文末表現の一覧を紹介!単調な文章を避けるコツ

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文末表現を工夫するだけでも、単調な文章に変化を与えることができます。文末表現が巧みな文章が作れるようになることで、ライティングスキルの向上にもつながるでしょう。この記事では、文末表現を一覧にまとめてご紹介します。ほかにも、文末表現を工夫した文章を書く際のコツや注意点についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

文末表現とは

文末表現は、文章の最後に使われ、一文を締める役割を果たします。文末表現の代表的な例としては、「です」「である」「ではない」などが挙げられます。

同じ文末表現が何度も繰り返して使われていると、読み手が単調な印象を抱いたり、稚拙な文章だと感じる場合があります。さまざまな文章表現を使い分けることで、ワンランク上の文章を目指せるでしょう。

文末表現の一覧表

文末表現は、主に次のような種類があります。文章を作成する際は、ぜひ下記の表を参考にしてみてください。

文末表現 種類 例文
~です・~ます/
~だ・~である
断定 会議は14時から開始です。
~でしょうか/
~だろうか
疑問 受付は2階でしょうか。
~でしょう/
~だろう
推量 明日は晴れるでしょう。
~そうです/
~そうだ
伝聞 山田さんは遅れるそうです。
~ようです/
~ようだ
様態 仕事はうまくいったようです。
~かもしれません/
~かもしれない
推量、可能性 明日は雨が降るかもしれません。
~と考えられます/
~と考えられる
推量 このまま進行できると考えられます。
~と予想されます/
~と予想される
推量 売上は2倍になると予想されます。

これらの文末表現のほかにも、名詞を文末に置く「体言止め」があります。体言止めの文章では、例えば次のような文章が例として挙げられます。

  • この仕事で求められるのは、スピードと正確性。
  • 透き通るような、青い空。
  • 目的地に着いたのは、夜の9時。

表で挙げた文末表現以外にも体言止めを適宜使うことで、テンポのよい文章を作成できます。

最適な文末表現の選び方をシーン別に紹介

記事やビジネスメール、レポートなど、シーンによって「です・ます」を用いるのか、もしくは「だ・である」を用いるのか、適切な文末表現は異なります。ここでは、各シーンで最適な文末表現を解説します。

レビューや感想文

Webなどに掲載されるレビューや感想文では、「です・ます」「だ・である」どちらも使われることが一般的です。個人的な口コミやレビューである場合はどちらを用いても構いませんが、依頼を受けてレビューや感想文を執筆する場合は、掲載先のメディアごとにレギュレーションが定められている場合があります。特に指定がなく、どちらを使うか迷った場合は、丁寧な表現である「です・ます」を用いるほうが無難です。

記事などの原稿

記事をはじめとした原稿においても、「です・ます」「だ・である」どちらの文末表現も使われます。レビューや感想文と同様に、掲載先のメディアや雑誌のレギュレーションに合わせて文末表現を使い分けるとよいでしょう。

ビジネスメールやビジネスチャット

ビジネスメールやビジネスチャットでは、「です・ます」を使用します。特に、上司や先輩といった目上の人や、取引先に対して送る場合は、文末表現だけではなく、相手に失礼にあたらない敬語の使い方ができているか、などの点にも注意する必要があります。

報告書やレポート

仕事で作成する報告書やレポートでは、「です・ます」「だ・である」どちらも使用します。報告内容や結果を箇条書きなどで簡潔に述べる際は「だ・である」、原稿のように、文章で詳細に説明する場合は「です・ます」を用いるとよいでしょう。報告書やレポートの書き方は、各企業によって異なるため、あらかじめフォーマットや既存の報告書などを確認しておくことがおすすめです。

文末表現を工夫するメリット

文末表現に気を配ることで、次のようなメリットがあります。

読みやすい文章を作成できる

文末表現に気を配りながら文章を作成すると、冗長な表現や、テンポが悪く読みづらい文章を避けられます。簡潔でわかりやすい文章を作成する際には、文末表現を工夫し、ひとつの文章にひとつの情報のみを含む「一文一義」を心がけることが大切です。

拙い印象を与えない

「~ます。~ます。~ます」のように、同じ文末表現を連続で使った文章は、読み手に拙い印象を与えます。メディアなどに掲載する記事の場合はレギュレーションに沿う必要があるため、文末表現にも指定が入る場合がありますが、個人のブログなどで文章を書く際は、同じ文末表現の連続はできるだけ2回までに抑えることを意識するとよいでしょう。

文末表現を使いこなすコツ

同じ文末表現を多用せず、豊富な文末表現を使いこなせるようになるためには、次のようなコツを意識することをおすすめします。

「です・ます」と「だ・である」を混在させない

文末表現には、敬体の「です・ます」調と、常体の「だ・である」調の2種類があります。基本的に、ひとつの文章の中では、同じ種類の文末表現を扱います。例えば、「~ます」を使った文章を作成した場合、次に続く文章では「~でしょう」や「~です」「~と考えられます」といった敬体の文末表現を用いるように意識しましょう。

