「ご検討いただけますと幸いです」の正しい使い方は?例文も紹介

「ご検討いただけますと幸いです」は、ビジネスシーンやプライベート、社内外を問わず広く使われる敬語表現です。ただし、使い方によっては相手に検討事項が伝わらなかったり、威圧感を与えてしまったりする恐れがあるため、使用時には注意が必要です。
この記事では、「ご検討いただけますと幸いです」の基本的な意味や使い方を、例文や使用時の注意点、言い換え表現とあわせてご紹介します。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
「ご検討いただけますと幸いです」の意味
「ご検討いただけますと幸いです」は、相手に物事を依頼するときや、自身の提案を相手に承認してほしいときに使用する敬語です。
何かを相手に頼みたいときも「〇〇してください」と直接相手に提案を押しつけるのではなく、「〇〇実施の件について、ご検討いただけますと幸いです」のようにワンクッション挟むことで、相手に対して強制する意思はないことや、相手に考えてもらったうえで承認してほしいといった意思を伝えることができ、柔らかい表現になります。
また、「ご検討いただけますと幸いです」を用いることで、「あなたに考えてもらえるとうれしいです」といったニュアンスで伝えられるため、万が一相手が断る際にも断りづらさを感じない空気をつくることもできるでしょう。
「ご検討いただけますと幸いです」を使う相手
「ご検討いただけますと幸いです」は、「検討」を丁寧に表した「ご検討」や、謙譲語の「~いただく」を含んだ敬語表現のため、目上の人や取引先などに対して使われます。
ただし、「ご検討いただけますと幸いです」は社内外やビジネスシーン、プライベートを問わず、広く使えるフレーズです。そのため、部下や同僚に対して「〇〇の件について、ご検討いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします」といった使い方をした場合も、堅すぎる印象を与えず自然に使用できます。
「ご検討いただけますと幸いです」の正しい使い方
「ご検討いただけますと幸いです」は、先述のとおりビジネスシーンやプライベートで広く使えます。ここでは、シーン別の正しい使い方を、簡単な例文とともにご紹介します。
商談
取引先との商談時では、自身が提示するプランや条件を相手に検討してもらう際に使用します。例えば、次のような使い方ができます。
- 「御社の条件では、Aのプランが最も費用対効果が高いかと思いますので、ご検討いただけますと幸いです」
- 「弊社の製品をぜひご検討いただけますと幸いです」
- 「来月よりお得なキャンペーンが始まりますので、こちらもご検討いただけますと幸いです」
ビジネスメール
ビジネスメールで相手に提案する際にも「ご検討いただけますと幸いです」は用いられます。例えば、次のような使い方ができます。
- 「お見積書を添付いたしましたので、ご検討いただけますと幸いです」
- 「下記の条件ではいかがでしょうか。難しいとは存じますが、ご検討いただけますと幸いです」
- 「いただいた内容では実施が厳しく、〇〇であれば実施可能です。こちら、再度ご検討いただけますと幸いです」
また、ビジネスメールで使用できる例文は後ほど詳しくご紹介するので、ぜひあわせてご覧ください。
プレゼンテーション
プレゼンテーションで自身の提案内容を示した際の締めくくりとして用いることもできます。例えば、次のような使い方ができます。
- 「以上がご提案内容となります。どうかご検討いただけますと幸いです」
- 「〇〇の理由から、〇〇のシステムの変更が望ましいと考えました。ご検討いただけますと幸いです」
- 「このような背景から、〇〇の改善が必要と判断しています。こちら、ご検討いただけますと幸いです」
日程調整
相手に日程の候補を提示したり、日程の提案をしたりする際にも使用できます。例えば、次のような使い方ができます。
- 「〇月〇日の〇時以降はお伺いできますがいかがでしょうか。ご検討いただけますと幸いです」
- 「上記の日程でお打ち合わせが可能ですので、ご検討いただけますと幸いです」
- 「〇〇の件について、本日どこかでお時間をいただけますでしょうか。ご検討いただけますと幸いです」
ディスカッション
会議など、ディスカッションを行う際にも「ご検討いただけますと幸いです」を使用できます。例えば、次のような使い方ができます。
- 「このような理由から、〇〇を導入するのが適切だと判断しました。ご検討いただけますと幸いです」
- 「A案とB案のどちらを採用すべきか、ご検討いただけますと幸いです」
- 「〇〇の件に関しては、〇〇さんにもご検討いただけますと幸いです」
日常的な会話
