権威効果とは?意味や活用事例、応用できる場面について解説

営業やマーケティング活動において、権威性の活用は重要です。その効果を最大限に引き出すためにはさまざまな手法があります。この記事では、権威効果の意味やハロー効果・白衣効果との違い、権威効果の活用方法について詳しくご紹介します。権威効果をうまく活用することで、売上の増加が期待できるため、ぜひ参考にしてください。
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マーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人
株式会社クリエイティブバンクのマーケティングサポート「バンソウ」のメディア管理人。得意分野は、SEO全般・サイト分析・オウンドメディア・コンテンツマーケティング。バンソウはクライアント様のBtoBマーケティングをサポートするサービスです。詳しい内容はこちらをご覧ください。
権威効果とは
権威効果とは、地位や肩書によって人や情報を評価する傾向を指します。例えば、社長や医師、あるいは有名人が推薦するものは信頼性が高いと感じるでしょう。このように、「誰が何を言うか」が重要視され、その人の地位や肩書によって、情報の信ぴょう性がゆがめられてしまうのです。
スタンリー・ミルグラムの実験では、人々が権威的な立場の者の指示に従い、時には非道徳な行動さえも行ってしまうことが示されました。権威効果は、営業やマーケティングにおいても重要であり、権威的な情報の活用によって、顧客の信頼や購買意欲を高められます。
権威効果の種類
ここでは、権威効果の種類についてご紹介します。
肩書
肩書がある人物が発信する情報は、一般的に高い信頼性を持つと考えられがちです。例えば、弁護士が言う法律の情報は間違いないと感じることや、芸能人がおすすめしている製品はよい製品であると考えられることがあげられます。
このように、肩書がついていることで、その人や情報の価値が高く見える傾向があります。営業やマーケティングの観点からも、肩書を活用することで商品やサービスの信頼性を高め、顧客の購買意欲を刺激する効果が期待できます。
地位
地位が高い人が発言すると、その情報はより価値があるように感じられます。例えば、社長が決めた事業方針には疑いの余地がないと考えることや、上司の意見は正しいと尊重することがあげられます。このように、地位が高いほど情報の信頼性も高まります。
営業やマーケティングの分野では、地位の高い人物が商品やサービスを推薦することで、顧客の信頼を獲得し、売上を増やす効果が期待されます。
経験値・実績
過去の経験や実績があると自然と信頼が寄せられます。例えば、長年の経験を持つ人のアドバイスには価値があり、顧客満足度の高い商品は信頼性が高いと感じられます。このように、経験や実績があるほど、人々はその情報や商品に対して信頼を抱く傾向があります。営業やマーケティングの視点からも、経験値のある人の紹介や過去の実績を活用することで、売上の向上を図れます。
専門性の高さ
専門性の高さは、情報の信頼性を高めるうえで不可欠です。専門知識を持ち、それを生かした情報の発信を行うことで、ユーザーや顧客からの信頼を得られます。例えば、市場動向や消費者の嗜好に関する深い理解を持つマーケターは、効果的な戦略を提案でき、質の高い情報をユーザーに伝えられます。
権威効果とハロー効果、白衣効果の違い
ここでは、権威効果とハロー効果、白衣効果の違いを知るために、ハロー効果と白衣効果についてご紹介します。
ハロー効果
ハロー効果は、人々が特定の対象を評価する際に、その対象の目立つ特徴を強く意識することで、ほかの側面も同じように評価してしまう心理効果です。例えば、外見や肩書がよければその人の能力や性格もよいと判断してしまうことや、その逆で外見や肩書からその人自身を悪く評価してしまうことがあげられます。
ハロー効果は肯定的な評価だけでなく否定的な評価にも影響し、外見や特定の特徴に左右されがちです。つまり、権威効果が信頼性に関わる情報の評価をゆがめるのに対し、ハロー効果は広域な評価に影響を与えることが大きな違いです。
白衣効果
白衣効果は、白衣を着用した者に対して自然と敬意を払い、発言や行動を信じやすくなる心理効果です。特に医師や科学者など専門家が白衣を着用することで、その専門性や権威性を感じ、意見や提供するサービスに対する信頼が高まります。
権威効果を活用した事例
ここでは、権威効果を活用した事例をご紹介します。
広告やCM
広告やCMにおいて、権威効果はキャッチコピーの重要な要素となっています。商品の魅力を引き立てるために、著名人や専門家の名前を使うことで、商品への信頼性や魅力が高まります。例えば、特定の飲料で「有名アスリートがよく飲んでいる」というキャッチコピーは、消費者にその商品の効果や価値を強く印象づけます。このように、「誰が使っているか」「誰が推薦しているか」という情報は、商品の魅力度を大幅に高める効果があります。
