短縮URLとは?クリック数の解析や無料で使えるサービスを紹介

ブログやSNS、メールなどでは、長文のURLを短縮する「短縮URL」が使われる機会が多く、短縮URLを作成できるサービスによってはクリック数などの解析も可能です。しかし、そもそも短縮URLとは何か、危険性があるのかなどが気になる方もいるでしょう。
そこで、この記事では短縮URLの概要やメリット、短縮URLを悪用した事例と被害を受けないためのセキュリティ対策などをご紹介します。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
短縮URLとは
短縮URLとは、URLの文字列を短縮したURLのことです。日本語が含まれるURLやECサイトの商品リンクなど、さまざまな場面でリンクが長くなってしまうことがあります。
例えば、当社サービスページの「バンソウが選ばれる理由」という見出しのテキストへのリンクを張ると、以下のように長くなってしまいます。
https://www.sales-dx.jp/service#:~:text=%E8%B3%87%E6%96%99%E8%AB%8B%E6%B1%82(%E7%84%A1%E6%96%99)-,
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そこで、短縮URL作成サービスを利用することで、以下のようにURLが短縮されます。
https://x.gd/KJW7G
チャットやメールなどでURLを共有する際、長文のURLが張られていると内容が見づらくなってしまいます。短縮URLを使うことで、シンプルで見やすいURLとなり、本文が長くなったり、見づらくなったりすることを防げるようになるでしょう。
しかし、なぜURLを短縮することが可能なのでしょうか。次では、短縮URLの仕組みについてご紹介します。
短縮URLの仕組み
通常のURL(正規のURL)と短縮URLでは、リンクをクリックしてからページが表示されるまでの過程が異なります。
まず、通常のURLでは以下のようにページが表示されます。
次に、短縮URLでは以下のようにページが表示されます。
・短縮URLをクリック → 短縮URL作成サービスのサーバーにアクセス → サーバーから正規URLにアクセス → ページを表示
このように、短縮URLはサービスのサーバーを経由してから表示される仕組みとなっているため、URLを短縮してもページを正常に表示することが可能となっています。
次に、短縮URLを使うメリットをご紹介します。
短縮URLを使うメリット
短縮URLのメリットには、リンクが画面に表示される割合を減らせることや、改行によるリンク切れを防げることなどがあげられます。ここでは、これらのメリットについて詳しくご紹介します。
リンクが画面に表示される割合を減らせる
短縮URLを活用することで、長文のURLを使いたい場面でもPCやスマートフォンなどの画面上をすっきりとさせた状態でURLを表示できます。特に、ブログ記事などでURLを入れる際は、短縮URLで画面に表示されるリンクの割合を減らすことで、本文の視認性が向上するでしょう。
また、SNSの投稿にURLを含める際、長文のURLを張ろうとすると文字数制限によって張れないことがあります。その場合は短縮URLの活用で、文字数を消費せずにリンクを張ることが可能です。
改行によるリンク切れを防げる
メールのやりとりやメルマガにおいてURLを本文に含めることは一般的ですが、メーラーによっては長文のURLを含めると自動的に改行され、リンクとして認識されなくなることがあります。ほかにも、記事などで長文のURLを使用した際に、不要な文字がURLの間に含まれてしまうなどで、リンクとして認識されないといったミスも起こりがちです。
短縮URLを活用することで、メール内のURLが自動的に改行されるのを防ぎ、不要な文字がURLの間に含まれてしまう可能性を軽減できます。これにより、URLがリンクとして認識されなくなる「リンク切れ」のリスクも減らせるでしょう。
リンク切れをチェックするツールについて詳しく知りたい場合は「リンク切れチェックが一括でできるおすすめツール8選を紹介」の記事をご参照ください。
クリック数などを解析できる
短縮URL作成サービスの中には、URLがクリックされた回数を把握できるサービスもあります。短縮URLは、サービス提供元のサーバーを一度経由するため、経由した回数を計測することでクリックされた数を出すことが可能となっています。
