DNSサーバーが応答しないときに考えられる原因や解決策を紹介

DNSサーバーは、WebサイトのドメインとIPアドレスをひもづける役割を持ち、ユーザーがWebサイトを閲覧する際に必要です。
しかし、何らかの原因によってDNSサーバーが応答せず、Webサイトが閲覧できない状態に陥ることがあり、「DNSサーバーは応答していません」とエラーメッセージが表示されます。
この記事では、DNSサーバーが応答しないときに考えられる原因と解決策などをご紹介します。
執筆者

マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
DNSサーバーが応答しないときに考えられる原因
DNSサーバーは、WebサイトのドメインとIPアドレスをひもづける役割を持ちます。ユーザーは、DNSサーバーによって各Webサイトを閲覧できるようになるため、Webの利用時には欠かせない存在ともいえるでしょう。
このようなDNSサーバーが正常に動作していない場合、「DNSサーバーは応答していません」と表示されることがあり、Webサイトを閲覧できなくなってしまいます。DNSサーバーが応答しないときに考えられる原因は、次のとおりです。
インターネットに接続していない
インターネットに接続していないことから、DNSサーバーに接続できていないケースがあります。Wi-Fiなどのルーターの電源が入っていなかったり、PCのネットワーク接続がオフになっていたりする場合はインターネットに接続できていないため、DNSサーバーが応答できません。
なお、ルーターの電源やネットワーク接続がオンになっていても、エラーによって正常に接続できておらず、インターネットが利用できない状態である可能性もあります。
DNSサーバーに接続していない
インターネットには接続できているものの、DNSサーバーが応答しない場合は、PCがDNSサーバーに接続できていない可能性があります。
DNSサーバーが正常に接続できているかは、PCのコマンド プロンプト上でnslookupコマンドやdigコマンドを使用する必要があり、digコマンドはWindowsに標準搭載されていないため、別途インストールが必要です。
上記のようなコマンドではDNSの情報を調べられますが、想定とは異なるWebサイトのIPアドレスが表示されるなど、正しいIPアドレスが返ってこなかった場合は、DNSサーバーに異常がある可能性が考えられます。
アクセス集中やサイバー攻撃でサーバーダウンしている
アクセス集中や災害によるサーバーマシンの故障、DDoS攻撃などによってDNSサーバーがダウンし、応答できなくなる可能性があります。DDoS攻撃とは、攻撃者が標的となるWebサーバーに対して大量の通信を発生させることでサーバーに負荷をかけ、ダウンさせるサイバー攻撃です。
なお、一時的なアクセス集中によるサーバーダウンの場合は、しばらく待てば復旧し、正常に使用できるようになります。
ネットワークを共有接続している
無線LANの共有接続をオンにしている場合、DNSサーバーが正常に動作せず応答しないことがあります。これはDHCPと呼ばれるホストに設定情報を送る際に、クライアントサーバーがIPアドレスを割り当てるのに失敗することで生じるエラーだと考えられます。
このようなネットワークの構成によってはDNSサーバー側でエラーが生じ、応答しないケースがあります。
Webサイトが閉鎖している
アクセスしようとしているWebサイトが閉鎖している場合、Webサイトを表示できなくなるため、DNSサーバーが応答しません。このようなケースにおいても、「DNSサーバーは応答していません」のエラーメッセージが表示されることがあります。
Webサイトがすでに閉鎖しておりコンテンツが閲覧できないときは、Wayback Machineを使用することでアーカイブを確認できます。
DNSサーバーが応答しないときの解決策
ここまで、DNSサーバーが正常に動作しないときに考えられる原因をご紹介しました。「DNSサーバーは応答していません」と表示されたときは、次のような方法を試すことで解決することがあります。
PCを再起動する
OSやドライバーなどPCの内部で一時的にエラーが起きており、DNSサーバーが応答しないこともあるため、思い当たる原因がない場合は、PCを再起動してみることをおすすめします。
このようにPCを再起動することでエラーが解消することもあるため、DNSサーバーのエラーに限らず、PCに急に不具合が見られた場合は、一度再起動を試してみましょう。
モデムやルーターを接続し直す
PCを再起動しても改善しない場合は、モデムやルーターが正常に動いておらず、ネットワークに接続できていない可能性があるため、モデムやルーターを再起動し、再度接続してみるとよいでしょう。
電源ボタンがついていないモデムやルーターは、電源アダプターをコンセントから取り外すことで電源を切れます。電源を切った後は数分待ってから再度電源アダプターをコンセントにつないでネットワークへ再接続しながら、正常に接続できているかを確認します。
