「お手数をおかけして申し訳ございません」の正しい使い方は?例文も紹介

「お手数をおかけして申し訳ございません」は、緊急対応をしてもらった際など、相手がこちらのために労力や時間を費やしてくれたことへの謝罪や感謝を示す際に使われます。
この記事では、「お手数をおかけして申し訳ございません」の基本的な意味や使い方を、例文や使用時の注意点、言い換え表現とあわせてご紹介します。
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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
「お手数をおかけして申し訳ございません」の意味
「お手数をおかけして申し訳ございません」は、相手に対して迷惑をかけてしまったときや、こちらのために相手が手間をかけてくれたことに対して謝罪や感謝の気持ちを示す際に使われる敬語です。
「お手数」は、「他人のためにかける手間」を表す「手数」を丁寧に表した言葉で、「おかけして」は「手間をかける」などに使われる「かける」を丁寧に表しています。
「申し訳ございません」は基本的に謝罪のときに使われるフレーズですが、「お手数をおかけして申し訳ございません」に関しては、相手が自分のために労力をかけて物事を対応してくれたことへの感謝の気持ちを表す際にも使われます。
口頭・メールどちらでも使える
「お手数をおかけして申し訳ございません」は、電話など口頭のコミュニケーションやメールなど、連絡の手段を問わずビジネスシーンでよく用いられる言葉です。そのため、電話や対面での打ち合わせ時の謝罪や、メールで取引先への依頼などを通して日常的に使われます。具体的な使用場面や使い方については、後ほど詳しくご紹介します。
「お手数をおかけして申し訳ございません」を使う相手
「お手数をおかけして申し訳ございません」は敬語表現のため、主に上司や取引先など目上の人に対して使われます。同僚や部下などに対しても「お手数をおかけして申し訳ございません」を用いて謝罪や感謝の気持ちを伝えても問題ありませんが、相手によっては堅すぎる印象を与えてしまう可能性もあるため、「お手数をおかけしてすみません」など、よりカジュアルな表現を用いるとよいでしょう。
「お手数をおかけして申し訳ございません」の正しい使い方
「お手数をおかけして申し訳ございません」は、ビジネスシーンのさまざまな場面で広く使えます。ここでは、シーン別の正しい使い方を、簡単な例文とともにご紹介します。
相手への謝罪
「お手数をおかけして申し訳ございません」は、先述のとおり、相手に手間をかけさせてしまった際の謝罪の気持ちを示す際に使われます。例えば、次のような使い方があげられます。
- 「〇〇の対応につきまして、お手数をおかけして申し訳ございません」
- 「このたびは私の確認不足により、お手数をおかけして申し訳ございません」
- 「お忙しいところ、お手数をおかけして申し訳ございません」
相手への感謝
相手が忙しい中、依頼に応えてくれた際の感謝などでも「お手数をおかけして申し訳ございません」は使用できます。このとき「ありがとうございます」など感謝のフレーズも組み合わせるとよいでしょう。例えば、次のような使い方があげられます。
- 「お忙しい中、お手数をおかけして申し訳ございません。ご対応いただき誠にありがとうございます」
- 「急な依頼だったにもかかわらず、お手数をおかけして申し訳ございません。このたびはお力添えいただきありがとうございました」
依頼時のクッション言葉
「お手数をおかけして申し訳ございません」は単体でも使用できますが、「お手数をおかけして申し訳ございませんが~」のようにクッション言葉としても使え、相手を気遣った表現ができます。例えば、次のような使い方があげられます。
- 「お手数をおかけして申し訳ございませんが、ご対応のほどよろしくお願いいたします」
- 「お手数をおかけして申し訳ございませんが、再度ご確認をお願いいたします」
- 「お手数をおかけして申し訳ございませんが、ご教示いただけますと幸いです」
「お手数をおかけして申し訳ございません」の例文
「お手数をおかけして申し訳ございません」をビジネスメールで使用する際の例文は、次のとおりです。さまざまな場面でのメール例文をご紹介しておりますので、ぜひコピーしてご活用ください。
緊急トラブル時のお礼
件名:〇〇の不具合対応について【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様お世話になっております。
株式会社△△の△△です。このたびは「〇〇」の不具合につきまして、お手数をおかけして申し訳ございません。
また、急なご依頼だったにもかかわらず、迅速にご対応いただきありがとうございました。〇〇様のご対応により、不具合の原因究明や対処、再発防止への対応などをスムーズに進められ、被害を最小限に抑えられました。
〇〇様よりご助言いただいた内容に基づいて、「XXXX」の導入や「XXXX」の見直しなど、運用体制の改善や、社内でのリテラシー向上を見込んだ取り組みを行ってまいります。改めて、このたびは緊急トラブルへ迅速にご対応いただき、心よりお礼申し上げます。
今後も〇〇様の専門的な知識やスキルをお借りしつつ運用を続けられればと存じますので、引き続きお力添えのほど、よろしくお願いいたします。
