購買意思決定プロセスとは?BtoBにおける把握するためのコツを解説

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購買意思決定プロセスとは、消費者が特定の商品やサービスの存在を知ってから買う意思決定に至るまでの心理的プロセスです。消費者の頭の中で商品・サービスについての情報を集めたり、感情の処理、他社製品との比較や評価など段階的に行われます。

この記事では、購買意思決定プロセスについて、モデルやプロセス把握のポイント、BtoBマーケティングに用いる際のコツなどそれぞれ詳しく解説します。

購買意思決定プロセスとは

購買意思決定プロセスは前述の通り、消費者が商品やサービスなど製品を認知してから購買に至るまでの心理的プロセスで、このプロセスは「ニーズの認識」、「情報探索」、「代替品評価」、「購買決定」、「購買後の行動」の5段階に分けられます。

ニーズの認識

購買行動は、消費者が課題やニーズを認識する段階から始まり、ニーズの認識は、「現状と消費者が望んでいる状況とのギャップを認識する段階」ともいうことができます。

人間は多種多様な欲求を抱えて生きています。例を挙げるとすれば、お腹がすいた・のどが渇いたという欲求がある程度のレベルに達したとすると、それが要因となりニーズが生まれます。また、自身でまだ気づいていないニーズは潜在ニーズと呼ばれ、何かのきっかけで潜在ニーズに気づいた時に顕在ニーズに変化します。

自分の欲しい欲求というものは、自分の心から生まれるだけでなく、外部からもたらされる欲求もあります。

例えば、道を歩いている最中に、美味しそうなラーメンの匂いを嗅ぐと食べたくなったり、保険の営業中に、自分が死んだ後の家族がどうなるか考えさせられ申し込んだりすることをいいます。

情報探索

消費者はニーズを感じた後、ニーズを満たす商品・サービスが身近にあれば購入に至ります。しかし、ニーズが強いものではない場合やニーズを満たす商品・サービスが身近にない場合は情報探索を行います。

現代社会では、様々な方法で情報収集を行うことができます。主な情報探索の方法としてはインターネットで商品・サービスの販売サイトや公的なメディアサイト、食べログや比較.comなど口コミサイトの閲覧です。そのほか、友人・知人、家族に聞いたり、経験から情報を得たり、サンプルなど試用したり経験から得る情報も方法として挙げられます。

消費者が商品やサービスに対して強いこだわりがあればあるほど情報探索に時間をかけます。

代替品評価

情報探索で集めた情報を活用して選択対象の商品・サービスを評価します。例えば、暖かくなりたいというニーズがあるとすれば、ニーズを満たすための商品・サービスとして、エアコンやホットドリンク、暖かい服など複数でてきます。このように複数ある選択肢を自身の状況(予算など)を元にして評価を行います。

どのように評価するのか消費者や購買状況によりことなり、購入までじっくりと製品を評価する場合もあれば、評価せずに直感で衝動的に購入する場合もあります。

ですから、高性能や最新のものが必ず売れるというわけではなく、自分に最適なものが選ばれるというのがポイントです。商品やサービスの特徴を最適な消費者に届けることが販売につながります。

購買決定

消費者が最も自身にとって適していると判断した商品・サービスを購入する段階です。

一度、購買決定したとしても、様々な要因により購買に至らないおそれもあります。

他人からの評価

商品やサービスを購入することで、他人からネガティブな評価をされてしまう場合は、購入意思があったとしても実行まで移らない可能性があります。

購買までの手続きがスムーズではない

インターネット上で購入できない場合やアンケートに答えなければいけないなど購入までのプロセスが複雑であったり面倒だったりすると購買に悪い影響を与える要因となります。

購買後の行動

消費者は商品・サービスによって得られた価値や体験を評価します。

購入されたら終わりではないので、どの点が満足したのか把握して、さらに満足度を高めるためのサービスやオプションを提供することで消費者のロイヤリティを高めることが重要となります。

ロイヤリティを高めることで、繰り返し購入してもらえたり、他者に紹介してもらうといった可能性が高まります。

また、仮に自身が購入した商品より他者の商品が優れている場合、自身の判断が間違っていたと認めることになるため、消費者は自身を正当化するために、購入した商品やサービスを探す傾向にあります。

購買意思決定プロセスのモデルは?

購買意思決定プロセスはパターンによってモデル分けされています。以下で代表的なものを紹介します。

AIDMA(アイドマ)

AIDMA(アイドマ)は購買意思の決定プロセスを5段階に切り分けて考えるもので、「Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の5つの単語の頭文字を取ったものです。

これは、1924年にサミュエル・ローランド・ホール著「小売業の広告と販売」で提唱された概念で、広告での消費者の心理プロセスを分析したものです。

5段階のプロセスを集約して、「注目」を「認知」、「興味」、「欲求」、「記憶」を「感情」、そして「行動」は「行動」とする3段階で示されることもあります。

  1. 注目:製品の存在を知る
  2. 興味:製品に興味や関心を抱く
  3. 欲求:製品を欲しいと考え始める
  4. 記憶:製品を記憶する
  5. 行動:製品を購入する

AISAS(アイサス)

AISASは、AIDMAにインターネットを活用した消費行動のプロセスを取り組んだものです。消費者は、購入前に検索を行い、商品・サービスに対して詳細に調査します。そして購入後は、インターネット上で共有します。