また、モデムやルーターのファームウェアを最新の状態にアップデートすることで正常に接続できるようになる可能性もあるため、接続状況とあわせて更新状況も確認することをおすすめします。
ネットワーク診断を実施する
WindowsやMacには、インターネットへの接続状況を確認できるネットワーク診断(Macの場合はワイヤレス診断)という機能が搭載されています。インターネットへの接続に問題があることが疑われる場合は、ネットワーク診断を行ってみましょう。
Windows 11でのネットワーク診断の方法は、次のとおりです。
1.「スタート」をクリックする
2.「すべてのアプリ」をクリックする
3.「ネットワーク診断」をクリックする
4.有線LANの場合は「イーサネット」、無線LANの場合は「Wi-Fi」をクリックする
5.診断結果を確認する
『診断の結果、「〇〇」に異常を検出しました。』と表示された場合は、「OK」をクリックし、画面の指示に従って問題を対処します。
なお、Macでのワイヤレス診断の手順は、次のとおりです。
1.開いているアプリケーションをすべて終了する
2.問題が疑われるWi-Fiに接続する(接続していない場合)
3.Optionキーを押したままメニューバーのWi-Fiアイコンをクリックする
4.「ワイヤレス診断を開く」をクリックする
5.画面の指示に従って、ネットワーク接続の分析を行う
6.分析が完了したら、「概要」パネルの「情報」ボタンをクリックして、リスト内の各項目の詳細を確認する
無線LAN子機を使用する
無線LAN子機は、無線機能が故障したPCや無線機能が搭載されていないPCを使用する際に使うことで、簡単に無線LANに接続できる機器です。
PCをインターネットに接続できない場合は、無線LAN子機を使用することでインターネットに接続できる可能性もあるため、モデムやルーターに異常が見られないにもかかわらず、DNSサーバーが応答しない場合に試してみることをおすすめします。
なお、すでに無線LAN子機を使用している場合は、無線LAN子機の故障によってインターネットに接続できていないことも考えられるため、ほかの機器に接続して正常に動作するかもご確認ください。
IPv6を無効化する
IPv6とはインターネットプロトコルの規格のひとつで、IPv6に基づいてIPアドレスが割り当てられます。ネットワークの共有接続を行っている状態でDNSサーバーのエラーが生じている場合は、IPv6を無効化したうえでPCを再起動することで、正常に動作する可能性があります。
IPv6は、Windows 11では以下の手順で無効化できます。
1.タスクバーの検索ボックスに「ネットワーク接続」と入力し、コントロール パネルの「ネットワーク接続」を起動する
2.接続中のネットワークを右クリックする
3.「プロパティ」をクリックする
4.「ネットワーク」タブ内の「インターネット プロトコル バージョン 6 (TCP/IPv6)」のチェックを外す
5.「OK」をクリックし、PCを再起動する
なお、IPv6を無効化することで、PCの一部の動作に影響が及ぶ恐れもあるため、実施の際は十分にご注意ください。
参照:高度なユーザー向けのWindowsで IPv6 を構成するためのガイダンス|Microsoft
使用していないネットワークアダプターを無効化する
複数のネットワークアダプターに接続しており、使用していないものも有効になっているとき、DNSサーバーが正常に動作しないことがあります。
現在使用していないネットワークアダプターを無効化することで解決する可能性があるため、ネットワークアダプターの使用状況も確認してみることをおすすめします。
Windows 11で不要なネットワークアダプターを無効化する方法は、次のとおりです。
1.「スタート」を右クリックし、「デバイス マネージャー」をクリックする
2.「ネットワーク アダプター」の「>」をクリックして開く
3.不要なネットワークアダプターを右クリックし、「無効」をクリックする
4.無効化したネットワークアダプターのアイコンに、「↓」が表示されていることを確認する
ネットワークアダプターのドライバーを再インストールする
インターネットへの接続状況が改善しない場合は、ネットワークアダプターのドライバーを再インストールすることで、解決する可能性があります。
Windows 11でネットワークアダプターのドライバーを再インストールする手順は、次のとおりです。
1.「スタート」を右クリックし、「デバイス マネージャー」をクリックする
2.「ネットワーク アダプター」の「>」をクリックして開く
3.ドライバーを再インストールしたいネットワークアダプターを右クリックする
4.「デバイスのアンインストール」をクリックする
5.「このデバイスのドライバーを削除しようとしました。」にチェックが入っていないことを確認し、「アンインストール」をクリックする
6.アンインストールが完了したら、「ネットワーク アダプター」の一覧から該当のネットワークアダプターが削除されていることを確認する
7.PCを再起動する
PCを再起動することで、自動的にネットワークアダプターのドライバーが再インストールされます。
参照:Windowsでドライバーを手動で更新する|Microsoft
