5C分析とは?重要視される理由や実施する際の手順を紹介

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5C分析は、マーケティング活動において主に利用されるフレームワークで、自社の商品やサービスの競争優位性だけでなく、顧客や市場の理解を深める際に役立ちます。

この記事では、5C分析の概要や各要素が持つ特徴、マーケティングにおいて重要視される理由、分析を進める手順についてご紹介します。

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

5C分析とは

5C分析とは、市場の動向や顧客のニーズを洗い出しながら、自社の強みや適切なアプローチ方法などを分析する際に用いるフレームワークです。あらかじめ5C分析を行っておくことで、現在の市場において自社の商品やサービスがどのように関われるか、顧客が何を求めているのか、競合の強みは何か、競合にない自社の強みは何か、などを探ることができます。

5C分析で、は「Company(自社)」「Competitor(競合他社)」「Customer(顧客)」「Collaborator(中間顧客、協力者)」「Community(地域)」の5つのCで始まる要素をベースに分析します。それぞれの要素については、後ほど詳しくご紹介します。

5C分析と3C分析の違い

5C分析と似た言葉に「3C分析」があります。3C分析は「Company(自社)」「Competitor(競合他社)」「Customer(顧客)」の3つの要素から市場の動向や自社の強みを分析するフレームワークです。5C分析では、3C分析で使われる3つの要素に加えて、「Collaborator(中間顧客、協力者)」「Community(地域)」の2つの要素が含まれるため、3C分析よりもさらに細かな分析が可能です。

5C分析の構成要素

5C分析を構成する5つの要素について、各要素を詳しくご紹介します。
5C分析の5つの要素は、「Company(自社)」を中心に、自社を取り巻くその他4つの要素を分析することで、自社の強みや市場での適切なアプローチ方法を理解できるでしょう。

Company(自社)

Companyでは、自社の強みや弱みを分析します。自社が提供する商品やサービスだけでなく、自社が掲げるミッションやビジョン、経営理念、従業員のモチベーション、経営資源、売上、社内設備なども含めて分析します。自社の強みや弱みの把握だけでなく、客観的な目線で見た自社のデータと社内リソースを正確に理解できるようになるため、実現可能な範囲での戦略や目標設定ができるようになります。

Competitor(競合他社)

Competitorでは、競合他社の強みや弱みを分析します。このとき、競合には同じジャンルの商品やサービスを提供する同業者だけでなく、広い意味で競合と見なせる企業も含みます。例えば、顧客管理を効率化するツールを提供する企業においては、営業活動を支援するツールやマーケティング業務を自動化させるツール、経理業務を効率化させるツールなど、さまざまな業務で役立つツールを提供する企業を競合に含めましょう。各企業の強みや弱みを理解することで、自社だけにある強みを見つけられます。

Customer(顧客)

Customerは、自社の商品やサービスを利用する消費者・顧客の分析を行います。顧客分析を行う際は、性別や年齢などの統計データや認知率などの数値データをもとに把握できる「量的理解」と、顧客がどのような課題や悩みを抱えているのか、何を求めているかといった顕在ニーズや、顧客自身も気づいていない潜在ニーズを探る「質的理解」の2つの軸から分析します。自社の顧客像を正確に理解したい場合は、ペルソナ設定カスタマージャーニーマップの作成なども役立ちます。

Collaborator(中間顧客、協力者)

Collaboratorにあたる中間顧客や協力者は、自社と顧客の間で関わる代理店やパートナー企業、インフルエンサー、流通業者など、自社とともにビジネスを行う企業や人物を指します。Amazonなどの通販サイト、メルカリなどのフリマアプリもCollaboratorに含まれます。このようなCollaboratorの力を借りることで顧客へアプローチしやすくなります。ただし、Collaboratorは協力者である一方で同じ顧客を狙うライバルとも捉えられるため、Collaboratorの力に頼りきらず自社の力で顧客を獲得できる戦略を立てておくことも大切です。

Community(地域)

Communityは、社会や経済の動き、技術の進化、政治、世の中のトレンドなど、自社ではコントロールできない外部要因を指します。Communityが移り変わることで、顧客のニーズにも変化が起きることがあるため、顧客分析だけでなく、Communityの現状を理解し、適切な戦略を考えることが大切です。

5C分析が重要な理由

5C分析は、自社の商品やサービスを顧客へアピールする際の戦略を練るために重要な役割を果たします。5C分析が重要な理由は、次のとおりです。

アプローチの成功確率を高められる

あらかじめ5C分析を行っておくことで、自社が想定していた顧客ニーズと実際の顧客ニーズに大きなギャップがあったなど、アプローチの失敗を避けつつ成功確率を高められます。5C分析では客観的な目線で自社や他社、市場を分析できるため、自社の思い込みや偏見などを排除したうえで戦略を立てられます。そのため、第三者の視点から最も適切なアプローチ方法や狙うべき市場はどこかを探り、正確なアプローチが可能です。