スケジュールの再調整
件名:次回お打ち合わせの日程について【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。
株式会社△△の△△です。次回のお打ち合わせ日程につきまして、〇月〇日(〇)にてお時間を頂戴しておりましたが、急な出張により、お伺いが難しくなってしまいました。
恐れ入りますが、以下の日程から再度スケジュールを調整できればと存じますので、
お手数をおかけして申し訳ございませんが、ご確認いただけますと幸いです。〇月〇日(〇)〇時以降
〇月〇日(〇)〇時~〇時
〇月〇日(〇)〇時以降上記以降の日程でも調整可能ですので、こちらの日程が難しい場合は、〇〇様のご都合のよろしい日程をいくつか頂戴できますと幸いです。
ご多忙の中大変恐縮でございますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
取引先への確認・修正依頼
件名:「〇〇」のデザイン案について【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。
株式会社△△の△△です。「〇〇」のデザイン案につきまして、作成いただき誠にありがとうございます。
以下に確認事項と修正箇所を記載いたしますので、ご確認いただけますと幸いです。■確認事項
・XXXXXXX
・XXXXXXX■修正箇所
・XXXXXXX
→XXXXに変更
・XXXXXXX
→XXXXに変更お手数をおかけして申し訳ございませんが、ご対応のほどお願いいたします。
確認事項や修正箇所にご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
引き続き、よろしくお願いいたします。
書類の訂正・差し替え
件名:ご請求書の誤記に関するおわび【株式会社△△・△△(あなたの名前)】
本文:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。
株式会社△△の△△です。先ほどお送りしましたご請求書につきまして、〇〇の金額の記載に誤りがございました。
正しい金額は以下になります。(誤)XXXX円
(正)XXXX円上記を訂正し、再発行したご請求書を本メールの添付にて再送いたしますので、
お手数をおかけして申し訳ございませんが、再度ご確認いただけますと幸いです。
また、お手元のご請求書は破棄していただきますようお願い申し上げます。このたびは、ご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。
今後はこのようなことが起きないよう厳重にチェックしてまいりますので、今後も変わらぬご愛顧をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
上司への質問・確認
件名:〇〇社のご提案書ついて
本文:
〇〇さん
お疲れさまです。△△です。〇〇社のご提案書につきまして、現在内容をまとめておりますが、
〇〇のデータに関して確認事項があり、ご連絡いたしました。お手数をおかけして申し訳ございませんが、以下の点をご確認いただけますと幸いです。
■〇〇のデータについて
・XXXXXXX
・XXXXXXX■〇〇のデータについて
・XXXXXXX
・XXXXXXXお忙しいところ恐れ入りますが、お手すきの際にご確認のほどよろしくお願いいたします。
「お手数をおかけして申し訳ございません」に対する返信方法
「お手数をおかけして申し訳ございません」と相手から言われた際は、相手からの謝罪や感謝を受け入れ、「とんでもございません」「お気になさらないでください」「貴社のお役に立てて何よりです」といったフレーズでの返信がおすすめです。
急な依頼やこちらにとって負担のかかる依頼に対応した際も、相手がこちらに対して申し訳なく思う気持ちを払拭できるようフォローする姿勢を示すことで、相手に安心感を抱いてもらえるでしょう。
「お手数をおかけして申し訳ございません」を使う際の注意点
ここまで、「お手数をおかけして申し訳ございません」の使い方や具体的な例文などをご紹介しました。
使用時には、次のようなポイントに注意することで、誤った使い方をしてしまったり、相手に不快な気持ちを抱かせてしまったりすることを避けられます。
二重敬語に気をつける
「お手数をおかけして申し訳ございません」を丁寧に表現しようとする際に、「お手数をおかけいたしまして申し訳ございません」と表現するケースがあります。「おかけいたしまして」は、「かける」を丁寧に表した「おかけして」と「する」の謙譲語である「いたす」が重なった二重敬語です。そのため、「お手数をおかけいたしまして」でも意味は通じるものの、一般的には適切ではない表現と認識されるため、取引先とのビジネスメールなどでつい用いてしまわないよう注意が必要です。
頻繁に使わない
「お手数をおかけして申し訳ございません」はビジネスシーンでもよく用いられる表現であるものの、かしこまった表現であるため頻繁に使わないことをおすすめします。簡単な依頼をする際にも「お手数をおかけして申し訳ございませんが~」と使われることで、かえって相手が窮屈に感じたり、緊張したりする場合があります。
