CMSとは何かをメリットやデメリットとあわせて紹介
![CMSとは何かをメリットやデメリットとあわせて紹介 サムネイル画像](https://www.sales-dx.jp/hubfs/AdobeStock_297051625.jpeg)
CMSを利用することで、Webサイトを構築・運用する際に、HTMLやJavaScriptなどのソースコードの知識がなくとも、本格的なWebサイトを簡単に作れるようになります。
この記事では、CMSとは何かを、メリットやデメリット、導入時に確認すべきポイント、初心者におすすめのツールなどとあわせてご紹介します。
CMSとは何か
CMS(Contents Management System、コンテンツ管理システム)とは、Webサイトのコンテンツを構成する画像やテキスト、レイアウト情報、デザインなどを一括で保存・管理できるシステムを指します。
通常、Webサイト内でページを作成するには、1ページごとにHTMLやCSS、JavaScriptなどを用いながらページのデータを構築する必要があります。
しかし、CMSを導入することで、テンプレートなどを活用しながら、あらかじめ構築済みのWebページのデータを利用できるため、同一のWebサイト内のページやコンテンツの追加や編集が簡単に行えるようになります。
CMSの種類
CMSはWebサイトのコンテンツを簡単に一元管理できることから、多くの企業やWebサイト運営者に利用されています。CMSにはさまざまな種類がありそれぞれ特長が異なるため、新規でCMSを導入する際は、自社の運用体制に合ったシステムを選ぶとよいでしょう。
オープンソース型
オープンソース型は、プログラムのソースコードが一般に公開されているCMSで、柔軟なカスタマイズが可能な点が特長です。代表的なオープンソース型のCMSでは、「WordPress」があげられます。
カスタマイズしやすいことから、無料で利用できる拡張機能(プラグイン)も豊富に提供されているため、自社の特性に合ったWebサイトを構築できます。ただし、オープンソース型であるがために、サイバー攻撃によって脆弱性を狙われやすい点にも注意が必要です。オープンソース型を利用する際は、あらかじめセキュリティ対策も徹底して行いましょう。
クラウド型
クラウド型は、インターネットを経由して利用できるCMSで、CMS本体はベンダーが管理するサーバー上で稼働しています。代表的なクラウド型のCMSでは「Wix」があげられます。
CMSの導入時にあわせてサーバーを用意したり、運用時にメンテナンスを行ったりする必要がないため、気軽に導入しやすい点が特長です。しかし、オープンソース型に比べてレイアウトやデザインのカスタマイズ性が劣る点や、トラブルや不具合が生じたときはベンダーに対応してもらう必要があり、自社だけで対処できないことから業務に影響を及ぼすリスクがある点に注意が必要です。
パッケージ型
パッケージ型は、ベンダーが提供するシステムを購入し、自社のサーバーにインストールすることで利用できるCMSです。代表的なパッケージ型のCMSでは、「Adobe Experience Manager」があげられます。
パッケージ型では、自社サーバーで運用しながらも、定期的にベンダーからアップデートやメンテナンスなどのサポートを受けられるため安全に利用できる点が特長です。パッケージ型を導入する際は、初期費用やライセンス費用が必要となります。基本的に中規模~大規模のWebサイト向けの製品が多く、Webサイトの規模によっては費用が高額になるケースもあるため、注意が必要です。
CMSを利用するメリット
ここまで、CMSの概要や主な種類についてご紹介しました。なお、オープンソース型などの種類を問わず、CMSを導入することで、次のようなメリットが得られます。
Webサイトの構築・運営費用を抑えやすい
CMSを利用することで、Webサイト内のコンテンツを一元管理できるだけでなく、テンプレートに沿って新規コンテンツを作成することができるため、Webサイトやサイト内コンテンツを一から構築したり、ページを個別に管理したりするよりもコストを抑えやすいメリットがあります。Webサイト構築やページの作成をアウトソーシングする場合も、一から作成を依頼するよりも、CMSを利用する前提で依頼するほうが外注先の作業工数も減るため、外注費を抑えられます。
専門的な知識がなくてもWebサイトを構築できる
一からWebページを作る場合、HTMLやCSSといったマークアップ言語、JavaScriptなどのプログラミング言語を使いながらソースコードを生成しなければならないため、Webデザインやプログラミングの知識やスキルが求められます。しかし、CMSを利用すれば、あらかじめ構築済みのテンプレートに沿って、テキストや画像を当てはめるだけでWebページを作成できるため、基本的な構造のWebサイトやページであれば、専門的な知識やスキルがなくとも簡単に構築できます。
分業してWebサイトを管理できる
