SEO対策でもペルソナは必要?作り方や作成時のポイントを紹介

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自社のサイトのSEO対策を行うときは、まずペルソナを作ることから始めましょう。自社のターゲットとなるユーザーの属性をより深く掘り下げることで、ユーザー目線でコンテンツを提供できるようになるため、ユーザーや検索エンジンからも高く評価されやすくなります。

この記事では、SEOにおけるペルソナの作り方や、作成する際のポイント、注意点などをご紹介します。

執筆者

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

SEO対策でペルソナが重要な理由

ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用するターゲットを、より詳細に表した顧客像を指します。ペルソナは、オウンドメディアをはじめとしたWebサイトの運用におけるSEO効果を高める際にも重要な要素です。

自社サイトに訪れるユーザーに対して、自社の商品やサービスに興味を持ってもらうためには、ユーザーが関心を寄せるテーマに沿ったコンテンツや、ユーザーにとって有益となる情報を数多く提供し、自社への信頼度を高める必要があります。

このとき、ペルソナを明確化し、ペルソナが興味を持つテーマや求める情報に沿ってコンテンツを作成することで、ユーザーのニーズとのずれを防ぎつつ、自社が狙うターゲットとなるユーザーを顧客として獲得しやすくなります。

例えば、自社で女性の転職に関するオウンドメディアを運営しており、ターゲットを20代の女性としていた場合、ペルソナは以下のように作成できます。

  • 25歳、女性
  • 埼玉県在住、1人暮らし
  • 都内勤務、クリエイティブ職
  • 年収340万円
  • 自宅でも行える仕事内容だが毎日出社しており、通勤時間を減らしたい
  • いずれは独立したいと思っている
  • 美術館巡りが趣味
  • よく使うSNSはInstagram

このように、年齢や年収、家族構成、ライフスタイル、趣味、将来の目標などを細かく設定することで、メディア内でどのようなコンテンツを提供すべきか、どのような導線を設置することで、コンバージョンへつながりやすくなるかなどを検討しやすくなります。

また、SEOにおいては、ユーザーを第一に考えたコンテンツを提供することが求められています。
あらかじめペルソナを明確化しておくことで、コンテンツを作成するときも「このような情報があると喜ばれるのではないか」「自身の実体験や自社での事例を含めるとわかりやすいのではないか」「ユーザー目線で見たらわかりづらいページ構成ではないか」など、ユーザーの目線でコンテンツを改善できるようになります。

ユーザーにとって利用しやすい、ユーザビリティが高いコンテンツやWebサイトは、検索エンジンからも高評価を受けやすく、検索結果でのランキングにも影響します。
ユーザー目線で質の高いコンテンツを提供し、検索エンジンから高い評価を受けるWebサイトを運用するためには、ペルソナを作成し、ペルソナが求めるコンテンツが何かを見極めることが大切です。

一般的なペルソナとSEOでのペルソナの違い

自社で商品やサービスを提供する企業では、マーケティング活動の一環としてペルソナを作ります。先述のとおり、SEO対策を行ううえでもペルソナを作成することは重要ですが、それぞれ企業とユーザーのどちらを軸に戦略を練るかが異なります。

一般的なペルソナ

一般的なペルソナは、すでに自社の商品やサービスを利用している既存顧客などのデータを参考にしながら、「自社で獲得したい顧客像」をベースにペルソナを作成します。そのため、自社で提供する商品やサービスに合わせて利用してくれそうな顧客像を見極め、顧客像を深掘りします。

また、ペルソナをもとに戦略を練る際は、あらかじめ「商品購入」などのゴールを設定し、ゴールに至るまでにユーザーにどのように働きかけるのがよいかを考えます。

このように、一般的なペルソナは企業の商品やサービスを軸に理想の顧客像となるペルソナを作り、どのようなアプローチをすれば顧客になってくれるかを考えながら戦略を練ります。

SEOでのペルソナ

SEOでのペルソナは、ユーザーが自ら検索したり、検索結果から自社のサイトを選んでページに訪れてもらったりしなければならないため、ユーザー目線で戦略を練る必要があります。

そのため、一般的なペルソナでは、すでに自社の商品やサービスを利用している既存顧客などのデータを参考に顧客像を作り込みますが、SEOにおいては、より広い範囲におけるユーザー属性を見ながら、自社のサイトに訪れてくれそうなユーザーはどのような人物かを考えながら顧客像を作り込みます。

