Web広告とは?運用の手順から種類や選び方、予算の決め方まで紹介

Web広告とは、インターネット上で情報や製品を宣伝する手法のことです。近年では、多くの企業がターゲットとする顧客に直接アプローチするためにWeb広告を利用しています。
しかし、効果的なWeb広告を運用するためには、目的やターゲットに応じた適切な媒体の選定や予算の管理などが必要です。
そこで、この記事ではWeb広告とは何かがわかる基本知識からWeb広告を運用する手順、Web広告の種類を詳しくご紹介します。また、Web広告の選び方や予算の決め方もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
Web広告とは
Web広告とは、WebサイトやSNS、検索エンジンなどで表示される広告のことです。インターネットの普及とともに多様化し、今ではリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などの多くの広告タイプが存在します。これらの広告は、特定の製品やサービスを宣伝し、ユーザーを特定のページに誘導する役割を担っています。Web広告は、デジタルマーケティングの重要な構成要素であり、効果的な広告キャンペーンにおいて大きな役割を持っています。
次に、Web広告が必要な理由やマス広告にはないWeb広告のメリットをご紹介します。
Web広告が必要な理由
デジタル化が進む中、広告の形態も大きく変化しています。近年、インターネット広告は市場規模を拡大し続けており、2023年の日本における広告費は前年比で103.0%の7兆3,167億円となり、推定開始以降、過去最高額となっています。これは、社会のデジタル化に伴うインターネット広告の伸長が要因であり、広告効果の測定をしやすいことやコストパフォーマンスのよさが企業にとって魅力的です。このため、多くの企業がインターネット広告やWeb広告を利用するようになっています。
参考:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
マス広告にはないWeb広告のメリット
Web広告は、マス広告に比べて多くのメリットを持っています。具体的には、広告の効果を正確に測定しやすいことや費用を抑えられること、ターゲットを精密に設定できること、ユーザーの行動を直接促す力があることなどがあげられます。これらの特性により、Web広告はマス広告の持つ多くの問題点を解決し、現代の広告戦略において主流の選択肢となりました。
Web広告を運用する手順
Web広告は時代の流れに合った効果的な手法であることがわかりました。しかし、Web広告を運用する際はどのような手順で行うのかわからない方もいるでしょう。ここでは、Web広告を運用する手順をご紹介します。
目的とターゲットを決める
Web広告を効果的に利用するためには、出稿の目的とターゲットを明確にすることが必要です。ここでは、「誰にどのようなことを伝えたいか」や「どのような成果を求めるか」を具体的に定義します。この情報に基づいて「どの広告手法が適切か」「どのプラットフォームで広告を展開すべきか」が決定されます。初期段階でこれをしっかりと行うことで、広告の効果が大きく変わってくるでしょう。
Web広告の媒体を選定する
広告の目的とターゲットが明確になったあとは、Web広告の媒体を選定します。適切な媒体選びは、広告の効果に直結するため重要です。例えば、若年層に製品の認知を広げたい場合は、InstagramやTikTokなどの若年層によく使われているプラットフォームが効果的です。一方、年齢層が高めのターゲットには、Facebookやニュースサイトが適しています。
また、直接的な販売促進を行いたい場合は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでリスティング広告を出すのが有効です。このように、ターゲットや目的に応じてWeb広告の媒体を選定するとよいでしょう。
Web広告の効果を測定する
前述したように、Web広告は効果を詳細に測定しやすいことがメリットです。広告戦略は、適切に設定されたKPI(重要業績評価指標)に基づいて行われます。これには、クリック数やコンバージョン数、エンゲージメント率などがあります。これらの指標を定期的に分析し、必要に応じて広告の内容や戦略を調整することで、広告キャンペーンの効果を最大化します。効果的な広告は、目的に沿ったKPIの設定から始まります。
Web広告の媒体を選定するには、どのような種類があるのかを把握することが大切です。次に、Web広告の種類をご紹介します。
Web広告の種類
Web広告にはさまざまな種類があり、適切な広告を選ぶためにはこれらについて理解しておく必要があります。ここでは、Web広告の種類を詳しくご紹介します。
リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワード基づいて表示される広告です。この広告は、ユーザーが検索した内容に密接に関連しているため、購入意欲が高いユーザーにも広告を表示できる点が大きな強みです。課金はクリックされるごとに発生し、広告の効果を直接的に測定できます。ただし、人気の高いキーワードではクリック単価が上昇し、コストが高くなることもあります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、関連性の高いコンテンツの付近に配置されるため、潜在顧客に広くアプローチするのに適しています。画像や動画を活用できるため、視覚的に訴求力が高く、ブランドの認知を広めることにも効果的です。課金はクリック数や表示回数に応じて行われ、アドネットワークやDSPを通じて広告の配信を最適化することが可能です。
ディスプレイ広告の中には、アドネットワーク広告やリターゲティング広告、純広告が含まれます。次にそれぞれについてご紹介します。
アドネットワーク広告
アドネットワーク広告は、Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)やYahoo!広告ディスプレイ広告運用型(YDA)など、複数の媒体を束ねた広告配信ネットワークを通じて行われます。これにより、幅広いユーザーにアプローチすることが可能となるため、ターゲット層を効率よくカバーしたい場合に適しています。また、特定の性別や年齢層、地域などに特化した広告設定も可能です。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、一度サイトを訪れたユーザーを追跡し、サイト離脱後も引き続き広告を表示することで再訪を促す手法です。これは、ユーザーの多くは初回訪問で購入に至ることが難しいため、再訪して購入を促したいときに非常に有効です。課金はクリックまたはインプレッションベースで行われます。
純広告
純広告は、特定のメディアに直接広告を出稿する広告です。例えば、PCメーカーがPC専門の情報サイトに広告を掲載する場合などが純広告になります。単価はメディアによって定められており、ブランディングや認知度向上に貢献しますが、広告効果が明確でない場合でも費用が固定されてしまうため、運用の柔軟性に欠けるというデメリットがあります。
ネイティブ広告
ネイティブ広告は、Webコンテンツになじむかたちで配信される手法です。これは記事一覧やニュース一覧の中に自然に組み込まれ、サイトのデザインを保ったまま広告が表示されます。課金方法は媒体やサービスによって異なり、期間固定料金やクリック課金、インプレッション課金などがあります。ネイティブ広告は、ユーザーの体験を損ねることなく情報を提供するため、ブランドの信頼性と関連性を高める効果が期待できます。そのため、広告としての存在感を抑えつつ、ユーザーの関心を引きつけることが可能です。
SNS広告
SNS広告は、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのソーシャルメディアを通じて配信される広告です。この広告は、ユーザーの興味や行動に基づいてターゲットが設定され、クリック課金やエンゲージメント課金などの方法で費用が発生します。SNS広告の強みは、高いターゲティング精度と広告の自然な配信形式にあります。ユーザーのタイムラインなどに広告が表示されるため、閲覧数が多く、高いエンゲージメントを促進できます。また、広告の拡散性が高く、ブランド認知やイメージ構築にも効果的です。
次に主要なSNSであるFacebookやInstagram、Xの広告についてそれぞれご紹介します。
Facebook広告
Facebook広告は、ユーザーのプロフィールである「氏名」「年齢」「地域」「趣味・関心」などの情報を利用して、広告を適切なユーザーに配信できます。さらに、類似オーディエンス機能を使って、既存顧客に似た属性を持つ新規顧客にもアプローチできます。課金方法はインプレッション数やクリック数などで変動し、コストは目的に応じて調整可能です。
Instagram広告
Instagram広告は10〜20代の女性に人気が高く、美容やファッション、ライフスタイル関連の商品に最適です。Instagram広告はビジュアルコンテンツに強く、広告はモバイル画面全体を使って目を引くデザインで表示されます。課金方法にはインプレッション数やクリック数、インストール数、動画再生数などがあり、広告の視認性とエンゲージメントを高めるためのさまざまなオプションが用意されています。
X(旧Twitter)広告
X広告は、10〜30代のユーザーが多く利用するプラットフォームで、趣味や関心を軸にした広範なターゲティングが可能です。広告の課金方式はInstagramなどのSNSと同様です。Xは拡散力が高く、エンゲージメント(リポストやいいね)を利用してバズを生み出す戦略が効果的で、CPAを抑えることが可能です。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、商品やサービスを第三者が運営するWebサイトやSNSアカウントに紹介してもらい、そこからの成果(クリックや購入)に応じて報酬を払う成果報酬型広告です。この広告は広告主が直接運営するのではなく、アフィリエイターが自身のプラットフォームを通じて行うため、広告主にとってはコストパフォーマンスが非常に高いです。ただし、広告掲載先の管理が難しく、間違った情報が載せられるとブランドイメージに影響を与える可能性があります。
リワード広告
