この記事では、NUCの特徴やスペック、導入方法から注意点、おすすめ製品まで解説します。
NUCについて知りたい方や購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
NUCとは、Next Unit of Computingの略で、超小型フォームファクタPCです。
世界最大手の半導体メーカーであるIntelが提唱した約10cm×10cmのマザーボードが用いられており、設置場所を選ばない手のひらサイズのコンパクトさから、個人から法人まで幅広く普及しています。
小型でありながら、通常のデスクトップPCと遜色ない性能を備えており、低コストで導入できるのも、選ばれている要因のひとつです。
NUCには、以下の特徴があります。
これらはNUCならではの代表的な特徴で、幅広い客層から選ばれている主要因です。
それぞれ解説します。
NUCの最大の特徴は、手のひらサイズのコンパクトさです。
使用されているマザーボードは、Intelが製造した約10cm×10cmの超小型規格であるため、NUC本体も1辺15cm前後のサイズで作られています。
製品によって異なりますが、高さも5cm程度に収まっているので、大型のミドルタワーを置くようなスペースは必要ありません。
そのため、スペースの限られたオフィスや自宅のデスクサイドでも使用可能です。
NUCは、超小型なハードウェアが注目されがちですが、通常のデスクトップPCに引けを取らない性能を備えています。
Intelが発売している最新のNUCは、16GBのメモリを標準搭載しており、最大64GBまで対応可能です。
加えて、CPUには12コア16スレッドまで対応するIntel® Core™ i5-1240Pを採用しているため、複数の処理であっても同時進行で実行してくれます。
一度に複数のアプリを立ち上げて研究を行う学生や、業務基幹システムを使用する会社員でも快適に使用できるでしょう。
NUCは、ゲーミングやビジネス、学業やプライベートなど、さまざまなシーンに適合します。
NUCは単一のスクリーンだけでなく、デュアルディスプレイにも対応しているため、ビデオ会議を行いながら、複数のウインドウを開いてほかの仕事も進められるので、特にビジネスシーンにおいて生産性向上に役立ちます。
リモートワークが普及した現代、自宅のデスクに設置できる超小型のNUCは欠かせないアイテムのひとつといえるでしょう。
また、NUCはゲーミングにおいても優秀で、Intelは複数の4Kディスプレイへの接続に対応した「ゲーム用NUC」を発売しており、従来のゲーミングPCの半分のスペースでゲームを楽しめます。
NUCは、そのコンパクトさと機能性の高さから、幅広いシーンで活躍するPCです。
NUCを活用するメリットは、以下の3つです。
ひとつずつ解説します。
NUCは、小型で設置場所に困らない点が大きなメリットのひとつです。
スペースが取りづらいオフィスや研究室のデスクサイドでも、NUCなら問題なく設置できます。
また、NUCのサイズは1辺約15cmと小型でバッグに入れて持ち運びが可能なので、自宅だけでなく図書館やカフェなどでの作業にも活用できるでしょう。
リモートワークのある会社員や大学と自宅を往復する学生に最適です。
NUCは超小型なハードウェアであるため、省電力性に優れています。
たとえば、Intelの「Zoom* Rooms 向けインテル® NUC 12 Pro ミニ PC - NUC12WSHi50UD」のTDPは35Wと、PCのなかでは非常に低い数値です。
特に会社規模でPCを使用している企業の経営者のなかには、ランニングコストを抑えたいと考えている方が多いでしょう。
NUCであれば、消費電力を抑えつつ、業務を行えます。
加えて、NUCは使用されている部品が少ない分、通常のデスクトップPCと比べて比較的安価であるため、トータルコストも抑えられます。
これからデスクトップPCの導入を検討している方は、性能面だけでなく、導入コストやランニングコストも加味したうえで、最適な製品を選択しましょう。
※TDP・・・すべてのコアがアクティブな状態で、ベース動作周波数で動作しているときに消費する平均電力をワット単位で表したもの。
NUCは、自分好みに自作・カスタマイズが可能です。
NUCは単体では使えず、SSD/HDDなどのストレージやメモリを自分で用意しカスタマイズする必要があります。
「既製品を購入したけど結局容量が足りなかった」、「ここまでのスペックは必要なかった」と後悔した経験がある方は、少なくないでしょう。