広い視点で市場や顧客を分析できる

5C分析は、5つの要素をもとに分析するため、広い視点で市場や顧客、自社を見ることができます。先述したように、3C分析では「Company(自社)」「Competitor(競合他社)」「Customer(顧客)」の3要素のみで分析を行うのに対し、5C分析では中間顧客や協力者、トレンド、社会の動きなども見ながら戦略を立てられます。より自社を取り巻く環境に目を向けることができるため、精度の高い分析ができます。

KFSをもとにさらなる戦略立案に生かせる

KFS(Key Success Factor)とは、重要成功要因を指し、事業を成功させる際の要因となった要素を表す言葉です。5C分析を行ったうえで戦略を立て実行に移すことで、事業が成功した際も「市場の動きをうまく読み取れていた」「顧客ニーズの読みが合っていた」などKFSを明確にできます。さらなる売上や利益の拡大を図れるよう、KFSをもとに新たな戦略立案をスムーズに進められるでしょう。

5C分析の手順

ここまで、5C分析の概要や重要性についてご紹介しました。マーケティング活動を行うにあたって便利なフレームワークのため、興味を持った方も多いのではないでしょうか。実際に分析を行う際は、次のような手順に沿って進めるとよいでしょう。

5C分析の要素をもとに市場動向を読み取る

5C分析では、5つの要素を1つずつ分解して分析することで、市場の動向や競合の現状、自社の強みや弱みなどを読み取れます。

5つのCを1つずつ調べ、分析する

まずは、5つの要素である「Company(自社)」「Competitor(競合他社)」「Customer(顧客)」「Collaborator(中間顧客、協力者)」「Community(地域)」を1つずつ分解し、それぞれの分析を進めます。まとめて大まかに各要素を設定するのではなく、「競合にはどのような企業が当てはまり、それぞれの企業における強みと弱みは何か」「自社がアピールできる箇所は何か」などを細かく考えることが大切です。

自社の強みや市場の傾向を洗い出す

分析した5つの要素における内容をもとに、自社の最も顧客に伝えるべきアピールポイントや競争優位性、アプローチする領域を洗い出します。自社が現在は市場においてどのような立ち位置にいるのか、将来的に自社を取り巻く環境はどのように変化するのか、自社への影響はどうなるのかを明確化しましょう。社会や市場のトレンドは常に変化するため、現在だけではなく、数カ月後、数年後など将来的な予測も立てることが大切です。

分析結果をもとにした事業戦略の計画

分析結果がそろったら、結果の内容に沿って事業戦略を立案します。事業戦略を立てる際は、短期的な戦略と長期的な戦略の2種類の戦略を立てるとよいでしょう。

例えば、自社の強みを生かしたアプローチを短期的な戦略として押し出しつつ、長期目線で弱みのカバーを図る戦略や、市場のトレンドの変化に合わせて自社の強みを維持できるよう、アプローチする顧客層を徐々に変化させるといった戦略などがあげられます。5C分析での結果は、事業戦略を練るだけでなく、実際にどのように行動へ移すかの行動計画や新たな施策を検討する際にも役立つでしょう。

5つの要素に沿った事業戦略の計画

事業戦略を練る際は、分析時と同様に、5つの要素を分解して1つずつ計画を立てることが大切です。このとき、「Customer(顧客)」→「Competitor(競合他社)」→「Company(自社)」→「Collaborator(中間顧客、協力者)」→「Community(地域)」の順に事業計画を立案するとよいでしょう。具体的には、次のような手順で進めます。

1.Customerのニーズに沿った商品やサービスの検討、新商品や新サービスの開発
2.Competitorで分析した競合にはない商品やサービスの優位性の検討
3.Companyで洗い出した自社の特長やビジョン、価値観をもとに自社のブランドイメージの創出
4.Collaboratorの協力や協業によって得られる効果や新たなアプローチの機会の創出
5.Communityの変化が商品やサービス、顧客に与える変化の分析、対応方法の検討

まとめ

この記事では、5C分析の概要や各要素が持つ特徴、マーケティングにおいて重要視される理由、分析を進める手順についてご紹介しました。

5C分析を行うことで、広い視点で自社や顧客、市場の分析ができるため、市場のトレンドや顧客のニーズに沿った正確なアプローチが実現しやすくなります。記事内でご紹介した手順などを参考に、ぜひ分析を進めてみてください。

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