Passage Indexing(Passage Ranking)とは?強調スニペットとの違いやSEOへの影響も

Passage Indexing(パッセージインデキシング)とは、Googleが導入したランキングシステムの旧称で、現在はPassage Ranking(パッセージランキング)に名称が変更されています。
Indexingという言葉から、インデックスに関係するものなのではと思う方もいるかもしれませんが、Passage Indexingはページ全体ではなく特定のセクション(パッセージ)ごとに評価する仕組みを指しているため、インデックスを意味するものではありません。
この仕組みが採用されたことで、ユーザーが複雑なキーワードで検索をしても、その意図に合致した情報を掲載していれば、対策したキーワードではなくとも上位化されるケースも増えていることから、Passage Indexingは検索順位の決定に深くか関わっているといえるでしょう。
この記事では、Passage Indexingとはどのようなものなのか、強調スニペットとの違いや検索結果画面・SEO対策に与える影響を解説します。
Passage Indexing(パッセージインデキシング)とは?
Passage Indexingとは、現在はPassage Ranking(パッセージランキング )と呼ばれるGoogleに導入されているランキングシステムのことを指します。
Google Presents: Search On 2020にてCathy Edwards氏により言及されました。
ここでは、Passage Indexing(Passage Ranking)の概要をご紹介します。
Passage Indexing(Passage Ranking)の概要
Passage Indexingは、Webページ内の段落や一文(パッセージ)に書かれている情報を評価する仕組みです。
これまでGoogleは、段落や一文といったパッセージごとではなく、Webページ全体のテーマやキーワードに基づきSEO評価を行っていました。
そのため、ニッチなキーワード検索に対してユーザーが求めている結果が検索画面に反映されないことも多くあったのです。
例えば「マーケティング やり方 初心者向け」というキーワードで検索すると、「分析」「マーケティング戦略の立案」「施策の実施」といったマーケティング全体の流れが網羅されている記事が上位表示されていました。
しかし、ユーザーが知りたい「初心者向け」の内容が充実しているページがあったとしても、網羅性などの理由でSEO評価を受けていなかった場合は上位表示されず、ユーザーがページを発見しづらい状況にあったのです。
Passage Indexingの導入により、部分的なキーワードとの関連性を評価できるようになったため、ユーザーが求めている情報が埋もれてしまうという状況が解消されました。
インデックスではなくランキングに作用する
現在はPassage Rankingに変更になっていますが、Indexingという言葉から、クローラーのインデックスに関係しているのではと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、Passage Indexing(Passage Ranking)は、あくまでもランキングシステムで、インデックスについての言葉ではありません。
インデックス登録される方法は、従来のやり方から変更されていません。
強調スニペットとの違いは?
強調スニペットが、ページ全体を評価したうえで表示されているのに対し、Passage Indexingはパッセージごとに評価されるという点が大きな違いです。
強調スニペットとは、ユーザーが検索したキーワードに対する答えとして適切な部分があった場合、検索結果画面の最上部にその文章を表示させるシステムです。
パッセージを評価されているという点で、Passage Indexingと同じように感じるかもしれませんが、この2つは別物であると捉えましょう。
Passage Indexing導入による影響は?
Passage Indexingを導入したことにより、SEOにはどのような影響があったのでしょうか。
検索結果への影響は7%と予想
Passage Indexingが導入される前は、複雑なものやニッチな検索キーワードに対応することが難しく、ユーザーが求めている情報を見つけられないケースもありました。
しかし現在では、パッセージごとに検索キーワードとの関連性を把握できるようになったことで、検索クエリの7%が改善されるとGoogleは述べています。
ページ全体の関連性に加えて文章を理解することで、ユーザーが探している干し草の山から針を探すような情報を見つけることができます。このテクノロジーは、世界中で展開され、すべての言語での検索クエリの 7% が改善されます。
引用:How AI is powering a more helpful Google
ニッチなクエリから、Webサイトのコンテンツに流入が増えるなどの可能性があるといえそうです。
SEO対策に与える影響
これまではページ全体を評価していたため、検索キーワードに対して大雑把な検索結果が表示されることも多くありました。
しかしPassage Indexingの導入により精度の高い検索結果になり、例えば今まで「月2万円でできるSEO やり方」で上位表示されていた「SEOのやり方を網羅的に紹介しているページA」が今後は表示されず、代わりにコンテンツ内の一部で「月2万円でできるSEOのやり方を紹介しているページB」が上位表示されるようになります。
パッセージごとに評価されることで、コンテンツへの流入が見込まれるからといって具体的な対策を打つのは難しいのが現状です。
そのため、Passage Indexingを意識したSEO対策というよりは、コンテンツ作成時に今まで以上に「深掘り」を徹底しましょう。
SEOの観点からみても、「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 」は有効です。
コンテンツの作成後は、Google Analytics4やGoogle Search Consoleなどのツールを用いて、流入クエリやアクセス推移などを調査し、新規コンテンツを作成したりリライトしたりしてコンテンツをブラッシュアップさせましょう。ユーザーニーズを突き詰め、適宜内容の拡充や新規作成をすることがPassage IndexingへのSEO対策にもつながるはずです。
まとめ
Passage Indexing(Passage Ranking)とは、Googleが導入したランキングシステムです。
Webページ全体を評価するのではなく、文章や段落といったパッセージごとで評価をします。
このことにより、ユーザーが知りたいと思う情報に近い、よりニッチな答えを検索結果画面に表示できるようになりました。
Passage Indexingに直接作用するようなSEO対策はありませんが、より深掘りを意識したコンテンツ作りをしていくことで、ユーザーのニッチなニーズに応えられるものになるかもしれません。
Passage Indexingの導入により、今まで以上にユーザーニーズに寄り添ったコンテンツ作りが必要になったといえるでしょう。