スキンケア製品メーカー
スキンケア製品メーカーは、製品名に「ドクター」と名前をつけ、広告では白衣を着た専門家が製品を説明することで、権威性を演出しています。これにより、製品の科学的な根拠と専門性が強調され、消費者の信頼を獲得しています。権威性を示すことで、製品の信頼性や効果に対する消費者の期待を高め、市場での競争力を強化しています。
求人情報サイト
求人情報サイトは、さまざまな業界の専門家や有名企業の人事担当者と連携し、求職者へのアドバイスや情報提供を行うことで、信頼性と説得力を高めています。このアプローチにより、サイトは求人情報サイトとしての地位を固め、多くのユーザーからの信頼を獲得しています。専門家や有名企業との連携により、求職者はサイトの情報に対して安心感を得られるでしょう。
権威効果を応用できる場面
ここでは、権威効果を応用できる場面についてご紹介します。
ビジネス
ビジネスにおいては、清潔感のある服装や丁寧な言葉遣いは、相手に好感を与え、信頼感や安心感を築くのに役立ちます。逆に、だらしない外見や粗野な言動は、相手に不快感を与え、信頼を損なうことになります。また、商品やサービスを販売する際には、専門家や有名人の推薦コメントを取り入れたキャッチコピーも重要です。しかし、許可なく推薦されているように見せることや、捏造することは避けましょう。
恋愛
デートでは、身だしなみや行動が大切です。清潔感や礼儀正しさは相手に好印象を与えます。また、デートの際には権威効果を活用可能です。有名なレストランやシェフが経営する店を予約することで、高い評価を得ることにつながるでしょう。
さらに、つき合いが深まっている場合でも、お店の権威を活用したデートにすることで、相手に特別感を与えられます。しかし、相手に不自然な印象を与えないように、権威効果を上手に活用することが重要です。
子育て
子どもに何かを伝えるとき、親の言葉だけではなかなか信じてくれないことがあります。そのようなときは、権威効果を活用すると効果的です。例えば、「○○ちゃんのおばあちゃんが言っていた」や「本に書いてあった」などといったほかの人や情報源からの言葉を引用すると、子どもはより信じやすくなります。
マーケティング
マーケティングでは、製品やサービスの信頼性を高めるために権威的な人物や専門家の肯定的な評価を活用します。例えば、有名人や業界の権威者が商品の広告に登場し、その商品の信頼性を強調することで、消費者の購買意欲を高められます。さらに、SEOの観点からは、記事に権威性があるかは検索順位を決める際の評価基準のひとつになっています。
これは、Google の検索ランキング システムが有益で的確な情報を提供しているか評価する際に使用されるコンセプトで、一般の人が、表示された検索結果で E-A-T(専門性、権威性、信頼性)が示されていると感じるかどうかを評価します。
権威効果の活用方法
ここでは、効果的な権威効果の活用方法をご紹介します。
専門家の監修
自社の商品やサービスを専門家に監修してもらうことで、顧客の信頼度を高められます。専門家の資格や実績をWebサイトに掲載し、コメントや説明も表示することで、顧客はその商品やサービスに対する信頼感を深めます。権威への服従原理が働き、顧客は「この専門家が監修したものなら信用できる」と感じるでしょう。これにより、コンバージョン率の向上につながる可能性があります。
成功事例
顧客に自社の価値を伝えるには、権威性を生かし、具体的なデータや成功事例を提示することが鍵です。製品やサービスの品質の高さや独自の技術、業界でのリーダーシップなどのポイントを強調し、顧客にとってその強みが自分たちの課題解決にどう貢献するかを明確に伝えることが必要です。これにより、顧客は自社の信頼性や付加価値を理解し、購買意欲が高まるでしょう。
受賞歴
自社の商品やサービスに受賞歴がある場合は、それをLPや商品パッケージに明確に記載することが有効です。顧客はその賞の詳細を知らなくても、「受賞した」という事実に対して権威への服従原理が働き、その商品やサービスをよいものだと感じるでしょう。さらに、賞の概要や受賞理由をWebサイトに掲載することで、顧客の信頼性を高めることが可能です。
商品説明
商品やサービスを説明する際には、短い言葉でターゲット顧客の感情を刺激するようなキャッチコピーにすることが大切です。Webサイトを訪れるユーザーが多くないことを考慮すると、効果的な商品説明は短くても感情を刺激するものであるとよいでしょう。キャッチコピーに権威性を盛り込むことで、購買意欲を高め、購入につなげられます。
まとめ
この記事では、権威効果について紹介しました。営業活動において、商品やサービスの説明で権威性を活用することで顧客の信頼度を高め、購買意欲を喚起できます。また、マーケティングでは専門家の監修や受賞歴の活用、キャッチコピーの工夫など、権威効果を取り入れることがビジネスの成果を向上させる重要な要素となります。これからのマーケティング戦略において、権威効果の活用は欠かせないものとなるでしょう。