SNSで集客するための施策とは?成功のポイントやうまくいかない原因も紹介
SNS集客は、現代のビジネスにおいて欠かせない戦略のひとつです。より多くのユーザーの興味を引き、エンゲージメントを高めるためには、各SNSプラットフォームの特性や適切なコンテンツの投稿が重要になります。
この記事では、SNSでの集客が重要な理由やメリット、成功のポイント、注意点をご紹介します。また、投稿を考える前にやっておくことや施策、各SNSプラットフォームの特徴などもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
SNSでの集客が重要な理由
SNSの利用が主流となった現代では、SNSを活用した集客が重要性を増しています。ここでは、SNSでの集客が重要な理由についてご紹介しますので、SNSによる消費行動の変化から重要である理由を把握しておきましょう。
購買の意思決定プロセスが変化したため
消費者は、SNSの利用が広まる前と後で購買の意思決定プロセスが変化しています。従来は商品を認知してから関心を持ち、よく調べたりしたうえで購入する「AIDMA」や「AISAS」のプロセスで行動されていました。しかし、現代ではSNSでインフルエンサーやユーザーに共感したり、商品を実際に使ったユーザーの声をSNSで見て、ネットで商品について調べたりしてから購入するといった「VISAS」や「ULSSAS」と呼ばれるプロセスに変化しています。
SNSの口コミが重視されるため
現代では、商品やサービスを購入する際に口コミに影響を受ける消費者は全体の50.6%にものぼり、口コミにより購入の可否を決めたことがある消費者は全体の約98%となっています。
参考:口コミによる購入経験は9割以上、企業アプローチの購買意欲への影響度は6割「EC・通販ユーザー動向調査レポート2021“確報版”」を発表!|アルティウスリンク株式会社
このように、商品やサービスの口コミを見るのは現代の常識となっており、SNSでも多くの口コミが投稿されています。そのため、SNSを活用した集客で、SNSのユーザーと接点を持つことが重要といえるでしょう。
SNSで集客を行うメリット
SNSで集客を行うことにメリットがあることはわかりつつも、具体的な内容までは知らないという方もいるでしょう。そこで、ここではそのメリットについてご紹介します。
認知度の向上を図れる
SNSは地域などの制限を超えて広く情報を拡散するツールです。そのため、地域などを選ばずに、魅力的な写真や投稿を通じて、遠方の方にも店舗の存在を知ってもらうことが期待できます。例えば、お店の公式アカウントで、特徴的な店内の装飾やこだわりの料理などをSNSに投稿することで、多くの方に認知してもらうためのきっかけをつくれるでしょう。
素早い情報伝達が可能になる
SNSでは、新商品や特別なキャンペーンなどの情報をすぐにフォロワーに届けられます。これにより、リアルタイムで消費者にアプローチできるため、素早い情報伝達をマーケティングに活用できます。
また、SNSは情報が広まりやすいため、特定のイベントやセールなどを拡散してもらう手段としても優れています。この即時性が消費者とのコミュニケーションを親密にし、ファンや新規顧客の獲得につながるでしょう。
話題になると拡散される
SNSでは、ユーザー間で自然に情報が共有されることが多く、特に視覚的に印象に残る内容は拡散されやすいです。例えば、魅力や特徴などが優れていて強く印象に残る料理の写真が話題となり、多くの方に拡散されることで店舗が注目を集めることもあります。このようにSNSでは、1人の投稿が予想外のかたちで多くの人々に広がり、新しい顧客を引きつける可能性を持っています。
SNSで集客を成功させるためのポイント
SNSをただ運用するだけでは、集客の効果を得られにくくなります。そのため、ここでご紹介する集客を成功させるためのポイントを理解し、SNSのマーケティングに活用することが重要といえます。
目的を明確にする
SNS集客を行う際には、目的をはっきりさせることが最重要となります。例えば、実店舗がある場合、目的は大きく分けて来店促進やブランド認知の向上となります。来店を促したい場合は訪れることの魅力を前面に押し出した投稿を行い、ブランドの認知度を高めたい場合は強く印象に残るキャンペーンや、話題性のあるコンテンツの投稿が必要になります。
また、目的が明確になればそれに応じたKPIを設定し、運用計画を具体化できます。KPIは達成可能かつ測定しやすいように数値化し、目標に向けて詳細なステップを定めて実行に移しましょう。
ターゲットを明確にする
