関連キーワードの削除方法や仕組みを解説

今回は、Google、Yahoo!、Bingなどの検索エンジンで表示されるネガティブなサジェストと関連キーワードの削除対策についてお伝えします。
検索エンジンを利用する際、特定の企業名や商品名を入力すると、時には不快な印象を与えるようなサジェストが表示されることがあります。これによって、詐欺や効果のなさ、ブラックなどのネガティブな印象が広まることがあります。また、個人名で検索を行った場合にも、痴漢、逮捕、悪質、詐欺などの虚偽の情報が表示されることがあるかもしれません。
こうしたネガティブなサジェストや事実に反する情報が表示されることは、誰にとっても非常に困ることです。そのため、これらのネガティブな要素を解消し、よりよいオンラインプレゼンス(ウェブ上での存在感)を維持したいと考える人も多いでしょう。
ネガティブなサジェストの削除対策について、この記事を通じて詳しく解説していきます。個人や企業のオンラインプレゼンスを守るために、有効な手段として検討してみてください。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
関連キーワードとは
関連キーワードは、検索結果画面の最下部に表示される一緒に検索されている言葉の組み合わせ候補であり、多くのユーザーが検索の際に参考にしています。企業名を検索した際に、関連キーワードにネガティブな言葉が表示されると、その企業に対する悪印象が広まる可能性があります。
これは企業にとって重要な要因であり、オンラインでの評判やイメージを構築するうえで考慮すべき事項です。ネガティブな関連キーワードが表示される場合、企業はその対策を検討し、悪印象を改善するための努力をする必要があります。
サジェストとは
サジェスト(suggest)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで利用される機能で、ユーザーが検索窓に語句を入力する際に、自動的に関連するキーワード候補を表示して提案する機能です。この機能は、「提案する」や「示唆する」といった意味を持ちます。
具体的には、ユーザーがキーワードを入力し始めると、検索エンジンはその入力に基づいて、関連性の高いキーワード候補を予測し、表示してくれます。これにより、ユーザーは欲しい情報に迅速にアクセスでき、検索作業が効率的に行えるようになります。
ただし、サジェストは単に入力に基づいてキーワード候補を表示するだけであり、そのキーワードが事実であるかどうかには関与しません。そのため、ユーザーがブラックなワードやネガティブな情報を入力した場合でも、それが事実でなくても関連するキーワード候補が表示されることがあります。これにより、誤解や誤った情報が広まる可能性があります。
検索エンジンごとに異なる名称
サジェストという名称は一般的に使われていますが、検索エンジンごとに異なる名称があります。例えば、Googleでは「オートコンプリート機能」と呼ばれ、Yahoo!では「キーワード入力補助機能」と呼ばれています。名称は異なるものの、基本的な仕組みや機能は類似しており、ユーザーに便益をもたらす重要な機能として広く利用されています。
企業や個人がオンライン上での評判を良好に保つためには、関連キーワードやサジェストに対する適切な対策と、ポジティブなオンラインプレゼンスの構築が必要です。ユーザーにとっては、これらの情報が信頼性に直結します。
サジェストや関連キーワードが表示される仕組み
サジェストや関連キーワードが表示される仕組みについて、Google、Yahoo!、Bingなどの主要な検索エンジンで共通する要因と個別のアルゴリズムの違いについて説明します。
サジェストや関連キーワードの表示される仕組みは、各検索エンジンのアルゴリズムによって自動生成されています。具体的な表示の仕組みは公開されていないため詳細は不明ですが、以下の要因が考慮されています。
要因 | 説明 |
月間検索ボリューム | 特定のキーワードが月間で多くの人によって検索されている場合、サジェストや関連キーワードに表示されやすい。検索回数の多さが重要な要因。 |
ユーザーの位置 | ユーザーの現在の位置情報に基づいて、地域に関連したサジェストが表示されることがある。地域特有の情報や需要に合致するキーワードが優先。 |
検索急上昇ワード | 注目を集めているトピックや急上昇しているキーワードがサジェストに表示されることがある。トレンドに対応するための要因。 |
ユーザーの過去の検索 | ユーザーが過去に行った検索に関連するキーワードが表示されることがある。個別のユーザーの検索履歴が考慮。 |
