成果報酬型SEOとは?依頼する時のリスクや費用を詳しく解説

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Webマーケティングの手法の一つにSEO対策があります。

SEOとは、「Seach Engine Optimization(自然検索最適化」の略称で、検索エンジンを用いて特定のキーワードを検索した際に、自社が運営するWebサイトを検索結果の上位(1ページ目)に表示する対策のことです。

SEO対策により、Web集客を増やそうと考えた時、社内にSEOの知識や経験がない場合やリソース不足の状況であれば、SEO対策を外注しようと考えるマーケティング担当者様やWeb担当者様もいるでしょう。

この記事では、成果報酬型SEOについて概要や特徴、メリット・デメリット、リスクについてそれぞれわかりやすく解説します。

はじめに、成果報酬型SEO対策を提供する企業に勤めていた筆者の立場からすると、成果報酬型SEOはおすすめできません。その理由について詳しくお伝えします。

成果報酬型SEOとは?

成果報酬型SEOとは、検索上位を目指すキーワードが実際に目標としている順位に到達した場合に報酬を支払うサービス形態で提供されているSEO対策です。

通常であれば、検索上位を目指すのに依頼したキーワードが1ページ目(10位以内)にランクインした日から、その順位をキープし続けた日数で費用を算出する、もしくは、順位をキープしなくとも実際に検索上位を達成した日数で費用を算出します。次の項目で成果報酬型SEOの費用相場についてお伝えします。

成果報酬型SEOの費用

成果報酬型SEOは、契約を結ぶ際に事前に取り決めた目標を達成すると費用が発生するサービス形態です。

目指す検索順位によって費用が異なる

狙うキーワードが1ページ目(10位以内)にランクインした場合の費用は固定ではなく、順位により異なるのが一般的です。例えば、1位〜5位と6位〜10位では費用設定が高くなります。

また、1位は特に高い料金を設定するSEO対策業者も存在するので、一言で成果報酬型SEOといってもサービスを提供する業者により料金発生時の費用体系は異なります。

狙うキーワードのジャンルによって費用が異なる

狙う検索順位によって費用が異なることがあるとお伝えしましたが、狙うキーワードのジャンルによっても費用が異なることがあります。

YMYL

例えば、クレジットカード等の金融系や医療系、不動産系などGoogleが定めるYMYL(Your Money Your Life)領域の分野のキーワードで上位化を狙うとなると、難易度が高くなるため、費用を高く設定している場合が多いです。

YMYLとは、「人々の健康、経済的安定、安全、または社会の福祉や幸福に重大な影響を与える可能性があるもの」だとGoogleの検索品質評価ガイドラインで述べられています。

人生や健康に影響を与える内容を発信するということで、通常よりも作成するコンテンツの信頼性や権威性、専門性が求められ、さらに競合他社が多いことから、通常より工数がかかるという理由で費用が高くなると考えられます。

アダルト

YMYL以外でもアダルト関連のキーワードを対策する際にも費用が高くなることがあります。

Googleはアダルト(性的)コンテンツに対するポリシーを設けており、広告の場合、一部のアダルトコンテンツはユーザーの検索語句と年齢、配信先地域の法律に基づき、限られた場合のみ表示される仕様となっています。(Googleがアダルトコンテンツだと認識するコンテンツについて詳しくはこちら)

このことから、インターネット上で意図的にアダルトコンテンツを上位化させることは難しく、アダルトグッズを扱っている業者やアダルト情報を発信する業者は、「初めからリスクを覚悟で違法なSEO対策を行っている」場合が多いので、Googleによる制限をかいくぐりながら、違法なSEO対策と戦わなくてはならないです。

初期費用0円!でも費用がかかる

ネット上で「SEO対策 成果報酬 初期費用ゼロ」で検索すると、初期費用なしで成果報酬型SEOサービスを受けることができるっぽいページがいくつも表示されますが、その多くは「保証金」というかたちで初期費用分の金額を支払う必要がある場合があります。

また、成果報酬型SEOを行うにあたり、Webサイトの見直しが必要ということで初期費用が高額になることがあるため、依頼する場合は事前に確認しましょう。

最低契約期間が定められる

SEO対策業者によっては最低契約期間が定められている場合があります。

上位表示を狙うキーワードを上位化させるために成果報酬型のSEOサービスを受けて、すぐに上位化されて自然検索からの流入は増えたが、売上やリード獲得に結び付かなかったから解約したいとしても、最低契約期間は上位化した日数分の費用を支払い続けなければならないことがあります。

