誤字脱字とは?意味や違いからチェックのポイント、無料の校正ツールを紹介

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「誤字脱字」には、「文字の表記を間違えること」や「文章中の文字が抜け落ちていること」という意味があります。誤字脱字は特にタイピング作業で起こりやすく、見逃すとビジネスや就職・転職、WebサイトのSEOにおいて信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、誤字脱字の意味から与える影響や発生する原因、誤字脱字をチェックするときのポイントなどをご紹介します。また、「誤字脱字」を使う場面や類義語・対義語についても例文つきでわかりやすくお伝えします。

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誤字脱字とは

誤字脱字とは、誤った文字の使用や書き落とし、不要な文字が混入したことによる文章上の誤りを指します。具体的には、漢字の誤用や助詞・送り仮名の省略、衍字(えんじ・文中に不要な文字が混入することで、「誤った」を「誤っった」と表記してしまうこと)などが含まれます。

ただし、内容の誤解や誤認、単語や慣用表現の誤用など文章の意味合いに関する誤りは「誤字脱字」とは区別されます。ここでは、「誤字」と「脱字」の意味をそれぞれ詳しくご紹介します。

誤字とは

誤字とは、文字の表記を間違えることです。具体的には、正確ではない漢字を使うことや固有名詞の表記を誤ることなどが挙げられます。また、「誤字」の意味の中にはデジタルデバイスによる「誤変換」も含まれていることが一般的です。

脱字とは

脱字とは、文章中の文字が抜け落ちていることです。具体的には、送り仮名や助詞を書き忘れることや誤って消去していることなどが挙げられます。特に文章の校正・校閲や添削の際に表記を変更する過程で脱字が生じやすくなります。

「誤字」と「脱字」の違い

「誤字」と「脱字」には、明確な違いがあります。誤字は正しい文字を誤ったかたちで書いたり、本来の文字とは異なる文字を使用したりすることを指します。一方で、脱字は必要な文字が文章から抜け落ちていることを意味しています。

このように、誤字は「誤った文字を使用している」状態を、脱字は「文字が抜け落ちている」状態を表しています。

誤字脱字が与える影響

誤字脱字にはビジネスや就職・転職、WebサイトのSEOにおいて悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、それぞれの場面において誤字脱字が与える影響についてご紹介します。

社内・社外への文書

誤字脱字は小さなミスと捉えられがちですが、ビジネスでは信頼や印象に大きく影響を及ぼすことがあります。社内の文書や取引先に送る文書に誤字脱字があると、不安や不信感を抱かせる原因となります。

このような小さなミスが、会社や個人の信頼性に対する疑問を引き起こし、結果的に会社の評価や信用の低下につながる可能性があります。また、プレスリリースなどの広報業務においても、誤字脱字が含まれていると文書の品質が低いと見なされ、企業のイメージダウンにつながることがあります。

就職・転職の履歴書

就職・転職では、履歴書に誤字脱字があっても内容の魅力で採用されることはありますが、完成度の高い履歴書が望ましいです。特に金融業界や文字を扱う職種では、誤字脱字は信用度や適性を疑われる原因となり得ます。

誤字脱字のない履歴書を提出することで、採用担当者からマイナスな印象を受ける要素を減らせます。履歴書の誤字脱字は、入社後の仕事でもケアレスミスがあると判断される可能性があるため、丁寧に見直して正確な内容で提出しましょう。

SEOでのコンテンツ作成

SEOの評価はテキスト中心で行われ、誤字脱字があるとユーザーに不快感や不信感を与えるだけでなく、検索エンジンのクローラーにも読みづらいとされ、評価を下げる原因になります。そのため、誤字脱字のチェックと校正は重要で、誤字脱字をなくすことで離脱率の低下やページの評価向上を図れるでしょう。

誤字脱字が発生する原因

誤字脱字を防ぐためには、発生する原因を認識することが大切です。ここでは、誤字脱字が発生する原因についてご紹介します。

タイピングやコピー&ペーストによる誤入力

タイピングの誤入力(タイポ)は、急いで作業をしているときやPCの操作ミスによって起こります。具体的には、キーの順番を間違えて打ったり、同じキーを2回打ったりすることで誤入力が生まれます。

コピー&ペーストをする際にも、最初や最後の1文字が選択に含まれないまま入力してしまうケースがあるため注意が必要です。誤入力(タイポ)は起きやすい誤字脱字の一因であるため、ゆっくりと時間を取って入力することでミスを軽減できます。

