お車代の封筒の選び方や相場、注意点を解説

お車代の封筒を選ぶ際は、相手に依頼した役割や金額に応じて、適切な装飾の封筒を選ぶことが大切です。この記事では、お車代の封筒の選び方や書き方、金額相場などについてご紹介します。似た言葉として使われる「お礼」や「心付け」との違いも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
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お車代とは
お車代とは、結婚式に出席したゲストへ渡す交通費です。お車代は大きく2種類に分けられ、遠方から来たゲストに対する交通費や宿泊費を指すタイプと、主賓や乾杯のあいさつなどを依頼したゲストへのお礼を指すタイプがあります。前者は文字通り遠方から来てもらったゲストの金銭的負担を補う目的で渡す一方で、後者は役割を引き受けてくれたことへの感謝の気持ちを伝える目的で渡す点で異なります。
「お礼」や「心付け」との違い
お車代と似た言葉に「お礼」や「心付け」があります。お車代は先述のとおり、遠方から来たゲストへの交通費や主賓などの大役を引き受けてくれたゲストへのお礼を贈る際に使われます。お礼は、結婚式での受付や余興、スピーチといった進行に関わる役割を務めてくれたゲストへの謝礼として使われ、お車代として渡す場合もあります。心付けは、式場のスタッフやカメラマン、ヘアメイクアーティストなどの謝礼を渡す際に使われることが多いです。
お車代やお礼はゲストに対して用いられるのに対し、心付けは式場スタッフなどの運営側に対して用いられる点が大きな違いだといえるでしょう。
お車代の封筒の選び方
お車代の封筒は、金額によって適切なものを選ぶとよいでしょう。封筒を購入できる場所についてもご紹介しているので、あわせてご覧ください。
2万円以上の場合は水引のついたご祝儀袋
1万円以上を包む場合は、のしがついた、結び切りの水引タイプの正式なご祝儀袋を選びましょう。水引つきのご祝儀袋を選ぶ際に注意しておきたい形や色は、次のとおりです。
結び切りタイプのものを選ぶ
ご祝儀袋には、結び切りタイプのものと蝶々結びタイプのものがあります。結び切りタイプは「一度きりが望ましいもの」、蝶々結びタイプのものは「何度あってもよいもの」を祝う際に使われます。そのため、結婚式のご祝儀には結び切りタイプを用いましょう。蝶々結びタイプのものは、「何度でも(縁を)結び直せる」ことを連想させてしまうため不適切です。蝶々結びタイプのご祝儀袋は、出産祝いや入学祝いなどで用いられます。
紅白の水引が一般的
水引の色は、慶事でよく用いられる「紅白」を選ぶとよいでしょう。ほかにも、「赤と金」「金と銀」なども慶事に用いることができますが、基本的に水引の色では紅白を選んでおくと安心です。なお、「白と黒」や「青と白」といった色の組み合わせは弔事の際に用いられる色のため、結婚式のご祝儀袋では選ばないようご注意ください。
10本ひと組のものを選ぶ
結婚では、10本ひと組の水引を選びます。出産や入学祝いなど結婚以外の慶事では、5本ひと組の水引を用いるのが一般的です。結婚は、「夫婦」や「両家」「慶びが重なる」などの意味合いから、5本の2倍である10本ひと組の水引が用いられます。
1~2万円の場合は略式のご祝儀袋
1~2万円の金額を包む際は、のしや水引が封筒に印刷されている略式のご祝儀袋がおすすめです。もちろん、1~2万円でも先述した水引つきのご祝儀袋を選んでも問題はありません。しかし、相手によっては、封筒の豪華さに中身が釣り合っていないと感じてしまうこともあるため注意が必要です。そのため、正式なご祝儀袋を使用する際も、装飾が派手すぎないデザインのものを選ぶことをおすすめします。
1万円以下の場合はポチ袋
5,000円、3,000円など1万円以下の少額を包む場合は、ご祝儀袋より小さなポチ袋を選ぶのがおすすめです。小さな袋に包むことで「気持ちばかりですが」といった謙虚な姿勢を示せます。ポチ袋の場合は、水引やのしが印刷されていないデザインのものを使用しても問題ないとされていますが、渡す相手の立場や関係性を意識しながら、水引やのしが印刷されたかしこまったデザインにするか、無地などのシンプルなデザインのものにするかを決めるとよいでしょう。