特に、ブログ記事やメルマガなどのマーケティング施策においては、URLがどのくらいクリックされたのかを把握することで、施策の改善にもつなげられるためクリック数は重要な指標となるでしょう。
ここまで、短縮URLのメリットをお伝えしました。次に、短縮URLを利用する際の注意点をご紹介します。
短縮URLを利用する際の注意点
短縮URLを利用する際の注意点には、短縮URLが警戒されやすいことや、ページの表示速度が遅くなることなどがあげられます。ここでは、それぞれの注意点をご紹介します。
短縮URLが警戒されやすい
短縮URLは、リンクの文字列を見ただけではどのようなサイトにアクセスするのかを判断しづらいため、サイトのユーザーやメールの相手がリンクを警戒する恐れがあります。悪質なサイトだと判断しづらい性質を利用して、フィッシング詐欺やスパムメールなどにも使われているため、リンクの安全性を示す必要があるでしょう。
リンクの安全性を示すには、短縮URLの前後に短縮URLを使用していることを示す説明やリンク先の説明を記載することが大切です。短縮URL作成サービスの中にはリンク先のドメイン名を残しながら短縮できるサービスもありますので、そちらの利用も検討してみてください。
ページの表示速度が遅くなる
短縮URLの仕組みでもご紹介したように、短縮URLはサービス提供元のサーバーを一度経由してから正規URLにアクセスします。この仕組みによって、通常のURLからリンク先のページを表示させるよりも、短縮URLからアクセスするほうが表示されるまでに時間がかかる傾向があります。
特に、ブログ記事などで短縮URLを使用する場合、ページの表示速度が遅くなるとユーザーが離脱してしまう恐れがあるでしょう。
サービス終了によりリンク切れとなる
短縮URLを利用するために使った短縮URL作成サービスの提供元が、サービス自体を終了した場合は短縮URLがリンク切れとなり、リンク先にアクセスできなくなります。
メールやチャットで一時的に短縮URLが必要となる場合は、リンク切れが起きても大きな被害は出ないでしょう。しかし、ブログ記事などで短縮URLを多用している場合は、すべてのリンクを書き換える作業が発生するため、利用する場面や短縮URLを使わない方法についても考えておく必要があります。
ここまでで、短縮URLの注意点をお伝えしました。次に、短縮URLが悪用されることはあるのかについてご紹介します。
短縮URLが悪用されることはある?
短縮URLはフィッシング詐欺やスパムメールなどの犯罪に使われることもあります。特に、SNSアカウントを乗っ取り、なりすました相手から送られたリンクをクリックしただけでマルウェアに感染してしまうといった、サイバー犯罪に巻き込まれる可能性があるでしょう。
次に、短縮URLを悪用した犯罪の事例をご紹介します。
短縮URLを悪用した事例
短縮URLを悪用した事例には、乗っ取ったアカウントやX内での悪質サイトへの誘導などがあげられます。ここでは、実際に短縮URLを悪用した事例をご紹介します。
アカウントの乗っ取りによる悪質サイトへの誘導
SNSで短縮URLをクリックすると、SNSのアカウントが乗っ取られてしまうことがあります。具体的には、すでに乗っ取られているアカウントから知人を装ってメッセージを送り、知人だと勘違いしてリンクを押してしまったユーザーのアカウントを乗っ取ります。
このように、連鎖的な乗っ取りに短縮URLが使われることがあるため、すぐにはクリックしないように気をつけましょう。
また、有名企業の公式アカウントを装って短縮URLが送られるケースもあります。リンクをクリックした後に支払い情報を確認するという旨でカード情報などを入力させ、その情報を盗むといった被害も発生しています。
X( 旧Twitter)で悪質サイトへ誘導
X( 旧Twitter)などのSNS内では、短縮URLを悪用して詐欺サイトやマルウェアの感染を目的としたサイトに誘導する事例が発生しています。知らないアカウントから短縮URLが送られてきた場合はクリックしないように注意し、アカウントやURLの信頼性を確認することが大切です。
Googleの検索結果にスパムコンテンツを見つけた場合は、Google 検索セントラル
の「スパム、フィッシング、マルウェアを報告する」から報告できます。
短縮URL作成サービス自体が偽物
