【2024】差別化戦略の成功例22選をジャンル別に紹介!

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業界でトップのシェア率を誇る企業や、根強いファンを持つ企業では、常にユーザーのニーズやトレンドを反映させつつ、自社の強みを生かした差別化戦略を行っています。

この記事では、差別化戦略を行った企業の成功例について詳しくご紹介します。

執筆者

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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人

株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。

【アパレル・生活雑貨】差別化戦略の成功例

アパレルや生活雑貨、インテリアなどを扱うブランドや企業での差別化戦略の成功例は、次のとおりです。

ユニクロ

ユニクロでは、デザインのこだわりやトレンドなどに重きを置くのではなく、着心地のよさや機能性の高さ、品質の高さなどを重視した戦略を取り、その中で「ヒートテック」や「エアリズム」などの機能性が高く、競合のいない市場での商品展開に成功しています。

なお、ユニクロでは商品の企画から販売までの一連の工程をすべて自社で行うことで「コストリーダーシップ戦略」を実現し、品質の高い衣類を手に取りやすい価格で提供でき、ユーザーから長く利用されるブランドとしての立ち位置を確立しています。

ワークマン

ワークマンは、もともとは職人などが使用する作業服を中心に展開するブランドでした。職人たちの過酷な作業環境でもダメージを受けず、機能性にも優れた衣類を提供できる強みを生かし、高機能かつ低価格な衣類をファストファッションでも提供する戦略を取り、成功を収めています。

アウトドアやスポーツ、レインウェアを販売する「ワークマンプラス」、女性の通勤通学、家事、紫外線などの日常におけるストレスを減らせるような商品を販売する「#ワークマン女子」などのプライベートブランドを展開し、アウトドアやスポーツを行うユーザーや、女性からの支持も集めています。

ニトリ

ニトリは、1988年以降家具・インテリア業界1位の売上高を誇っています。ニトリでは海外に自社工場を立ち上げながら、商品の開発から販売までを社内で完結させることで、「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズにも見合う低価格かつ高品質の商品を提供しています。

初めて1人暮らしをするユーザーにとっても手が出しやすい価格帯かつ、家具やインテリア以外にもさまざまな生活用品をそろえているため、「初めて家具を購入したお店がニトリだからずっとニトリを利用している」「ニトリで必要なものがすべてそろう」などの意識がユーザーの中に芽生え、リピーターを増やしています。

無印良品(良品計画)

無印良品では、シンプルなデザインの商品を徹底して提供することで差別化戦略に成功しています。食器や日用品、文房具、化粧品などさまざまなカテゴリの商品のデザインをシンプルかつ統一感のあるデザインにすることで、特徴的な要素を抑えつつも、ユーザーが一目で無印良品の商品だとわかるデザインを実現し、差別化やブランディング強化に成功しています。

また、シンプルなデザインで、製造段階でも不要な工程を省きやすくコストを抑えられるため、ユーザーにとっても低価格で購入でき、かつ使い勝手がよい商品を実現しています。

鼻セレブ(王子ネピア)

鼻セレブは、同社で販売されていた「モイスチャーティッシュ」をベースに開発されました。しかし、鼻をかむ際にほかのティッシュよりも肌触りがよい点や、商品の高級感を表すために「鼻セレブ」というユーザーに商品特長が伝わりやすい商品名を採用することで、約4倍の売上向上を実現しました。

また、パッケージデザインもモイスチャーティッシュのシンプルなデザインから一新し、動物の鼻をアップで写したインパクトのあるデザインにすることで、ユーザーに対して「鼻セレブといえばあのティッシュ」というイメージを強く持たせることができました。

【食品・飲食店】差別化戦略の成功例

食品を扱ったり、飲食店を経営したりしているブランドや企業での差別化戦略の成功例は、次のとおりです。

マクドナルド

ファストフード業界でも圧倒的なシェア率を誇るハンバーガーチェーン店のマクドナルドでは、2015年ごろやコロナ禍で一時的に売上が低下したものの、V字回復を見せました。

マクドナルドでは、ファミリー層をターゲットにした施策やWeb、SNSを活用した話題づくりを巧みに行っています。子どもに人気のキャラクターやお菓子とコラボしたメニュー展開や、SNSのユーザーが思わず拡散したくなる工夫がされた投稿、2人用・3人用など複数人で使用できるクーポンの発行などを行い、家族で楽しめるファストフード店としての立ち位置を確立しています。