ここまで、成果報酬型SEOの概要と費用についてお話してきました。次の項目では、成果報酬型の特徴についてお伝えします。

成果報酬型SEOの特徴

成果報酬型SEOの主な特徴を解説します。

通常より費用が安い

成果報酬型SEOの一番の魅力的な部分が費用の安さでしょう。

SEO対策は時間がかかるもので、GoogleはSEOの効果がでるまでの期間を4か月から1年と公表しています。効果が出ない期間に費用が発生しない成果報酬型SEOの場合、通常より費用がかかりません。

被リンク対策(外部対策)が多い

成果報酬型SEOサービスを提供しているSEO対策業者の99%は、被リンク対策で検索順位の上位化を目指します。

意図的な被リンク対策により検索エンジンからの評価を高めて、狙っているキーワードの順位を高める手法はGoogleにより違反行為の対象とみなされるので、成果報酬型SEOサービスを提供している業者のコーポレートサイトでは、被リンク対策を行っていると記載されていることは一切ありません。

SEOについてのリテラシーが低いWeb担当者様やマーケティング担当者様の場合は、見抜くことができませんし、SEO対策の同業者であっても「被リンク対策を行っている」事実は隠すことが多いので、表に出ることはほとんどありません。

内部対策・コンテンツSEOを軽視している

SEO対策は大きく分けると、内部対策と外部対策、コンテンツSEOの3種類があります。その中の内部対策・コンテンツSEOは、Googleに評価されやすいようWebサイトのコンテンツや構造を改善するためのものですが、効果が出るまで手間と時間がかかります。

一方、外部対策は「被リンクを設置するだけで、内部対策より効果が出るのが早い」とされているので、内部対策は軽視される傾向にあります。

筆者が以前、成果報酬型SEOサービスを提供する業者に勤めていた時は、内部対策をまかされていましたが、上司には何度も「うちの提供しているSEO対策は9割が被リンク対策で、内部対策は1割程度だから、タイトルとページ内にキーワードが存在するかだけ確認したら後は適当でいいよ」と言われていました。

管理がずさん

成果報酬型SEOは、検索順位が1ページ目(10位以内)となれば費用が発生するので、1ページ目にランクインされていたら、その案件は放置されることもありますし、何度か対策して上がる見込みがない場合は、捨て案件として放置されることがあります。

通常より費用が安いため、大量の顧客を抱えることが多く、1つ1つの案件に対して提供するサービスの質は落ちますし、筆者が実際に勤めていた業者では、何か月も放置されている案件もありました。

高額な費用をかけて作成したWebサイトが雑に扱われることがあるため、大切にWebサイトを育てて、中長期的なWeb集客を目標としている場合は、成果報酬型に依頼するべきではないといえます。

検索順位を上げるためにかなり無茶をする

管理体制以外にも問題となる部分が存在します。成果報酬型SEOサービスは、筆者からするとかなり無責任なサービスです。

サービスを受ける側は「目的が達成した時だけ費用が発生する」ので、サービスを受ける業者は「検索順位を上げるために何をやってもいい」と考えているところがあります。

そのため、一度に大量の被リンクを設置するといったGoogleが提示しているガイドラインに違反するような行為も行っている業者が存在します。

Googleは意図的に検索順位を上げるような施策はペナルティ対象として厳しく対処します。ですから、成果報酬型SEOサービスを受けて、検索順位が上がらなかったので依頼するのを止めたとしても「かなり無茶なSEO対策をした」という事実は残るため、狙っていたキーワードの順位に悪い影響を与え続けるリスクがあります。

ここまで、成果報酬型SEOの特徴をいくつか挙げました。ふわっと「成果報酬型SEOは危ない?」と感じられたかと思います。次の項目では、より具体的な成果報酬型SEOのリスクについてお伝えします。

成果報酬型SEOのリスク

成果報酬型SEOの主なリスクを解説します。

被リンク対策によるペナルティ(検索順位が下落・表示されない)

前述で成果報酬型SEOサービスを提供する企業の大半は被リンク対策を行い、狙っているキーワードの順位を高めるとお伝えしました。

例えば、他サイトから品質の高い被リンクを集めるには、良いコンテンツを作成して、多くの人に見てもらい「役立つコンテンツだ。他の人にも広めたいから自分のサイトで紹介しよう」という流れで被リンクは増えます。このように被リンクを集めようとすると時間と手間がかなりかかります。

そのため、SEO対策業者は自分たちの手で被リンクを張るためだけのサイトを作成して、それらのサイトに大量に被リンクを設置します。この対策方法だと、自然に被リンクを獲得するまでの期間を気にする必要はなく、手っ取り早く意図的に外部対策を行えます。

しかし、このようなSEO対策はGoogleのペナルティ対象となります。ペナルティ対象となると、検索順位が大幅に下がり、最悪の場合は、検索結果に表示されなくなってしまいます