封筒は100均や文房具屋、雑貨屋で購入可能
ご祝儀袋やポチ袋は、ダイソー・キャンドゥなどの100円均一ショップや、ロフト・東急ハンズなどの文房具屋、雑貨屋の店舗やオンラインストアで購入できます。それぞれ、水引の種類別に展開されていたり、豊富なデザインの商品が用意されていたりするので、じっくり選ぶとよいでしょう。
なお、シンプルで一般的なデザインのご祝儀袋やポチ袋は、コンビニでも購入できます。それぞれ、基本的な包み方や封筒の書き方が同封されていることが多いため、初心者でも安心してお車代を包めるでしょう。詳しい包み方や封筒の書き方は、この後詳しく解説します。
封筒の表面の書き方
ここからは、お車代を包む際の封筒の書き方をご紹介します。
ご祝儀袋の場合
ご祝儀袋の場合、水引の上部に「御車代」と記載します。のしが付いているタイプのご祝儀袋の場合は、のしの上部に記載します。
水引の下部分やのしの下部には、新郎、もしくは新婦の名字を記載します。もし、渡す相手が新郎新婦どちらともお世話になっている相手の場合は、新郎と新婦の名字を連名で書くとよいでしょう。ご祝儀袋と中袋がセットになっている場合は、中袋にも同じ内容を記載します。
ポチ袋の場合
ポチ袋では、ご祝儀袋と同様に封筒の上部に「御車代」、封筒の下部に新郎もしくは新婦の名字を記載します。ポチ袋の場合、水引が印刷されているもの・されていないものの両方の形式がありますが、水引の有無にかかわらず、封筒の書き方は変わりません。
お車代を渡すタイミング・渡す人
お車代は、新郎新婦が直接渡すケースもありますが、多くの場合は受付時に新郎新婦の親もしくは受付係から渡します。主賓や乾杯のあいさつを行うゲストに対しては、役割を依頼した側(新郎または新婦)の親が渡します。そのほかのお車代は、親族には新郎新婦の親が、友人には新郎新婦の親または受付係から渡すのが一般的です。
なお、お車代は渡す相手によって金額が異なります。ご祝儀袋やポチ袋には相手の名前を書かないため、渡し間違いのないよう付箋を貼ったり、渡す人のリストを作って管理したりすることも大切です。
お車代の相場
ここではお車代の相場を、主賓や受付係など相手に依頼した役割別にご紹介します。なお、あくまで一般的な金額であり、相手との関係性や地域性によっても異なるため、親族やプランナーなどの意見も踏まえながら検討するとよいでしょう。
主賓・乾杯のあいさつを依頼した人
主賓や乾杯のあいさつを依頼した人には、1~3万円のお車代が相場です。結婚式の中でも重要な役割を担うため、後述する受付やウェルカムボードの作成を担当するゲストよりも高額に設定するとよいでしょう。
受付・余興・スピーチを依頼した人
受付や余興、スピーチを依頼した人には、3,000~5,000円のお車代が相場です。お車代として金銭を包むのではなく、金額と同等の品物を贈ることもあります。
ウェルカムボードの作成を依頼した人
ウェルカムボードの作成を依頼した人には、作成にかかった費用+αで渡すことが多いです。ウェルカムボードの作成には手間や時間を要するため、作成費以外にも金額を上乗せしたり、品物を贈ったりしてお礼の気持ちを示すとよいでしょう。
遠方から来たゲストへの交通費
遠方から来たゲストには、交通費+宿泊費の半額~全額を渡すのが一般的です。交通費や宿泊費は、ゲストの居住地から会場までにかかる金額や宿泊費を大まかに新郎新婦側で計算して包みます。遠方から来るゲストの基準は明確に定められていないものの、交通費や宿泊費を合わせて2万円以上かかる場合、遠方と判断するケースが多いです。
お車代を渡さないケース
友人間で結婚式の日程が近く、お互いが会場を行き来し同等の交通費や宿泊費がかかる場合は、お互いさまとしてお車代を渡さないこともあります。このようなケースに当てはまりそうな場合は、あらかじめ相手と相談し、認識を擦り合わせておく必要があります。
