noteの手数料はいくら?販売形態別の仕組みと手取り額を徹底解説
noteで有料記事やメンバーシップを始めようとすると、多くの人が最初に気になるのが「手数料はどれくらい引かれるの?」という疑問です。
実際、noteの手数料体系は「事務手数料」と「プラットフォーム利用料」「振込手数料」が組み合わさっており、初めての人にとっては少し複雑に感じることもあります。手取り金額が思ったより少なくなるのでは…という不安を抱えている方も多いはずです。
この記事では、noteの手数料をわかりやすく整理し、有料記事・メンバーシップの違いや手取り額の計算方法、損をしない販売設計のポイントまで丁寧にご紹介します。
執筆者
マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
noteの手数料はどれくらい?まず全体像を理解しよう
最初に理解すべきなのが「noteの手数料の全体像」です。手数料は有料記事やメンバーシップなど販売形態ごとに構成が異なり、事前に把握しておかないと手取り額の想定がずれてしまうことがあります。この章では、noteで収益化をする際に必ず押さえておきたい基本構造を整理し、後の詳細理解がスムーズになるように全体像から順に解説していきます。
noteの手数料体系は事務手数料・プラットフォーム利用料・振込手数料で構成される
noteで発生する手数料は、大きく「決済手数料」と「プラットフォーム利用料」「振込手数料」の3つに分けられます。決済手数料はクレジットカードやキャリア決済などの支払い方法に応じて発生し、プラットフォーム利用料はnoteが提供する販売システム・機能・運営コストに対してかかる利用料です。
これらが合算されて売上から差し引かれるため、実際の手取り額は「表示価格=収入」ではありません。収益化を始める前にこの仕組みを理解しておくことで、売上予測や価格設定が格段にしやすくなります。
決済手段による手数料の違い(事務手数料)
前章でご紹介したとおり、noteには事務手数料があり、同じ販売価格でも決済手段によって手数料がわずかに異なる場合があります。この違いを理解していないと、想定より手取りが少なくなるケースや、収益計画にブレが生じることがあります。この章では、代表的な決済手段ごとの特徴と注意点を整理し、より正確な収益予測ができるようポイントをまとめていきます。
クレジットカード決済の手数料
noteで最も一般的に利用されているのがクレジットカード決済です。カード会社の処理手数料が含まれるため、決済額に応じて5%の事務手数料が差し引かれる仕組みになっています。 クレジットカード決済は最も事務手数料が低い決済手段となるため収益化のメインとなるでしょう。
キャリア決済の手数料
キャリア決済はドコモ、au、ソフトバンクなど携帯電話会社を通じて支払いが行われる方式で、ユーザーにとって手続きが簡単な点が大きな魅力です。
ただし、キャリア側の決済手数料が加わるため、クレジットカード決済よりも手数料率が高い15%が差し引かれます。そのため、購入者がキャリア決済を選んだ場合、制作者側の手取り額は若干低くなります。
PayPay・Amazon Pay・noteポイント・PayPal決済の手数料
クレジットカード、キャリア決済以外では、PayPay・Amazon Pay・noteポイント・PayPal決済が可能です。
PayPay・Amazon Payは7%、noteポイントでは10%、PayPalでは6.5%の事務手数料がかかります。読者がどの支払い方法を使いやすいか、また手数料の差が収益にどの程度影響するかを把握しておくことで、価格設定や販売方針を柔軟に調整できるようになります。
noteの販売形態により手数料の違い(プラットフォーム利用料)
前章では、決済手段別に事務手数料が異なることをご紹介しましたが、ここからは販売形式ごとの違いをより深く理解する必要があります。
同じnote内でも、有料記事・メンバーシップと定期購読マガジンでは手数料の割合が微妙に異なり、実際の手取り額に影響を与えます。この章では、それぞれの販売方式の特徴と注意点を順に解説し、誤解のない収益設計ができるよう整理していきます。
有料記事・有料マガジン・チップ・メンバーシップの手数料
有料記事・有料マガジン・チップ・メンバーシップでは、売上金額から事務手数料を引いた金額に10%を乗じた額がプラットフォーム利用料として差し引かれます。
特に注意したいのは、決済手段によって差し引かれる事務手数料がわずかに変動する点と、価格が低すぎると手数料負担が相対的に大きくなる点です。安価な記事ほど利益率が下がりやすいため、価格設定は手取り額を意識して行うことが収益性を高めるための重要なポイントになります。