共起語とページコンテンツ | キーワード同士の関連性や、ウェブページのコンテンツ内での共起語の重要性も考慮される。関連性の高いコンテンツが優先。 |
これらの要因は、検索エンジンのアルゴリズムによって継続的に評価され、サジェストや関連キーワードの提案に影響を与えます。各検索エンジンはこれらの要因を異なる方法で組み合わせて利用しており、それによって表示されるサジェストや関連キーワードが異なることがあります。しかし、検索回数や関連性の高さは、共通して重要な要因として考えられています。
サジェストや関連キーワードは削除可能
正しい手順を踏めば、サジェストや関連キーワードの削除は可能です。サジェストは便利な機能であり、多くの場合に使いやすさを提供しますが、時にはネガティブな情報が表示されることがあるため、対応することは重要です。
各検索エンジンでは、サジェストや関連キーワードの削除申請窓口が設けられており、この後具体的な方法を解説します。これらの申請手続きを正しく行えば、不適切なサジェストや関連キーワードを削除してもらうことができます。
重要なのは、申請時に正確かつ詳細な情報を提供し、そのサジェストが不適切であることや虚偽であることを証明するための証拠を用意することです。また、法的な違反や個人情報の公開に関する問題に対しても注意が必要です。
サジェストや関連キーワードの削除方法
サジェストや関連キーワードの削除に関する基本的な手順を以下に示します。これは一般的な流れであり、具体的な手続きは検索エンジンごとに異なることがありますが、一般的なガイドラインとして参考にしてください。
①削除したいサジェストや関連キーワードの調査・手順
サジェストや関連キーワードの削除を行うためには、削除したいキーワードを十分に調査し把握することが重要です。以下は、キーワードの調査に関する手順です。
- 1.自己調査:まず、自分や自身の企業、ブランド、個人名に関連するキーワードを調査します。検索エンジンでこれらのキーワードを入力し、サジェストや関連キーワードに何が表示されているかを確認します。自己調査により、直接関連するキーワードを特定できます。
2.競合他社や関連業界の調査:自社の競合他社や関連業界の企業や個人名についても同様に調査します。競合他社や関連業界に関連するキーワードがサジェストに表示され、不適切な情報がある場合、それらも削除対象となります。
3.類似キーワードの検索:自分や関連するキーワードに似たキーワードを検索し、サジェストや関連キーワードを調査します。サジェストは類似キーワードにも影響を受けることがあるため、類似キーワードも確認することが大切です。
4.一括調査ツールの利用:オンライン上には、複数のキーワードを一括で調査し、サジェストや関連キーワードを確認するツールもあります。これらのツールを活用して、広範囲にわたるキーワードを調査することができます。
5.不適切な情報の特定:調査を通じて、不適切な情報や虚偽の情報が表示されている場合、それを特定します。削除申請の際には、これらの情報が事実でないことを証拠として提供するために重要です。
サジェストや関連キーワードの調査は、削除申請の前提条件であり、漏れなく不適切な情報を特定するために欠かせません。一括で調査を行い、必要なキーワードをリストアップすることで、効率的に対策を進めることができます。
②適切な証拠を収集・手順
サジェストや関連キーワードの削除申請を行うために、適切な証拠を収集することは非常に重要です。以下に、証拠を収集するための具体的な手順をまとめます。
画面キャプチャ
サジェストや関連キーワードが表示される検索エンジンを開きます。
削除したいキーワードを入力し、関連キーワードが表示される状況を画面キャプチャやスクリーンショットで記録します。このとき、表示されている日時も記録しておきましょう。
ほかの検索エンジンでも同様の手順でキーワードを検索し、画面キャプチャを取得します。可能な限り異なる検索エンジンでの表示も収集することが有益です。
違法性に関する証拠
サジェストや関連キーワードが表示されたキーワードに関連する法律や規制を調査します。例えば、誹謗中傷や虚偽情報に関する法律、プライバシー保護法、特定商取引法などが該当するかもしれません。
不適切なサジェストや関連キーワードが事実でないことや法律に違反していることを証明するための資料や情報を収集します。これには、公的な報告書、取引履歴、該当する法律条文、証言、クライアントからの苦情などが含まれます。