NUCであれば、購入前に自然と必要な容量を計算するため、このような事態には陥りません。
また、ストレージやメモリは、簡単に交換できるため、用途にあわせてその都度必要な分だけカスタマイズが可能です。
NUCを活用するメリットがある一方で、デメリットも存在します。
活用するうえでのデメリットもあわせて把握できれば、より製品の特徴を理解でき、長期的に活用できる最適なデスクトップPCを導入できます。
NUCのデメリットは「拡張性の低さ」です。
ストレージやメモリは自由に選択できますが、パソコンの基幹となるCPUは、マザーボードに直付けされているため交換できません。
また、CPUを冷却するCPUファンも自分では選べません。
NUCは小型でありながら、中身はノートPCと同等の性能であるため、高い負荷をかけると、CPUファンが高速で回転し、ファンノイズが発生します。
利用する人によっては煩わしく感じるため、高性能なCPUファンに交換できないのはデメリットといえます。
単体のICチップとして実装されたGPU製品であるgGPUや、SSDの複数台追加にも対応していないため、自作PCを楽しみたい方にとってはデメリットでしょう。
NUCを導入・自作する方法を、以下のポイントに絞って解説します。
上記の3つは、効率的かつコストを抑えてNUCを導入するために把握しておきたい重要なポイントです。
後悔のない選択をするために、個人でNUCを活用したい方はもちろん、自社でNUCの導入を検討している担当者もチェックしましょう。
NUCを導入する際の注意点は、以下の3つです。
それぞれ解説します。
NUCを導入する際は、対応しているOSを事前に確認しましょう。
NUCによっては、特定のOSに対応していない製品があります。
たとえば、Windows10をサポートしているNUCがあれば、サポートしていないNUCもあります。
NUCを導入してから希望のOSに対応してないことが判明するケースは少なくないため、かならず対応しているOSをチェックしましょう。
OSと同様に、対応しているメモリ・ストレージもあわせて確認しましょう。
NUCは、主にノートPC用のメモリに対応しています。
デスクトップ用のメモリは使用できない可能性が高いため、メモリを購入してから後悔しないように事前の確認をおすすめします。
また、ストレージも種類によっては対応していない可能性があるため、あわせてチェックしましょう。
NUCを利用するには、電源アダプターやACアダプター、無線LANなどの付属品が必要です。
製品によっては付属している場合がありますが、なかには別売りの製品もあります。
自宅やオフィスでNUCを組み立てようと思っても、実は付属品が足りなかったでは二度手間になってしまうので、あらかじめ購入を検討しているNUCの付属品を確認し、足りなければ購入しましょう。
NUCの自作に必要なものは、以下のとおりです。
NUCは単体では動かないため、上記の製品を揃える必要があります。
NUCによってはケーブルが付属している製品もあるため、導入する前に付属品の有無を確認しておきましょう。
NUCの自作は、以下の手順で行います。
それぞれ解説します。
まずは、NUC本体のカバーを取り外しましょう。
プラスドライバーを使って、四方のねじを緩めれば外れます。
カバーを外す際は、NUC本体のなかにある部品を傷つけないように、慎重に取り外しましょう。
カバーが外れたら、次はストレージ(SSD)の取り付けです。
ストレージはNUCに付属していないため、自分で用意して取り付けが必要です。
ストレージの接続には、カード形状の基板を端子に差し込む「SATA接続」と細長いメモリ形状の基板を差し込む「M.2 接続」などの種類があります。
NUCに対応したストレージを正しく接続しましょう。
また、取り付ける際は、上下が逆さまにならないように注意が必要です。
誤って取り付けると、NUCは正しく起動しないため気を付けましょう。
メモリの取り付けも行いましょう。
ストレージと同様に、NUCによって対応しているメモリはさまざまなので、事前に確認して用意しましょう。
また、メモリにも向きがあり、誤った方向だとメモリスロットに取り付けられないため、メモリスロットにあわせるように正しく取り付けましょう。
ストレージとメモリを取り付けたら、最初に外した本体のカバーを元に戻します。
使用中にねじが緩んでしまわないように、四方のねじをしっかりと固定させましょう。
カバーを取り付けたら、組み立ては完了です。
組み立てが完了したら、最後にOSをインストールしましょう。
NUCによっては希望のOSに対応していない場合があるため、ストレージやメモリと同様に、事前に確認をおすすめします。