スターバックス

世界中に店舗を構えるスターバックス コーヒーでは、家でも職場でもない「サードプレイス」としての概念を重視しています。

1号店のオープン時から全面禁煙を先駆けて実施したり、写真撮影や持ち歩きで楽しめる華やかな見た目のフラペチーノを開発したりするなど、当時ほかのカフェでは見られなかった施策を行い、老若男女問わず利用しやすい空間をつくりあげています。

ほかにも、地域の特性に合わせて店舗の外観や内装を工夫している点や、各ドリンクで豊富なカスタマイズが可能な点、フレンドリーな接客スタイルを導入している点など、さまざまなサービスを提供しています。

モスバーガー(モスフードサービス)

ハンバーガーチェーン店のモスバーガーは、マクドナルドに次いで安定したシェア率を誇っています。モスバーガーでは、値下げ戦略を行わない代わりに高品質なメニューや居心地のよい空間を提供することで、マクドナルドをはじめとしたそのほかのハンバーガーチェーン店との差別化を図り、ユーザーからの支持を得ています。

例えば、モスバーガーではソイパティやグリーンバーガーなど、健康や食の志向に配慮したメニューを展開することで、ファストフードへの抵抗がある人も食べやすい工夫を行ったり、店内に観葉植物を設置しナチュラルカラーで内装をデザインすることで、長時間滞在しても居心地よく感じられる空間を演出したりするといった施策を行っています。

ウィルキンソン(アサヒ飲料)

炭酸水のウィルキンソンは、お酒の割り材としてのイメージが強かった時代に直接飲用を提案したことで、そのまま飲んでもおいしい炭酸水としてのイメージを確立しました。

最近では、お酒を飲める年齢であってもあえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」志向のZ世代に向けて「ウィルキンソン タンサン ♯sober(タグソバー)」を開発しました。ビールを飲んだときと同じようなのどごしや、お酒の席でもなじむパッケージデザインを意識し、以前からウィルキンソンを愛飲していたユーザーに加え、ソバーキュリアス志向のユーザー、これまでウィルキンソンを飲んだことがない・普段炭酸水を飲まないユーザーの獲得に成功しています。

カップヌードル(日清食品)

世界中で根強い人気を誇る「カップヌードル」は、インスタントラーメンの先駆けとして海外進出の成功を収めています。当時海外ではインスタントラーメンを食べる文化がなかったものの、麺をすすって食べる習慣がない欧米では麺の長さを短くしたり、東南アジアでは食べ応えを意識した長い麺を採用したりするなど、各国の食習慣に合わせた商品を展開することで、「インスタントラーメンといえば日清のカップヌードル」というイメージを残すことができました。

ほかにも、ジャンクフードを気兼ねなく食べたいという女性も楽しめるよう「カップヌードル ライト」「カップヌードルライトプラス」など低カロリーを意識した商品や、「あっさりおいしいカップヌードル」など女性でも食べやすい飲み口や量を意識した商品を展開し、女性が食べやすいインスタントラーメンとしての立ち位置を確立しています。

【IT・ゲーム】差別化戦略の成功例

IT製品やゲームを扱うブランドや企業での差別化戦略の成功例は、次のとおりです。

Nintendo Switch(任天堂)

ゲーム販売を行う任天堂では、これまで「ニンテンドーDS」や「Wii」など画期的な機能や遊び方のゲーム機を数多く販売してきました。2017年に登場した「Nintendo Switch」では、テレビモード、テーブルモード、携帯モードの3つのタイプで遊べるスタイルを実現し、大画面のテレビに出力したり持ち運んで外出先でも楽しめたりするだけでなく、テレビがない空間でも画面をシェアして家族や友人とゲームを楽しめる遊び方を提案することで、ほかのゲーム機との差別化に成功しました。

また、「リングフィット アドベンチャー」「Fit Boxing 2」などのゲームをしながら運動もできるソフトをリリースすることで、「普段ゲームはやらないが自宅でも気楽に運動したい」という顧客層の獲得にも成功しています。

ウォークマン(ソニー)