具体的なターゲットを決めることで、より詳細な顧客像を把握できます。ターゲットは顧客の基本情報だけでなく、ライフスタイルや悩み、解決策などを包括的に設定します。これにより、ターゲットに最適なコンテンツを作成し、質の高い投稿が可能になるため、ターゲットに直接響くメッセージを届けられるでしょう。
商品やターゲットに合ったSNSを選択する
商品やターゲットに合ったSNSを選べるかどうかは、集客効果にも直結します。例えば、ビジュアルが重要な若者向けの商品を扱う場合は、Instagramが適しています。一方、30~40代向けに情報提供やコミュニケーションを重視する場合は、X(旧Twitter)やFacebookが有効です。このように、商品やサービス、SNSの特性を考慮し、ターゲット層に合ったSNSを選ぶことで、より集客の成功率を高められるでしょう。
共感を引き出す投稿を行う
SNSにおいて共感を引き出す投稿は有効です。共感される投稿は自然と情報がシェアされるようになります。一時的にシェアされる情報は、直接的なフォロワー増加は少ないかもしれませんが、反応や認知を大きく広げる可能性があります。
継続的にシェアされる情報を発信できると、フォロワーの増加にもつながるでしょう。例えば、ダイエットに関する悩みや成功例などの投稿で共感を得ることで、ダイエットに興味があるフォロワーを増やすことが可能です。投稿は単に伝えたいことだけでなく、相手がどう感じて何を求めているかを理解し、それを満たす内容を考えるとよいでしょう。これにより、受け手の心を動かし、アクションにつなげることが期待できます。
有益な情報も投稿する
前述した共感を得られる投稿をすることも大切ですが、フォロワーを増やすためにはユーザーに役立つ情報を提供することも重要です。有益な情報を投稿することで、ユーザーにとってその投稿は日常的に見たいコンテンツとなります。そのため、アカウントの認知から実際のフォローへとスムーズに移行させることが可能です。
投稿の分析と改善を行う
SNSの運用には、投稿の定期的な分析と改善が不可欠です。Instagramの「インサイト」やXの「アナリティクス」など、各プラットフォームが提供するツールを活用しましょう。これらのツールを使うことで、どの投稿がよい反応を得ているのか、どの内容がフォロワーに受け入れられないのかを具体的に把握できます。
分析結果をもとに投稿内容やタイミングを調整し、より多くのユーザーの反応を得られるSNS運用を目指しましょう。定期的な効果検証は、SNSマーケティングの成功に向けた改善点を明確にし、戦略を練り直すうえで重要となります。
SNSで集客を行う際の注意点
SNSでの集客には注意が必要な部分もあるため、事前に理解しておくことが重要です。ここでは、SNSで集客を行う際の注意点をご紹介します。
炎上しないための準備が必要になる
SNSを利用したPRは、大きなメリットが期待できる反面、炎上するリスクも伴っています。炎上は、単に新規顧客の獲得を妨げるだけでなく、既存の顧客を失う原因にもなり得ます。店舗の信頼性が損なわれる可能性があるため、事前の対策が不可欠です。
具体的には、SNS担当者や運用ルールを明確に定めることや、SNSの投稿前には必ず複数のスタッフで確認すること、炎上時の対応計画を事前に策定しておくことが重要です。さらに、日常的にSNSの反応をチェックし、異常が発生した際には迅速に対処できるように準備するとよいでしょう。
短期的に成果を出すのは難しい
SNSでの集客は、長期間行っても成果が表れないことがあります。特に実店舗への集客を目指す場合、運用の初期段階ではフォロワーも少なく、効果がすぐに見えるわけではありません。そのため、継続的にコンテンツを投稿し、フォロワーの反応やエンゲージメント率を定期的に分析することが大切です。
データをもとにして投稿内容や戦略を調整し、長期的に認知度を高めて信頼を築くことが集客につながります。このことから、長期的な視点で根気強く取り組む必要があることも考慮して施策を行うとよいでしょう。
SNSの投稿を考える前にやっておくべきこと
SNSでは投稿の段階に入る前にやっておくべきことがあります。投稿の質を左右することでもあるため、ここでご紹介する内容を確認しましょう。
目的を明確にする
前述したとおり、SNSの運用では目的が重要です。目的が明確でない場合、SNSの運用が漫然と進んでしまい、効率的な成果を得ることが難しくなります。また、目標が不明瞭だと、運用が中途半端に終わるリスクも高まります。そのため、目的を明確にし、具体的なKPIを定めるとよいでしょう。
投稿のコンセプトを決める
