パソコン買い替えにともなうデータ移行方法│準備作業と注意点も解説

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この記事では、パソコンの買い替えにともなうデータ移行の方法をわかりやすく解説します。
パソコンをはじめて入れ替える方の中には、どのようなデータをどのような手順で移行したらよいかわからないという方も多いでしょう。
移行前に必要な準備作業・データ移行時の注意点もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

パソコン買い替えにともなうデータ移行準備作業

パソコン買い替えにともなうデータ移行をスムーズに行うために、準備作業として主に次の3つの作業が重要になります。

ログイン情報のピックアップと整理

パソコンを利用していると、Webサイトへのログイン、各種アプリケーションを立ち上げた際のログインなど、「ID」・「パスワード」が求められるケースが多くあります。普段はブラウザやアプリ自体にログイン情報を記憶させていて、初回利用以降、手入力をしたことがないという方も多いでしょう。

日頃から利用するWebサイトやアプリで、ログイン情報を古いパソコンに記憶させているものがあれば、メモ帳などに書き出しましょう。

また、「Microsoft Edge」や「Google Chrome」などのブラウザでは、保存しているパスワードを「CSVデータ」としてエクスポートする機能が搭載されていますので、この機能を活用してUSBメモリにCSVデータを保存、買い替えたパソコンでCSVデータをインポートすることで簡単にログイン情報が移行できます。

有料ソフトの移行方法確認

有料で購入したソフトがある場合には、利用中のソフトによりライセンス移行の手順が異なりますので、メーカーのWebサイトにて手順を確認する必要があります。

例えば、古いパソコンに有料のウイルス対策ソフトをインストールしていて、新しく買い替えたパソコンで引き続き利用したい場合、古いパソコンでのライセンス認証を解除・ソフトの利用を停止したうえで、新しいパソコンへのインストール・ライセンス認証などの手続きを行います。

なお、古いパソコン購入時にWordやExcelなどのOffice製品がインストールされていた場合、ライセンスは古いパソコンでのみ有効なため、新しいパソコンに移行できません。買い替えたパソコンでもOffice製品を利用したい場合には、Office付のパソコンを購入もしくはOffice製品のライセンスを別途購入する必要がありますので、注意が必要です。

移行データのピックアップと整理

データ移行の準備として、移行するデータと移行しないデータの整理をしましょう。整理の過程で見つけた今後まったく使用予定のないデータを削除することで、移行データを減らすことができ、作業時間の短縮につながります。

移行するデータは一ヶ所にまとめておくと、その後の移行作業がスムーズになります。例えば、デスクトップに新しいフォルダをひとつ用意し、フォルダ名を「移行するデータ」や「古いパソコンのデータ」などの名前をつけて移行予定のデータを保存していきましょう。

さまざまな場所に保存されているデータをひとつひとつ移行していくよりも、フォルダごと移行を行えるため、作業を効率的に行えます。

パソコン買い替え時のデータ移行方法【Windows10版】

ここでは、パソコン買い替え時のデータ移行を安全かつ効率的に行える方法を3つご紹介していきます。

外付けストレージ(SSDやHDD)を利用したデータ移行方法

まず、SSD(ソリッドステートドライブ)やHDD(ハードディスク)などの外付けストレージを利用したデータ移行の方法について解説します。

古いパソコンに外付けストレージを接続して、移行するデータをいったんSSDやHDDに保存します。保存が完了したら外付けストレージを買い替えたパソコンに接続し、SSD・HDD内のデータを新しいパソコンに移行するだけで作業が完了します。

現在市販されているSSD・HDDは最低でも128GB以上で、1TBを超えるストレージも珍しくありません。そのため、移行データの容量が多くてもこの方法で対応可能です。

作業手順が簡単で、大容量のデータ移行も行えるため、パソコンにあまり詳しくない初心者の方にもおすすめの方法です。

小容量のデータ移行に適したUSBメモリは比較的安価で購入できますが、外付けストレージ、特にSSDは金額的に高くなることが多いためコスト面がデメリットといえます。

OneDriveを利用したデータ移行方法

次に「OneDrive」を利用したデータ移行の方法をご紹介します。

「OneDrive」は、Microsoft社が提供する「オンラインストレージサービス」で、インターネット上にファイルやデータなどを保存する場所(オンラインストレージ)を無料で5GBまで利用できます。利用にあたっては、Microsoftアカウントの登録が必要です。

有料プランに加入することで利用できる容量を増やせますが、移行するデータが文書などの比較的軽いものが中心で5GB以内で収まる場合には無料プランのままでも十分活用できるでしょう。

古いパソコンで、移行データを「OneDrive」にいったん保存し、保存が完了したら買い替えたパソコンで「OneDrive」にアクセスし、先ほど保存したデータを新しいパソコンに移行すれば作業完了です。