契約中のプロバイダーに相談する
DNSサーバーの不具合の原因がわからない場合や、上記の方法を試すのが不安な場合は、契約中のプロバイダーに一度問い合わせてみることをおすすめします。
インターネットへの接続には問題がなく、DNSサーバー自体に不具合が生じている可能性もあるため、プロバイダーに相談することで解決するケースもあります。
なお、このような状況に陥った際にスムーズにプロバイダーへ連絡が取れるよう、あらかじめプロバイダーの連絡先や問い合わせ可能な時間帯などを把握しておくことが大切です。
DNSサーバーが頻繁に応答しない場合はパブリックDNSを使用する
プロバイダーと契約しているDNSサーバーが頻繁に応答しなくなる場合は、インターネットに接続していれば誰でも利用できるパブリックDNSの利用も検討してみるとよいでしょう。
プロバイダーと契約して利用するDNSサーバーよりもセキュリティ強度や応答速度は劣る面があるものの、パブリックDNSは多くのユーザーが一度に利用することを想定して設計されているため、契約中のDNSサーバーがユーザー数に対するスペック不足な場合は、パブリックDNSのほうが快適に使用できる可能性もあります。
パブリックDNSにはさまざまな種類がありますが、Googleが無料で提供している「Google Public DNS」が特におすすめです。
ここからは、Google Public DNSをWindows 10、11、Macで設定する方法をご紹介します。
Google Public DNSを設定する方法
Google Public DNSは、Googleの検索エンジンと連動しており、所持しているWeb上のドメイン情報をもとに、素早くIPアドレスへ変換できる点が特長です。
そのほかにも、なりすましによるサイバー攻撃の防止など高度なセキュリティ対策が施されているため、パブリックDNSの中でも安心して利用できるでしょう。
Google Public DNSをWindows 10、11、Macで設定する方法は、次のとおりです。
なお、Googleでも設定手順を紹介しているため、より詳しく知りたい方はGoogle Public DNSのガイドもご覧ください。
Windows 10
1.タスクバーの検索ボックスに「コントロール パネル」と入力し、「コントロール パネル」を起動する
2.「ネットワークとインターネット」をクリックする
3.「ネットワークと共有センター」>「アダプターの設定の変更」の順にクリックする
4.イーサネット接続(有線LAN)の設定を変更する際は「イーサネット」を右クリック>「プロパティ」、ワイヤレス接続(無線LAN)の設定を変更する際は「Wi-Fi」を右クリック>「プロパティ」の順にクリックする
5.「ネットワーク」タブが開いていることを確認する
6.「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」にチェックを入れる
7.「プロパティ」をクリックする
8.「次の DNS サーバーのアドレスを使う」にチェックを入れて、以下のIPアドレスを設定し、「OK」をクリックする
- 優先 DNS サーバー:8.8.8.8
- 代替 DNS サーバー:8.8.4.4
Windows 11
1.「スタート」をクリックする
2.「設定」をクリックする
3.「ネットワークとインターネット」をクリックする
4.設定を変更したいネットワークをクリックし、「追加のプロパティを表示」をクリックする
5.「DNS サーバーの割り当て」の「編集」をクリックする
6.「手動」をクリックする
7.「IPv4」をオンにして、「優先 DNS」に「8.8.8.8」、「代替 DNS」に「8.8.4.4」を設定する
8.IPv6を使用している場合は、「IPv6」をオンにして、「優先 DNS」に「2001:4860:4860::8888」、「代替 DNS」に「2001:4860:4860::8844」を設定する
9.「保存」をクリックしてPCを再起動する
Mac(Sonoma14.1.2)
1.「アップル メニュー」>「システム設定」>「Wi-Fi」の順にクリックする
2.接続済みのネットワークの右側にある「詳細」をクリックする
3.ポップアップ画面の左の項目の「DNS」をクリックする
4.「DNSサーバ」内の「+」をクリックして、以下のIPアドレスを入力する
IPv4の場合:8.8.8.8 または 8.8.4.4
IPv6 の場合:2001:4860:4860::8888 または 2001:4860:4860::8844
5.「OK」をクリックする
まとめ
この記事では、DNSサーバーが応答しないときに考えられる原因と解決策などをご紹介しました。「DNSサーバーは応答していません」と表示されたときは、まずインターネットに正常に接続できているか、アクセス集中によりサーバーがダウンしていないかなどを確認してみるとよいでしょう。
原因が明確にわからない場合は、PCやルーターを再起動したり、無線LAN子機を使用したりするなど、記事内でご紹介した解決策のうち実施しやすいものからお試しください。