目的を明確にした後はコンセプトの策定に取りかかります。コンセプトはブランドの性質や商品の特徴と一致している必要があります。
例えば、忙しい子育て世代の主婦に向けた製品を扱う場合、SNSでのコンテンツもこのターゲットに向けた投稿がよいでしょう。忙しい方でも直感的に理解でき、すぐに魅力が伝わるビジュアルやメッセージを用いることが望ましいです。
さらに、投稿の内容やトーン、適切な投稿時間帯など、ターゲットやコンセプトに基づいた詳細な運用ルールを設けることで、一貫性のあるSNS運用が可能になります。
SNSで集客するための施策
SNSでは集客のために行える施策がいくつかあるため、それらを有効活用することが大切です。ここでは、その施策についてそれぞれご紹介します。
公式アカウントの運用
SNSにおける公式アカウントの運用とは、ただ情報を発信するだけではなく、積極的にフォロワーとの交流を図る活動になります。投稿する際には、前述したような共感や興味を引くための拡散されやすい内容を考えることが有効です。また、投稿は統一されたレイアウトで行うことで、どのアカウントによる投稿なのかが視覚的にわかりやすくなるでしょう。
SNS広告
SNS広告は、タイムラインやストーリーズに組み込まれるかたちで表示されるため、ユーザーに受け入れられやすく、自然なかたちで情報を届けられます。ユーザーの興味や行動パターンに基づいた精密なターゲティングが可能で、広告効果の最大化が期待できます。SNS広告を用いることで、特定のターゲット層に直接アプローチできるでしょう。
SNSキャンペーンの開催
SNSでのキャンペーンとは、特定のアクションを促すことで、フォロワーの増加やブランド認知の拡大を目指すことです。特に「フォロー&リツイートで抽選に参加」といった形式は人気があります。また、割引や特典が得られるハッシュタグキャンペーンや、創造的なコンテストを通じてユーザーの参加を促すことも有効です。これらのキャンペーンは、普段の投稿よりも大きな注目を集め、短期間での影響力を高める手法として主流になっています。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、特定の影響力を持つ個人に自社の商品やサービスを販促してもらうことです。これにより、通常の広告とは異なりインフルエンサーから発信される信頼性のある情報としてPRされます。選定するインフルエンサーは、そのフォロワーが自社のターゲット層と一致していることが重要です。また、インフルエンサーが将来的に不祥事を起こさないか、過去の投稿や行動パターンなども事前に調査する必要があります。
口コミ投稿の増加
前述したとおり、口コミは強い影響力を持っており、新規顧客の来店や購入に直接つながることが多いです。口コミを増やすための施策を行うことで自然なかたちでの口コミが増え、ブランドの信頼性と認知度の向上につながります。また、よい口コミが集まることで、それを見たほかのユーザーの興味を引き、新たな顧客獲得にもつながるでしょう。
集客で利用できる主なSNSプラットフォーム
集客で主に利用されるSNSには、LINE・Facebook・Instagram・X・TikTokといったプラットフォームがあげられます。ここでは、それぞれについてご紹介しますので、特徴を理解してプラットフォームの選定に活用してみましょう。
LINE
LINEは、日本国内で非常に高い普及率を誇るメッセージアプリです。ユーザー層は幅広く、さまざまな年齢層が利用しているため、ビジネス用途においても多方面での活用が可能です。特に、公式アカウントを利用した情報配信やクーポン提供など、ダイレクトマーケティングの手段として優れています。
また、ステップ配信機能により、ユーザーの関心や行動に応じてカスタマイズされたメッセージが送れるため、よりパーソナライズされたコミュニケーションが可能です。ただし、新規ユーザーの獲得には限界があるため、既存の顧客との関係強化やリピーターの増加を図る場合に有効といえるでしょう。
Facebookは、ユーザー間の実名での交流が主体のSNSで、30~40代の男性の利用が特に多いです。ビジネス関連での利用が一般的であり、情報交換や名刺代わりとしての活用が見られます。FacebookとInstagramは連携が可能で、投稿を両プラットフォームで同時にシェアすることができます。
Facebookで集客するには、フォローやシェアを促進し、ユーザーに価値ある情報を提供することが求められます。また、Facebook独自のアルゴリズムを理解し、それに沿った投稿を心がけることで、より多くのユーザーにリーチすることが可能です。