NUCの口コミ・評価を紹介します。
実際にNUCを使っている方のリアルな声なので、使用感や特徴を把握して、導入の検討材料に生かしましょう。
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大変コンパクトでありながら内部へのアクセスもよく、性能も申し分なく、非常に使いやすい良いものです。物は良い物です。
引用:Amazon
小さいのは正義だ。使いたいのはPCの機能、性能で、PC本体は存在感がなくていい。
引用:Amazon
Windows10 SSD、デュアルディスプレイで使用しています。Web、Excel、CADの使用で全く問題ありません。
引用:Amazon
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上記の口コミから、NCUは、コンパクトな点だけでなく、デュアルディスプレイやCAD制作に使用できる性能面の高さが評価されているPCであることがわかりました。
Intelが販売しているおすすめのNUCを3つ紹介します。
NUCの導入を検討している方や、どのNUCを選んだら良いかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
CPU | Intel® Core™ i3-7100U Processor (3M Cache, 2.40 GHz)(2コア/4スレッド) |
対応OS | Windows 10, 64-bit*, Windows 10 IoT Enterprise*, Ubuntu 16.04* |
メモリ | 4GB(4GB×1) (DDR4) |
ストレージ | 128GB SSD |
販売先リンク | Amazon公式 楽天市場公式 |
インテル® NUC 7 ビジネス、Windows® 10 Pro 搭載ミニ PC - NUC7i3DNKTCは、メモリとストレージが標準搭載されているNUCです。
開封してすぐに使用できるのに加え、3年保証とIntelのカスタマーサポートも付いているので、自作の経験がない方やNUCをはじめて導入する方でも安心して使用できます。
メモリが4GBとほかの製品と比べると少なめなので、プライベートや授業での使用におすすめです。
製品の詳細は、こちらから確認できます。
CPU | Intel® Core™ i7-12700H Processor (24M Cache, up to 4.70 GHz)(14コア/20スレッド) |
対応OS | Windows 11, 64-bit* |
メモリ | 16GB(8GB×2) (DDR4-3200) |
ストレージ | 1TB Gen4 NVMe |
販売先リンク | Ark公式 |
インテル® NUC 12 エンスージアスト・ミニ PC - NUC12SNKi72VAは、NUC7i3DNKTCと同じミニPCですが、14コア20スレッドまで対応しています。
ストレージも1TBと大容量であるため、学生や社会人問わず、だれでも快適に利用できるでしょう。
また、対応OSはWindows11で10以前は使用できないので注意しましょう。
製品の詳細は、こちらから確認できます。
CPU | Intel® Core™ i5-13600K Processor (24M Cache, up to 5.10 GHz)(14コア/20スレッド) |
対応OS | Windows 11, 64-bit* |
メモリ | ー |
ストレージ | ー |
販売先リンク | Ark公式 TSUKUMO公式 |
インテル® NUC 13 エクストリーム・キット - NUC13RNGi5は、さまざまなメモリーやストレージを自由にカスタマイズできるNUCです。
14コア20スレッド対応の第13世代インテル Core i5-13600Kプロセッサーを搭載しているため、複数の作業でも同時進行で処理できます。
自分好みにカスタマイズできることから、専門的な研究を行う学生やゲーム環境にこだわるゲーマーにおすすめです。
製品の詳細は、こちらから確認できます。
この記事では、NUCの特徴やメリット・デメリット、自作する手順まで解説しました。
NUCは、超小型のハードウェアで置き場所に困らないだけでなく、幅広い用途で使用できるPCです。
低価格で導入しやすく、なおかつ省電力性に優れているため、コストを抑えて運用していきたい方におすすめです。
今回の記事で紹介したおすすめNUCも参考にして、自分に合ったNUCを選定しましょう。