定期購読マガジンの手数料
定期購読マガジンは、月額制でnoteを販売できる機能です。
クリエイターがまとめた記事をまとめて販売できる有料マガジンに似ていますが、定期購読マガジンでは販売前に運営事務局の審査があることや、noteプレミアム(有料会員)への加入が必要な点などに違いがあり、定期購読マガジンのみプラットフォーム利用料が20%分差し引かれます。
定期購読マガジンは提供価値を高めやすい一方で、手数料を加味した価格設定を誤ると読者の満足度に影響することもあります。どのコンテンツ形式を主軸にするか、どの価格帯なら手取りと読者メリットのバランスが良いかを考えることが欠かせません。
noteでの売上金の受け取り方法と振込手数料の仕組み
前章では販売形態による手数料の違いを整理しましたが、収益化を進めるうえで欠かせないポイントが「売上金の受け取り方」です。
手数料は販売時だけでなく、振込時にも発生するため、ここを見落とすと実際の手取り額がさらに減ってしまうと感じることがあります。この章では、売上金の確定タイミング、振込手数料、売上が保留されるケースなど、受け取りに関する重要な仕組みを丁寧に解説していきます。
売上の確定タイミングと振込サイクル
noteでは、売上金がすぐに引き出せるわけではなく、まず振込申請を行う必要があります。 振込申請後の支払い日は、毎月2日〜20日に申請した場合、当月2日に確定済の売上と過去の未払いの売上が、当月末(最終営業日)にまとめて振り込まれます。
当月21日〜翌月1日に申請した場合は、申請時点で確定済の売上と過去の未払いの売上が翌月末に振り込まれます。このように振込日まで理解しておくと、計画的に収益を管理できるようになります。
振込手数料の金額
売上金を銀行口座に振り込む際には、販売手数料とは別に「振込手数料」が発生します。noteの振込手数料は銀行口座に関係なく一律で270円ですが、少額の売上を頻繁に振込申請すると手数料負担が重くなる可能性があります。
そのため、ある程度売上がまとまってから振り込むなど、工夫次第で負担を軽減することができます。販売時の手数料だけで計算していると手取り額が予測より少なくなるため、振込手数料も含めた収支管理を行うことが大切です。
売上が保留されるケース
まれに、売上金がすぐに反映されなかったり、振込申請ができなかったりすることがあります。これは売上金が合計1,000円未満の場合や、売上の処理段階である場合、前回の振込申請の処理がまだ完了していない場合に生じる可能性があります。
販売価格ごとの手取り額シミュレーション
前章でnoteの手数料構造を整理しましたが、手数料を理解するうえで欠かせないのが「実際にいくら手元に残るのか」という感覚です。手数料は割合で示されるため、実際の数字で計算しないと負担が大きいのか小さいのか判断しづらいものです。この章では、代表的な価格帯での手取り額シミュレーションを行い、価格設定を行う際の基準を持てるように整理していきます。
1,000円で販売した有料記事がクレジットカードで決済されたときの手取り額
もっとも多く利用される価格帯のひとつが1,000円ですが、この場合にどの程度の手取りになるのか知っておくと見通しが立てやすくなります。1,000円で販売した有料記事がクレジットカードで決済されたときの手取り額は、以下の計算で算出されます。
【事務手数料】
1000円 × 5% = 50円
【プラットフォーム利用料】
(1000円 - 50円)× 10% = 95円
【手取り額】
1000円 - 50円 - 95円 - 270円(振込手数料)= 585円
3,000円で販売している定期購読マガジンがPayPayで決済されたときの手取り額
価格帯が上がるにつれて手数料の絶対額も増えますが、手取り割合はおおむね一定のため、利益率は大きく変わりません。3,000円で販売している定期購読マガジンがPayPayで決済されたときの手取り額は、以下の計算で算出されます。
【事務手数料】
3000円 × 7% = 210円
【プラットフォーム利用料】
(3000円 - 210円)× 20% = 558円
【手取り額】
3000円 - 210円 - 558円 - 270円(振込手数料)= 1962円
手数料が重く感じる理由
noteの手数料が「高い」と感じられやすい背景には、複数の手数料が組み合わさって差し引かれる仕組みがあります。事務手数料だけを見ると低額に感じても、プラットフォーム利用料と合わせることで負担が大きく見えることがあります。
また、売上金を引き出す際に発生する振込手数料を含めて計算していないケースも多く、実際の手取り額を把握しづらくする要因となっています。手数料が複数存在することを理解しておくと、価格設定の段階で手取り額を正確に予測でき、収益計画にズレが生じにくくなります。
