ブランディングの種類には何がある?業種別に詳しく紹介!

ブランディングを行う際は、自社のターゲットとなるユーザーに対して働きかけるだけでなく、商品やサービスの価値や魅力を提供する自社の従業員の意識やモチベーションを高め、自社への理解を深めることが大切です。
この記事では、インナーブランディングとアウターブランディングの違いや、企業で行われるブランディングの主な種類についてご紹介します。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
ブランディングとは
ブランディングとは、自社の企業や商品、サービスに対して独自の価値を創出し、競合他社と差別化する取り組みを指します。
ブランディングは、商品やサービスのロゴやキャッチフレーズ、広告宣伝、商品やサービスが持つ価値や特長など、さまざまな要素から強化でき、ユーザーがデザインを見るだけで自社の商品やサービスだと認知できるようになったり、自社への信頼度や顧客満足度を高めたりすることを目的として行われます。
なお、ブランディングは、インナーブランディングとアウターブランディングの2種類に大きく分けられます。
インナーブランディングとは
インナーブランディングとは、社内に向けて行うブランディングのことで、企業理念やビジョン、自社の商品やサービスの価値を理解してもらうことによる、従業員の意識やモチベーションの向上、方向性の統一などを図る取り組みです。
たとえ魅力的な商品やサービスを提供していたとしても、ユーザーへ魅力を伝える社内の従業員たちが商品やサービスの価値や魅力を理解していなければ、ユーザーに対して的確なアプローチができません。また、最近では商品やサービス以外にも、従業員の対応が企業への信頼やブランドイメージに大きな影響を与えます。商品やサービスの改善を行うことはもちろん重要ですが、従業員へのインナーブランディングも欠かさずに行うよう意識しましょう。
インナーブランディングを行うことで得られる効果
インナーブランディングを行うことで、従業員の意識やモチベーションの向上が高まり、企業やブランドへの貢献度や、従業員満足度の向上にもつながります。また、企業理念やビジョン、商品やサービスの目指す方向性など、共通の認識を各従業員に定着させることで、認識がずれることなく業務に取り組めます。
アウターブランディングとは
アウターブランディングは、社外の企業や消費者に対して、自社の商品やサービスの価値や魅力、企業への認知度や信頼度などを高めるために行われる取り組みです。
アウターブランディングは社外の人たちに対して働きかけるため、魅力的な商品やサービスの開発や宣伝、ユーザーの課題やニーズを刺激する的確なアプローチなどが求められます。しかし、このように自社の商品やサービスの持つよさを、ユーザーそれぞれの特性を理解したうえで正確に伝えるためには、先述したインナーブランディングも欠かさずに行い、従業員一人一人の自社への貢献度やモチベーションを高めることが重要です。
インナーブランディングとアウターブランディングのどちらも徹底して行うことで、マーケティング活動において大きな効果を発揮できるでしょう。
アウターブランディングを行うことで得られる効果
自社の商品やサービスを長く利用してもらったり、関連商品を新たに利用してもらったりするためには、自社に対する信頼を寄せてもらうことや、ファンになってもらうことが必要です。このようなファンやリピーターを獲得し続けることで、自社のブランド力を高められるだけでなく、安定した売上や利益にもつながります。
ブランディングの種類
企業でブランディングを行うときには、企業そのもののブランディング以外にも、営業ブランディングや採用ブランディングなど、業種によってもさまざまな種類があり、それぞれアプローチの仕方が異なります。ここでは、さまざまなブランディングの種類についてご紹介します。
企業ブランディング
企業ブランディングは、自社が提供する商品やサービスではなく、企業そのものへの認知度や信頼度、イメージの向上を図るために行われる取り組みです。企業ブランディングでは、企業ロゴの作成やコーポレートサイトの改善などでユーザーの目に留まりやすい環境を整えたり、イベントやセミナーなどへの参加、SNSでの活動などを通して多くのユーザーとコミュニケーションを取ったりすることで、ユーザーの認知を獲得しつつ、関心度を高めます。
