URLに日本語を含めるデメリット
ここまでご紹介したように、URLに日本語を含めることで、ユーザーにとってのわかりやすさが増したり、設定が簡単になったりするといったメリットがあります。しかし、URLに日本語が含まれていることで生じるデメリットもあるため、あわせてご確認ください。
被リンクを獲得しづらくなる
日本語のURLが設定されていることで、外部サイトから自社サイトにせっかくリンクを張ってもらっても、リンク機能がうまく働かず被リンクを獲得できないケースがあります。そのため、日本語が含まれるURLをリンクでつなぐ場合は、URLエンコードを行い、アルファベットや数字、記号の羅列に変換します。
エンコードは「URLエンコード・デコード」といったツールで簡単に変換できるものの、そのまま英語のURLを設定するよりも手間がかかるため、リンクを設定してもらえる機会が減る可能性があります。
URLを共有してもらいにくくなる
日本語のURLは、コピー&ペーストをすることで自動的にエンコードされ、文字化けしたような表記になります。
例えば、Wikipediaの江戸時代について説明したページのURLは、「https://ja.wikipedia.org/wiki/江戸時代」ですが、このURLをドキュメントやメールの作成画面などにコピー&ペーストすると「https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E6%99%82%E4%BB%A3」となります。
日本語の部分が長いほどエンコードされた文章も長くなるため、元の日本語URLよりかなり長くなってしまったり、ユーザーが文字化けのような文字の羅列から不信感を抱き、URLを共有しなくなってしまったりする可能性があります。
なお、URLを短縮するツールもありますが、ツールがサービスの提供を終了した場合は、生成したリンクが無効となり機能しなくなることもあるため、注意が必要です。
日本語がわかるユーザーにしか認識してもらえなくなる
日本人が日本語のURLを見た場合、一目でページ内容をイメージしやすいメリットがあるものの、日本語がわからないユーザーには、「URLで何を示しているかわからない」と、ページにアクセスしてもらえなくなる恐れがあります。
日本語のURLを設定している場合、海外のユーザーからのアクセス数の低下以外にも、URLをシェアしてもらえる可能性も低下するため、SNSや外部サイトでの拡散や被リンクを国内外で狙う場合は、英語でのURL設定がおすすめです。
おすすめのURL設定方法
ここまで、URLを日本語で設定するメリットやデメリットをご紹介しました。Googleでは日本語のURLでも評価には影響されないとされていますが、結局日本語・英語のどちらで表記すべきなのか悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、おすすめのURL設定方法をご紹介します。
迷ったら英語
日本語か英語で迷ったら、英語で設定するのがおすすめです。先述したデメリットにもあるように、日本語で設定することで、シェアや被リンクがされにくくなったり、海外のユーザーからのアクセスが低下したりする可能性があります。
英語でURLを設定することで、英訳の手間や、ユーザーにURLから内容を理解してもらいづらいなど不便な点もありますが、簡単な英単語を並べてできるだけわかりやすくするといった工夫をするとよいでしょう。
コンテンツの内容に沿ったパーマリンクを作る
パーマリンクを設定する際は、コンテンツに沿った内容のパーマリンクを設定しましょう。例えば、サンドイッチの作り方に関するコンテンツの場合は「how to make sandwiches」や、SEO対策のおすすめツールに関するコンテンツの場合は「seo recommended tools」など、キーワードやコンテンツの内容に沿った文字列を含めます。
日本語でパーマリンクを設定する際も、ページのタイトルや狙うキーワードを含んだ文章などを意識して、ページ内で何を示しているのかをわかりやすくユーザーや検索エンジンに伝えましょう。
URLの正規化を行う
URLは、「index.htmlの有無」「wwwの有無」「スマートフォンとPCで異なるURLを使用している」などの場合において、同一のページ内容であったとしても、検索エンジンからは別のページとして認識されてしまいます。
このような場合、コンテンツが重複し、SEOの評価が分散してしまい上位化しづらくなることもあるため、301リダイレクトやcanonicalタグを設定し、URLの正規化を行いましょう。
英語の場合はハイフンを使用する
Google 検索セントラルの「Google における URL 構造のベスト プラクティス」においても、URLの英単語はハイフン(-)で区切ることが推奨されています。ハイフンで英単語を区切ることで、ユーザーがURLに含まれる英単語を理解しやすくなります。
URL では、ハイフンを使用して単語を区切ることを検討してください。それにより、ユーザーや検索エンジンが URL のコンセプトを理解しやすくなります。URL にはアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使用することをおすすめします。