  1. 注目:製品の存在を知る
  2. 興味:製品に興味や関心を抱く
  3. 検索」製品についてネット上で調べる
  4. 行動:製品を購入する
  5. 共有:製品の評価をインターネットで共有する

その他のモデル

購買意思決定プロセスのモデルとして他には以下のモデルがあります。

AISCEAS

AISASモデルに他者商品・サービスとの「比較」と「検討」を取り込んだモデルです。

AIDA

AIDMAモデルから「記憶」の段階を抜いたモデルです。

AIDEES

AIDMAモデルに商品・サービスの「購入・体験」、購入後に「心酔」、「推奨」を取り込んだモデルです。

購買意思決定プロセスの注意点

購買意思けていプロセスは活用できれば非常に便利な考え方となりますが、以下の点に注意することが必要となります。

  • 顧客の状況によって、段階の省略や順番の前後が起こることを把握する
  • 状況や目的に合わせた購買決定プロセスを用いる
  • 商品やサービスのおかれている状況から、既存のプロセスモデルを用いるか、オリジナルのプロセスを考えるべきなのかを判断する

購買意思決定プロセスを用いると、消費者の上ky法に合わせたプロモーション戦略やマーケティング戦略を取ることが可能になり、さらに間違った戦略をとったとしても改善することができるようになります。

プロジェクトに合わせて、どの意思決定プロセスが適しているのか考えて使用しましょう。

BtoBの購買意思決定プロセス

BtoBとBtoCでは意思決定プロセスが異なります。BtoBの購買意思決定プロセスは個人ではなく組織で行われるため、意思決定に至る意思決定構造や購買検討の流れを掴むことが重要です。

BtoBマーケティングのプロモーション戦略では、営業戦略が重要となり、購買意思決定プロセス分析と購買意思決定関与者の分析が必要となります。

BtoBマーケティングでは、購買意思決定プロセスを理解してそれぞれの段階に対応するコミュニケーション設計を行いましょう。

企業顧客は、多くの意思決定関与者の集合体なので、購買承認まで、担当者、課長承認、部長承認というステップをたどったり、関連部署に以降の確認が必要となります。

様々な役割の意思決定関与者が関わるので、「誰が」「どんな情報を元に」「どんな意思決定をするのか」を掴むことが法人営業を成功させるポインといえます。

購買意思決定プロセスに複数人が関わる

企業や組織の場合、意思決定を判断するのは商品やサービスの利用者ではなく、決裁権を持った一部の役職者となります。また、商品やサービスのベンダー(製造元、販売供給元)を探すのは、利用者でも決裁者でもありません。

ですから、BtoCの場合、消費者が一人で通るプロセスを複数人で分担して通るかたちとなる特徴があります。

意思決定するまで時間がかかる

複数の関係者が絡み合い購買意思決定プロセスが進むので、一つ一つプロセスを進める為に、細かいタスク管理を行う必要があるため、一般消費者が購買意思決定プロセスを進むより、かなり時間がかかります。

購買意思決定プロセスを把握する為のコツ

購買意思決定プロセスの分析を行うには、顧客ヒアリングを行い情報を引き出す必要があります。情報を引き出す為のコツをまとめて紹介します。

最終意思決定者を把握する

購買意思決定プロセスで初めに把握するべきなのは、「最終意思決定者はだれなのか」ということです。最終意思決定者とは購買稟議の最終承認者のことです。この人物が購買意思決定プロセスにおいて最重要人物となります。

最終意思決定者は、プロジェクトにより変化しますが、わかりやすい例を挙げると購買金gなくが大きくなるにつれて役職が上がります。

購買意思決定プロセスをマーケティング施策展開するポイント

購買意思決定プロセスにおいて、マーケティング施策を展開するためのポイントとして、カスタマージャーニーマップに落とし込むことが挙げられます。

カスタマージャーニーマップでは、それぞれのプロセスで、「消費者がどのような課題・悩みを抱えているのか」、「どういう行動をするのか」、「どのように情報収集をするのか」など組み込み、それらに対する必要なアプローチや施策が何かを整理します。

そのため、購買意思決定プロセスを理解して、購買意思の変化を意識したうえで、施策検討や展開につなげることができます。

購買意思決定プロセス分析を行い営業戦略に活用する方法

BtoBの購買意思決定プロセスの分析はそれほど難しくはありませんが、分析を行うにはスキルやノウハウが必要となります。

フレームワークを作る

扱う商品やサービス、営業行動の特性、顧客企業の業界などで適切な購買プロセスがことなるため、BtoBマーケティングの購買プロセスにはAIDMAのような様々なシチュエーションで活用できるフレームワークが存在しません。

ですから、自社でオリジナルの購買プロセスを設計することができるかどうかが営業戦略の核の部分となります。

購買プロセスの上流に顧客設定を持つ

購買プロセスを分析後、それぞれの段階に沿ったコミュニケーション設定を行います。BtoBマーケティングのコミュニケーション設計は、営業戦略が重要となります。

営業戦略立案には購買プロセスの上流に食い込むことがポイントとなり、下流から入れば入るほど薄利多売となります。購買プロセスの上流と設定を持つためにはソリューション営業や解決型の営業が有効といえます。

まとめ

今回は、購買意思決定プロセスについて、モデルやプロセス把握のポイント、BtoBマーケティングに用いる際のコツなどそれぞれ詳しく解説しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。