不適切な情報が表示されたことにより生じた具体的な損害や被害の証拠も収集します。これには、売上の減少、信頼性の低下、業務妨害などが含まれます。
すべての証拠を整理し、削除申請の際に提出できるかたちにまとめます。
これらの証拠を収集することで、削除申請が法的に根拠があることを示し、サジェストや関連キーワードの削除に対する成功の可能性を高めることができます。適切な証拠を提供することは非常に重要です。
③削除申請を自分で行う・手順
Googleでのサジェストや関連キーワード削除申請に関する具体的な手順をまとめます。以下は、Googleのウェブ検索のサジェストに関する削除申請の方法です。(※2024年3月現在)
- 1.Googleのトップページにアクセスします。
- 2.検索窓に任意の言葉を入力します。これは削除申請の対象となるキーワードの一部です。
- 3.サジェスト欄(検索候補の一覧)の右下に表示される「不適切な検索候補の報告」に
アクセスします。通常、このオプションはサジェスト欄の一番下にあります。 - 4.次に表示される画面で、「フィードバックをお送りいただけるものを選択してください」と
表示されるので、該当するものをクリックします。 - 5.次の画面で、以下の項目が表示されます。
- 関連性の低いコンテンツ
- 暴力的または残虐な描写
- 露骨な性的表現、下品な表現、冒とく的な内容
- 差別的
- デリケートまたは中傷的
- 危険または有害なコンテンツ
- 法律に基づく削除に関する問題
- その他
- お寄せいただいたフィードバックに関連する情報の収集と、サービスの今後の改善のために、
- アカウントとシステムのデータがプライバシー ポリシーと利用規約に沿って使用されることが
- あります。法的な問題については、法的な削除リクエストを送信してください。
- 6.当てはまる項目をクリックし、詳細を入力しましょう。
申請が受理されるかどうかは、提供された情報の正確性や法的根拠に基づいて判断されます。説明が詳細で、法的な根拠が十分に提供された場合、削除申請が成功する可能性が高まります。
サジェストや関連キーワードについての注意点
Googleの関連キーワードに関する注意点と削除申請後の対応について、以下にまとめます。
削除申請が必ず受理されるわけではない
削除申請が必ず受理されるわけではない点は非常に重要です。Googleは削除申請を審査し、その内容が法的根拠に基づいており、かつ不適切な情報を含む場合にのみ削除を許可します。申請が不十分であったり、法的根拠が明確でなかったりする場合、受理されない可能性が高いです。
さらに、裁判所の命令がある場合でも、Googleは削除申請に応じないことがあります。これは、Googleが独自のポリシーと基準に従って判断を下すためです。そのため、削除申請が通らない場合、ほかの対応方法を検討する必要があります。
再表示される可能性がある
関連キーワードの削除申請が通ったとしても、再表示される可能性があることを理解しておくことは重要です。関連キーワードはユーザーが実際に検索しているキーワードをもとに表示されるため、ユーザーの検索行動に依存して変化します。
削除したキーワードで検索するユーザーが減らない限り、再発を完全にコントロールすることは難しいです。再表示された場合は、再度削除申請を行うか、オンライン上でのリーダビリティ(可読性)戦略を継続的に実施する必要があります。また、ポジティブな情報やコンテンツを積極的に増やすことも、再表示を防ぐ手段のひとつです。持続的な対策とモニタリングが重要です。
ブランドイメージのクリーン化
企業にとってもブランドイメージのクリーン化は非常に重要です。事実と異なる関連キーワードが表示されることで、企業の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。ネガティブな関連キーワードを見かけたユーザーが企業を誤解し、その情報を口コミやソーシャルメディアで拡散することで、企業の評判が傷つくことがあります。
失った信頼を取り戻すのは困難で、ブランドイメージが損なわれたままでは、誹謗中傷や不買運動などの悪影響が広がる可能性があります。そのため、ブランドイメージを保ちながら、信頼性を高めるためのイメージアップ戦略を展開することが不可欠です。
まとめ
今回は、関連キーワードとサジェストの削除方法について詳しく紹介しました。関連キーワードやサジェストはユーザーの検索体験を向上させる一方で、事実と異なる印象を与えることがあるため、その管理は重要です。
個人や企業のオンラインプレゼンスを守るために、ぜひこの記事をご活用ください。