Windows11のセキュリティとウイルス対策ソフトの導入要否

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この記事では、Windows11のセキュリティ対策、市販のウイルス対策ソフト導入の必要性について、わかりやすく解説します。
OSにセキュリティ対策ソフトが標準で搭載されているため、別途ウイルス対策ソフトが必要か判断に迷っている方も多いでしょう。
Windows11のセキュリティ機能についても詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

WIndows11のセキュリティ対策

Windows11では、セキュリティ対策ソフトの「Windows Defender」が標準で搭載されています。既知のウイルスや不正プログラムの検知・ファイアウォールの監視・危険サイトへのアクセス制御など、基本的なセキュリティ機能を備えているため、Windows11では市販のセキュリティ対策ソフトの導入は不要という声も聞かれます。

個人でネットサーフィンや画像整理、動画視聴・編集などの用途でパソコンを利用する場合には、「Windows Defender」のセキュリティ機能を活用できますが、個人情報保護やインターネットバンキングの保護などの機能が不足しているため、パソコンでクレジットカードを利用してショッピングを行う場合やインターネットバンキングを利用する場合には、市販のウイルス対策ソフトによるセキュリティ強化が必要です。

また法人の場合には、個人よりも高いセキュリティレベルが求められるため、同様に市販のソフトの導入が必要になるでしょう。

法人で市販のセキュリティ対策ソフトが必要な理由

Windows11に標準搭載の「Windows Defender」でも必要最低限のセキュリティ対策が行えますが、法人で別途市販のウイルス対策ソフトが必要となる理由を解説します。

Windows11のセキュリティ対策だけでは情報漏洩リスクあり

法人では、企業の機密情報・顧客情報・従業員情報などさまざまな重要情報を取り扱うため、情報漏えいした場合の信用喪失の影響・社会的責任は甚大なものになるでしょう。そのため、常に高いレベルでのセキュリティ対策が求められますが、Windows11のセキュリティ機能では未知のマルウェアに十分な対応ができず、パスワード管理機能も備わっていないため、サイバー攻撃を受けるリスクを排除できません。

特にパスワードが流出した場合には、情報漏えいの危険性が非常に高くなるため、法人のセキュリティ対策としては、「Windows Defender」だけではなく、別途市販のセキュリティ対策ソフトの導入が必要になります。

Windows11の直面するセキュリティリスクと対策

ここでは、Windows搭載デバイスを対象としたサイバー攻撃の中でも特に企業にとって脅威となる攻撃を3つご紹介します。

フィッシング攻撃

フィッシング攻撃とは、パソコンの利用者をだまして個人情報や会社の機密情報などを詐取する行為です。代表的なものとして、金融機関やクレジット会社などを装ってメールを送信し、フィッシングサイトと呼ばれる偽のWebサイトに誘導したうえで、IDやパスワードなどのログイン情報やクレジットカード番号を入力させることで、重要情報を詐取する手口が挙げられます。

法人の場合には、ログイン情報を盗み取られることで、機密情報へのアクセス、場合によっては情報の漏えいにつながるため、疑わしいURLはクリックしない、知らない送信先からのメールの添付ファイルは開かないなど、職場全体でのセキュリティ教育が必要です。

ソーシャルエンジニアリング攻撃

ソーシャルエンジニアリング攻撃は、インターネットなどの情報通信技術を利用することなく、個人情報や会社の機密情報を盗み出す行為です。代表的なものに、他人がパソコンやスマホにログインする際に後ろからのぞき見して情報を詐取する「ショルダーハッキング」の手口、緊急性や恐怖心といった人の感情を利用して考える隙を与えず、メールや電話で重要情報を聞き出す手口、会社の出したゴミや到着した郵便物を郵便受けから持ち去り重要情報を取得する手口などが挙げられます。

もしパスワードなどのログイン情報が詐取された場合には機密情報の漏えいリスクが生じますが、人間の心理に付け込んだ攻撃であるため、システム的に対応することが難しく、対策として従業員への周知・教育が重要になります。

ランサムウェア攻撃

ランサムウェア攻撃とは、パソコンを「身代金要求型ウイルス」と呼ばれる「ランサムウェア」に感染させることで、起動できない状態にする、あるいはパソコン内の重要ファイルを暗号化して開けなくする、などしたうえで、もとの状態に戻すのと引き換えに身代金を要求する行為です。近年、多額の身代金を要求するために、法人が標的とされるケースが増加しています。

感染手口として、メールの添付ファイルを開くことにより不正プログラムが実行される場合や、メールに記載のURLをクリックすることで不正プログラムがダウンロードされる場合などがあります。

法人の場合、バックアップデータを復元することである程度は被害を減らすことができますが、ランサムウェアに感染し身代金を要求されたという事実は企業の信用面で大きな損失となるため、システム上の対策に加え、従業員の高いセキュリティ意識が求められます。

