GA4のデータ保持期間とは?変更する方法や14カ月以上を設定する方法など

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GA4(Google Analytics 4)には、データの保持期間というものが存在します。
データは、さまざまな情報を分析するうえでとても大切なものなので、できる限り有効に使いたいものですよね。
この記事では、GA4のデータ保持期間について、最長期間で設定する方法や注意点などを詳しく解説します。

執筆者

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

GA4のデータ保持期間とは

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データ保持期間とは、GA4に収集されたデータが保持される期間のことを指します。
この期間が過ぎたデータは自動で削除されるため、注意が必要です。
ただし、GA4ではデータが保持される期間に制限があるものとないものが存在します。
すべての収集データに保持期間があるわけではないので、それぞれ正しく認識しましょう。

【探索レポート】データ保持期間がある

探索レポートとは、詳細なデータ分析をするときに使用するGA4の機能です。
デフォルトでは2カ月に設定されていますが、設定を変更することで14カ月まで延長できます。
探索レポートは、ユーザー行動ログのローデータにアクセスすることで情報を収集しているため、このような制限がかかってしまうのです。

【標準レポート】データ保持期間がない

標準レポートとは、Webサイト全体のざっくりとした分析をするときに使用するGA4の機能です。
アクセス数やユーザー属性コンバージョンなども確認できます。
探索レポートと違い、ローデータにアクセスするのではなく集計されたデータで分析を行うため、データの保持期間がありません。

データ保持期間について知っておきたいポイント

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ここでは、データ保持期間についてあらかじめ知っておくべきポイントをご紹介します。

データ保持期間はデフォルトで2カ月

データ保持期間のデフォルト設定は2カ月となっています。
設定を変更しないままだと、集計開始から2カ月以上たったデータは自動で削除されます。

データ保持期間は14カ月まで設定できる

データ保持期間は、14カ月まで延長して設定できます。
14カ月に設定することで、前年の同月を比較したデータも確認できるようになるので便利です。
ただし、6カ月や12カ月といった区切りではなく、2カ月か14カ月かのどちらかでしか設定できない点には注意が必要です。
後述しますが、有料版GA4を使用している場合は最大50カ月(約4年)まで設定できます。

データ保持期間を変更する方法

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ここでは、データ保持期間を14カ月に設定する方法をご紹介します。

  1. ❶GA4を開き、左側のメニューバー下部にある歯車マークの「管理」→「データの収集と修正」→「データの保持」を選択


    ❷「イベントデータ」「ユーザー データ」の「データの保持」を、それぞれ「14か月」に設定し、「保存」をクリック

データ保持期間を14カ月以上にする方法

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ここでは、GA4のデータ保持期間を14カ月以上に設定する方法をご紹介します。

有料版のGA4を利用する

1つ目の方法は、GA4を有料版(Google Analytics 360)にアップグレードすることです。
有料版を利用することで、最大50カ月までデータ保持期間を延長できます。
従来の2カ月、14カ月に加えて26カ月、38カ月も選択できるようになるので、データ保持期間に物足りなさを感じている場合はアップグレードを検討しましょう。
ただし、「ユーザーデータ」のデータ保持期間は延長できないので、ここで延長できるのは「イベントデータ」のみであることには注意が必要です。
利用料は、月間2500万イベントまでは月額固定で、超過分はイベントデータに応じて追加料金が発生するという流れになっています。

BigQueryを連携してエクスポート

BigQueryとは、Googleが提供しているビッグデータの解析ツールです。
GA4と連携したタイミングからデータの蓄積が始まり、過去のGA4のデータを取り込むことはできないため、早めに連携してデータをためることをおすすめします。
BigQueryは、設定を変更すればデータの保持期間が無制限になるので、無料版では削除されてしまう15カ月以上前のデータであっても、連携してエクスポートすれば実質期限の定めなくデータの確認ができるのです。
ただし、BigQueryの使用にはGA4のデータセットの知識、SQL(データベースを操作する言語)の知識が必要なので注意しましょう。
GA4とBigQueryの連携手順はこちらでご紹介しています。

データ保持における注意点

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最後に、GA4のデータ保持における注意点をご紹介します。

UAからのデータ移行はできない

UA(ユニバーサル アナリティクス)からGA4に移行するときに、UAで収集したデータをGA4に移すことはできません。
そのため、早めにGA4を設定してデータを収集するのがおすすめです。

探索レポートはデータ保持期間の影響を受ける

先述したように、探索レポートはデータ保持期間の影響を受けます。
それは、探索レポートがアクセスするデータがユーザーの行動ログのローデータだからです。
回避することは難しいので、探索レポートを使用するときは以下のことに注意しましょう。

比較できるのは前年同月2カ月分

データ保持期間は最大14カ月(1年2カ月)なので、前年の同月でデータを比較しようと思ったときに、比較できるのは2カ月分しかありません。
そのため、年間を通した分析がしづらい傾向にあります。

季節ごとや年1のイベントを比較しにくい

シーズナルイベントや年に1回のみ開催するイベントを分析したいと思っても、前年同月比較できるのは2カ月です。
そのため、季節に影響を受けやすい業界は効果測定に影響が出やすく、戦略を立てづらくなることもあります。

ユーザーのライフタイムバリューを探るのが難しい

ユーザーのライフタイムバリュー(LTV)とは、顧客生涯価値のことで、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益のことを指します。
データ保持期間があることで、長期的な目でユーザー行動を分析するのが難しくなり、具体的なマーケティング施策が取りづらくなる可能性もあります。

15カ月以前のデータは自動削除される

先述したとおり、14カ月を過ぎたデータは自動的に削除されます。
15カ月より前のデータを閲覧しようとしても、復元したり取得したりすることはできないので注意しましょう。

まとめ

この記事では、GA4のデータ保持期間に関して詳しくご紹介しました。
データ保持期間は、主に探索レポートに影響を与えるものです。
探索レポートは、詳しく条件を絞ったデータを抽出できるだけに、データ保持期間の制約を受けてしまう点は気をつけたいところです。
しかし、GA4を有料版にアップグレードしたり、BigQueryと連携させたりすることで期間を延長することもできます。
GA4側でデータ保持期間の制約を受けないようにする設定はないので、現在の環境でできる限りのデータを抽出して、サイト運営やSEO対策に役立てましょう。

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