文字の誤変換

誤変換による誤字脱字は、タイピングが正確でも同音・同訓異義語へ誤変換してしまうことにより生じます。例えば、同音異義語は「異動」と「移動」や「構成」と「公正」などがあり、同訓異義語には「収める」と「納める」や「測る」と「計る」などの使い分けが難しい言葉もあります。

誤変換を防ぐには、用語の正しい使い分けを理解し、疑問を感じたらその都度確認することが大切です。また、誤変換の対策として、ユーザー辞書への登録や入力ツールの統一、辞書の定期的な見直しなどを行うとよいでしょう。

表記の誤認識

同音・同訓異義語は変換ミスだけでなく、人の誤認識によって誤字脱字となることもあります。たとえば、「見る」と「観る」や「聞く」と「聴く」のように使い分けが必要な言葉は、変換ミスだけでなく目視で確認する際にも間違えないよう注意が必要です。入力時には単語ごとに変換することでミスを減らせますが、不安な単語は調べる習慣をつけるとよいでしょう。

また、人の脳は文脈を読み取りながら誤字脱字を無意識に修正する傾向があり、最初の文字と最後の文字が合っていれば中の文字の順番が入れ替わっていても読めてしまうため、チェックの際にはその点も認識しておくことが大切です。

誤字脱字をチェックするときのポイント

誤字脱字を見逃さないためには文字を重点的にチェックすることが大切です。ここでは、誤字脱字をチェックするときのポイントについてご紹介します。

内容と誤字脱字のチェックは分ける

内容と誤字脱字のチェックを同時に行うと意味の理解に集中してしまい、誤字脱字を見落とすことがあります。効率的かつ正確にチェックするには、チェック作業を別々に行うことが大切です。

具体的には、はじめに文章全体の意味を理解し、内容が適切かどうか確認します。次に、意味の流れから離れて誤字脱字を探すことに集中します。この方法でチェックを行うことで、脳が自動的に内容を補完し、誤字脱字を見逃す原因となる「タイポグリセミア現象」を避けられます。

文節などで区切る

誤字や脱字をチェックする際は文章を流し読みするのではなく、一つ一つの単語に注目して読むとよいでしょう。文節や意味のまとまりで区切って、それぞれの要素を1文字ずつ丁寧に確認する方法が効果的です。これにより、普段は見過ごしてしまうような細かなミスにも気づけます。

同じ項目はまとめる

誤字脱字による表記ゆれを見つける際は、チェック項目を分けて似たような内容はまとめてチェックするのがおすすめです。例えば、「円」や「¥」などの金額記号や「人名」「日付」「数字」などに分けて、同じ種類の項目をまとめて見ることで、誤字脱字による表記ゆれの見落としが減ります。

数字だけのチェックに注目してしまい、金額の記号が抜けていたなどのミスがないように、意識的に項目ごとに目を通すことが大切です。

音読する

音読しながら確認すると目や耳から情報が得られ、黙読では見落としやすい細かい誤字脱字を発見しやすくなります。また、音読は文章の流れやリズムを確認するのにも役立つため、第三者が読むときのテンポを考える際にも新たな気づきを得られるでしょう。読む際はゆっくりと意味を理解しながら進めることで、校正作業の正確さを高められます。

紙に印刷する

文書を紙に印刷してチェックすることで、PCの画面上では見落としがちな誤字脱字を見つけやすくなります。PCと紙では見え方に差があり、紙の上では光の影響を受けにくく、目で追うのが負担になりません。また、スクロールにより行を飛ばしてしまうこともなくなります。特に重要な文書の場合は、印刷して蛍光マーカーを引きながらチェックすることをおすすめします。

よく使う単語や誤字脱字が起きやすい単語は辞書に登録する

よく使う単語や誤字脱字が発生しやすい単語はPCの辞書に登録しておくとよいでしょう。これにより変換時の誤りを減らし、正しい文字への変換をスムーズに行えます。辞書への登録は作業効率を高めるだけでなく、読者に対しても正確な情報を提供する手助けとなります。

第三者に見てもらう

誤字脱字のチェックは、自分が書いた文章に慣れすぎていると見落としが生じやすいため、第三者によるダブルチェックを行うことも効果的です。第三者が読むときは新しい視点で文章を見るため、自分では気づかなかった誤字脱字を発見しやすくなります。自分では完璧だと思っていても、新たな視点からのフィードバックを得ることで、文章の質をより高められるでしょう。