短縮URL作成サービス自体が犯罪者による偽のサービスであったという事例も存在します。偽のサービスを利用すると、悪質なサイトに転送される短縮URLが作成されてしまい、利用者は知らないうちに拡散してしまうため、犯罪に加担しているといった状況に陥る恐れがあります。
短縮URLのAPIキーを悪用
米Bitly社が提供している短縮URL作成サービスでは、2014年に短縮URLを作成する際のAPIキーを悪用されたことによって、信頼性の高いニュースサイトであるMSNBCから偽のニュースサイトに転送するリンクが拡散された事例があります。この事例は信頼性のあるサイトを悪用した例として広く知られています。
ここまでで、短縮URLを悪用した事例についてお伝えしました。悪質な短縮URLの被害を受けないためには次でご紹介するセキュリティ対策を行うことが大切です。
悪質な短縮URLの被害を受けないためのセキュリティ対策
悪質な短縮URLの被害を受けないためのセキュリティ対策には、気軽にクリックしないことや、送信者に短縮URLについて確認することなどがあげられます。ここでは、これらのセキュリティ対策についてご紹介します。
気軽にクリックしない
Web上やSNS、メールなどには、短縮URLが含まれた悪質なコンテンツが多く存在します。特にSNSでは、リンクへ誘導する文章とともに悪質な短縮URLが張られている投稿が身近にあるため、そのようなリンクは気軽にクリックしないように気をつけましょう。
送信者に短縮URLについて確認する
知人などから短縮URLが含まれるメッセージを受信した際は、受信した連絡手段とは別の手段で短縮URLについて確認することが大切です。特に、メッセージの文章が不自然である場合は、そのメールやSNSアカウントなどが乗っ取られている可能性があるため、リンクをクリックしないように注意しましょう。
セキュリティソフトを導入する
セキュリティソフトを導入することで、もし悪質な短縮URLをクリックしてしまってもリンク先の危険性を通知してくれるため、悪質なサイトにアクセスするのを防げます。また、クリックする前にリンク先の安全性をチェックしてくれたり、重要な情報が漏えいした場合の復旧をサポートしてくれたりするソフトもあるため、セキュリティソフトを導入しておくと安心でしょう。
ここまでで、悪質な短縮URLの被害を受けないためのセキュリティ対策をご紹介しました。次に、代表的な短縮URL作成サービスをご紹介します。
代表的な短縮URL作成サービス
代表的な短縮URL作成サービスには以下があげられます。
- Bitly
- 00Min
- TinyURL
ここでは、それぞれのサービスについてご紹介します。
Bitly
Bitlyは、アカウントの登録をすれば無料で短縮URLを作成できるサービスです。世界中で利用されており、無料プランでは月10件までの短縮URL作成と、月2件までのQRコード作成を行えます。有料プランでは、クリック数などのデータを解析でき、独自ドメインを含めた短縮URLの作成が可能になります。
00Min
00Minは、日本企業の株式会社プライミンズが提供している日本語対応の短縮URL作成サービスです。Bitlyと同様に無料かつアカウント作成なしで利用でき、有料プランではドメインを含めた短縮URLの作成やクリック数などの解析が可能です。短縮URLを作成後にQRコードも作成可能なため、QRコードを使用する際にも活用できます。
ただし、無料プランの場合は短縮URLの有効期限が1年間(登録後1年たってもクリックされなかった場合は削除)となっているため、一時的な利用に向いているといえるでしょう。
TinyURL
TinyURLは、無料で利用できる短縮URL作成サービスです。海外のサービスであるため英語表記となっていますが、シンプルなUI・UXで簡単に利用できます。無料プランでもURLの有効期限がないため、長期の利用にも向いているでしょう。
まとめ
この記事では、短縮URLの概要やメリット、短縮URLを悪用した事例などをご紹介しました。短縮URLとはURLの文字列を短縮したURLのことで、リンクが画面に表示される割合を減らせることや、サービスによってはクリック数などを解析できることなどがメリットとしてあげられます。
ただし、短縮URLが警戒されやすかったり、ページの表示速度が遅くなったりする点に注意が必要です。なりすましアカウントやX内での悪質サイトへの誘導といった悪用事例も存在するため、怪しい短縮URLはクリックしないようにしましょう。