ウォークマンは1979年に持ち歩きが可能なカセットオーディオプレーヤーとして発売し、世界的にも人気を博しました。当時の競合他社では、カセットオーディオプレーヤーのスピーカー機能と録音機能を維持しつつ軽量化を図っていましたが、ウォークマンはスピーカー機能と録音機能を取り除き、再生機能に特化した製品を開発することで持ち歩き可能なサイズでの提供を実現しました。

当時のユーザーは、スピーカー機能や録音機能ではなく「外でも音楽を楽しみながら歩きたい」というニーズを抱えていました。ウォークマンは、ユーザーのニーズに向き合い不要な機能を思い切って取り除くことで、差別化の成功につながった例といえます。

Apple

iPhoneやMacBookなど根強い人気を誇るApple製品は、スタイリッシュなデザインや操作性のよさで他社製品との差別化に成功しています。不要なボタンを減らし、直感的な操作を可能にしたことや、シンプルながらも各製品で統一感があり、一目でApple製品だとわかるデザインもユーザーから選ばれるポイントだとうかがえます。

ほかにも、iPhone内の写真を、近くにあるほかのiPhoneやiPadなどのApple製品に手軽に転送できる「AirDrop」など、身の回りのデバイスをApple製品でそろえることで利便性を感じられる工夫を行うことでも、ユーザーの定着率を維持しています。

LINE

LINEは国内でも圧倒的な利用者数を誇り、世界中で使用されているSNSです。これまで携帯電話やスマートフォンでは電話とメールを使って連絡を取っていましたが、LINEの無料通話機能やスタンプなども使えるチャット機能は、電話やメールよりも手軽にコミュニケーションができるツールとして、多くのユーザーが日常的に使用するようになりました。

また、ショップのポイントカードや定期券などをアプリ上にひもづけられる点や、LINEのチャット上からギフトを贈れる点なども、ほかのSNSとの差別化ポイントとなっており、LINEは日常生活に欠かせないツールのひとつとしての立ち位置を確立しています。

IBM

IBMは企業向けにITシステム導入や運用管理、アウトソーシングなどを行うIT企業で、世界中に事業を展開しています。もともとIBMは、システムの稼働やインフラ構築に必要なサーバーやソフトウェア、ネットワーク機器などを自社で運用するオンプレミス環境での基幹業務の構築を得意としていました。時代の移り変わりによりクラウドやAIを利用するユーザーが増えてくるにつれて、クラウド製品の開発やAI関連事業に注力することで、業界のトレンドやユーザーのニーズの変化に合わせた事業の転換を行っています。

このように、IBMは常にユーザーがそのときに求めていることに対応した戦略を立て、真摯にニーズに応え続けることで、競合との競争を勝ち抜いています。

【コンビニ】差別化戦略の成功例

コンビニエンスストアを経営する企業での差別化戦略の成功例は、次のとおりです。

ローソン

ローソンでは、ほかのコンビニでは見られない健康志向のユーザー向けの商品を取りそろえた「ナチュラルローソン」や、家でも本格的なカフェスイーツを楽しめるスイーツブランド「ウチカフェ」、リーズナブルな価格で野菜や果物、総菜などが購入できる「ローソンストア100」を展開し、多様化するユーザーニーズに応え、さまざまなターゲット層の獲得に成功しています。

コンビニとしての強みを生かしつつ、手軽に「健康にこだわった商品が買える場所」「カフェスイーツを買える場所」「スーパーのように利用できる場所」のように多岐にわたる役割を担うことで、競合との差別化に成功しています。

セブン-イレブン

コンビニ業界での店舗数・売上1位を誇るセブン-イレブンでは、明確な差別化戦略を行ってはいませんでした。そのため、テレビCMなどの広告宣伝にはほとんど注力していません。

しかし、ユーザーの声を取り入れながら年間で70%以上の商品を入れ替えて常に新商品を展開したり、専門家や一流の料理人とともに味にこだわった商品を販売するプライベートブランド「セブンプレミアム」を展開したりすることで、「どのような商品があればユーザーのニーズに応えられるか」「このお菓子はどのように工夫を施せばユーザーは食べやすくなるか」など、常にユーザーファーストで商品開発に臨むことで、多くのユーザーから愛されるコンビニとしての立ち位置を確立しています。