引用:Google における URL 構造のベスト プラクティス|Google 検索セントラル
例えば、「how to make sandwiches」を設定する場合は、「how-to-make-sandwiches」と記載します。
CMSによっては、スペースの箇所を自動でハイフンに置き換えてくれるものもあります。
パーマリンクを日本語から英語に変更する手順(HubSpot)
もともと日本語で設定していたパーマリンクを英語に直したい場合は、次のような手順で変更できます。なお、パーマリンクを変更した後は、あわせて301リダイレクトの設定も行いましょう。
今回は、HubSpotを用いた変更手順をご紹介します。
パーマリンクの変更手順
1.HubSpotでのブログ記事編集画面を開き、「設定」から「全般」をクリックする
2.記事URLの編集マークをクリックする
3.「コンテンツスラッグ」を英語に変更する
4.「×」を押して設定ウインドウを閉じる
301リダイレクトの設定手順
1.ブログ記事の一覧ページから、右上の歯車アイコンをクリックする
ブログ記事の一覧ページは、HubSpotの管理画面トップページから、「コンテンツ」>「ブログ」の手順でアクセスできます。
2.「ツール」内の「コンテンツ」から「ドメインとURL」をクリックする
3.「URLリダイレクト」タブをクリックする
4.「URLリダイレクトを追加」をクリックする
5.「元のURL」に変更前の日本語URL、「リダイレクト先」に変更後の英語URLを記入する
6.「URLリダイレクトを追加」で反映させる
以上で301リダイレクトを設定できます。
パーマリンクを日本語から英語に変更する手順(WordPress)
ここまで、HubSpotでの手順をご紹介しましたが、WordPressでもほぼ同様の手順でパーマリンクを変更できます。なお、WordPressでは「Redirection」など専用のプラグインをインストールすることで301リダイレクトを簡単に設定できます。
パーマリンクの変更手順
1.記事の編集画面を開く
2.タイトルの下にある「パーマリンク」の「編集」をクリックする
3.パーマリンクを英語に変更する
301リダイレクトの設定手順
今回は、プラグインの「Redirection」を使用した301リダイレクトの設定手順をご紹介します。
プラグインをインストールする
1.WordPressの左側のメニューバーから「プラグイン」をクリックする
2.「新規追加」をクリックする
3.「プラグインを追加」ページで「Redirection」を検索する
4.「今すぐインストール」をクリックし、インストールする
プラグインを使用してリダイレクト設定をする
1.WordPressの左側のメニューバーから「ツール」をクリックする
2.「Redirection」をクリックする
3.「基本セットアップ」画面で適用させる項目にチェックを入れ、「セットアップを続行」をクリックする
4.「ソースURL」に変更前のURLを入力する
5.「ターゲットURL」に変更後のURLを入力する
6.「転送ルールを追加」で反映させる
パーマリンクを日本語から英語に変更する際の注意点
ここまで、パーマリンクを日本語から英語に変更する手順をご紹介しました。パーマリンクを英語に変更する際は、以下の点にご注意ください。
301リダイレクトの設定は必ず行う
パーマリンクを日本語から英語に変更することで、URL自体が変更されます。このとき、内部リンクや外部サイトからの被リンクで設定されていたURLがそのままの場合、リンクをクリックしてもエラーが表示される「リンク切れ」が起きる場合があります。
そのため、パーマリンクを変更した際には、必ずあわせて301リダイレクト設定も行い、古いリンクをクリックしてもURL変更後のページへ自動的に移動するよう設定しましょう。
なお、リンク切れが起きているかはチェックツールなどを用いることでまとめて確認できます。
大量にパーマリンクを変更する際は慎重に進める
大量のページのパーマリンクを一気に変更する際は、まとめて設定変更やリダイレクト設定
を行いたくなりますが、これらの変更作業は手作業で行うため、ミスも起こりやすいです。
そのため、変更する場合は「パーマリンクの設定変更→リダイレクト設定→リダイレクトできているかの確認」といったように、1ページずつ慎重に進めましょう。
まとめ
この記事では、SEOにおいてURLを日本語で設定するメリットやデメリット、おすすめの設定方法などをご紹介しました。
日本語のURLは、ユーザーにわかりやすくページ内容を伝えられるメリットがありますが、コピー&ペースト時にエンコードすることで文字化けしたような文字列になってしまい、シェアしづらくなるなどのデメリットもあります。設定時は、日本人のみに発信したいのか、海外のユーザーにも発信したいのかなど、どのようなユーザーに向けてコンテンツを発信するかも加味しながら、どの言語で表記するかを検討するとよいでしょう。