ビジネスに関する会話以外の場面においても、上司や目上の人に対して「ご検討いただけますと幸いです」は使用できます。例えば、次のような使い方ができます。
- 「オフィスの机の配置について、〇〇のように設置するのはいかがでしょうか。ご検討いただけますと幸いです」
- 「ランチの候補のお店をいくつか共有いたしますので、ご検討いただけますと幸いです」
- 「〇〇に必要な道具はご持参いただけますでしょうか?ご検討いただけますと幸いです」
「ご検討いただけますと幸いです」の例文
「ご検討いただけますと幸いです」をビジネスメールで使用する際の例文は、次のとおりです。さまざまな場面でのメール例文をご紹介しておりますので、ぜひコピーしてご活用ください。
打ち合わせの日程調整(初回・2回目以降)
【初回の打ち合わせ時】
件名:お打ち合わせの日程について【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様お世話になっております。
株式会社△△の△△でございます。このたびは弊社のWebサイトよりお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
弊社提供のツール「〇〇〇〇」にご興味があるとのことで、ぜひサービスの特長や、貴社に合ったプランのご提案をできればと存じますが、いかがでしょうか。以下の日程から、1時間ほどお打ち合わせの機会を頂戴できますと幸いです。
・〇月〇日(〇)終日
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時以降
上記以外の日時でも調整可能ですので、上記のスケジュールでのお打ち合わせが厳しい場合、〇〇様のご都合がよろしい日時をいくつかいただければと存じます。ご多忙のなか恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
何とぞよろしくお願いいたします。
【2回目以降の打ち合わせ時】
件名:次回お打ち合わせについて【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様お世話になっております。
株式会社△△の△△でございます。先日は弊社サービス「〇〇〇〇」に関するご説明のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
前回のお打ち合わせ時にいただいたご要望や必要なデータを用意いたしましたので、
再度1時間ほどお打ち合わせのお時間を頂戴できますでしょうか。以下の日程から、ご都合のよろしい日時をご検討いただけますと幸いです。
・〇月〇日(〇)終日
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時以降上記以外の日時でも調整可能ですので、上記のスケジュールでのお打ち合わせが厳しい場合、〇〇様のご都合がよろしい日時をいくつかいただけますと助かります。
お忙しいところ恐れ入りますが、何とぞよろしくお願いいたします。
見積書の送付
件名:お見積書のご送付【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様お世話になっております。
株式会社△△の△△でございます。先日は弊社サービス「〇〇〇〇」に関するご説明のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
ご希望の条件をもとにお見積書を作成いたしましたので、本メールの添付にてご送付いたします。
内容をご確認のうえ、ご検討いただけますと幸いです。また、お見積書の内容にご不明点や気になる点などがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
引き続き、よろしくお願いいたします。
オプションの提案
件名:次回お打ち合わせについて【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様お世話になっております。
株式会社△△の△△でございます。平素より弊社サービス「〇〇〇〇」をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
前回の定例ミーティングにて、社内体制に変更がある旨をお伺いしましたが、
体制変更に伴うサービスの利用範囲の変更や、機能の追加につきまして、
オプションのサービスである「〇〇」が最も費用を抑えてのご利用が可能かと存じます。■オプション「〇〇」の特長
・XXXXXXX
・XXXXXXX
・XXXXXXX特長や利用企業の事例についてまとめた資料もあわせてご送付いたしますので、ぜひご検討いただけますと幸いです。