簡単な依頼など、相手にあまり負担がかからないものの手間をかけさせることに対して謝意を示したい場合は、「申し訳ございません」を抜いた「お手数をおかけしますが~」など、よりカジュアルなニュアンスの表現を用いるとよいでしょう。このような類似表現については、後ほど詳しくご紹介します。
「お手数をおかけして申し訳ございません」の類似表現との違い
「お手数をおかけして申し訳ございません」にはさまざまな類似表現があります。
それぞれ同様の意味合いで使用できますが、相手やシチュエーションによって使い分けることで、相手によい印象を抱いてもらえるでしょう。
お手数をおかけしてすみません
「お手数をおかけしてすみません」は、「お手数をおかけして申し訳ございません」と同様の意味合いで使用できますが、「申し訳ございません」よりも「すみません」のほうがカジュアルな印象を抱きやすいです。そのため、目上の人や取引先には「申し訳ございません」を、部下や同僚には「すみません」を使うなど、相手との関係性によって使い分けるとよいでしょう。
お手数をおかけして恐縮です
「恐縮です」は、目上の人に対して「申し訳ない」「恥ずかしい」などの気持ちを示す際に使われる言葉です。そのため「申し訳ございません」と同様の使い方ができ、「お手数をおかけして恐縮です」は、「お手数をおかけして恐縮ですが~」などクッション言葉としてよく使用されます。「お手数をおかけして申し訳ございません」と同じく目上の人や取引先に対して使える敬語表現のため、文脈によって使い分けるとよいでしょう。
お手数おかけします
「お手数おかけします」は、「お手数をおかけして申し訳ございません」と同様に、相手に負担をかける際に使用します。「お手数おかけします」は「を」が省略されており、テキストよりも口頭でのコミュニケーションでよく用いられる表現です。メールなどテキストでのコミュニケーションで用いると軽い印象を抱かれる可能性があるため、電話や会議などで使用することをおすすめします。
「お手数をおかけして申し訳ございません」の言い換え表現
「お手数をおかけして申し訳ございません」には、次のような言い換え表現があります。すべて同じ意味合いで使用できるため、あわせて覚えておくことで表現の幅を広げられます。
ご不便をおかけして
「ご不便」は「便利でないこと」「都合の悪いこと」を意味する「不便」を丁寧に表した言葉です。「ご不便をおかけして」は「お手数をおかけして」と同様に、相手に手間や負担をかけた際の謝罪の言葉として用いられます。
ご迷惑をおかけして
「ご迷惑」は「他人のことで、煩わしく嫌な目に遭うこと」「ある行為がもとで、不利益を受けたり不快を感じたりすること」を意味する「迷惑」を丁寧に表した言葉です。「お手数をおかけして」と同様に、相手にとって負担に感じる物事を依頼したり、迷惑をかけたりした際に謝罪を示す言葉として使用するとよいでしょう。
お手間を取らせてしまい
「お手間」は、「仕事を仕上げるのに必要な労力や時間」を意味する「手間」を丁寧に表した言葉です。「お手間を取らせてしまい」は、「お手数をおかけして」と同様に、相手に手間取らせたり、こちらの依頼によって相手が対応に労力や時間を費やしてしまったりしたことへの謝罪や感謝の気持ちを示せます。
お時間を割いてしまい
「お時間を割いてしまい」に含まれる「時間を割く」は、「余裕のない時間に都合をつけて、あることのために振り向ける」を意味する言葉です「お時間を割いてしまい」は、こちらの依頼に対して相手の貴重な時間を奪ってしまったことへの謝罪の気持ちを表せます。
なお、「お時間を割いてしまい申し訳ございません」と謝罪する以外にも、「お時間を割いていただきありがとうございます」のように感謝の気持ちを伝える場面でも使用できます。
「お手数をおかけして申し訳ございません」を英語で表現すると?
「お手数をおかけして申し訳ございません」を英語で表すと、次のようなフレーズがあげられます。
I apologize for the inconvenience.
(お手数をおかけして申し訳ございません)Sorry for causing you trouble.
(お手数をおかけして申し訳ございません)Sorry for the trouble.
(お手数をおかけして申し訳ございません)
「I apologize for~」「Sorry for~」は「~に対して謝罪する」という意味を持つフレーズです。
「inconvenience」は「不便」や「不都合」の意味、「causing you trouble」は「お手を煩わせる」「問題を引き起こす」といった意味を持ちます。
そのため、それぞれの例文は「不便をかけたことを謝罪します」「問題を引き起こして申し訳ありません」「トラブルに対して申し訳なく思います」のように翻訳でき、「お手数をおかけして申し訳ございません」と同様の使い方ができます。
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この記事では、「お手数をおかけして申し訳ございません」の基本的な意味や使い方を、例文や使用時の注意点、言い換え表現とあわせてご紹介しました。
「お手数をおかけして申し訳ございません」は、相手の負担を気遣い謝意を示す際によく使われる敬語表現ですが、丁寧に表現しようとするあまり、二重敬語を使ってしまわないようご注意ください。
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