Windows11に標準搭載のセキュリティソフト「Windows Defender」

ここからは、Windows11に標準搭載されているセキュリティソフト「Windows Defender」について、解説していきます。

Windows Defenderの主なセキュリティ機能

Windows Defenderには、Windowsを安全に利用するために必要なセキュリティの基本的機能が備わっていますので、主要な機能をご紹介します。

「ウイルスと脅威の防止」機能では、リアルタイムで不正プログラムの怪しい動きやウイルスを検知し、プログラムの実行阻止やユーザーへの警告をしてくれます。また定期的なスキャンを設定することも可能なため、手間なくウイルスチェックを行えます。「ファイアウォールとネットワーク保護」機能は、外部との接続を監視し、必要な場合には通信を遮断しパソコンを保護します。「コントロールされたフォルダアクセス」機能を使用すれば、ランサムウェアがパソコン内のデータを暗号化することを防止できます。

Windows Defenderの有効・無効の設定方法

「Windows Defender」で、ウイルス対策機能の有効・無効を切り替える方法をご紹介します。

画面中央の「Windows」のボタンを押して、「設定」をクリックします。左のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択し、「Windowsセキュリティ」→「ウイルスと脅威の防止」→「設定の管理」の順にクリックしましょう。

「リアルタイム保護」のチェックが「オン」になっていればウイルス対策機能が「有効」、「オフ」になっていれば「無効」です。

新しいソフトウエアをインストールする際に、「Windows Defender」が反応し、安全なソフトウエアと認識されずインストールがうまくいかない場合には、インストールが完了するまで一時的にオフにすることで対応できる場合があります。

Windows Defenderだけで万全のセキュリティ対策は不可

Windows Defenderは、ウイルスや不正プログラムの検知・ファイアウォールの監視・危険サイトへのアクセス制御など、セキュリティに関する基本的な機能を備えていますが、Windows Defenderだけではカバーしきれないリスクがありますのでご紹介します。

コンピュータへの攻撃を目的とした悪意のあるプログラム・ソフトウェアを「マルウェア」と呼びますが、Windows Defenderは既知のマルウェアには対応できますが、未知のマルウェアに対する機能が十分ではありません。ウイルスや不正プログラムなどのマルウェアは、日々悪意を持った新しいものが作り出されており、より高いセキュリティレベルを実現するためには当然未知のマルウェアにも対応する必要があります。

また、市販のウイルス対策ソフトと比較すると個人情報保護やメールのウイルス対策、インターネットバンキングを利用する場合のセキュリティ面で機能的に及びません。

したがって、パソコンにWindows Defenderが標準搭載されていても、別途セキュリティ対策ソフトが必要になります。

Windows11の効果的なセキュリティ対策

ここでは、Windows11をより安全に利用するために必要な事柄について、運用面から解説していきます。

アップデートは迅速に行う

OSに脆弱性・不具合などの問題が発見された場合、修正プログラムやパッチなどのアップデートに必要なデータが提供されますので、通知を受けたらすみやかにアップデートを行いましょう。

また利用しているソフトウエアやブラウザ・ハードウェアのドライバなどのアップデートがあった際も同様で、OS・ソフトウエア・ブラウザ・ドライバを常に最新の状態に保ち、さまざまなサイバー攻撃の標的となるリスクをできる限り減らしていくことが重要になります。

サイバー攻撃を仕掛ける側は、常にわずかなセキュリティの隙を狙っていることを改めて認識する必要があります。

複合的に対策を実施する

サイバー攻撃が年々増加傾向にあり、また日々新しいマルウェアが作り出される中、Windows11に標準搭載のWindows Defenderに、市販のウイルス対策ソフトを導入しただけでは十分なセキュリティ対策ができているとはいえません。

重要なデータを保存するサーバーを隔離して運用する、万が一の漏えいに備えてデータを暗号化しておくなどの対策に加え、ソーシャルエンジニアリング攻撃のようなインターネット回線を経由せず、個人情報や会社の機密情報を盗み出す攻撃にも対応できるよう、日頃から従業員へのセキュリティ教育も重要です。

複合的な対策を行うことで、サイバー攻撃や情報漏えいといった企業として避けるべきリスクを低減させ、セキュリティを向上できます。

Windows11のウイルス対策ならレンタルPCがおすすめ

Windows11にOSをアップグレードしたとしても、セキュリティ対策ソフトは必要であり、各クライアントパソコンに導入する場合には、まとまった金額のイニシャルコストが掛かります。また各パソコンの設定状況を確認するのも、情報システム部門のご担当者にとっては負荷の掛かる作業です。

この点レンタルPCは、すでにウイルス対策が実施済みのパソコンをインターネットから手軽に手配でき、業務負荷を減らすことが可能です。またデータレスPCではクライアントパソコンにデータを持たないため、リモートワークなど社外で利用する場合でも情報漏えいなどのリスクを抑えることが可能です。

企業にとってメリットの大きいレンタルPCをぜひこの機会にご検討ください。

まとめ

Windows11のセキュリティ対策、市販のウイルス対策ソフト導入の必要性について解説しました。年々法人を狙ったサイバー攻撃が増加し、被害規模も大きくなる中、OSに標準搭載のセキュリティ対策ソフト「Windows Defender」だけでは、未知のマルウェアに対応しきれず、法人で必要なセキュリティレベルを確保できないため、別途市販のウイルス対策ソフトの導入が必要です。

また、インターネット回線を経由しないソーシャルエンジニアリング攻撃などに対応するためには、従業員に対するセキュリティ教育も重要です。

最後にコスト・手間を抑えつつ、高いセキュリティレベルを実現できるレンタルPCもご紹介しましたので、当記事を参考に効果的なセキュリティ対策を進めてください。