パンくずリストはいらない?SEOにもたらす効果や設置方法を紹介

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Webサイト運営者の中には、パンくずリストを設置するべきか悩む方が多く、「どのような効果があるのか」「自サイトではいらないのではないか」といった疑問もあるでしょう。

そこで、この記事ではパンくずリストの概要からSEOにもたらす効果、いらないと感じる理由などをご紹介します。

執筆者

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

いらないと言われる「パンくずリスト」とは

パンくずリストとは、Webサイトで現在見ているページの階層を表すリンクのことです。

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上図の例では、タイトルの上部にパンくずリストが表示されており、トップページ配下のBLOGカテゴリの中に記事があることがわかります。

これが表示されていると、ユーザーがサイト内での現在地の把握や前の階層に戻ることが可能になるため、大規模なサイトや階層が深いサイトでも迷わずに移動ができるでしょう。

次に、パンくずリストの種類をご紹介します。

パンくずリストの種類

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パンくずリストの種類には、位置型・属性型・パス型の3つがあります。ここでは、これらのパンくずリストについてご紹介します。

位置型パンくずリスト

位置型パンくずリストとは、先述したように階層が表示されていてユーザーが現在地を把握できるパンくずリストのことで、最も一般的に使われています。「トップページ>カテゴリ>記事」のように表示されるため、検索結果からアクセスした際にも現在地がわかりやすく、階層の移動が容易にできて回遊性や利便性が向上します。

属性型パンくずリスト

属性型パンくずリストとは、閲覧しているページの性質や特徴で絞り込んだ際に表示されるパンくずリストです。

例えば、ECサイトなどで商品を探す際に、「形>サイズ>値段>商品」のように絞り込むとします。この場合は「四角>10cm以内>1,000〜2,000円>○○(商品名)」といったかたちでパンくずリストが表示されますが、「四角>1,000〜2,000円>○○(商品名)」でも商品ページにたどり着くことは可能です。

このように、検索フィルターによっては複数の方法で同じページにたどり着ける際に、どのように絞り込んだのか過程がわかりやすくなります。ECサイトや不動産サイトなど条件を絞り込んで検索するサイトで主に使われています。

パス型パンくずリスト

パス型パンくずリストとは、サイト内でユーザーが閲覧した履歴を表示するパンくずリストのことです。例えば、以下のようにユーザーが同じページを見たとしても、閲覧履歴が異なれば表示されるリストも異なります。

  • ユーザーA「ページA>ページB>ページC>ページD」
  • ユーザーB「ページC>ページE>ページA>ページD」

パス型パンくずリストによってユーザーがどのページをたどってきたのかがわかりやすくなり、前のページにも戻りやすくなります。ただし、これはブラウザの「戻る」ボタンと役割が同じであるため、現在ではほとんど利用されていません。

ここまでで、パンくずリストの種類をご紹介し、それぞれがユーザーにとって便利なものであることがわかりました。しかし、ユーザーだけでなくSEO対策にも効果はあるのでしょうか。次では、パンくずリストがもたらすSEO効果についてご紹介します。

パンくずリストがもたらすSEO効果

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パンくずリストにはクローラーが巡回しやすくなったり、CV(コンバージョン)や滞在時間が向上したりするといったSEO効果が期待できます。ここでは、これらの効果について詳しくご紹介します。

クローラーが巡回しやすくなる

パンくずリストを設置することで、検索エンジンのクローラーにサイトの階層構造を伝えられるため、巡回されやすくなります。

検索エンジンでは、クローラーがページを認識し、アルゴリズムによって内容を評価して検索結果に反映しますが、サイトの階層が深くなったり、複雑だったりするとクローラーが巡回しにくくなり、ページがインデックスされなくなる可能性があります。

これにより、検索結果にも表示されなくなる恐れがあるため、パンくずリストを活用してクローラーが巡回しやすくするとよいでしょう。

CVや滞在時間が向上する

パンくずリストを活用することでユーザーがトップページやカテゴリページなどに移動しやすくなるため、利便性が向上します。

属性型パンくずリストの例では、「形>サイズ>値段>商品」と表示されている場合、値段やサイズの指定を変更する際に、パンくずリストから簡単にこれらを指定できる画面に戻れるようになります。

サイトの利便性が向上すると商品の購買につながりやすくなり、階層が深いサイトでも現在地を把握できるため、CVや滞在時間の向上も期待できるでしょう。

クリック率が向上する

パンくずリストを構造化データマークアップという手法を用いて設置すると、下図のように検索結果に表示されます。

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これにより、ページがどのカテゴリに属しているのかがわかり、ユーザーが検索結果からでもどのような記事なのかを把握できるため、クリック率の向上が期待できるでしょう。