上記のオプションについて、ご不明点や追加で必要なデータなどがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
引き続き、よろしくお願いいたします。
複数の選択肢の提示
件名:「〇〇」訴求案について【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様お世話になっております。
株式会社△△の△△でございます。「〇〇」のプロモーションにおける訴求につきまして、A案・B案の2つを作成いたしました。
どちらの訴求軸で進めていくか、ご検討いただけますと幸いです。■A案
・XXXXXXX
・XXXXXXX■B案
・XXXXXXX
・XXXXXXXお手数をおかけしますが、上記をご確認いただけますと幸いです。
引き続き、よろしくお願いいたします。
社内の人への質問
件名:「〇〇」の制作スケジュールについて
本文:
〇〇さんお疲れさまです。
△△です。「〇〇」の制作スケジュールにつきまして、先方の〇〇の都合により、〇日ほど前倒しての制作が可能かご連絡をいただきました。
いただいたとおりスケジュールを調整すると、以下の日程になります。■調整後スケジュール
・XXXX:〇月〇日
・XXXX:〇月〇日
・XXXX:〇月〇日上記のスケジュールの場合、〇〇さんや▢▢さんの作業にも影響があるかと存じますので、前倒しての作業が可能か、ご検討いただけますと幸いです。
何とぞよろしくお願いいたします。
「ご検討いただけますと幸いです」に対する返信方法
「ご検討いただけますと幸いです」と相手から言われた際は、「承知しました」「かしこまりました」など、相手から受けた依頼に対して検討する意思を示しましょう。その場で依頼に対する可否を返答できない場合は、「一度社内で検討いたします」などのフレーズで返答するのがおすすめです。
なお、返答に時間を要する場合は、上記のフレーズに加えて、「〇日までに返答いたします」などのように、具体的な期日もあわせて伝えることで、相手も業務のスケジュールを調整しやすいでしょう。
「ご検討いただけますと幸いです」を使う際の注意点
ここまで、「ご検討いただけますと幸いです」の使い方や具体的な例文などをご紹介しました。使用時には、次のようなポイントに注意することで、誤った使い方をしてしまったり、相手に不快な気持ちを抱かせてしまったりすることを避けられます。
わかりやすく提案や依頼内容を伝える
「ご検討いただけますと幸いです」を使う際は、相手への提案や依頼内容をわかりやすく示すことが大切です。提案や依頼内容を具体的に述べた後、「上記の〇〇の可否について、ご検討いただけますと幸いです」など、何を検討してほしいのかをあわせて伝えることで、相手も検討事項を判断しやすく、スムーズにコミュニケーションを進められます。
相手の意思を尊重する姿勢を示す
「ご検討いただけますと幸いです」には、「検討してもらえたらうれしい」といった謙虚なニュアンスを含んでいます。そのため、提案内容を強制するような態度は示さないよう注意が必要です。このフレーズを使う際は、「あくまで提案のため、事情があれば断ってもらっても構わない」というニュアンスも伝わるよう意識しましょう。
「ご検討いただけますと幸いです」の類似表現との違い
「ご検討いただけますと幸いです」にはさまざまな類似表現があります。それぞれ同様の意味合いで使用できますが、相手やシチュエーションによって使い分けることで、相手によい印象を抱いてもらえるでしょう。
ご検討いただければ幸いです
「ご検討いただければ幸いです」は「ご検討いただけますと幸いです」と同様の意味合いで使用できるフレーズです。ただし、「ご検討いただければ幸いです」の「いただければ」は謙譲語の「~していただく」のみを含んでいるのに対して、「いただけますと」は「~していただく」に丁寧語の「ます」を組み合わせているため、より丁寧な表現となります。
どちらも目上の人や取引先に対して使っても失礼にはあたりませんが、さらに丁寧な表現を心がける場合は、「ご検討いただけますと幸いです」を使用するとよいでしょう。
ご検討いただけましたら幸いです
「ご検討いただけましたら幸いです」は、仮定の意味を持つ「~たら」を組み合わせたフレーズで、「ご検討いただけますと幸いです」と同様に「検討してもらえたらうれしい」という気持ちを伝えられます。どちらも同じ意味で使用できますが、「ご検討いただけましたら幸いです」のほうが仮定のニュアンスが強く表現されるため、より控え目に伝えることができます。
ご検討いただけますでしょうか
「ご検討いただけますでしょうか」は、「ご検討いただけますと幸いです」と同様の意味で使用できる言葉です。「~していただけますでしょうか」は、「~してもらえるだろうか」という言葉を謙譲語の「~していただく」を用いて謙虚に表しています。「ご検討いただけますと幸いです」よりもカジュアルなニュアンスを持つため、メールなど文書よりも口頭でのコミュニケーションで使いやすいでしょう。