ファミリーマート

ファミリーマートでは、「業界シェア率1位のセブン-イレブンがやらないことをやる」として、差別化戦略を打ち出しています。例えば、アニメ「ハイキュー!!」のキャラクターとコラボし、「日向翔陽のたまごかけご飯風おむすび」などキャラクターがプリントされた限定デザインの自社商品を販売したり、オフィスビルやホテルの施設の特性に合わせて柔軟な商品をラインナップする「ファミマ!!」の出店などを行ったりしています。

ほかにも、「楽天ポイント」や「dポイント」などのポイントがためられる制度や、ファミリーマート専用の支払いサービス「ファミペイ」を設けている点も特長です。これらのサービスも利用することで「ファミリーマートで買い物したほうがお得」というイメージをユーザーが持ちやすく、あえてファミリーマートを選ぶというファンの獲得にも成功しています。

【その他】差別化戦略の成功例

そのほか、自動車やテーマパーク事業などを展開するブランドや企業での差別化戦略の成功例は、次のとおりです。

トヨタ

トヨタでは、自動車業界でもNo.1のシェア率を誇りつつも、電気自動車(EV車)の開発の先駆けになるなど、常に他社との差別化となる施策を打ち出しています。

また、トヨタでは「いつかはクラウン」というキャッチコピーのように、「クラウン」が国産最高級車というイメージがユーザーの中にあることを踏まえたうえで、「カローラ」や「プリウス」などの比較的低価格で購入できる下位ラインナップをメインに販売する戦略を取っています。それぞれのブランドでの売上を維持しつつ、あらゆるトヨタの自動車に共通する安全性の高さや高い耐久性、高性能な機能などのイメージを定着させることで、他社との差別化に成功しています。

ディズニーランド(オリエンタルランド)

ディズニーランドは、テーマパーク内に足を踏み入れた瞬間ディズニー作品の世界を堪能できる徹底した世界観の構築や、パーク内のスタッフの人材育成によって競合テーマパークとの差別化に成功しています。

ディズニーランドでは、世界観を維持するためパーク内から周辺施設の風景が見えないよう、建物や植物の配置を入念に検討したうえで設計しています。また、スタッフもディズニーの世界に住む住人のような立ち位置でユーザーに接することで、ユーザーが作品の世界に浸れる手助けをしています。ディズニーランドではコロナ禍を経て、チケットの値上げや入場制限などの措置を取っていますが、このような徹底した世界観づくりとサービスの質の高さによって、圧倒的な人気を保ち続けています。

スタジオアリス

子ども向けの写真撮影事業を行うスタジオアリスでは、少子化やスマートフォンなどの普及が進む中でも、子どもの写真撮影に特化した戦略を取ることで売上を伸ばし、競合の写真館との差別化に成功しています。

また、一般的な写真館では、プロのカメラマンによる撮影技術の高さを強みとしていますが、スタジオアリスでは子どもの扱いに慣れており笑顔を引き出す技術の高い女性スタッフを採用するなど、人柄を重視したスタッフの起用が特長です。このように、顧客に対するサービス面を強化することで顧客満足度を高め、写真業界での立ち位置を確立しています。

ヤマト運輸

配送事業を行うヤマト運輸では、競合との差別化を図る際に他社に先駆けて翌日配達のサービスを導入しました。当時では翌日配達を行っている配送会社はなく、どの配送会社でも最短で3日ほどかかっていたため、翌日配達の実現は、早く荷物を受け取りたいというユーザーのニーズに最大限応えた画期的な取り組みであるといえます。

また、1996年には伊豆諸島、1997年には小笠原諸島へ配達エリアを拡大し、全国への配達ネットワークを構築しました。ヤマト運輸では利益よりもサービスを優先させ、ユーザーファーストのさまざまな事業に取り組むことで、現在でも信頼できる配達会社として多くのユーザーに利用されています。

まとめ

この記事では、差別化戦略を行った企業の成功例について詳しくご紹介しました。
他社との差別化を図る際は、他社にない強みの創出だけでなく、ユーザーのニーズに特化したコンテンツやサービスの提供も重要です。
それぞれの企業で取り組んだ施策や戦略を参考にしながら、自社の事業やブランドの差別化戦略を立案する際にぜひお役立てください。

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