Webデザインとは?重要なポイントや作成の手順、学習方法を解説
Webデザインとは、Webサイトのデザインを制作することを指します。
デザインというと、配色やレイアウトを考える作業を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、Webデザインには、Webサイトとして機能させるためのコーディングや、画像の編集といった作業も含まれます。
この記事では、Webデザインとはどのようなものなのかについて掘り下げて解説します。
Webデザインで重要なポイントや、Webデザインが担う役割などのほか、実際にWebデザインをする際の手順についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
Webデザインとは
Webデザインとは、Webサイトで表示されるすべての外観を制作することを指します。
フォントや配色、使用する画像などを決定し、レイアウトを整えてデザインを仕上げ、Webサイトとして機能させるまでの一連の流れがWebデザインです。
グラフィックデザインとの違い
グラフィックデザインとは、ポスターやチラシなどの印刷物に関するデザインのことを指します。
配色やレイアウトなどを決めてデザインをしていくことはWebデザインと同じですが、デザインをする媒体がWebサイトか印刷物かが大きな違いです。
UI/UXデザインとの違い
UI(ユーザーインターフェース)とは、Webサイトやプロダクトなどにおけるユーザーとの接点を指します。
デザインのレイアウトやボタンの配置などがUIといえます。
一方でUX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーがWebサイトやプロダクトなどを通して得られる経験のことを指します。
UI/UXデザインはWebデザインの一部であり、WebデザインはUI/UXデザインを包括して行うものといえるでしょう。
Webデザインに必要となる知識
Webデザインは、UI/UXデザインを包括して行うものとなるため、グラフィックソフトだけではなくプログラミングの知識も必要となります。
プログラミング
プログラミングは、デザインしたページをインターネット上に公開した際、デザインどおりに表示させ、Webページとして機能させるようにするために必要な知識です。
「Webデザインの手順」にて後述する「STEP❺Webサイトのコーディングをする」の作業時に役立ちます。
コーディングは、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を用いて行います。
グラフィックソフト
グラフィックソフトは、Webサイトに使用する画像を作成したり、編集したりする際に使用します。
このほかにも、「Webデザインの手順」で説明するワイヤーフレームやデザインカンプを作成する際にも使用するため、ソフトに関する知識やスキルが必要です。
代表的なグラフィックソフトには、「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」「Adobe InDesign」などがあります。
Webデザインで重要なポイント
Webデザインは、Webサイトで表示される外観を作るものであることから、とても重要な役割を担っています。
では、Webデザインをするうえでどのような点を重視すべきなのでしょうか。
ここでは、Webデザインで重要なポイントを解説します。
UI/UXデザイン
「UI/UXデザインとの違い」でも述べたように、UI/UXデザインはユーザーのWebサイトにおける見やすさや使いやすさを左右する部分です。
使いやすさはユーザビリティとも呼ばれ、商品購入やお問い合わせなどのコンバージョンにもつながる重要な要素です。
そのため導線がわかりにくいWebデザインになってしまうと、ユーザーがWebサイトを訪れた目的を達成できません。
ユーザビリティに優れたUI/UXデザインにすることがWebデザインには求められています。
レスポンシブデザイン
レスポンシブデザインとは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどの異なる端末であっても、デザインが崩れないように調整することを指します。
Googleも「モバイル フレンドリーなサイトを作成する」にてレスポンシブデザインを導入することを推奨しており、SEOの面から見ても重要な要素です。
レスポンシブデザインに対応していないWebサイトの場合、デザインが崩れてユーザビリティの低下を招く可能性もあります。
そのため、レスポンシブデザインを導入して閲覧するデバイスに依存しないWebデザインをすることが求められています。
一貫性のあるデザイン
一貫性のあるデザインをすることで、Webサイトへの第一印象を向上させることができます。
全体的なレイアウトはもちろん、配色や使用する画像、フォントにも統一感を持たせることが大切です。
Webデザインはどのような役割を担っているのか
ここまで、Webデザインにおいて重要なポイントについて解説しました。
Webデザインには、 効果的に情報を伝達したり、ブランドイメージを訴求したりといった役割があります。
ここからは、Webデザインはどのような役割を担っているのかを詳しく解説します。
効果的に情報を伝達する
Webデザインは、ユーザーが必要としている情報を素早く得られるような設計をすることが求められます。
また、ユーザーがWebサイト内を移動しやすいようなナビゲーションを備え、直観的に操作できるようにすることも大切です。
ブランドイメージを訴求する
「一貫性のあるデザイン」でも述べたように、配色やフォント、使用する画像などに統一感を持たせることで、Webサイトに一貫性を持たせることができます。
Webデザインによってブランドイメージを訴求し、決定づけることから、Webサイトはユーザーに企業の価値観を理解してもらう強力なツールであるといえるでしょう。
アクセシビリティを向上させる
アクセシビリティとは、簡潔にいうと利用しやすさを示す言葉です。
現代では、高齢者や視覚に不自由がある方でもWebサイトが利用できるようアクセシビリティを向上させることが求められています。