お車代の包み方
封筒にお車代を包む際は、お札の向きや新札を用意するべきかなど、気になる点も多く浮かぶのではないでしょうか。ここでは、お車代の正しい包み方をご紹介します。
お札の肖像画を上に向けて入れる
封筒にお札を入れる際は、封筒の表面(封をする部分がないほう)とお札の表面(肖像画が印刷されているほう)を合わせて入れます。このとき、お札の肖像画が上になるよう向きを整えることが大切です。
ポチ袋の場合は、お札を三つ折りにして封筒に入れる必要があります。三つ折りは、お札の表面を上に向けて、左側、右側の順番で折り曲げます。
新札を用意する
慶事で用いるお車代を包む際は、必ず新札を用意しましょう。折り目のついたものや、しわがあるものはマナー違反となります。新札が手元にない場合は銀行で交換できますが、一度に交換できる枚数に限りがあることや、銀行が混み合うことを考慮して、余裕をもってお札を用意しておくよう意識しましょう。
お車代の封筒を書く際の注意点
お車代の封筒は、基本的に黒の筆記用具を用いて手書きで書くことが一般的です。グレー(薄墨)色は弔事に用いられる色のため、必ず黒色で書くようにしましょう。
筆記用具では、毛筆や筆ペンがあげられますが、黒のサインペンやボールペンでも問題はないとされています。なお、鉛筆や消せるボールペンなど、文字が簡単に消えやすい筆記用具を用いるのはマナー違反なので避けましょう。
自身できれいに書ける自信がない場合
封筒の文字は自身で手書きすることで、相手に丁寧な印象が伝わりやすいものの、「筆の扱いに慣れていない」「きれいに書ける自信がない」「手をけがしてしまい筆記用具が持てない」などの場合は、印刷や代筆といった方法で書くこともできます。
印刷する
印刷する場合は、PCに含まれるフォントの中から自由な書体を選べるため、毛筆に自信がない方でもきれいに文字を書くことができます。また、見本を印刷して写して書くのもよいでしょう。市販のご祝儀袋やポチ袋では、「お車代」の文字がすでに印刷されている商品もあります。
代筆を頼む
封筒への代筆は、封筒の販売店やブライダルサービスの一環で実施していることがあります。自身で書くのではなくプロに依頼したい場合や、封筒の数が多く対応しきれない場合におすすめです。なお、代筆依頼時に料金が別途必要になることもあるため、ご注意ください。
お車代に関するQ&A
最後に、お車代に関するよくある疑問についてご紹介します。
お車代は不要と聞いていた人が遠方から来た場合は?
招待状を送った後に引っ越した場合や、招待状の送付先と現住所が異なっていた場合など、招待状上では近隣に住んでいる人が、実際は遠方から来ることもあります。本人から引っ越した旨や現住所を連絡してもらえない限り気づけないことが多いため、当日に交通費や宿泊費を渡せるよう、いくつか余分にお車代を包んでおくことをおすすめします。
お車代を渡しそびれてしまった場合は?
お車代を受付時に渡せなかった場合は、お色直しの時間に親や受付係、スタッフなどから渡してもらうよう手配しておくことで、当日中に渡せるでしょう。当日中に渡せなかった場合は、相手におわびの連絡を入れ、後日直接手渡しするか、現金書留で送付しましょう。相手との関係性によっては、お車代と同等の金額の品物を贈る方法もあげられます。
遠方からのゲストが相乗りで来た場合は?
同じ地域から会場へ向かう場合、ゲスト同士で1台の車を相乗りして来るケースもあります。このとき、乗車している人たちでガソリン代や高速料金を折半することが多いため、お車代を渡す際は乗車する人全員に渡すのが適切といえます。もちろん、ドライバーが全額負担するケースもあるため、状況に合わせて渡す人や金額を判断しましょう。
まとめ
この記事では、お車代の封筒の選び方や書き方、金額の相場などについてご紹介しました。お車代を包む際は、相手に依頼した役割に応じて金額を決め、金額に適した封筒を選ぶとよいでしょう。ご祝儀袋を用いる際は、水引の選び方も重要なため、記事でご紹介した内容をぜひご活用ください。