最近ではSDGsを意識する傾向が高まっているため、環境保全を目的としたボランティア活動や寄付、従業員の多様な働き方の実現といったSDGsを達成する取り組みを積極的に行っているかどうかも、企業のイメージアップにつながります。
営業ブランディング
営業ブランディングでは、営業活動を通して、ユーザーの生活に自社の商品やサービスが必要なものとなるよう、アプローチをする取り組みを指します。
例えば、手の出しやすい価格が魅力のコスメを提供する際に、普段から化粧品を使わないユーザーや、高価なハイブランドコスメのみ使用しているユーザーに対してアプローチをしても、興味を持ってもらえないでしょう。一方で、学生や化粧品にお金をかけたくないユーザー、失敗してもリスクが少ないよう低価格帯のコスメを購入したいユーザーに対しては商品の需要があるでしょう。
このようなユーザーが日常的に訪れるショップやドラッグストア、通販サイトなどを中心に商品を展開するなど、商品やサービスのメリットを生かしながら、自社の存在がユーザーの生活の一部として溶け込めるよう、働きかけることが大切です。
採用ブランディング
採用ブランディングは、求職者や就活生たちに自社で働きたいと思ってもらえるよう、企業としての価値を高める取り組みを指します。
例えば、椅子や机などのオフィスに設置する備品の質を高めたり、福利厚生を充実させたりするなど、働くうえでの環境を整える施策や、採用専用のサイトを制作し、募集要項や従業員のインタビューなどをわかりやすくまとめたり、社内の雰囲気が伝わるパンフレットや動画を制作したりして、自社への興味を湧かせる施策などを行うことで、求職者や就活生からの応募を集めます。採用ブランディングがうまくいくことで、採用にかかるコスト削減にもつながるため、採用活動に力を入れている場合はぜひ取り組むとよいでしょう。
商品・サービスブランディング
商品・サービスブランディングは、ユーザーにとって「使い続けたいサービス」「いつか購入したい憧れの商品」などと感じてもらえるよう、自社で取り扱う商品やサービスの価値を創出する取り組みを指します。
商品やサービスのブランディングでは、商品名やサービス名、パッケージデザイン、WebサイトやSNSでの情報発信や宣伝、販促キャンペーン、価格など、さまざまな要素に対して工夫を凝らす必要があります。名前を見ただけで商品やサービスが持つ特長が伝わるか、ターゲットとするユーザーに好まれるデザインか、などを常に意識しながら商品やサービスの改善を繰り返しましょう。
なお、トレンドの移り変わりや顧客層の変化に合わせて既存の商品やサービスの名称や価格、デザインなどを変更し、価値を創出し直す取り組みを「リブランディング」といい、リブランディングを行う企業も多いです。
マーケティングブランディング
マーケティングブランディングは、商品・サービスブランディングと同様に、自社の商品やサービスの価値を高めるためのブランディングではあるものの、商品やサービスそのものに工夫を凝らすのではなく、商品やサービスをどのようなかたちでユーザーに伝えるかに重点を置いた取り組みです。
例えば、カフェチェーン店のスターバックス コーヒーでは、「サードプレイス」を軸に、来店客が何時間でもいたくなるような居心地のよさを意識した店舗づくりや接客を行っています。対して、提供が早く忙しいときでもすぐにコーヒーが飲めるカフェ、価格は高めなものの商品に使用する素材や盛りつけにこだわったカフェ、SNSで写真映えするカフェなど、さまざまな強みを持ったカフェが存在しており、それぞれ競合にはない価値を創出しています。
このように、マーケティングブランディングを行い、自社の商品やサービスをほかの企業にはない切り口からアプローチすることで、ファンやリピーターの獲得が期待できます。
まとめ
この記事では、インナーブランディングとアウターブランディングの違いや、企業で行われるブランディングの主な種類についてご紹介しました。
自社の商品やサービスをユーザーに広く認知してもらい、長期的に利用してくれるファンやリピーターを増やすためには、ブランディングが欠かせません。また、商品やサービスに対してだけでなく、企業そのもののブランディングや、採用ブランディングなど、さまざまな分野で自社の価値を高める取り組みを行うことをおすすめします。