Googleの「サイトのアクセシビリティを向上させる」では、どのような点を工夫すればWebサイトのアクセシビリティを向上させられるのかが記載されています。
Webデザインをする際に、このような点も取り入れていくことでユーザーの満足度向上にもつながるでしょう。
UXを向上させる
UXを向上させるためには、Webデザインでの工夫が欠かせません。
「Webデザインで重要なポイント」でも述べたように、レスポンシブデザインを導入したり、一貫性のあるデザインにしたりすることで、UXを向上させられます。
UXが低下してしまうと、ユーザーのWebサイトでの滞在時間が短くなり、再訪問してもらえる可能性も低くなってしまうことが予想されます。
このような点からも、UXを向上させる役割がWebデザインにはあるのです。
Webデザインの手順
ここまで、Webデザインがどのような役割を担っているのかを解説しました。
ここからは、実際にWebデザインをする手順を5つのSTEPに分けて解説します。
STEP❶Webサイト作成の目的を明確化する
はじめに、なぜそのWebサイトを作成するのか目的を明確化しましょう。
Webサイトを作成する目的には、以下のようなものがあげられます。
- 企業、サービス、商品などの認知拡大
- ブランドイメージの向上
- 売上額の向上
- 採用 など
目的が定まったらコンセプトやターゲット層なども決定することで、Webサイトの方針も明確になります。
ターゲット層の選定に関しては、「ターゲット選定とは?おすすめのフレームワークや行うメリット・注意点も」の記事で詳しく紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
STEP❷Webサイトの構成を決定する
次に、Webサイトにどのような情報を表示させるのかを決定します。
企業の公式Webサイトを作成するのなら、企業情報やIR情報、商品・サービス情報やお問い合わせ、プライバシーポリシーなどの情報が必要になることが予想されます。
内容をリストアップして、整理しておきましょう。
STEP❸ワイヤーフレームを作成する
ワイヤーフレームとは、Webサイトの設計図のようなものです。
どこにどのような情報を載せるのか、大まかなレイアウトやデザイン案を決めていきます。
ワイヤーフレームを作成することで、チーム内やクライアントとの間でレイアウトの齟齬(そご)や情報の抜け漏れなども防げます。
STEP❹Webサイトのデザインを決定する
ワイヤーフレームを作成したら、それをもとにWebサイトのデザインをします。
使用するフォントや配色、使用する画像を決定し、Webサイトの完成形ができたら、デザインカンプと呼ばれる完成サンプルを作成します。
デザインカンプをもとに、チームメンバーやクライアントなどと擦り合わせをし、最終的な完成形へと仕上げましょう。
STEP❺Webサイトのコーディングをする
コーディングとは、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を用いてソースコードを記述することを指します。
コーディングは、文字の配色や、画像やテキストの表示位置やリンクなどを、デザインカンプどおりにWeb上で表示させ、また機能させる役割があるため必須といえます。
コーディングが完了し、問題がなければWebサイトを公開しましょう。
ここまでが、Webデザインの手順となります。
Webデザイン時の注意点
ここまでWebデザインの手順をご紹介しました。
では実際にデザインを進めていく際には、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
「Webデザインで重要なポイント」でも述べたように、UI/UXデザインやレスポンシブデザインを取り入れることは、Webデザインにおいて重要なことであるといえます。
そのため、以下のような点に注意を払ってデザインを進めていきましょう。
- 文字化けや表示崩れが起きにくいフォントを使用する
例)游ゴシック、ヒラギノ角ゴシック、メイリオなど - 画像やテキストを配置する際には、余白や横幅を考慮する
- 色の組み合わせは、ベースカラー70%・メインカラー25%・アクセントカラー5%を意識する
ほかのWebサイトを閲覧し、よいと感じるWebデザインがあれば、余白の取り方やカラーリングなどを参考にするのもよいでしょう。
【Webデザインを学びたい方向け】おすすめの学習方法
Webデザインの担う役割や手順を知り、自分でもWebデザインを学びたいと思った方もいらっしゃるかもしれません。
また、プログラミングの知識に自信がないといった理由で勉強を進めたい方もいることでしょう。
最後に、Webデザインを学びたい方に向けた、おすすめの学習方法をご紹介します。
書籍やインターネット
費用を抑えたい、自分のペースで勉強したい方には、書籍やネット記事、動画などを用いて独学で学習する方法がおすすめです。
現在では、Webデザインに関連する専門書も多いため自分に合ったテキストを見つけましょう。
また、YouTubeといった動画配信サービスでもWebデザインについて解説している動画も多くあるため、書籍と併用するのもおすすめです。
しかし、フィードバックを受ける機会を設けるのがなかなか難しく、モチベーション管理も難しい傾向にあるのが独学のデメリットです。
Webデザインの専門学校
自分のレベルに合わせたカリキュラムを受講し、専門知識が豊富な講師陣からのフィードバックを受けたいという方は、Webデザインの専門学校へ通うことをおすすめします。
しかし、Webデザインの専門学校へ通うには費用がかかり、また社会人の場合は仕事との両立が難しくなる可能性があることがデメリットといえるでしょう。
ただし、学校によっては通信制もあるため、続けやすさを考慮した学校選びが大切です。
まとめ
この記事では、Webデザインとはどのようなものなのかを中心に、Webデザインにおける重要なポイントや、実際にデザインをする際の手順などをご紹介しました。
Webデザインとは、Webサイトで表示されるすべての外観を制作することを指します。
Webデザインをするためには、プログラミングとグラフィックソフトの知識が必須です。
もしWebデザインについて学びたいと思ったら、書籍やインターネットを活用する方法と、専門学校へ通う方法の2つがあります。
ご自身に合う方法を選び、Webデザインを学んでいきましょう。