Googleでもこのことについて以下のように言及していますので、構造化データを用いて設置するのがおすすめです。

ほとんどのパンくずリストでは、最初の左端のリンクとして最も一般的なページ(通常はルートページ)を置き、右側に向けてより具体的なセクションを並べています。パンくずリストを表示する場合は、パンくずリストの構造化データのマークアップを使用することをおすすめします。

引用:Google 公式 SEO スターター ガイド|Google 検索セントラル

検索順位が向上する

パンくずリストによって利便性やクリック率が向上すると、ユーザーから高い評価を受けているページとしてGoogleからも高評価を得られるため、検索結果の上位に表示される可能性があります。また、クローラビリティの向上によってページが適切に評価されるようになることも順位向上の要因となります。

ここまでで、パンくずリストのSEO効果をご紹介しました。しかし、サイト運営者の中にはパンくずリストをいらないと感じる方もいるかもしれません。次では、そのように感じる理由について、必要性や対処法も踏まえてお伝えします。

パンくずリストがいらないと感じる理由

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パンくずリストがいらないと感じてしまう理由には、スマートフォンでは使用されにくいことや、サイトの階層が少ないことなどがあげられます。ここでは、これらの理由について詳しくご紹介します。

スマートフォンでは使用されにくい

スマートフォンでは、ユーザーがタップやスワイプのように直感的な操作でページを閲覧するため、PCよりもパンくずリストが使われない傾向があります。また、画面が小さいため、ユーザーが操作する際にパンくずリストを誤ってタップしてしまうなどで不便に感じさせてしまうこともあるでしょう。

しかし、スマートフォンにおいてもパンくずリストによるSEO効果が期待できるため、ユーザーが不便に感じないサイズや位置を意識して設置することが大切です。

サイトの階層が少ない

階層構造がないLPのようなサイト構造である場合はパンくずリストが不要ですが、階層があるサイトでも2〜3階層程度であればパンくずリストはいらないと判断されがちです。

しかし、2〜3階層程度であっても、パンくずリストによってサイトの利便性は高まるため、設置するのがおすすめです。

パンくずリストの表示が増えすぎる

ユーザーがたどったページ数が多くなったり、階層が深くなったりするとパンくずリストに表示されるナビゲーションも増えていきます。しかし、これが増えすぎてしまうと、パンくずリストから移りたいページを探すのが大変になり、ユーザーにとって不便に感じるかもしれません。

そのため、パンくずリストが増えすぎる可能性がある場合は、表示される数の上限設定や表示スペースの調整などを行うとよいでしょう。

ここでは、パンくずリストがいらないと感じる場面でも設置の必要性や対処法があることがわかりました。次では、パンくずリストを設置する方法をご紹介します。

パンくずリストを設置する方法

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パンくずリストを設置する方法には、WordPressプラグインの活用やHTML・構造化データでの設置があげられます。ここでは、それらの方法について詳しくご紹介します。

WordPressプラグイン

パンくずリストを設置できるプラグインには、以下があげられます。

  • Breadcrumb NavXT
  • Yoast SEO
  • Rank Math

それぞれで特徴が異なるため、ここでそれらの違いを理解して適したプラグインを利用しましょう。

Breadcrumb NavXTは、パンくずリストの設置に特化したプラグインです。柔軟なカスタマイズが可能なため、ユーザーが不便に感じない、かつサイトに合ったデザインで設定できます。

Yoast SEO

Yoast SEOは、世界中の企業・個人サイトに使われているSEO対策用のプラグインです。タイトルやディスクリプションの文字数が適切かを判断したり、SEO対策で不足している部分を解析して表示したりするといったSEO対策をサポートする機能が豊富に含まれています。その中にパンくずリストを表示する機能もありますので、設置だけでなくSEO対策も強化したい場合に活用できます。

Rank Math

Rank MathもSEO対策用のプラグインです。GA4(Google Analytics 4)やGoogle Search Consoleと連携でき、データをWordPress上で確認することが可能です。このプラグインにもパンくずリストを追加できる機能があるため、設置とデータ分析も行いたい場合におすすめです。

HTML

HTMLコードでパンくずリストを設置する際は、タグの中に以下のように記述します。

<div id="breadcrumb">
    <ul>
        <li><a href="index.html">TOP</a></li>
        <li><a href="https://example.com/category1">階層1</a></li>
        <li><a href="https://example.com/category1/category1-1">階層2</a></li>
    </ul>
</div>

