GA4のエンゲージメント率とは?直帰率との違いや確認方法・改善方法を解説

GA4(Google Analytics 4)にはさまざまな指標があり、そのうちのひとつにエンゲージメント率がありますが、そのほかの指標との違いやGA4での確認方法、レポートの見方などがわからないという方も多いことでしょう。
この記事では、GA4のエンゲージメント率について、確認方法やレポートの見方、改善方法などを詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
GA4のエンゲージメント率と直帰率とは?
はじめに、そもそもエンゲージメント率とはどんな指標なのか、セットでよく使われる直帰率もあわせて解説します。
エンゲージメント率とは?
GA4におけるエンゲージメント率とは、「エンゲージメント セッションの割合」と定義されています。
エンゲージメント セッションとは、以下のいずれかに当てはまるものです。
- 10秒以上継続したセッション
- コンバージョン イベントが発生したセッション
- 2回以上のページビューが発生したセッション
- 2回以上のスクリーン ビューが発生したセッション
セッションは、ユーザーがWebサイトを訪問してから離脱するまでの流れのことを指します。つまり、ユーザーがWebサイトの閲覧中に、上記のいずれかの行動を起こした割合がエンゲージメント率ということになります。
直帰率とは?
直帰率とは、エンゲージメント率と対をなす言葉で「エンゲージメント セッションが発生しなかった割合」と定義されています。
直帰率の計算方法は、直帰数÷セッション数×100です。
10セッションあったうち、直帰数が5セッションだったケースを例にあげると、以下のような計算となります。
5(直帰数)÷10(セッション数)×100=50%(直帰率)
直帰率と離脱率の違い
直帰率と混同されやすい言葉が離脱率です。
離脱率とは、すべてのページビューのうち、ユーザーがWebサイトの閲覧をやめてしまった割合を示しています。
先述したように、直帰率はエンゲージメント セッションが発生しなかった割合を指しているので、そもそもの定義が違います。
また、直帰率は特定のページが対象となりますが、離脱率はすべてのページが対象です。
ほかにも、直帰率がサイト全体の分析に用いられるのに対し、離脱率は特定のページの分析に使われるという違いもあります。
GA4のエンゲージメントレポートを確認すべき理由
LINEやメルマガなどで記事を配信した場合、多くのユーザーは目当ての記事を読んだ後、Webサイトにとどまることなくページを閉じるケースがほとんどでしょう
しかしこの場合、ユーザーは記事を読んで満足して離脱しているのにもかかわらず、直帰率が高く出てしまうのです。
この状態では正しく記事を評価できているとはいえないので、それを防ぐために別でスクロール率といった別の指標を設定し、計測する必要がありました。
そうした細かな設定をすることなく記事を評価できるようになったことこそが、GA4でエンゲージメントレポートを確認すべき最大の理由といえるのです。
エンゲージメントレポートの活用方法
GA4のエンゲージメントレポートを活用できるシーンを2つご紹介します。
サイトの分析・評価
エンゲージメント率が低い場合、ユーザーの多くがWebサイトに対して求めているものと違っていると感じ、離脱していると考えられます。
Webサイトがターゲットとしていないユーザーを誘導してしまっている可能性があるため、Webサイトの情報がユーザーへ正しく伝わるようになっているかといった面を含め、総合的な判断材料のひとつとして活用できるでしょう。
広告配信
Webサイトをしっかりと閲覧していたのにもかかわらずコンバージョンにつながらない場合、コンバージョンに至る決め手が足りていない可能性が考えられます。
こうしたケースの場合、キャンペーンを打つことでコンバージョンにつなげられることもあります。
一方、Webサイトへの訪問回数が多くともエンゲージメント率が少ないセッションの割合が高い場合、ユーザーの興味とWebサイトの内容にずれが生じているのかもしれません。
エンゲージメント率を確認することで、このような仮説を立てて対策を練ることができます。
また、GA4では「エンゲージメントの少ないセッション」という指標を使って分析ができます。
便利な機能なので、用途に応じて活用するのがおすすめです。
「エンゲージメントの少ないセッション」の設定方法は以下のとおりです。
- ❶GA4を開き、左側のメニューバー下部にある歯車マークの「管理」から、「プロパティ」→「オーディエンス」を選択