また、戦略を練る際も、「資料ダウンロード」などのゴールを設定したうえで、どのようなキーワードを狙ってコンテンツを作成すればユーザーが自社のサイトを見つけてくれるのか、どのようなコンテンツを提供すればユーザーは興味を持ち、ゴールとして設定したアクションを起こしてくれるのかなど、ゴールへ促すための戦略をユーザー目線で考えます。

ペルソナの基本的な作り方

ここまで、一般的なペルソナとSEOにおけるペルソナについてご紹介しました。SEO対策をするうえでのペルソナの作り方をご紹介する前に、まずは基本的なペルソナの作り方を簡単にご紹介します。

SEOでペルソナを作る際は、キーワードを選定したうえでユーザーニーズを分析するなど手順が少し異なりますが、どちらもユーザーの課題やニーズを明確にしたうえでペルソナを作り込む点において共通しています。

ユーザーに関する情報を集める

まずは現在自社の商品やサービスを利用してくれているユーザーや、利用する可能性のあるユーザーはどのような人たちなのか情報を集めます。情報収集をする際は、先述したように既存顧客の属性を参考にするのがおすすめです。インタビューやアンケートを実施したり、SNSで近い属性のユーザーを探したりするのもよいでしょう。

集めた情報からユーザー属性やニーズを分析する
集めた情報をもとに共通点を探りながら、ユーザーが何を課題に感じ、何を求めたときに自社の商品やサービスに出会うのかなど、ユーザーを分析します。このとき、調査したユーザーをいくつかのグループに分類することで、グループごとのユーザー属性やニーズを整理しやすくなります。

ペルソナを作り込む

ユーザーの属性やニーズが大まかに整理できたら、ペルソナを作り込みます。ペルソナは、年齢や性別以外にも、職業や趣味などを細かく設定する必要があるため、「基本情報」「ライフスタイル」など大まかに項目を分けてから、詳細な項目を決めるとよいでしょう。

ペルソナの設定方法については、より詳しくご紹介した記事もあるため、ぜひあわせてご覧ください。

SEOにおけるペルソナの作り方

ここまで、基本的なペルソナの作り方をご紹介しました。SEOでのペルソナは、次のような手順で作成します。なお、SEOにおいてもユーザーに関する情報収集や分析は必要となるため、先述した内容も踏まえて作成しましょう。

狙うキーワードに関連するキーワードを探す

多くのユーザーに自社のサイトを見つけ、訪れてもらうためには、月間での検索回数(検索ボリューム)が多いビッグキーワードでの上位表示を狙います。

ただし、ビッグキーワードは「ダイエット」「就活」など1つの単語で構成されていることが多く、ユーザーの検索意図やニーズを絞り込めません。このとき、検索エンジンの検索ボックスにキーワードを入力することで表示されるサジェストなどから関連キーワードを探し、ビッグキーワードとあわせて検索されているキーワードを調べます。

例えば、「ダイエット」が狙うキーワードであれば、「ダイエット 食事」「ダイエット おやつ」「ダイエット 朝ごはん」などがサジェストに表示されるため、「ダイエット」単体よりもニーズを絞り込めます。

関連キーワードからユーザーニーズを分析する

関連キーワードを見つけたら、関連キーワードに含まれる語句からユーザーニーズを分析します。例えば、「ダイエット 食事」「ダイエット おやつ」「ダイエット 朝ごはん」の場合、次のようなニーズが考えられます。

  • 食事:ダイエット中でもたくさん食べたい場合の食事内容が知りたい、ダイエットに適した食事の方法が知りたい
  • おやつ:ダイエット中でも食べられるおやつが知りたい、ダイエット中におすすめのおやつの作り方が知りたい
  • 朝ごはん:ダイエット中は朝ごはんを食べないほうがよいのか知りたい、ダイエットに最適な朝ごはんが知りたい

このようなニーズから、「ダイエット中の人」「ダイエット中の最適な朝食、ダイエット中でも食べられるおやつ、ダイエット中の食事の方法などを知りたい人」といったペルソナのユーザー属性を絞り込めます。

ペルソナを作り込む

大まかにユーザー属性を絞り込めたら、ペルソナを作り込みます。このとき、ユーザーの解像度を高めるために、先述したようにペルソナとなり得るユーザーに向けてのインタビューやアンケート、SNSでの調査などを行い情報を集めておくことで、スムーズに進められるでしょう。

また、基本的なペルソナの作り方と同様に、設定項目を決める際は「基本情報」「ライフスタイル」など大まかに項目を分けたうえで細かい項目を作成し、それぞれ深掘りします。