言い換え表現を活用

同じ文末表現が連続してしまう際には、同じ意味の別の表現で言い換えられる場合があります。例えば、「〇〇にはこのようなデメリットがあります。そのため、△△を利用する人が増えています」という文章を、「〇〇にはこのようなデメリットがあります。そのため、最近では△△を選ぶ人も多いです」のように、同じ意味を持つ別の言葉で言い換えると文末表現に変化をつけられ、自然な文章を作成できるでしょう。

語順を変えて文末表現に変化をつける

何度も同じ文末表現を使ってしまうときには、語順を変えてみると文末表現に変化をつけられる場合があります。例えば、「時間を意識しながら作業に取り組むことで、業務効率化が図れます」の語順を変えると「業務効率化を図るためには、時間を意識しながら作業に取り組むことがポイントです」のように、語順を変えることで同じ文末表現の多用を避けやすくなります。

疑問形や提案を加える

疑問形や提案する形の文章を混ぜることで、単調な文章に変化をつけることができます。例えば「〇〇という課題を抱える企業が増加しています。そこで、近年では△△という取り組みが注目を集めています」という文章を「〇〇という課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。そこで、近年では△△という取り組みが注目を集めています。」とすることで、同じ文末表現が連続することを避けられます。ほかにも、「~してみませんか」「~しましょう」などの文末表現がおすすめです。

「~とは」では「です」「指します」

意味を説明する際によく使われる「~とは」という文章の文末表現では、「です」「指します」が主に挙げられます。例えば、「〇〇を取り入れることが現在注目を集めています。〇〇とは、△△を指します」と同じ文末表現が続いてしまった場合は、「〇〇を取り入れることが現在注目を集めています。〇〇とは、△△という意味です」のように言い換えることができます。

「多いです」と「少なくありません」

数が多いことを示す際には、「多いです」以外にも「少なくありません」を用いることができます。例えば、「近年、〇〇する企業が多いです。そのため、△△に取り組むことが重要です」と「です」が連続してしまう際に、「近年、〇〇する企業も少なくありません。そのため、△△に取り組むことが重要です」のように言い換えるとよいでしょう。

文末表現の注意点

文末表現を意識しながら文章を書くうえで注意すべきポイントは、次のとおりです。

一文の長さにも気をつける

一般的に、読みやすい文章は一文で40~60文字程度といわれています。このとき、一文が長すぎる文章だけではなく、短すぎる文章が続いても読みづらくなる点に注意が必要です。同じ文末表現が連続するのを避けるために一文が長くなったり、短い文章が続いたりしないよう、先述した言い換え表現などを活用するとよいでしょう。

体言止めを使いすぎない

体言止めは文章をテンポよく読ませる際に有効な表現ですが、多用しすぎるとぶつ切りな印象を与えます。例えば、「顧客にアプローチする際に重要なのは事前準備。顧客情報を事前にリサーチする際におすすめなのが、SNS」のように体言止めが連続して使われていると、かえって読みづらく感じることもあります。「顧客にアプローチする際に重要なのは事前準備。顧客情報を事前にリサーチする際には、SNSの活用がおすすめです」のように、体言止めは控えめに使うことが大切です。

伝聞・推量・様態の表現を使いすぎない

公的なデータが得られなかった場合や記述する内容に自信がない場合、「~ようです」「~そうです」「~といわれています」「~かもしれません」のような表現を使用することがあります。このようなあいまいな表現は、多用しすぎると信ぴょう性がない文章だと思われてしまうため、最低限に抑えることが大切です。ただし、個人的な考えや推測に関しては、客観的な事実とは区別する必要があるため、「~と予想されます」「~と考えられます」のような文末表現を使いましょう。

レギュレーションに合わせた文末表現を使う

メディアによっては、体言止めや「~かもしれません」といった推量の表現を禁止している場合もあります。単調な文章にならないようさまざまな文末表現を使うことは大切ですが、レギュレーションにそぐわない文末表現を使用しないよう注意しながら執筆する必要があります。

まとめ

この記事では、文末表現の一覧表や文末表現を工夫して文章を書く際のコツ、注意点などをご紹介しました。単調な文章や、拙い印象を与える文章は、同じ文末表現が何度も連続して使われていることが多いです。同じ文末表現の多用を避ける際には、記事内でご紹介した言い換え表現をぜひご活用ください。ただし、執筆した文章を掲載するメディアによってはレギュレーションで使用可能な文末表現が指定されている場合があるため、この場合はレギュレーションに合わせた文章を執筆しましょう。