手数料を抑えたい人のための対策
前章では売上金の受け取りや振込手数料の仕組みを整理しましたが、収益を最大化するためには「どう手数料負担を軽くするか」も重要です。
noteの手数料そのものは固定ですが、価格設定や販売形式の選び方によって、手取り額を実質的に増やすことは可能です。この章では、手数料をできる限り抑えながら、読者にも満足してもらえる販売戦略の考え方を紹介します。
販売価格の設計を工夫する
手数料を抑える最もシンプルな方法は、価格設定を工夫することです。noteの手数料は金額に比例して発生するため、価格を少し上げるだけでも手取り額が大きく変わります。
特に500円以下など低価格帯では手数料割合の影響が強く、思った以上に利益が出にくいことがあります。また、読者が抵抗を感じない価格帯として1,000〜1,500円程度の設定が使いやすいケースも多く、適正価格を見極めることで手数料に対して不利にならない販売ができます。
メンバーシップや定期購読マガジンで収益を安定させる
単発記事のみで収益を伸ばそうとすると、販売のたびに手数料が発生し、収益が不安定になりがちです。そのため、継続課金型のメンバーシップや定期購読マガジンを活用して収益を安定化させる方法が有効です。
月額課金の仕組みを利用すれば、毎月の収益を可視化しやすくなり、提供コンテンツを調整することで読者満足度と収益性の両方を高められます。安定収益が確保できれば、手数料の影響も相対的に小さく感じられ、長期的な収益計画が立てやすくなるでしょう。
値上げ・期間限定販売などで手数料負担を相対的に軽くする
提供価値が高い場合には、適切なタイミングで値上げを行うことも手取りを増やす効果があります。値上げをすることで、手数料が増える一方で利益額の伸び幅が大きくなり、最終的な手取りは増加します。
また、期間限定の特別価格や有料マガジンを活用すれば、読者にメリットを感じてもらいながら単価を高めることができます。価格戦略を柔軟に取り入れることで、手数料の割合に左右されにくい販売スタイルを築けます。
手数料も含めてサービスを検討する
一見すると「手数料が安いサービス=得」と考えがちですが、実際には機能性や販売のしやすさ、集客力なども重要な要素です。例えば手数料が低くても、読者が集まりづらいプラットフォームでは収益化につながりにくいことがあります。
一方でnoteはSNSと相性が良く、拡散のしやすさや使いやすい執筆環境が魅力で、結果的に収益向上のチャンスが増えることも多いです。手数料を比較する際は、数字だけでなく「総合的なメリット」を含めて評価することが大切です。
note以外の選択肢は?
前章ではnoteの手数料を抑えるための工夫を紹介しましたが、「そもそもnote以外のサービスと比べてどうなのか?」という視点も重要です。
プラットフォームごとに手数料体系や収益化のしやすさは大きく異なり、自分の発信スタイルや商品内容によって向き不向きが変わります。この章では、代表的なサービスとnoteを比較し、それぞれの特性を踏まえた最適な選択を考えられるよう整理していきます。
Brain
Brainは情報商材に強いプラットフォームで、アフィリエイト機能が標準搭載されている点が大きな特徴です。手数料は販売価格の12%が基本で、250円の出金手数料がかかります。
さらに、紹介リンク経由の場合は追加で12%の紹介機能利用手数料が発生します。商材色が強いため初心者からは敬遠されるケースもあり、コンテンツのジャンルによってはnoteの方が信頼性を得やすい場面もあるため、届けたい読者層に合わせて使い分けることが重要です。
Kindle出版
Kindle出版は電子書籍形式でコンテンツを販売でき、長期的に収益が発生しやすい点が魅力です。ただし出版準備に手間がかかり、審査を通す必要があるため、制作ハードルはnoteよりも高めです。また、印税率は70%か35%から選択でき、70%を選択するには販売方法などに条件が課されます。
一方、noteは制作から販売までが非常にスピーディーで、短いコンテンツでも収益化しやすい点が強みです。どちらを選ぶかは、継続的に読み物として残したいのか、それともリアルタイム性の高いコンテンツを届けたいのかで判断するとよいでしょう。
ブログ・自社サイト
手数料を最も抑えられるのはブログや自社サイトでの直接販売ですが、その分だけ運用負荷が大きくなります。決済システムの導入、カスタマーサポート、販売ページの設計など、すべてを自分で管理する必要があるため、継続的な運用スキルが求められます。