SEOにおけるペルソナでは、ユーザーが「どのようなタイミングで検索するのか」「何を期待して自社のサイトを訪れるのか」など、自社のサイトと出会うタイミングや、ペルソナ自身も気づいていない潜在ニーズを探ることで、よりユーザーニーズに沿ったコンテンツを作成できます。具体的には、次のとおりです。

ユーザーが検索するタイミングを考える

ユーザーがどのようなタイミングでキーワードを検索するのか、シチュエーションを具体的に考えることで、ユーザーが「自分が求めている内容はこのサイトに書かれているかもしれない」と感じるようなコンテンツを作りやすくなります。

例えば、「ダイエット」であれば、「サイズが合わず欲しい服を買えなかった」「昔の写真を見て太ったことへの危機感を覚えた」などがあげられます。このような具体的なシチュエーションを複数考えておくことで、さまざまな切り口からユーザーを自社のサイトへ促せるようになります。

潜在ニーズを探る

潜在ニーズは、「痩せたい」「ダイエット方法が知りたい」などの顕在的なニーズではなく、ユーザー自身も気づいていない潜在的なニーズを指します。

例えば、「憧れのブランドの服を着てちやほやされたい」「友人から痩せたことを褒められたい」などの潜在ニーズに訴えかける要素をコンテンツの中に含めることで、ユーザーのコンテンツに対する信頼度を高められます。

SEOでペルソナを作る際のポイント

ここまで、SEOでペルソナを作成する方法をご紹介しました。作成時は、次のようなポイントも意識することで、よりユーザーが興味を持つコンテンツを提供できるでしょう。

検索ボリュームに合わせてペルソナの粒度を調整する

SEOでペルソナを作成する際は、キーワードによっては属性を絞り込みすぎないほうがよいケースもあります。ロングテールキーワードと呼ばれる検索意図が絞られたキーワードに対しては細かくペルソナを作り込むことで、ユーザーのニーズに沿ったコンテンツを提供しやすいものの、ビッグキーワードはさまざまな検索意図を持ったユーザーが検索するため、できるだけ多くのユーザーが興味を持てるよう、ペルソナの属性を絞り込みすぎないことをおすすめします。

ペルソナに合わせた文章を作る

PCやゲーム、法律など、コンテンツで扱うテーマによっては、専門用語を多く使うケースもあります。このとき、テーマに関する知識がほとんどないペルソナを想定している場合は、ペルソナの理解度に合わせて簡単な言葉に書き換えたり、専門用語には注釈を入れたりするといった工夫を行いましょう。ペルソナが読みやすい、わかりやすいと感じるコンテンツを提供することで、自社のサイトへの信頼度を高められます。

常にユーザー目線で考える

先述のとおり、Googleはユーザーを第一に考えたコンテンツを高く評価するため、ユーザー目線で考えながらコンテンツを提供することが大切です。

Google の自動ランキング システムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。このページは、そのようなコンテンツを制作しているかどうかをクリエイター自身が評価するためのものです。

引用:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成|Google 検索セントラル

そのため、検索ボリュームの大きなキーワードでの上位表示を狙うことを目的とするのではなく、ペルソナをはじめとしたユーザーにとって必要となる情報を適切に盛り込んだコンテンツを提供することを意識しましょう。

SEOでペルソナを考える際の注意点

SEOでペルソナを作成する際は、先述したポイントを踏まえつつ、次にご紹介する点に注意しましょう。

一度作成したらそのままにしない

ペルソナを作成するには、ユーザーの情報収集や分析、作り込みなど多くの工数や時間を必要とするため、一度作成したらそのままにしてしまいがちです。しかし、社会の動きやトレンドに合わせてユーザーのニーズや、自社の商品やサービスに適したユーザー属性は変化するため、定期的に作った内容を見直し、ブラッシュアップすることが大切です。

主観を盛り込みすぎない

ユーザーの属性やニーズを分析し、ペルソナを作り込む際はできるだけ客観的なデータを参考にしましょう。主観で「ユーザーはこう思うだろう」と設定した箇所が多いと、実際のユーザーの検索意図とギャップが発生し、自社のサイトへアクセスしてもらえないなど、思うようなSEO効果が得られない恐れがあります。

まとめ

この記事では、SEOにおけるペルソナの作り方や、作成する際のポイント、注意点などをご紹介しました。

検索したユーザーが自社のサイトに興味を持ち、信頼できるサイトとして認識してもらうためには、上位化を狙うキーワードに関連するキーワードからニーズを探ることが大切です。

検索するタイミングや潜在的なニーズなども考えながらペルソナを作り込むことで、ユーザーの目線でコンテンツを作りやすくなるでしょう。

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