ペルソナを心理学とマーケティングそれぞれの観点から解説

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「ペルソナ」はもともと心理学から生まれた概念ですが、マーケティングの世界でも広く使われています。ただし、マーケティングにおいては異なる意味合いで使用されているため、注意が必要です。

この記事では、ペルソナの心理学・マーケティングにおけるそれぞれの意味と、マーケティングにおいて重要視されている理由についてご紹介します。

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

心理学におけるペルソナの意味

心理学におけるペルソナは、心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した概念であり、古代ローマ時代に役者が身につけていた「仮面」を語源としています。

家族や友人の前ではくだけた話し方で接していても、上司や先輩の前では敬語を使い丁寧な振る舞いを見せるなど、日常生活や仕事中はありのままの自分ではなく、そのときの自身の役割や立場、状況に合わせて相手とのコミュニケーション方法を変えている方がほとんどなのではないでしょうか。

ユング心理学のペルソナでは、人間が家族に見せる自分と友人に見せる振る舞い、会社で見せる振る舞いなどはそれぞれ異なっており、このようなさまざまな自身の姿を無意識のうちに使い分けていることについて言及しています。人間は、「息子」や「親」としてのペルソナ、「親友」としてのペルソナ、「上司」としてのペルソナなどさまざまな姿を使い分け、それぞれの立場やシチュエーションに合わせた態度や行動を取ることで、社会に順応しているのです。

マーケティングにおけるペルソナの意味

マーケティングにおいてもペルソナの概念は活用されていますが、先述した心理学でのペルソナとマーケティングでのペルソナでは意味が異なります。

マーケティングにおけるペルソナは、自社の商品やサービスを利用する顧客像を具体化させたものを指します。「20代女性」といったざっくりした顧客像ではなく、実際に存在するかのような顧客像がペルソナに当てはまります。なお、「20代女性」「東京都に住む男性」などの大まかに設定した顧客像はターゲットと呼ばれ、ペルソナとは設定する情報の粒度が異なります。

ペルソナでは氏名や年齢、居住地、学歴や職歴、勤務先、家族構成、趣味、ライフスタイルなどを細かく作り上げます。このように詳細な情報まで具体的に設定することで、自社の商品やサービスを売り込むべきユーザーはどのような人物なのかを明確にできます。

なぜマーケティングでペルソナが重要なのか

マーケティングではペルソナを作り込むことで顧客目線でのアプローチを可能にするなど、ペルソナの設定が重要視されています。マーケティングにおいてペルソナが重要とされる理由は、次のとおりです。

顧客エンゲージメントを高められる

ペルソナを作り込むことで顧客理解を深められるため、顧客に合ったサービスを提供しやすくなり、顧客エンゲージメントを高められます。顧客の求める商品やサービスを展開することで、顧客は企業やブランドに信頼を寄せるため、繰り返し自社を利用してくれるファンの獲得や、ブランド力の強化にもつながります。

ビッグデータから鮮明な顧客像をイメージしやすくなる

近年ではSNSやWebサイト、アクセスログなどさまざまな場所から収集される膨大な量のデータ(ビッグデータ)の分析や活用が行われています。このようなビッグデータの分析や活用により、ユーザーのさまざまな興味関心や行動履歴を読み取れるようになりました。

そのため、これまでターゲットやペルソナを設定してもアプローチがうまくいかなかったという企業においても、ビッグデータを用いながらペルソナをイメージすることで、より精度の高い顧客像を作り込めるようになったことから、企業でのペルソナの活用が注目されています。

複雑化する市場やユーザーニーズに対応できる

SNSや動画サイト、ECサイト、Web広告などさまざまな経路でユーザーは情報を集め、商品やサービスを比較検討できるようになりました。また、このような多岐にわたるツールからユーザーが企業やブランドへ求めるニーズも多様化し、市場やユーザーニーズの複雑化が進んでいます。このとき、どのような顧客を狙うのかが明確になっていない場合、ターゲットの軸がぶれてしまい、適切なアプローチができなくなってしまいます。

そこでペルソナを作成することで、詳細な要素まで作り込めるため、多様化する市場やニーズの中でも、特定のターゲット層に狙いを定めてアプローチすることができます。

まとめ

この記事では、ペルソナの心理学・マーケティングにおけるそれぞれの意味と、マーケティングにおけるペルソナが重要視される理由についてご紹介しました。

多様化する市場やニーズの中で、ペルソナを作り込むことで、企業やブランドが狙うべきユーザーを絞り込んでアプローチできるため、顧客目線での施策を打ち出しやすくなります。どのようにペルソナを設定するか、具体的な方法を紹介している記事もあるため、ぜひあわせてご覧ください。

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