参考:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所
Instagramは、写真や動画を中心にしたビジュアル重視のSNSです。特に、ファッションやグルメ、化粧品などのビジュアルで魅力を伝えやすい商品のPRに最適です。ただし、単に美しい画像を投稿するだけでなく、ユーザーが共有したくなるような内容が求められます。
Instagramはプロフィールページからのリンクしかクリックできないため、ユーザーを公式サイトに誘導したい場合は、プロフィールにURLを設置し、そこへの誘導を投稿内で明示する必要があります。また、フィードや発見タブを通じて新規ユーザーにリーチしやすい設計となっており、投稿のアクション(いいね・コメント・シェア)がアルゴリズムに影響を与えるため、アクションを獲得することで多く新規ユーザーに表示されやすくなります。
X(旧Twitter)
Xは、ニュースやトレンド情報がリアルタイムで共有されるプラットフォームです。特徴としては、投稿の文字制限が140文字と短いため、簡潔で直接的なコミュニケーションが求められます。
また、公開アカウントでの投稿はX内で検索結果に出る可能性があり、リポストを通じた高い拡散力も魅力となっています。Xの利用者はプライバシーを重視する傾向にあるため、匿名性が保たれており、ユーザー同士が趣味や興味・関心などを共有しやすい環境がつくられています。これらの特性を生かして、ターゲットとなるコミュニティやトレンドに敏感なユーザーにアプローチできます。
TikTok
TikTokは、若い世代に人気のショート動画中心のSNSで、動画の撮影から編集、投稿までがアプリ内で完結できる使い勝手のよさが特徴です。特に、10代から20代のユーザーに支持されていますが、最近では30代以上のユーザーも増えてきており、幅広い層へのアプローチが可能です。
TikTokのアルゴリズムはユーザーの興味を引くコンテンツを中心におすすめとして表示し、フォロワーが少ない新規ユーザーでも多くの方にリーチしやすい環境となっています。投稿の初動が重要で、視聴者に最後まで見てもらえるような工夫や、アクション(いいね・コメント・シェア)を促す要素を含む動画作りがポイントとなります。
SNSでの集客がうまくいかない主な原因
SNSでの集客がうまくいかないときには、考えられる原因があります。ここでは、その原因について詳しくご紹介します。
アルゴリズムを理解していない
各SNSのアルゴリズムを理解せずに集客を行うと、多くのユーザーに投稿が表示されることが難しくなります。例えば、Facebookはユーザーにとって有益な情報を優先して表示するため、単に自社の商品やサービスを紹介するだけでは不十分です。
また、TikTokでは動画が最後まで視聴されることや視聴回数が重要視されます。このようにプラットフォームごとのアルゴリズムを理解し、それに基づいた内容を投稿することで、より多くのユーザーへの表示が期待できます。
投稿の戦略が考えられていない
SNS集客では、ただ投稿するだけではなく明確な戦略が必要です。特に、「バズる」ことだけを目的にすると内容が浅くなりがちで、実際の集客にはつながりません。例えば、面白い動画はユーザーの注意を引くかもしれませんが、それが製品やサービスへの関心や購入に直結するわけではありません。
SNSを効果的に活用するためには、ターゲット層が反応するキャンペーンなどを計画的に実行し、それぞれの投稿に明確な目的を持たせることが重要です。無計画な投稿はリソースの無駄遣いにつながり、成果を得ることが難しくなります。
投稿がターゲット層やイメージに合っていない
自社のターゲット層やブランドイメージに合わない投稿をすることは、SNS集客における一般的な失敗の原因となります。例えば、若者をターゲットにした飲食店が、高級感のある画像を使ってしまうと、ユーザーは高価格なお店であるという印象を受けるため来店につながりにくくなります。
また、年配の顧客を対象にしている場合に若々しいデザインを使用すると、ターゲット層からの共感を得られず、集客は難しくなるでしょう。そのため、ターゲット層のニーズやブランドイメージに応じた内容を投稿することが大切です。
まとめ
この記事では、SNSでの集客についてご紹介しました。SNSを集客に利用するには投稿の戦略が欠かせず、ターゲット層やブランドイメージに合わせた内容の投稿が必要です。また、各プラットフォームのアルゴリズムを理解することが重要であり、それに適した投稿を行うことで集客効果をより高められます。SNS広告やキャンペーンなどの施策から製品・サービスに合ったものを活用して、集客の成功につなげましょう。