❷「オーディエンス」を選択
❸「カスタム オーディエンスを作成する」を選択
❹「セッション」→「エンゲージメントの少ないセッション」を選択
❺「フィルタ」を選択し、条件と任意の数字を入力し、「適用」→「保存」を選択
※ここでは、「7日間以内に3回以上エンゲージメントの少ないセッションを発生させたユーザー」を例に設定しています
サマリーは以下のように表示されます。
GA4でエンゲージメント率を確認する方法
GA4では、ランディングページのエンゲージメント率を計測できます。
計測した数値は、「基本レポート」と「探索レポート」の2つのレポートで確認できます。
ここでは、それぞれのレポートでエンゲージメント率を確認する方法をご紹介します。
基本レポートでの見方
基本レポートでエンゲージメント率を確認する方法は以下のとおりです。
- ❶GA4を開き、左側のメニューバーから「レポート」を選択
❷「ライフサイクル」→「エンゲージメント」→「ランディング ページ」を選択
❸以下のようにレポートが表示される
デフォルトでは、セッションやユーザー、新規ユーザー数、セッションあたりの平均エンゲージメント時間などの、6つの項目が表示されます。
追加したい場合は、ランディングページ横の「+」ボタンから追加しましょう。
探索レポートでの見方
探索レポートでエンゲージメント率を確認する方法は以下のとおりです。
- ❶GA4を開き、左側のメニューバーから「探索」をクリックし、「空白」を選択
❷「変数」内の「指標」を選択
❸「セッション」から、「エンゲージメント率」にチェックを入れ、「インポート」を選択
❸「変数」内の「指標」に表示された「エンゲージメント率」を、「設定」内の「値」へドラッグ&ドロップ
この手順を踏むと、以下のようにレポートが確認できます。
変数内のディメンションに、ほかの項目を追加することでより細分化したデータも確認できます。
慣れないうちはまずはエンゲージメント率のみを確認し、徐々にほかの項目を増やしてレポートを作成していくのがおすすめです。
エンゲージメント率・直帰率の改善方法
最後に、エンゲージメント率や直帰率を改善する方法をご紹介します。
ターゲット層のニーズに合わせる
エンゲージメント率が低く、直帰率が高い場合、ターゲットとしているユーザーニーズと実際に訪問しているユーザーニーズに乖離がある可能性が高いといえます。
現在、どんなユーザーがWebサイトへ流入しているのかを分析し、ターゲット層のニーズに合ったコンテンツ作りをしましょう。
記事の内容を質の高いものへと見直す
ユーザーに、記事が読みづらい、理解が難しいと思われてしまうと離脱の原因になります。
また、内容が不十分で自分が求めている情報が書かれていないと感じた場合も、ユーザーは離れてしまうものです。
まずは記事の見直しを行い、不足している内容がないか、わかりづらい箇所がないかなどを確認しましょう。
必要があればリライトをし、質の高い記事を作っていくことでエンゲージメント率や直帰率が改善される可能性が高まります。
ページ内にアクションを促すリンクを設置する
ユーザーが何かアクションをしたいと思ったときに、導線がなければユーザー自身でその行動を起こすための場所を探さなければなりません。
煩わしく感じられてしまえば、コンバージョンにつながる可能性があったユーザーを取りこぼすことになってしまいます。
このようなことを避けるためにも、ユーザーがアクションを起こしやすいように行動を促せるリンクを設置しましょう。
ページレイアウトと読み込み速度を改善する
ページのレイアウトと読み込み速度は、エンゲージメント率や直帰率の改善に有効です。
レイアウトが見づらかったり、読み込みに時間がかかったりすると、それだけでもユーザーはページを離れてしまう場合があるからです。
ユーザーがどんな情報を求めていて、どんなレイアウトにすれば見やすいのかをユーザ目線で考えて改善しましょう。
読み込み速度は、挿入している動画や画像の数を減らしたり、埋め込んでいるHTMLタグを見直して少なくしたりすることでも改善できます。
まとめ
この記事では、GA4のエンゲージメント率について詳しくご紹介しました。
エンゲージメント率は、記事を正しく評価するうえで大切な指標のひとつです。
また、Webサイトを分析したり、広告配信をしたりするときにも活用できる便利な指標ともいえます。
エンゲージメント率が低い場合は、ターゲット層のニーズと合っているかどうかを確認したり、記事を質の高いものへと見直したりすることで改善できる可能性があります。
エンゲージメント率を活用して、マーケティング施策やSEO対策に役立ててください。