収益性は高いものの、集客も自力で行う必要があり、SNS運用やSEO対策が必要になります。noteのように「書いてすぐ売れる」環境とは異なり、仕組みづくりに時間がかかるため、短期で収益化したい人にはやや不向きです。自分のリソースや目的に合わせて、noteと併用する方法も検討すると効果的です。
note手数料に関するよくある勘違い
前章ではnote以外のサービスとの比較を行いました。手数料は複数の要素が組み合わさっているため、初心者ほど勘違いしやすい部分が多く、正しい知識を持つことで収益設計の精度が大きく変わります。この章では、特に見落とされがちな点をわかりやすく整理して解説します。
手数料の二重計算で実際の手取りと差が出る
初心者に多いミスが、手数料を「二重に計算してしまう」ことで、本来よりも少ない手取り額を想定してしまうケースです。販売画面に表示される手数料の説明は要素ごとに書かれているため、合算方法を正しく理解していないと、同じ手数料を複数回引いてしまう誤解が生まれます。
実際には手数料は一度だけ適用されるもので、複数の手数料が段階的に差し引かれるわけではありません。この仕組みを理解できると、価格設定や収益予測の精度が上がります。
noteの手数料は特別高いわけではない
「noteの手数料は高い」という声が聞かれることがありますが、これは必ずしも正確ではありません。確かに複数の手数料が組み合わさるため総額が大きく見える場合はありますが、プラットフォームとしての使いやすさ、購入のしやすさ、集客導線の強さを考えると、手数料以上のメリットが得られることも多いです。
また、他サービスでも決済手数料や振込手数料などはほぼ同等の水準で発生するため、手数料だけを切り取って比較するのは現実的ではありません。総合的な価値で判断する姿勢が重要です。
収益額によっては確定申告が必要になる
noteで得た収益は、一定額を超えると確定申告が必要になる場合があります。特に副業としてnoteを利用している場合、年間の所得金額によって申告が必要かどうかが変わります。
また、売上金は振込時ではなく「売上が確定したタイミング」で収入として扱われるため、税務上の計算にも影響します。税務処理を後回しにすると混乱しやすいため、売上が伸びてきた段階で早めに状況を把握しておくことが大切です。必要に応じて税理士に相談することで、安心して収益化を継続できます。
noteで収益化を成功させるために大切なポイント
前章では手数料に関するよくある勘違いを整理しましたが、実際にnoteで収益化を継続していくためには、手数料の理解だけでなく「どうすれば読者に価値を届けられるか」という視点も欠かせません。
収益化は単に記事を販売することではなく、読者のニーズに応える発信を積み重ねていくプロセスです。この章では、noteで長期的に成果を出すための基本的な考え方と実践ポイントを紹介します。
自分に合った販売形態を選ぶ
noteには単発販売、マガジン販売、メンバーシップなどさまざまな販売スタイルがありますが、どれが最適かは発信内容や読者層によって異なります。
短文やライトな内容なら単発販売、体系的なコンテンツならマガジン、継続的な提供が得意ならサークルやメンバーシップが相性の良い方法です。自身の強みや作業スタイルを踏まえて選択することで、無理なく収益化を継続しやすくなり、手数料負担も相対的に小さく感じられるようになります。
読者に価値を届けることが最終的に収益を最大化する
noteで収益を上げる最大のポイントは、手数料ではなく「読者の満足度」にあります。読者が価値を感じるコンテンツを提供し続ければ、信頼が積み重なり、リピート購入やメンバーシップ加入につながります。手数料はどのプラットフォームでも基本的に存在するため、過度に気にしすぎるよりも「どうすればより良い体験を届けられるか」を考える方が結果的に収益は伸びやすくなります。
まとめ
この記事では、noteの手数料を実際の手取り額のシミュレーションや収益を最大化させるポイントなどとあわせてご紹介しました。noteの手数料は少し複雑に見えるかもしれませんが、その仕組みを理解しておくことで収益計画の精度が大きく高まります。
販売形式ごとの違いや、決済手段による変動、振込手数料などの仕組みを知っておけば、実際の手取り額を正しく予測でき、無駄な不安を抱えずに済みます。また、手数料そのものを気にするよりも、価格設定や販売スタイルの工夫、読者に合わせた価値提供に注力することで、長期的には大きな収益につながります。
noteを活用した収益化は、誰でもすぐに始められる一方で、正しい知識を持って取り組むかどうかで結果が大きく変わります。この記事で整理したポイントを参考に、自分に合った販売方法を選びながら、読者に価値を届ける発信を継続してみてください。