「OneDrive」へのデータ保存はネット回線を利用するため、外付けストレージに保存する場合よりもアップロードのための時間が掛かる点、漏えいのリスクがあり重要なデータは扱えない点がデメリットといえるでしょう。

OS搭載機能を利用したデータ移行方法

最後に、Windows10に標準搭載されている「システムイメージの作成」機能を利用したデータ移行の方法をご紹介します。

この移行方法の大きなメリットは、OSの設定を含む古いパソコンのWindowsの状態を買い替えたパソコンで再現できる点です。

「Windows」ボタンを押して、表示されるアプリの一覧の中から「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」の順にクリックしましょう。「コントロールパネル」が表示されたら、「システムとセキュリティ」の中の「バックアップと復元(Windows7)」をクリックします。メニューから「システムイメージの作成」を選択すると、バックアップの保存先が確認されますので、外付けストレージ・DVDなどのメディア・ネットワーク上の場所から選択し「次へ」、「バックアップ開始」をクリックします。

復元するときは、買い替えたパソコンでも同様の手順で進め、「システムイメージの作成」のところで、「復元」を選択すると、古いパソコンのWindows環境が復元されます。

ただし、システムイメージは、すべてのデータ・設定のバックアップや復元を保証するものではないため、重要なデータは念のため、個別にバックアップを取っておきましょう。

パソコン買い替えにともなうデータ移行の際の注意点3つ

パソコン買い替えにともなうデータ移行にあたっては、注意すべき点が3つありますのでご紹介していきます。

データ移行時の破損・紛失・漏えいリスク

外付けストレージ・OneDrive・Windows10搭載機能のいずれの方法でデータ移行を行っても、バックアップや復元の過程で、データの一部もしくは全部の破損や紛失のリスクがともないます。このため万が一に備え、大切なデータはあらかじめ個別にバックアップをしておくことをおすすめします。

また「OneDrive」のようなオンラインストレージを利用してデータ移行する場合には、一時的にでもインターネット上にデータを保存することになり、情報漏えいのリスクがあります。企業の機密情報・顧客情報・社員情報などの重要なデータの移行にあたっては、オンラインストレージ以外の移行方法を検討しましょう。

データ移行は時間に余裕を持って作業

データ移行に必要な時間は、パソコンの処理性能や移行データの容量によって大きく変動します。パソコンが古く性能が低い場合や移行データに映像などの大容量のデータを含む場合には、数時間、場合によっては1日作業になることも考えられます。また移行作業中にパソコンを操作するとトラブルの原因になることもあるため、移行が終わるまではパソコンに触れないようにすることも大切です。

データ移行は、時間と労力が必要な作業であることから、できるだけ営業時間中の実施を避け、営業時間外に余裕を持って作業することが重要といえるでしょう。

古いパソコンの処分には時間と費用が必要

パソコンは「資源有効利用促進法」の対象製品であり、データ移行が終わり不要になったからといって粗大ごみに捨てるわけにはいきません。

無料の回収サービスも提供されていますが、記憶媒体からの情報漏えいリスクを考慮すると、例え有料であってもパソコンメーカーや国や市区町村の指定する業者に回収を依頼するのが安心です。またパソコン内には、個人情報やクレジットカード情報などの重要情報が保存されていることもあり、処分する前にこれらのデータを完全に消去しなければなりません。

パソコンは簡単には処分できず、法律にしたがって安全に処分するためには、データ消去のための作業時間や処分費用が発生する点に注意が必要です。

パソコンの買い替えならレンタルPCがおすすめ

会社資産としてパソコンを保有する場合には、パソコンの老朽化やWindowsのサポート終了などにより、まとまった台数のパソコンを一斉に入れ替えることで多額のイニシャルコストが発生します。また入れ替えの都度、今回ご紹介したデータ移行作業、不要パソコンの処分費用などが必要になります。

この点、レンタルPCを利用するとイニシャルコストを抑制できるのに加え、「データレスPC」ではローカルにデータを持たないため、移行作業も不要になります。またレンタル終了後は、簡単な手続きで返却可能なため、処分に関する費用・手間も減らせます。

パソコンを保有する場合に比べ、さまざまなメリットを有するレンタルPCをぜひご検討ください。

まとめ

パソコンの買い替えにともなうデータ移行の方法を解説しました。比較的簡単に作業を行える外付けストレージ・OneDrive・Windows10搭載機能を利用した3つの方法をご紹介しましたが、いずれの場合にもある程度まとまった時間と労力が必要です。またデータ移行後は、情報漏えいに注意して古いパソコンのデータ消去、法律にのっとった処分が求められますが、レンタルPCを使用すればこれらの手間を省くことが可能です。当記事を参考に安全にデータ移行を行うとともに、この機会にぜひレンタルPCの活用もご検討ください。