ご検討ください
「ご検討ください」は相手に依頼する際や、提案した物事について検討してほしいときに用いられます。「ご検討いただけますと幸いです」と意味に違いはありませんが、謙譲語の「~していただく」を含んでいるため、より丁寧な表現であるといえます。
また、目上の人や取引先に対しては「ご検討いただけますと幸いです」を使用するほうが一般的であり、「ご検討ください」を使用すると、相手によっては冷たい印象や乱暴な印象を与えてしまう可能性もあるため、部下や同僚に使用するほうが無難でしょう。
ご検討くださいませ
「ご検討くださいませ」は、丁寧語の「ます」の命令形である「ませ」を使った言葉です。先述した「ご検討ください」よりも丁寧な言い回しになり、柔らかいニュアンスを表現できます。目上の人に対して使うときや、相手に威圧感を与えずにコミュニケーションを取りたいときなどに活用するとよいでしょう。
ご検討のほどよろしくお願いいたします
「ご検討のほどよろしくお願いいたします」は、「ご検討いただけますと幸いです」と同様の使い方ができるフレーズです。「~のほど」は依頼表現をする際によく用いられ、クッション言葉としての役割を持つため、文章の印象を和らげることができます。
「ご検討のほどよろしくお願いいたします」と「ご検討いただけますと幸いです」に大きな違いはないため、会話の流れやメールでの文章の流れに合わせて使い分けるとよいでしょう。
「ご検討いただけますと幸いです」の言い換え表現
「ご検討いただけますと幸いです」には、次のような言い換え表現があります。すべて同じ意味合いで使用できるため、あわせて覚えておくことで表現の幅を広げられます。
ご考慮いただけますと幸いです
「ご考慮」は「さまざまな物事に思いを巡らせて考えること」「いろいろな要素を含めてよく考えること」という意味の「考慮」を丁寧に表した言葉です。「ご考慮いただけますと幸いです」は「ご検討いただけますと幸いです」と同様に、こちらが提示した要望や依頼、提案に対して相手に考えてほしいときに使用できます。
ご一考いただけますと幸いです
「ご一考」は「一度考えてみること」という意味の「一考」を丁寧に表した言葉です。「ご一考いただけますと幸いです」は、「一度考えてもらえるとうれしい」という気持ちを示せるため、謙虚な印象を与えられます。そのため、「ご検討いただけますと幸いです」よりも控え目な姿勢を示したい場合は、「ご一考いただけますと幸いです」を用いるのがおすすめです。
「ご検討いただけますと幸いです」を英語で表現すると?
「ご検討いただけますと幸いです」を英語で表すと、次のようなフレーズがあげられます。
Thank you for your consideration.
(ご検討いただけますと幸いです)I appreciate your consideration.
(ご検討いただけますと幸いです)We sincerely hope you will consider this request.
(この要望についてご検討いただけますと幸いです)
「Thank you for your consideration」「I appreciate your consideration」に使われている「Thank you for~」や「I appreciate~」は「~してくれてありがとう」という意味を持ちます。「検討してくれてありがとう」と示すことで、「ご検討いただけますと幸いです」と同様の使い方が可能です。
「We sincerely hope you will consider this request」の「We sincerely hope」は「切に願っている」と翻訳できます。「私たちはあなたがこの要望について考えてくれることを強く望んでいます」といった意味合いとなり、「ご検討いただけますと幸いです」と同様の使い方ができます。
なお、「sincerely」を添えることで、「切実に」という意味を持たせられるため、強く望んでいる気持ちを表現できます。
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この記事では、「ご検討いただけますと幸いです」の基本的な意味や使い方を、例文や使用時の注意点、言い換え表現とあわせてご紹介しました。「ご検討いただけますと幸いです」は、相手に一方的に要望を押しつけないよう謙虚な姿勢を示すことが大切です。相手との関係性やシチュエーションに合わせて、さまざまな言い回しを心がけるとよいでしょう。
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