リワード広告は、ユーザーが特定のアクションを完了することで報酬(リワード)を受け取る形式の広告で、例としてはアプリのインストールや動画の視聴などがあげられます。この広告はモバイルアプリ内で使われることが一般的で、ユーザーの行動意欲を刺激することで高いエンゲージメントを生み出せます。
PR記事広告(タイアップ)
PR記事広告は、タイアップ広告ともいわれており、ひとつのWebページをそのまま広告として作成されます。ユーザーに役立つ情報を提供しつつ製品やサービスを紹介するため、読者の関心と信頼を引きつけやすいです。しかし、高品質なコンテンツの制作には時間とコストがかかり、計画的な投資が必要です。
動画広告
動画広告は、動画で視覚的な魅力や情報を伝えることでユーザーの注意を引きつける手法です。特にYouTubeやABEMAなどの動画配信プラットフォームで利用され、動画を通して視聴者に具体的かつ強い印象を与えられます。動画広告はテキストや画像広告よりも多くの情報を短時間で伝えられますが、制作には相応の予算や専門的な知識が必要です。
音声広告
音声広告は、Spotifyやradikoなどの音声配信プラットフォームを通じて配信される手法です。これはユーザーが聞いているコンテンツの合間などに配信されるため、ユーザーに広告の内容を聞いてもらいやすくなります。音声での情報収集が増えている現代で、音声広告は効果的なリーチ手段として注目されています。
メール広告
メール広告は、ユーザーにメールで広告を配信する手法です。意欲の高いユーザーに配信でき、特定のキャンペーンやプロモーションなどは成果が出やすいです。クリック課金や配信課金などのさまざまな課金方法があり、特定のターゲットに直接的にアプローチできます。ただし、スパムや迷惑メールと見なされるリスクもあるため、配信リストの管理と内容の質が非常に重要です。
Web広告の選び方
Web広告の種類を理解した後は、これらから適切な広告を選ぶ必要があります。そこで、ここではWeb広告の選び方をご紹介します。
ターゲットに合った媒体を選ぶ
Web広告の効果を最大化するためには、ターゲットが日常的に利用している媒体で広告を配信することが重要です。例えば、若年層に広告を配信する場合は、InstagramやTikTokなどの若年層に人気なSNSを選ぶとよいでしょう。
一方、高齢者層には、デジタル新聞やニュースサイト、ラジオなどが適しているでしょう。ターゲット層のデジタル行動を深く理解することで、適切な広告媒体を選定し、広告効果を最大化させることが期待できます。
広告で求める成果から選ぶ
広告でどのような成果を求めるのか、その目的を明確にすることはWeb広告の選定において重要です。例えば、ブランドの認知度を高めたい場合は、広範囲にリーチできるディスプレイ広告や動画広告が適しています。製品購入を促進したい場合は、検索エンジンのリスティング広告やリターゲティング広告が効果的でしょう。各広告手法は特定の目的に対して最適な効果を発揮するため、求める成果に合わせて適した広告タイプを選択することが大切です。
Web広告の予算の決め方
広告を配信する際には、事前に予算を決めておく必要があります。予算によって効果も変わってくるため、最適な予算を決めないと期待した成果が出せないこともあるでしょう。そこで、ここではWeb広告の予算の決め方をご紹介します。
初月の予算
Web広告を利用する初月の運用では、予算を過剰に設定することを避けるべきです。過大な予算を初月から投じると、期待通りの結果が得られなかった場合に組織内での広告に対するネガティブな印象を与えてしまいがちです。そのため、初月は市場や広告効果の反応を見極めつつ、データ分析に基づいた適切な調整と改善を行い、中長期的な視点で効果的な広告計画を立てましょう。これにより、無駄な出費を避けつつ、持続的に成果を伸ばすことが可能になります。
広告を撤退する基準
広告運用を行う際には、目的の達成に至らない場合の撤退する基準を設けておくことが重要です。これは、投資した費用に対して十分なリターンが得られない場合、広告を一時停止し、戦略の見直しを行うための基準です。目標の達成率が低い場合はすぐに広告活動を見直し、不必要なコストがかかる前に効率的な改善策を検討しましょう。これにより、最小限の予算で最大の成果を目指すことが可能になります。
広告を増額する基準
広告が予想以上によい成果を示した場合は、広告予算を増額することも検討しましょう。特に、リスティング広告が目標を上回る成果を出している場合、予算を増やすことでさらなる効果の拡大が期待できます。ただし、増額する際はその上限と戦略を明確にしておくことが重要であり、競合他社より優位に競争を進めるためのチャンスを逃さないようにしましょう。
まとめ
この記事では、Web広告とは何かについてご紹介しました。Web広告は、インターネット上に表示されるさまざまな広告手法を指し、ターゲット層が日常的に利用する媒体や求める成果に合わせて選定します。広告の効果を最大限に発揮させるためには、明確な目的の設定から適切な媒体の選定、詳細な効果測定までをしっかりと行いましょう。また、適切な予算配分も重要になり、成果に基づいて予算の増額や撤退する基準を設けることも効率的な広告運用には欠かせません。