プッシュ型とプル型の違いとは?メリット・デメリットや施策・条件を紹介

プッシュ型とプル型の違いとは?メリット・デメリットや施策・条件を紹介 サムネイル画像

ユーザーに向けて商品やサービスを提供するための営業手法はさまざまありますが、大きく分類すると「プッシュ(PUSH)型」と「プル(PULL)型」の2つに分けられます。

しかし、それぞれどのような意味なのかわからない方や忘れてしまった方もいるかもしれません。

そこで、この記事ではプッシュ型とプル型との違いやそれぞれの概要、メリット・デメリットなどをご紹介します。また、それぞれの施策や適しているかを判断する条件もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

執筆者

logo-bansou

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

プル型とプッシュ型の違い

プッシュ(PUSH)型とプル(PULL)型の違いは営業手法にあります。

  • プッシュ型:企業がユーザーに対してアプローチする営業手法
  • プル型:ユーザーからのアプローチを待つ営業手法

プッシュ型は、企業がユーザーに対してテレアポや訪問など積極的にアプローチしていく営業手法です。

一方のプル型は、SNSやホームページなどで有益な情報を積極的に発信したり、展示会やセミナーなどを開催したりしてユーザーからのアプローチを待つ営業手法です。

このことから、プッシュ型とプル型は、まさに正反対の営業手法といえるでしょう。

営業手法としてだけではなく情報共有にも用いられる

プル型とプッシュ型は、マーケティングにおける顧客獲得のためのアプローチとしてだけではなく、情報共有する際の手法としても用いられています。情報共有において、求めている対象に求められている情報を送るのはプッシュ型、求めている対象が自ら情報を手に入れるのはプル型となります。

効果的に情報共有するとなると、情報に沿ってプッシュ型とプル型を適切に使い分ける必要があります。例えば、結婚することになり周りの家族や友人に報告するのはプッシュ型の情報共有となります。一方で、メルカリなどで服などを売りに出して、服が欲しいユーザーに向けて情報を発信することはプル型の情報共有となります。

次の項目では、プッシュ型とプル型の営業手法がどのようなものなのかそれぞれ詳しく解説します。

プッシュ(PUSH)型とは

プッシュ型は、企業主体となるため、企業側がターゲットへ積極的にアプローチします。すでに自社の商品・サービスを認知していて求めている顧客層に対しては効果的な戦略ですが、過度に接触を試みると顧客に嫌われてしまい、企業の印象を悪してしまうリスクがあります。

プッシュ型の営業を行うには、強いメンタルも必要とされており、適していない方の場合は身体の不調につながるおそれもあります。

プッシュ型のメリット・デメリット

次に、プッシュ型のメリット・デメリットを見ていきましょう。

プッシュ型のメリット

プッシュ型のメリットをお伝えします。

すぐに成果につながりやすい

プッシュ型では、一人ひとりのユーザーに対して電話や直接訪問してアプローチをかけます。

そのため、ユーザーからすぐに反応を得ることができます。

商品やサービスの説明をした上で反応が良ければそのまま商談へと進めていき、即日で成約へとつなげることも可能です。

すぐに成果につながりやすいのがプッシュ型最大のメリットといえます。

潜在層にもアプローチできる

プッシュ型では、自社の商品やサービスを知らなかったり興味がなかったりするユーザーにもアプローチすることが可能です。

一度断られたとしても、アプローチした際にユーザーが抱えている問題や悩みをヒアリングすることによって解決策を導き出し、成果につなげることもできます。

その場の柔軟な対応によって、潜在層にもアプローチできるのがプッシュ型の強みです。

プッシュ型のデメリット

プッシュ型のデメリットをお伝えします。

クレームにつながりやすい

プッシュ型は、飛び込み営業やテレアポなどが代表的な施策です。

飛び込み営業やテレアポなどはユーザーの都合を考えることなく強引な営業をすることが多いので、ユーザーからは不快な印象を抱かれる可能性があります。

また、自社について知らなかったり自社の商品やサービスに興味がなかったりするユーザーに対しても営業するため、クレームにつながることも珍しくありません。

その結果、自社ブランドを傷つけてしまう恐れがあります。

効率が悪い

プル型は、一度に大量のユーザーに対してアプローチすることができますが、プッシュ型は基本的に一人ずつしかアプローチできません。

また、自社のことを知らないユーザーにアプローチする場合には、一から説明する必要があります。

時間をかけても最終的に成約に至らないというケースも多いので、非常に効率が悪いです。

営業担当者の負担が大きい

プッシュ型は、営業担当者の負担も大きいです。

株式会社ネオマーケティングが調査した「企業の営業活動の実態」によると、約8割以上の営業担当者が営業中に「嫌な思いをしたことがある」と回答したことが明らかになりました。

営業活動中に嫌な思いをした具体的な内容は以下の通りです。

  1. 話を聞いてもらえない/適当にあしらわれた:58.8%
    横柄な態度をとられた:61.7%
    ドタキャンされた:41.2%

プッシュ型では、営業担当者に毎月のノルマを課す企業も多く、心身ともに疲弊する人も珍しくありません。

その結果、退職する従業員が続出し、慢性的な人材不足に陥る危険性があります。

プッシュ型を活用した施策と条件

プッシュ型を活用した施策の例としては以下があげられます。

  • 飛び込み営業
  • テレアポ
  • ダイレクトメール
  • 企業サイトへの問合せ
  • キャッチセールス

プッシュ戦略は、飛び込み営業やテレアポ・ダイレクトメールなどが代表的な施策です。プル戦略とは異なり、うまくいけば即日で成果を挙げることもできます。

プッシュ型の戦略は以下の条件にあうサービスなどが適しています。

  • 認知度の高い商品やサービス 
  • 既に需要がある商品やサービス 
  • シンプルな商品やサービス 
  • 認知度の高いブランド 
  • 成熟している市場