時間を置く

これは第三者にチェックしてもらう場合と理由は同じで、書き終えた直後で見慣れている文章に対しては脳の補完機能が働き、誤字脱字を見逃しやすいためです。書いた文章について、頭がクリアになるよう時間を置いてから確認することで、普段なら見過ごしてしまうような誤字脱字も見つけやすくなります。

また、人の記憶は時間の経過とともに忘れていく(1日後には74%・1週間後には77%・1か月後には79%の記憶を忘れる)ことを示す「エビングハウスの忘却曲線」の性質を利用して、文章を翌日以降に再度確認することで、脳の先入観から離れて誤字脱字を効率的に見つけ出せます。

校正ツールを使用する

Microsoft Wordに備わっている校閲機能などの校正ツールは時間の節約につながり、見過ごす可能性がある誤字脱字を発見するのに役立ちます。しかし、完璧ではないことも認識しておく必要があり、ツールだけに頼るのではなく、自身でのチェックも忘れずに行いましょう。特に重要な文書を扱う際は、校正ツールと人の目による確認を組み合わせることが大切です。

無料で使える誤字脱字チェックツール4選

誤字脱字を効率的にチェックするためにはツールが大きく役立ちます。ここでは、誤字脱字チェックツールを無料で使えるものに限定して4つのツールを紹介します。

Microsoft Word

Microsoft Word」の校閲機能は、日本語やスペルの誤りを自動で検出できます。この機能を使用する際は、Windows環境では上部メニューの「エディタ」、または「校閲」タブの「スペルチェックと文章校正」を選択し、Macでは「ツール」メニューから「文章校正」を選択します。この機能を使うことで、文中の誤字や表記ゆれを自動で出力し、修正候補を提案してくれます。

Enno

Enno」はWeb上で利用できる校正ツールで、チェックしたいテキストを専用のフォームに入力し、実行のボタンをクリックするだけで簡単に校正が可能です。誤字脱字がある箇所は黄色でハイライトされ、カーソルを合わせるとエラーの詳細な説明が表示されます。

ただし、長文を一度に校正しようとすると処理速度が遅くなる場合があるため、テキストを分けて使用するとよいでしょう。

日本語校正サポート

日本語校正サポート」は、Web上で簡単に利用できる誤字脱字チェックツールです。このツールは、最大1万字までの文章を一度にチェックできるため、Webページの記事などの長文記事でも便利に使えるのが特長です。

また、ユーザーが必要に応じてチェック項目をカスタマイズできる仕様となっており、デフォルト設定ではすべての項目がチェック対象となっていますが、特定の項目を外して校正することも可能です。

Tomarigi

Tomarigi」とは、青山学院大学の「日本語表現法開発プロジェクト」によって開発された無料の校正・推敲支援ツールです。このツールはダウンロードして使用するタイプで、エディタに文章を入力するだけで誤字脱字をチェックできるため、機密性の高い文書でも安心して利用できます。

また、応用機能として「係り受け解析」が備わっており、長文になると複雑化しやすい修飾関係を図でわかりやすく示し、表現のあいまいさを解消するのに役立ちます。

誤字脱字チェックツールに興味関心がある場合は、「誤字脱字チェックの方法、おすすめの校正ツールを詳しく紹介」の記事をご覧ください。

「誤字脱字」を使う場面と例文

「誤字脱字」をはさまざまな場面で使用されています。ここでは、「誤字脱字」を使う場面を例文を交えて3つご紹介します。

文章の確認をお願いするとき

「誤字脱字」は、文章の確認を依頼するときに使えます。例えば、「念のため、誤字脱字がないか再度ご確認いただけますか?」や「誤字脱字にご注意のうえ、最終確認をお願いいたします」などの表現があります。確認してもらう相手に対して敬意を表し、文章の品質を高めるための協力を求めるような表現にするとよいでしょう。

文章の修正をお願いするとき

「誤字脱字」は、文章の修正を依頼するときにも使用可能です。例えば、「○○と△△の箇所に誤字脱字が見受けられるので、修正をお願いできますか?」という文言があげられます。このように、使う際には相手に敬意を表しつつ、誤字脱字があった箇所を明確に示すことで効果的に修正を依頼できるでしょう。

誤字脱字の注意喚起をするとき

「誤字脱字」は、誤字脱字の注意喚起をするときにもよく使われます。例えば、「ビジネスメールを送信する前には、必ず誤字脱字がないか確認してください」や「提出するレポートや論文は、誤字脱字がないか慎重に校正しましょう」という文言で使われることが多いです。このように注意を促すことで、文章の品質を保ち、読み手に対する敬意を示すことにつながります。