それ以外にも、Googleから通知なく、「2ページ目までは順位が上がるけどそれ以上何をしても検索順位が上がらない」といった目に見えないフィルターをかけられることがあります。

まったく順位が上がらない場合は、サイトを新しく立ち上げるなど対策を考えやすいですが、ある程度順位が出ている場合では、継続してSEO対策をするべきか新しくサイトを立ち上げるべきか判断することは難しいです。

SEOにおけるFootPrint(痕跡)

SEOにおけるFootPrintとは、SEO対策業者が対策するWebサイトに行った対策の痕跡です。

Googleは、設置された被リンクを分析することで、意図的に検索順位を操作するために被リンク対策を行ったと認識します。

特定のキーワードに関するページのコンテンツの質が低く、ユーザーがアクセスしていないのに被リンクが設置されている場合、Googleはペナルティ対象である意図的な被リンク対策が行われたと判断します。

現在、ahrefsやSEMrush、MajosticSEOといったGoogle以外の企業が提供しているサイト調査の為のツールが大量に存在します。それらのツールを使用すれば現在のサイト状況だけでなく、過去にどのような対策を行ったのかある程度把握することができます。

Googleの公式ツールでなくても過去に悪質な被リンク対策をしたことが把握できるということは、Googleはより詳しい情報を把握しようとすれば把握できるでしょう。

筆者がSEO対策について学んでいる時に、「私たちが不自然だと思えるSEO対策は、Googleの立場だと絶対に気づく」と頻繁に聞きました。

一度ペナルティを受けるSEO対策を行ってしまうと、「過去に違法的なSEO対策をしたサイト」としてGoogleに認識され、長期間にわたりWeb集客に悪い影響を与えるおそれがあります。

契約終了後に検索順位が下落する

前述で成果報酬型SEOで行われる被リンク対策を行うとペナルティを受けることがあるとお伝えしましたが、ペナルティを受けずに検索順位が上がるケースもあります。

そのようなケースの場合でも、契約期間を修了すると、設置した被リンクが外されるので、検索順位が元の状態に戻る可能性が高いです。

社内にSEOの知識やノウハウが蓄積できない

成果報酬型SEOの特徴でお伝えしましたが、ほとんどの場合「被リンクを設置」が対策な主な手法となるため、WebサイトがGoogleから評価されやすくするためのHTMLの書き方や画像容量の最適化、内部リンク設計などほとんどされることがありません。

コンテンツSEOにおいても同様で、本来であれば検索ユーザーが求める情報を提供するコンテンツを配信することでGoogleからの評価を挙げますが、成果報酬型の場合、手間をかけることなく被リンク対策が行われます。

社内にSEOについての知識やノウハウを蓄積したいと考えてる場合は成果報酬型はおすすめできません。もっというと、成果報酬型SEOサービスを提供する企業は、SEOに関する知識やノウハウを持ち合わせているのか微妙です。

成果報酬型SEOに対するSEO対策会社(同業者)の意見

「まだ成果報酬型SEOを提供している企業が存在するの?」の一言につきます。SEOにある程度詳しい方、リアルタイムでSEO対策を提供する企業に勤めている方ならこのように感じることが大半でしょう。

成果報酬型SEOを提供する業者が提供するお客様のサイトにリスクがある被リンク対策を行い、検索順位を高めることに対して、今後Googleのアルゴリズムが成長していけば通用しなくなるでしょう。実際に、英語圏では数年前と比べると被リンク対策の取り締まりが厳しくなっています。

「短期間で検索順位を高められる」、「費用が安い」という文句にだまされないように気を付けましょう。といっても、ペナルティを受ける被リンク対策を行っていると公表しているSEO対策業者は存在しません。

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この記事をお読みいただき、「現在、成果報酬型SEOサービスを受けている」や「過去に成果報酬型SEOを依頼したことがある」というマーケティング担当者様、Web担当者様の中で、自身が担当しているサイトがペナルティを受けているかどうか等状況を確認されたい方はお気軽にお問い合わせからご相談ください。

まとめ

今回は、成果報酬型SEOについて概要や特徴、メリット・デメリット、リスクについてそれぞれわかりやすく解説しました。

SEO対策は、Webサイトだけでなく、自社の提供するソリューション(商品・サービス)の売上に関わる重要な施策です。

成果報酬型SEOを実施する際にはこちらの記事を参考に、リスクをしっかりと考えた上で行ってください。個人的には絶対におすすめしません。

ちなみにバンソウ(株式会社クリエイティブバンク)が提供するSEOサービスは成果報酬型ではありません。

最後までお読みいただきありがとうございました。