プル(PULL)型とは

プル型とは、顧客中心のアプローチ施策です。企業側が顧客に営業を行うのではなく、顧客自らが接触してくることを待ち続けるスタイルといえます。そのため、顧客とするターゲットが気になる情報を発信し続けることが必要だといえます。

顧客主体で動く必要があるということで、テレビや雑誌、ラジオなどで広告を出す方法はプル型のアプローチだとは言えません。顧客が自社の商品やサービスの存在をするきっかけ部分も顧客自身が動く必要があるのです。

プル型のメリット・デメリット

プル型では、どのようなメリットやデメリットがあるのか解説します。

プル型のメリット

プル型の主なメリットをまとめて紹介します。

成約率が高い

プル型はプッシュ型とは違い、既にユーザーが自社の商品やサービスを認知しており、興味・関心がある状態で商談を行います。そのため、話も聞いてもらいやすく、成約率も非常に高いです。

効率的に成約を獲得できる

プル型は、自社の商品やサービスに興味・関心のあるユーザーに対してのみ商談を行います。

逆に、それ以外のユーザーに対して企業側からアプローチすることはないので、効率的に成約を獲得することが可能です。

ユーザーと良好な関係を築きやすい

プッシュ型のように強引な営業をすることによって、ユーザーから不快と思われてしまい、クレームに発展することも珍しくありません。

その結果、企業ブランドを損ねてしまう可能性があります。

プル型では、ユーザー側からアクションを起こしてもらえるので、クレームに発展することも少なく、お互いに良好な関係が築けるのです。

費用対効果が高い

展示会やWeb広告・セミナーなど、プル型の施策はさまざまありますが、1回のアクションで複数のユーザーに向けて情報を発信することができます。

また、SNSやオウンドメディアなどは導入コストもほとんどかかりません。

そのため、費用対効果が高いのもメリットです。

これまでのユーザーデータを集計・分析することによって、さらなる費用対効果にも期待できます。

プル型のデメリット

プル型には、メリットだけではなくデメリットもあります。

成果を挙げるまで時間がかかる

プル型のなかでもSNS運用やオウンドメディアの運営・YouTubeなどは、ユーザーが定着するまで時間を要します。

特に初期の段階は、全く認知されない状態でもコンテンツを作成し続けなければいけないので、挫折するケースも珍しくありません。

Web広告やセミナー・展示会であれば、短期間で成果を挙げることにも期待できますが、プル型はあくまでもユーザーのアクションを促すことしかできません。

そのため、成果を挙げるまでは、プッシュ型よりも時間がかかりやすいです。

専門的スキルや知識が必要

プル型の施策におけるオウンドメディアの運営やWeb広告の配信などは、SEOの知見や広告の運用方法など、ある程度の専門的スキルや知識が必要です。

専門的スキルや知識を有している従業員がいれば問題ありませんが、いない場合には新たな人材の雇用や外注化などを検討しなければいけません。

その結果、コストが膨大にかかる可能性があります。

プル型を活用した施策と条件

プル型を活用した施策の例としては以下があげられます。

  • 展示会の出展
  • SNS運用
  • オウンドメディアの運営
  • セミナーの開催
  • Web広告やマス広告
  • テレビCM
  • メルマガの配信
  • ショールーム
  • YouTube

前述したプル型の施策のなかでも、短期的に成果が挙げられる施策と、資産型のように中長期的に積み重ねていくことで成果が挙げられる施策の2種類に分けられます。この2種類に分けると以下のようになります。

  • 短期的に成果が挙げられる施策:展示会・セミナー・Web広告・マス広告・テレビCM
  • 中長期的に積み重ねていくことで成果が挙げられる施策:SNS運用・オウンドメディアの運営・YouTube

プル型の戦略は以下の条件にあうサービスなどが適しています。

  • 新しい商品やサービス
  • 新しい市場
  • クオリティの高い商品やサービス
  • 機能が豊富の商品やサービス

プッシュ型からプル型へと時代は変わってきている

これまでは、テレビや雑誌・新聞などからの情報を受け止めるプッシュ型の情報共有の形が主流でした。しかし、インターネットの普及により、ユーザー自らが情報を検索するプル型の情報共有の形が主流となってきています。

そのため、テレアポや飛び込み営業などのプッシュ型で商品やサービスを販売しようとしても、ネット上にある口コミや評価が悪ければ、成約につながる可能性は低くなります。

逆に、ユーザーが情報を自ら収集するようになったことで、オウンドメディアやSNSなどの重要性が増してきているのです。ユーザーが求めているような情報を積極的に発信することで、自社を認知してもらえるようになります。

最終的には、自社が提供している商品やサービスにも興味を示してもらえるようになり、成約へとつながるのです。

まとめ

本記事では、プッシュ型とプル型の違いやそれぞれの特徴、主な施策などをご紹介しました。プッシュ型とプル型はそれぞれメリット・デメリットがあるため、それぞれの特徴を理解した上で活用していくことが重要です。

ただし、インターネットが普及した現代ではユーザーが自ら調べて情報を選択するようになってきているため、本記事を参考にプル型の導入を検討するとよいでしょう。

バンソウでは、あらゆる手法でマーケティング活動をサポートしています。

「施策の効果を伸ばしたい」「Webサイトの流入数を増やしたい」などの課題をお持ちの担当者は、お気軽にご相談ください。

問い合わせバナー
資料ダウンロード誘導