階層の深さによって<li>タグの数が変わるため、自サイトに適した数で記述しましょう。

構造化データ

構造化データを記述することで、パンくずリストの階層構造や具体的な内容をクローラーに伝えられます。Googleでは、構造化データのマークアップ方法として「JSON-LD」形式での記述が推奨されており、その形式の記述例は以下のとおりです。

<script type="application/ld+json">
{
    "@context": "https://schema.org",
        "@type": "BreadcrumbList",
    "itemListElement": [
    {
        "@type": "ListItem",
        "position": 1,
        "item":
        {
            "@id": "https://example.com/",
                "name": "TOP"
        }
    },
    {
        "@type": "ListItem",
        "position": 2,
        "item":
        {
            "@id": " /category1/",
            "name": "カテゴリ1"
        }
    },
    {
        "@type": "ListItem",
        "position": 3,
        "item":
        {
            "@id": "/category1-1/",
            "name": "カテゴリ1-1"
        }
    }
]
}
</script>

上記のように記述することで、構造化データでの設置が可能になります。コードを正しく記述できているかを確認する際は、Googleの「リッチリザルト テスト」でコードを貼り付けてテストしてみるとよいでしょう。

ここでは、パンくずリストを設置する方法をお伝えしましたが、設置する際には注意すべき点もありますので、次でご紹介します。

パンくずリストを設置する際の注意点

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パンくずリストを設置する際はスマートフォンでも表示を確認する、ページ上部に設置するといった注意点があげられます。ここでは、それらの注意点について詳しくご紹介します。

スマートフォンでも表示を確認する

「スマートフォンでは使用されにくい」で述べたように、スマートフォンではパンくずリストが誤ってタップされることがあり、ユーザーが不便に感じる可能性があります。そのため、設置した際はPCだけでなくスマートフォンでもパンくずリストが誤タップされる位置になっていないか、目立ちすぎるデザインになっていないかなどを確認し、ユーザーの利便性を損なわないようにすることが大切です。

ページ上部に設置する

パンくずリストはページの上部に設置しましょう。上部に設置することで、ユーザーが現在地や閲覧しているページが、どのカテゴリに属しているのかなどをすぐに把握できるようになります。ユーザーの利便性も考慮すると、上部に設置するのがおすすめです。

ファーストビューで目立たないようにする

パンくずリストをページの上部に設置すると、ユーザーがページを開いたときにスクロールせずに目に入る「ファーストビュー」の部分に表示されるようになります。そこで、タイトルなどのユーザーにとって重要度が高い部分より目立たせてしまうと、パンくずリストのほうが先に目に入ってしまい利便性が下がる恐れがあります。そのため、パンくずリストがファーストビューで目立ちすぎないデザインにしましょう。

パンくずリストに現在地まで含めない

パンくずリストには、今いる位置までリストに含めないようにするのがおすすめです。

例えば、ページAを閲覧している場合のパンくずリストは「トップページ>カテゴリ1>カテゴリ1-1>ページA」とするのではなく、「トップページ>カテゴリ>カテゴリ1-1」と表示します。前の階層までしか表示していなくても、ユーザーは現在見ているページが前の階層に含まれているとわかるため、現在地も把握できます。

ただし、階層が3つまでしかないなどで深くない場合は、表示が見づらくならなければページタイトルを含めても問題ありません。

階層を5つまでにする

パンくずリストに表示する階層の数は、トップページから最大でも5つまでにするとよいでしょう。これ以上階層を表示するとパンくずリストが長くなり、先述したようにユーザーが不便に感じてしまうかもしれません。サイトの階層が深い場合は、カテゴリを細分化するなどの工夫によって階層を少なく抑えられる可能性があるため、構造の見直しも検討することをおすすめします。

まとめ

この記事では、パンくずリストの概要からSEO効果、いらないと感じる理由などをご紹介しました。パンくずリストとは、Webサイトで現在見ているページの階層を表すリンクのことで、位置型・属性型・パス型の3種類があります。

パンくずリストを適切に設置することで、クローラーが巡回しやすくなったり、CVや滞在時間が向上したりするといったSEO効果が期待できるでしょう。

しかし、いらないと感じる理由もあり、スマートフォンでは使用されにくい、サイトの階層が少ないなどがあげられます。このような場合でもSEO効果は期待できるため、WordPressプラグインや構造化データなどを活用してパンくずリストを設置するとよいでしょう。

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