CMSを利用することで、「〇〇に関するコンテンツ制作の担当者」「△△に関するコンテンツ制作の担当者」「Webサイトのデザインの担当者」など、コンテンツのカテゴリや分野ごとに担当者を分けつつ、同時に作業を行えます。
一からWebページを作成し、個別に管理する場合、1人の担当者が作成や管理を一貫して行わなければならないため、リソースの不足やヒューマンエラーが生じるといった懸念点がありましたが、CMSによって分業体制を実現できます。
CMSを利用するデメリット
ここまで、CMSを利用するメリットについてご紹介しました。一方で、次のようなデメリットもいくつかあげられるため、注意が必要です。
CMSによってできることに制限がある
先述したオープンソース型やクラウド型などの種類や、製品によってできること・できないことは異なります。そのため、「Webサイトを運用するにあたって必要な機能が備わっていない」「思っていたよりも拡張性がなく扱いづらい」など、導入後のギャップを感じるケースもあります。必要な機能がすべて備わっているか、長期的な目線で見た際も不便に感じることなくWebサイト運用を続けられるか、などを加味したうえで適当な製品を選びましょう。CMSによっては無料で利用できるものや、無料トライアルを提供しているものがあるので、複数のツールを試しに利用してみるのもおすすめです。
既存環境からの移行に時間がかかる場合がある
すでにWebサイトを運用している状態からCMSを導入する場合、既存環境からWebサイトのデータを移行させる必要があります。すでにWebサイト上に多くのコンテンツを掲載していた場合は、データの移行に多くの時間やリソースを要することもあるため、注意が必要です。なお、CMSによっては、既存のWebサイトの環境にCMSの機能を後付けできるものもあります。
CMSの導入前に確認すべきポイント
CMSを導入する前には、製品が持つ機能や特長以外にも、次のような点を確認しておきましょう。CMSの導入前に確認すべきポイントは、次のとおりです。
初期費用やランニングコスト
有料のCMSを利用する際は、初期費用や以下のランニングコストがどれくらい必要となるのかを確認しておきましょう。
- 月額や年間の利用料
- ライセンス費用
- メンテナンス費用
- セキュリティ対策費用
- 運用に携わる担当者の人件費や外注費
一見低価格で利用できるように見えても、メンテナンス費やセキュリティ対策費用が別途必要となり、結果としてほかのツールと大差ない金額になるといったケースもあります。また、構築・運用するWebサイトの規模によって費用が変わる場合もあるため、あわせて確認や見積もりを依頼しておくことをおすすめします。
セキュリティ
企業では顧客企業の情報や個人情報など、攻撃者からの標的とされやすい情報を多く所持しているため、サイバー攻撃を受けないようにセキュリティ対策を徹底する必要があります。特に先述したように、オープンソース型のCMSは利便性に優れているものの、サイバー攻撃を受けるリスクも高いため、社内でのセキュリティ対策やメンテナンスを十分に行うことが大切です。パッケージ型やクラウド型のCMSを利用する場合は、ベンダーが信頼できる企業であるか、セキュリティポリシーなどをあらかじめ確かめておくとよいでしょう。
初心者におすすめのCMSは?
最後に、これからCMSを導入してWebサイトの構築を行う方に向けて、初心者におすすめのCMSをご紹介します。
最も利用者が多いWordPress
Themeisle社による「2024 CMS Market Share: Trends & Usage Statistics」によると、世界で利用されているCMSは、WordPressが62.8%で圧倒的に多いことがわかります。WordPressは無料でもデザイン性に優れたテーマを複数使用することができ、プラグインも豊富なことからWebサイトのカスタマイズがしやすい点が特長です。HTMLなどのソースコードに関する知識がなくても直感的に本格的なWebサイトを構築できるため、初めてWebサイトを作るという方にもおすすめです。
無料で利用できるAmeba Ownd
Ameba Owndは、「アメーバブログ」を運営するサイバーエージェント社が運営するCMSです。Ameba Owndにはベーシックプランとプレミアムプランがあり、ベーシックプランは無料で使用できます。PCだけでなくスマートフォンからもWebページを作成できるだけでなく、無料で独自のドメインを設定したり、GA4と連携してアクセス解析を行えたりするなど、Webサイト運用に必要な機能がそろっている点が特長です。
まとめ
この記事では、CMSとは何かを、メリットやデメリット、導入時に確認すべきポイント、初心者におすすめのツールなどとあわせてご紹介しました。
CMSを導入することで、Webサイト構築や運用を効率よく行えるだけでなく、運用業務をアウトソーシングする場合も、外注費を抑えられる可能性があります。ツールを選ぶ際は、必要な機能がそろっているか、信頼できるベンダーであるかなども吟味したうえで自社にとって適切なツールを選びましょう。