「誤字脱字」の類義語と例文

「誤字脱字」には意味合いが似た言葉も存在します。ここでは、誤字脱字の類義語を4つご紹介します。

書き損じ

類義語の1つ目に「書き損じ」があげられます。意味は次のとおりです。

書き損じること。また、そのもの。「—の手紙」

引用:goo国語辞書

「書き損じ」の例文は次のとおりです。

  • 「年賀状を書いていたら、途中で間違えてしまい、何枚か書き損じてしまった」
  • 「試験の答えを書く際、誤ってほかの答えを書いてしまい、書き損じのせいで点数が低くなった」

「書き損じ」は手紙や文書、フォームなど何かを書く行為が関わるシチュエーションで用いられることが多いです。特に、正確性が求められる文書を扱う際に注意して使うとよいでしょう。

誤植

類義語の2つ目に「誤植」があげられます。意味は次のとおりです。

印刷物で、文字・記号に誤りがあること。ミスプリント。

引用:goo国語辞書

「誤植」の例文は次のとおりです。

  • 「この本の第3章にはいくつか誤植があるため、読む際には注意が必要です」
  • 「出版社は誤植を認め、訂正版を再発行することを発表しました」
  • 「レポートの誤植を見つけたので、すぐに修正しました」

「誤植」は印刷物での誤りを指すときに用いられ、本や新聞、雑誌などの出版物で文字が間違って印刷された場合によく使用されます。

欠字

類義語の3つ目に「欠字」があげられます。意味は次のとおりです。

文章・語句の中で、あるはずの字が落ちていること。また、その文字。欠け字。

引用:goo国語辞書

「欠字」の例文は次のとおりです。

  • 「レポートを校正していたら、重要な段落に欠字があることに気づきました」
  • 「この文書を公開する前に、もう一度欠字がないか確認してください」
  • 「印刷ミスで本の一部に欠字が多く、読みづらかった」

「欠字」は主に校正や編集を行う場面において、文書や印刷物などで本来あるべき文字が抜けている状態を指すときに使われます。

誤記

類義語の4つ目に「誤記」があげられます。意味は次のとおりです。

あやまって書くこと。書きあやまり。「—を訂正する」「あて名を—する」

引用:goo国語辞書

「誤記」の例文は次のとおりです。

  • 「調査報告書の数字に誤記があったため、訂正版を再提出いたします」
  • 「過去の会議議事録に誤記が見つかり、正しい情報に更新する必要があります」
  • 「契約書の日付に誤記がありましたので、修正して再提出します」

「誤記」は文章や文書、報告書などに誤りがあった場合に用いられる言葉です。具体例には、公的な文書や報告書で誤りを発見したときや学術的な論文・研究資料で誤りがあったとき、企業の広報資料やWebサイトで誤った情報が掲載されたときなどに使われます。

「誤字脱字」の対義語と例文

「誤字脱字」には意味合いが対となる言葉も存在します。ここでは、誤字脱字の対義語をご紹介します。

正字

対義語には「正字」があげられます。意味は次のとおりです。

正しい書き方をした漢字。誤字・当て字に対していう。

引用:goo国語辞書

「正字」の例文は次のとおりです。

  • 「この文章の漢字はいくつか間違っているので、正字を使って書き直してください」
  • 「学校で習う漢字は、正字として教育されるものだから、しっかり覚えておきましょう」

「正字」は正しい表記の漢字を指す言葉で、教育や文書などの誤字を正すときや正確な表記が求められる場面でよく使用されます。

衍字

「衍字」は「脱字」の対義語です。意味は次のとおりです。

語句の中にまちがって入った不必要な文字。

引用:goo国語辞書

「衍字」の例文は次のとおりです。

  • 「報告書の最終確認をしていたら、『必要』という言葉が『必要要』と衍字があることに気づいた」

「衍字」は本来の文に混じっている不要な文字を指す言葉で、「誤字脱字」の言葉の意味には「衍字」も含まれています。

まとめ

この記事では、「誤字脱字」の意味から誤字脱字が与える影響、チェックするときのポイントなどをご紹介しました。誤字脱字は、ビジネスの場面などで企業や個人の信頼に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、記事内でご紹介したチェックポイントを活用して、誤字脱字のない文書作成を心がけましょう。

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